相思相愛 ＹＯＫＯ 作
１． 　四年前、息子の授業参観後、担任に直接、挨拶をしに行ったことで担任に一目惚れされた美しい人妻の中山真理子。 　40代に突入していたがその美しさは増し加わり、さらに美しい女性となっていた。 　街ゆく男性は真理子の美しさにクギ付けだ。 　そんな美しい人妻、真理子には息子の担任にレイプされた過去があった。 　真理子にとっては忘れたい過去であったが以来、欲求不満になっていた。 　自慰することなく消えない欲求不満は真理子を美しさに磨きをかけていた。 　真理子は以前よりも美人と言われることが増えていた。 　しかし化粧はすることなくファッションにも相変わらず疎かった。 　だがそんなところがまた世の男性を虜にさせた。 　息子、優太は日々美しくなる母のことが心配だった。 　街を歩けばナンパされるのではないかそんな不安は消えなかった。 　かつて真理子に一目惚れした担任が夢中になっていたくしゃみも優太にとって不安要素だった。 　真理子が外でくしゃみをしたら美女がここにいますとアピールしているかのように目立ってしまうと思っていた。 　優太はかつての担任が美しい母に一目惚れしたことが忘れられなかった。 　目の前に現れた美しい母を見て担任の顔色は変わった。 「どうもどうもこんにちは」とは普段は見せない様子で取り乱し動揺してデレデレしていた担任。 　あの瞬間に自分の母は美人なのだと悟った。 　以来、自分の母親が美人だという思いは強くなる一方だった。 　口には出さないが美人の話題が出れば、自分の母親を思い浮かべていた。 　男が母を見て美人と思うことも嫌で美しい母を独占したいという思いがあった。 　ある日、優太を不安にさせる出来事が起きる。 　美しい母、真理子が男性と楽しげに歩いているではないか。 　優太はその日から再び、美しい母への心配する不安が強くなってしまう。 　美しさの増した真理子だったがくしゃみは相変わらずだった。 　むしろ息子の担任にレイプされ、鼻を刺激されたことで鼻の粘膜は敏感になりくしゃみが出やすくなっていた。 　真理子はそのくしゃみがコンプレックスだった。 　くしゃみをする度に息子の担任に襲われたことを思い出させていた。 　同時に欲求不満もあった。しかし真理子はその物足りなさが何から来ているのかわからなかった。 　ある日、結婚前勤めていた会社の元同僚に久しぶりに会った真理子は物足りなさを相談する。 　すると元同僚は「今、うちの会社、パートの募集かけてるんだけど真理子やらない？」と聞いてきた。 「真理子なら仕事のこと分かってるし、男性ウケもいいから」なんて言う。 　真理子は興味を示す。男性ウケも良いと言われたことは置いておいて、職場復帰は以前から憧れていた。 　子育ても落ち着いた。良い機会ではないか。 　真理子は思った。 　早速、面接に行くと当然のように受かった。 　真理子を知らない男性は美しい真理子に魅了され、かつての男同僚も真理子の職場復帰にテンションが上がる。 　そんな中、美しい真理子に気にも留めない男が一人いた。 　一週間後、真理子の職場復帰初日を迎えた。 「今日からパートで入る中山真理子です。以前も勤めていて旧姓小野です。よろしくお願いします。」と挨拶する。 　男性陣は美しい真理子に鼻の下を伸ばし釘付け状態だ。 　女性社員は呆れる。 　しかしかつての同僚たちも美しさの増した真理子に驚く。 　真理子の隣は西村良二というちょっと見た目は地味な男になった。 　真理子が美しい笑顔で「中山です。よろしくお願いします。」と挨拶するとそっけない感じに「西村です。よろしくお願いします。」と挨拶を返した。 　真理子は人付き合いが苦手な人なのかなと思った。 　そして西村が真理子の担当ということに不安に思った。 　この西村が真理子が面接に来た時に気にも留めていなかった男であり40歳にして女気ないザ独身男であった。 　だからこそ西村が美しい真理子の担当に抜擢されたのだった。 　職場ではくしゃみは極力我慢を決めていた真理子だったがなぜかわからないがこの男の前ではくしゃみはしたくないと思った。 　美しい人妻の真理子と女気のない独身男の西村。 　この２人がやがて相思相愛の恋に落ちるとは誰も想像できなかった。
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2015年7月8日掲載
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