相思相愛


相思相愛　ＹＯＫＯ作
４．　良二がドアを開けるとそこにいたのは母親だった。　人妻の真理子がいるときにマズイと思った。　そういえばさっき電話がなった。　うっかり真理子が「はい。西村です」と電話に出てしまい、そのまま電話が切れたという。　あれは母からだったのか。　真理子が西村ですと出てくれたことにトキメイテいたがそれどころではなかったと焦る気持ちが強まる。　真理子の靴を見て母は「お客様？」と聞いてくる。　頷く。だから今日は帰ってくれと思う。　すると真理子が顔を出す。　母は「あら？」という。「もしかして良二の彼女？」と聞いてくる。　頷きたい気持ちをこらえて否定する。　真理子は赤面してる。　その上、母は信じてない。「良二にこんな美人な彼女ができてたなんて知らなかった。さっき電話した時、女の人が出たから間違えたと思って切っちゃったわ」と言う。　西村は人妻とは言わないがただの会社の同僚でお礼にと手料理をご馳走になってることを説明するが信じてない。　邪魔しないからとだけ言い残して帰ってしまった。「今度はうちにも遊び来てね」と真理子に声をかけた。　正直、美しい憧れの真理子が彼女と思われたのは嬉しかったが複雑な気持ちだった。何たって人妻だったからだ。　真理子は良二の彼女と思われたことが嬉しかった。　二人は食事の続きをした。　お互いに幸せを感じた。　真理子を近くのスーパーで降ろした。　また月曜日と別れた。　二人とも別れが惜しかった。　西村が家に帰ると母から電話があった。　真理子の指輪を目につけていたのだ。　月曜日、会社に行くと　西村は真理子に挨拶するとあるお願いをした。　実は真理子の結婚指輪を見てフィアンセと勘違いされたのだ。　一度実家に挨拶に来てくれということだったという。　もし人妻と知ったら倒れてしまうかもと言う。　真理子は「いいですよ」と答える。　旦那より西村の奥さんと思われたいという願望が強かった。　見ず知らずの周囲に者に西村と夫婦と思われたと思うだけで幸せなのに西村の両親からフィアンセと思われたと思うと感涙ものだ。　真理子は自分が西村と結婚した時のことを想像していた。　西村真理子。中山真理子よりも美人っぽいと思えた。　むしろ語呂がいいとも思えた。　西村のことも良二さんと呼ぼうと考えては赤面していた。　しかし西村は本当のことを両親に話すと言い出した。「実はあの女性は人妻で会社のパートさん。お礼がしたいと言われ、つい手料理が食べたいと言ったら承諾してくれた」と本当のことを西村は両親に話した。「まああんな綺麗な人が独身なわけないと思ってた。でもあの人のこと好きなんでしょう」と言われる。　西村は図星だった。　ある友人にも言われた。今、恋してるでしょ。それも人妻。　心理学専攻の友人だけに見事に的中していた。　真理子の方は西村への恋心は強くなる一方だった。　人妻だからと抑えようとする西村とは対照的だった。　しかし西村が真理子に対してだけ心を開いてるのは社内でも噂になっていた。　二人ができているのではないかと噂する者もいた。　真理子をパートに誘った同僚も真理子が西村に特別な感情を抱いてるのを察していた。　電話で「それをやったのは西村さん。西村さんよ」と西村さんを連呼していた。　西村さんと呼ぶときの真理子が嬉しそうだったからだ。　やがて真理子は西村に自分を襲ってほしいと思う。　かつての息子の担任に襲われて以来性欲に襲われるようになった。　なんとか誤魔化してきたが西村への恋心に気づいて以来、西村と肉体関係を持ちたいという思いはなくならなかった。　だからこそ嫌われたくなかったしくしゃみも我慢してきた。「お礼がしたい」と真理子はそう言って再び西村の家を訪れる約束をする。　真理子と並んで買い物する。ハタから見たら夫婦。　そう見られるのは西村は悪い気がしなかったし美しい真理子と夫婦に思われるのは心地良かった。　だからつい快諾してしまう。　しかし西村にとってこの快諾が人生を変えることには気づいてなかった。　買い物を済ませて西村の家に行き、キッチンに立ち前回同様エプロンを取り出したかと思うと真理子は突然、服を脱いだ。「西村さん。私を抱いて」　西村はその意味がわからなかった。　とりあえず美しい真理子を抱きしめた。「物足りない。西村くん、良二さんも」脱いでと言われ、西村くんや良二さんと普段とは違う呼び名に興奮する。　そして脱ぐ。　真理子は「全部脱いで」と言う。　気づくと真理子は全裸だった。　色白で美しい身体だった。　おっぱいはそれほど大きくない。　しかし真理子に恋するまで女気のなかった良二にとってはそんなことは気にならない。　女性の体を見たのは初めてだったが興奮した。　西村も全裸になる。「触って」真理子は言う。　童貞の西村はセックスの仕方など知らない。　真理子に先導されるまま、胸を触る。　その感触は心地よかった。「舐めて」と言われ西村はどんどん勃起する。　真理子は経験者と思うと少し悔しい。　その日、西村は童貞を捨てた。　真理子に入れてと言われ苦労しながらも挿入する。　こんなに射精したのは初めてだ。　真理子はかつての息子の担任がくしゃみすると引き締まって気持ち良いと言ってたことを思い出し、我慢せずくしゃみする。　西村にまた快感与え、西村はまた射精する。　真理子は「逝く。逝っちゃう」と叫んでる。　西村が抜くと真理子はまたくしゃみした。　真理子のくしゃみする表情が西村をまた興奮させた。　さっきまで逝くと言ってた表情、声と一致するのだ。　真理子は抜いたばかりの西村に「顔にかけて」と言う。　西村は真理子のくしゃみの表情と声で出かけた精子を真理子の美しい顔に目掛けてかけた。　色白の真理子の顔に白い精子がかかり西村はまた勃起する。　これがセックスかと西村は思った。　真理子は精子のにおいでまたくしゃみをしながら欲求不満が満たされ快感を覚えていた。「また私がリードしてあげる」年上の真理子はそういった。「でも徐々に良二さんがリードしてね」と付け加えた。　しかしこれが２人にとって最初で最後のセックスとなることにふたりは気付いていなかった。
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2015年7月15日掲載
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