２２

「わあぁ〜、素敵なお風呂ぉぉ〜！露天なんですねぇ〜！」
　真っ白なハダカの前をタオルで隠した彼女が透通った声で叫んだ。
「早くおいでぇ〜！」
　先に湯船へと飛び込んだ僕は、昼間の日差しに照らされた奈々子チャンの素肌に目を眩ませ手をふった！
「そんなに見ないでください・・・・・」
　ジィ〜と見詰める僕に照れた彼女は、ハダカの前を隠すタオルに注意しながら湯船へと入ってくる・・・。

「あ・・・！流さずに入っちゃった・・・・」
　腰まで湯に浸かった彼女は、フワリと浮かぶ薄いタオルを湯の中に押し戻しながら呟いた・・・。
「僕もそうだった！常識ないよねぇ〜、俺達！」
「ふふふ、そうですね！イケませんよねぇ〜」
　そう言って照れ臭そうに笑った彼女は、横に並ぶ僕の二の腕へと頭を乗せて、嬉しそうにお湯の温かさを味わった・・。

「アンっ・・・・・・！ダメですよぉぉ・・・・・」
　首から股間へと伸びたタオルを横から奪い取った僕に、可愛く慌てる奈々子チャン。
「湯船にタオルなんて入れちゃあダメでしょぉ〜！」
　もっともらしく彼女を叱るエロエロ中年！
「そうでした・・ゴメンなさい・・・」
　奪われたタオルに手を伸ばし掛けた彼女は、申し訳なさそうに俯くと伸ばした手を引っ込める・・。
　僕は奪ったタオルを石造りの縁へ置いた・・・。

「そ・れ・に！　こんなモノが有ったらお湯で濡れる奈々子チャンの肌が見難くなるじゃんっ！」
　そう言って上から湯の中を覗き込む僕に、慌てて胸を隠す彼女。
「恥かしいですよ・・・そんな事されたらぁ〜・・・・」
　僕の視線と戦うように、必死で肌を隠す彼女・・。
「だからぁ〜、お風呂なんだから丸見えでも我慢しなきゃぁ〜！」
「そうですけど・・・。でも、こんな明るい所で見られるのって・・・初めてじゃないですか・・・・？」
　胸を隠したまま両手の動きを止め、恥じらいながら呟く奈々子ちゃん・・・。
「そうだよネ！外の明るさって、電気の明るさと違って隅々まで確認できるもんねぇ〜」
「・・・・・そうですよ・・・だから・・・あんまり見ないでください・・・・。自慢できるカラダじゃないですから・・・」
　湯に映る自分の顔を見詰めて囁く彼女を僕は抱き締めた！

「だったら抱き合ってようよ！そうすればジロジロ見られなくて済むでしょっ！」
「もぉう・・・・。やっぱりエッチです・・・・青木さんは・・・・・」
　頬を赤らめ、それでいて嬉しそうに微笑んだ彼女に、僕は熱いキスをお見舞いした・・・・！

「ハア・・・アアッ・・・・！」
　お湯の中で抱き合ったまま唇を重ね、お互いの舌を馴染ませながら乳房に手を充てた・・・。
　温泉で温まる適量のオッパイが僕の手で押し潰され、彼女は小さな吐息を漏らした・・・。

「奈々子チャンのカラダ、凄く素敵だよ・・・」
　唇を振動させた僕の囁きに彼女の顔が一気に赤くなる！
「素敵・・・じゃ、ないですよぉ・・・。ああっっ！！・・」
　押し潰したオッパイの真ん中で尖るチクビを指で挟む僕に、少し大きく喘ぐ神崎ちゃん・・・・。
「お風呂で・・・・こんなコト・・・・ズルいですぅ・・・青木さん・・・・んんんんっっ！！」
　唇を解放し、バストへと下がった僕の舌先がお湯と一緒に奈々子の乳首を絡めとる！
「アア・・・・っっ！アンッッ・・・・！！」
　チャプチャプと湯面を揺らし、舌先で転がす突起が最大に膨らむ・・。それを甘噛みしては乳房を揉もしだいていく！
「感じちゃうぅぅ・・・・・・・ヤァァ・・・・ああ！」
　明るい日差の元、お湯のヌメリで輝く裸身を味わう愛撫が突き進んでいく！！

「そ・・そんなァ・・・〜」
　湯船の角へ彼女を押しやり、身動きできなくなった裸身を膝裏に絡めた両腕で掬い上げる・・・！裸の上半身がお湯から飛びだし、湯玉を弾いた白桃へ顔を埋める。
「あん、アンんん・・・！ヤンっ、アン！あああん！！」
　直角の縁に両肘を乗せ、掬い上げられた裸体のバランスを保とうとしながらも悶える彼女の艶姿に、肉棒がグググと勃ちあがってくる！
　勃起を果たした陰茎が温泉に馴染み、流れ込んだ血液が熱せられ興奮度が増す。

　淫欲に弾かれて前へ進んだ腰が、Ｍ字開脚の底で湯に塗れる秘部へと屹立の先を押しこみ、湯とは異質の成分で柔らかく解れた入口へ、充血した頭を潜り込ませる！
「ううんんっっ！！・・・・・やあぁぁ〜っっ・・あああ！！ううう・・・・」
　前触れもなく壺口をくぐった亀頭に息を詰めた彼女は、弱々しく瞳を開くと、身体を支えていた両手を僕の首へ絡めてきた！
　支えを失った女体が湯の中へ沈み、それに伴い肉裂が深く屹立を咥えこむ！
「ア・・・ア・・っ・・・・・！ダメっ・・！！イイっっ！！」
「くう・・・・！気持ちいい・・・っっ！！」
　ズブズブと泡を発しながら充分に深くなった性器の結合に、互いの口から喘ぎが漏れた。

　浮力の作用した彼女のカラダを、膝裏に絡めた腕で存分に揺り動かし、温かい壺肉をカリ首で擦り上げる！
「あああ！！んんんっっ〜！！」
　湯船の中で強くなる律動に、次第に燃え昂ぶっていく奈々子・・・！
　淫声を咽び漏らす半開きの唇を荒々しく塞ぎ、奮える舌腹を夢中になって吸引しながら、彼女の両脚に挟まれた腰をハイスピードで動かす！
　湯面を弾かせながら継続されるピストンに頤を反らし、身を奮わせながら早くも舞い上がる寸前だった彼女の耳に、突然誰かの声が飛び込んでくる！

『へえ〜、結構イイ感じじゃないっ！』
　どうやらそれは、壁一枚隔てた隣の家族風呂へやって来た客の声らしい・・・。
『風呂も檜じゃん〜！』
　最初に響いたオンナの声に続いて、若々しい男の声が響く・・・！
『入ろうぜぇ〜！！』
　二人分の湯シブキが上がる音が聞こえ、その後に静寂が訪れる・・・・。
　
「青木さん・・・・すぐ近くにお風呂が有るんですか・・・・・？」
　蜜穴にペニスを挿れられたまま不安そうに囁く彼女に、僕は良く分からないといった顔をした・・・。
　だけど僕は知っていた！この宿の造りを・・・・！
　この宿は受付で指示された通りに廊下を歩くと、行き着く先には一箇所の風呂入口しかない。
　しかし、スタートから枝分かれした廊下が何本か通っており、最終的には宿の中心に設えられた４つの家族風呂へと集まる仕組になっている。
　つまり、全ての風呂が壁を境に四角を形成し、各々の風呂が最低２箇所を別の風呂と面するという造りになっているのだぁ！
　当然しっかりとした仕切り壁がお互いのプライバシーを守ってはいるが、上空が命一杯開放された露天風呂では、双方の声が伝わるのまでは防げない・・。
　僕は今日、こんな状況に置かれた奈々子が、どの様に変化するのかを見たくてココへ連れて来たのだった〜！！

２３

『もおぉ〜・・・大地ったらスグに大きくなるんだからぁぁ〜・・・・！』
　隣のオンナが意味深なセリフを吐く・・・。
『だって仕方ねぇだろ〜！咲子さんがエロい身体してんだからよー！』
『フフフっ。嬉しい褒め言葉ネ！ソコに座ってこらんなさい・・・・舐めてあげるから』
『ヤッタぜぇ〜！！』
　お隣の会話がじょじょに色付いてくる・・・！

『オオオオ！！やっぱり気持ちイイよお！咲子サンのフェラチオ〜！』
　どうやら始まったようだ・・・。カップルで家族風呂に来て、ナニもしないなんてヤツが居たらお目に掛かりたいモンだぁ！！
　隣が何を始めたか、奈々子チャンにも理解できたようだ・・。
　緊張からか強張りを呑みこむ蜜穴がキュン！と締まり、恥かしそうに身体を密着させる彼女・・・。

「あ、青木さん、どうしましょう・・・・・・」
　お湯が波打つ音まで隣に聞こえそうで、僕にしがみ付いたまま身動き一つしない彼女が小さな声で問い掛けた・・・。
「アッチの方が凄そうだから聞こえやしないよぉ〜！」
　わざと大きな声を出してから腰を動かす僕に、飛び出しそうになる喘ぎを堪えてイヤイヤをする彼女。

『となり・・・・誰かいるねっ・・・・』
　コチラに気付いた隣の女の囁きが聞こえた。
『恥かしい？咲子さん』
『全然へいき〜！聞かせてあげようよっ』
　嬉しい程に奔放な隣の女性に僕は感激した〜！

「ほら、隣は気にしないってさ！コッチも気にせず楽しもうよぉ〜！！」
「そ、そんなぁ・・・・・・・。ヤアアアァァァ！！」
　嵌め込んだ陰茎の活動を強めた僕に思わず喘いだ奈々子ちゃん！
「もっと開放的にっ！変わりたいんだろお！！」
「で・・・でもぉぉ〜・・・・ヤン！ア！アア！アアアっっ！！」
　抽送の幅を拡げ肉孔を摩擦する僕に、堪らず嬌声を漏らしてしまう奈々子・・！

『私も欲しくなっちゃった〜』
『俺も我慢できねぇよぉ〜！』
『バックからしてぇぇ〜』
『厭らしいケツだな！挿れるよ！』
『アアアア！！イイイイいいいい！！！！』
　隣のオンナが高らかな淫声で挑んでくる〜！
　こちらも負けてたまるかと、繰り出す腰フリに強度を増していく！
「あんんん！！　ダメぇぇ〜〜！！そん・・なぁ！・・！つよ・・・いいぃぃーーー！！」
　彼女の身体がお湯の中で激しく跳ね上がり、湯面がバシャバシャと音をたてる。
『そこぉぉ〜！！イイイイイっっ！！』
　壁一枚隔てた露天風呂で、二組の男女が性の競演を繰り広げる！
　直後、隣から一際大きな嬌声と若者の唸り声が挙がり、そのまま静寂が訪れた・・・。
　早くも一戦終了かな？・・・と、隣の様子を伺いながら腰を振っていると、仕切り壁付近でカサゴソとした音が聞こえた。

２４

　奈々子の膣穴を剛責めしながら、音がした壁を凝視する僕・・・・。
　時折、何かが壁に触れる音が聞こえる・・。恐らく、一戦を終え身を持て余した隣のカップルが、こちらの様子を探るために壁際へと聞き耳を立てに来たのだろう・・・。
　それを察知した僕は、愛しい奈々子の淫声をもっとカップルに届けてやりたくなる！

　M字の両脚に絡めた腕を一旦解き、挿入していたイチモツをゆっくりと引き抜く・・。
「あ・・・・っっ・・・！」
　切り立ったエラが膣口をコスり出たとき、奈々子は切なそうに喘いだ。
「奈々子・・・・立って・・・・」
　僕は初めて、面と向かって彼女の名前を呼び捨てにした・・・。
「あん・・・・・は・・・い・・・・」
　淫靡に変色した瞳のまま嬉しそうにハニかんだ彼女は、お湯を揺らして立ち上がると、朱に染まる濡れた裸身を日の光に晒した。
「もっと厭らしいこと、したいよね？」
「はい・・・・」
　名前を呼び捨てられたコトで僕に対する親密感が増したのだろうか・・？
　表情を輝かせたまま片手を伸ばした彼女は、お湯と蜜液でヌメるペニスを逆手で握ると、手の平を裏筋に密着させて素早く前後させた・・。

「・・・奈々子っ・・・！」
　彼女の積極的な態度に感化された様に、握られたペニスがビクビクと熱い脈をうつ！
「堅い・・・・・すごく・・・・」
　エロチックに呟いた奈々子は、お湯の中へと身体を沈めると、小さな唇へとペニスを流していった・・・！
　痛いくらいに勃起したペニスに巻きつく熱い舌に腰がジリジリした・・・。
　いつも以上に熱心な口奉仕を見せる行為ひとつ取ったとしても、ココへ連れてきた甲斐があったと感じた。
　でもやはり、ここからもう一歩先へ進んだ時の彼女を見たい〜！エロおやじの貪欲さに呑まれた時の奈々子を・・・！

「もうイイよ・・・」
　優しく囁きフェラチオを止めさせた僕は、彼女の手を握り湯船から出すと、そのまま壁側へと引き連れていく。
「コッチは・・・・」
　いくら静かになったとはいえ、まだ人の気配のする向こう側に戸惑う彼女・・。
「大丈夫だよ・・・・僕の言うコトを聞きなさい！奈々子っ」
　優しさを篭めた抑え付けが功を奏したのか、躊躇いながらもコクンと頷く奈々子・・・。
「ソコの壁に両手をついて、お尻をコッチに向けてごらん・・・」
「はい・・・・。でも、恥かしい・・・・・」
　羞恥の言葉を口にしながらも壁に両手を着いた奈々子は、シミひとつ無い背中を水平に反らすと双臀をこちらに迫り出し、自らの意思で肩幅まで両脚を開いた・・・。

　僕へと突き出された小さな双臀を掴み、腰を寄せて照準を合わせる・・。
「あ・・・・・・！」
　握り締められたヒップのヘコミに細く喘ぐ彼女・・・。
　僕は一気に腰を突き出すと、ペニスの全てを奈々子の膣道へ挿入した！

「ハアアアアッッッッーーーー！！！！！！！」
　一直線に突き進んできた硬直の肉が奥を叩き、真っ白な背中が急激に反りかえる！！
　壺奥を叩いた先端を素早く引き出し、再度強烈な突きこみをお見舞いする！
「ふはあああああああああああっっっっ〜〜〜っっ〜〜〜！！！！！」
　晴天を突き刺す鋭い嬌声が立ち登り、小振りなヒップがキュウ〜と引き締まる。
　数回同じ繰り出しを蜜道に浴びせた僕は、今度は速度を落とし、ペニスの長さを確かめさせる様に深いストロークを重ねる。
「アン！ああっ！〜〜・・！ヤンンン・・！！　イイィィーーー！！！」
　仕切り壁へと押し付けた両手をガタガタと揺らし、淫蕩な世界へと引き込まれていく奈々子・・・・！
　肌と肌が弾ける音が隣のカップルにも聞こえているだろう・・・。高らかに鳴く奈々子の淫声が、二人の興奮を煽っているだろう・・・！
　そう思うだけで興奮度が増す僕は、厭らしい喘ぎをもっと聞かせようと叩き付ける腰の回転を速めていく！


２５

　「あああ・・・いいいいい！！！すご・・・いいっっっ〜〜っっ〜〜！！！！」
　立ちバックで貫かれる裸身を強烈に振動させ淫声を連呼する奈々子は、すぐ前の壁裏にカップルが耳を寄せているなんて思ってもいないだろう・・。
　溢れてしまう大きな淫声からくる恥じらいが、時折手の平を口元に運ばせるが、苦しい呼吸と噴き出す喘ぎがすぐにその手を弾き飛ばす！
　そんな奈々子に興奮しながらも冷静に仕切り壁を気にする僕には、こちらに感化された隣のカップルがもつれ合う音が確認できる・・。
　壁の向こうからは小さな喘ぎが聞こえ始め、熱の篭った肌の触れ合う気配がじょじょに伺い知れる！

『すごいな・・・・・・』
『うん・・・興奮しちゃう・・・・・・もっと触って・・！大地ぃぃ〜』
　悶え捲くる奈々子が気付かない程の小さな声で囁きあい、火照り出した素肌を絡ませていく隣のカップル。
　濡れた舌が肌を舐めるペチャペチャとした音が、繋がった空を伝い程よく僕を刺激する・・！

　『我慢できねぇよ・・！』
　淫蕩な雰囲気に呑まれた若い男が、股間の昂ぶりを抑え切れずにオンナに迫る。
『いいよ・・。挿れてぇっ』
『イクぞぉぉ』
『ああ・・・堅いいぃぃ〜〜っっ』

『うううんんん！！！イイイイィィィィーーー！！！』
　挿入直後は声を殺していたオンナも、激しく叩き付ける腰に堪らなくなったのか、高らかな嬌声を吐き出す！
　その淫声は立ちバックで揺れる奈々子にも確実に届き、淫靡な世界に翻弄されていた裸体の奮えがピタリと止まる！
　大人の色香を孕んだ隣のオンナの甘声に聞き耳を取られていた僕は、慌てて腰の動きを荒くして、蜜穴を猛烈に抉りだす！

「ああああ・・・・！！やああ・・・！聞かれちゃ・・・うううぅぅ〜！！！」
『はああああ！！！　激しい〜〜！！　ううううんんんん！！！！』
　一枚の仕切り壁を挟み、タイプの異なる雌が挙げる淫音が忙しなくせめぎ合う！
「ダメっ！　ダメぇぇ！！あ！あおき・・さんんんんん！！　いっちゃうううううううう！！！！！！」
　奈々子の細いウエストが急激に引き絞られ、肉棒をはさむ双臀がブルブルと奮え頭部が反りかえる！
「青っっ木ぃぃぃさんんん！！！イッッッ！！クゥゥッッッゥゥゥ！！！！！」
　掠れた声を振り絞った奈々子は、電気ショックを受けたように全身を激しく痙攣させると、仕切り壁を押していた腕から全身が脱力し、ドッサリと石畳へ崩れ落ちた。
「あらら・・・・どうしよう・・・・」
　スポンと抜け落ちた陰茎が天を向いたまま、直前でうずくまる奈々子を見下ろした僕ちん・・・。

『イクぞおおお！！！』
　またもや隣の男が射精を迎え、アチラの２回戦が終了したようだ・・・・。
　石畳の床に横ばいとなり、意識が混濁する奈々子を抱き抱えた僕に、隣のオンナの叫びが聞こえた。
『もう！早いよっ！大地ったら！』
　思わず僕は吹き出したのだった・・・。

２６

　グッタリとしたままの奈々子の身体をバスタオルで拭き、素肌に浴衣を着させた僕は、全身をフラつかせる彼女を部屋へと運んでいった。
　この旅館の利点は、貸切温泉と休憩部屋をセットで提供しているところだ。
　すなわち、風呂でヤルも良し、火照った身体を部屋でさらに燃やすも良し、と言ったところだろう。

　未知なる経験が淫感をイヤと言うほど煽り、それに呑まれいつも以上に乱れてしまった自分を恥じているのか、僕の顔を見ようとしない奈々子・・・。
　気だるそうに熱の引かない身体を畳に横たえ、暫く無言を貫いた奈々子は、落ち着きだした呼吸と共に一気に眠りに落ちてしまった・・・。

「ちょっと刺激が強すぎたかな〜・・・」
　奈々子がこんな風になるなど予期していなかった僕は、ポリポリと後頭部を掻くと、寝息をたてる彼女にタオルケットをかけ、喉を潤すためのドリンクを買いに部屋を出た。

「奈々子はお茶でいいかな」
　自分用のコーラと奈々子用のお茶を抱えた僕は、歩いてきた廊下を足早に引き返していく。
　すると突然、途中の曲がり廊下から出てきた人物とぶつかりそうになり、慌てて身を交わした僕の腕から、コーラの缶が零れ落ちる！
「あらら・・・・！」
　コロコロと転がった缶が曲がり廊下から来た人物の脚にあたり止った。
　それを拾い上げようと屈んだ相手の浴衣の胸元が割れ、現れた見事な谷間に目を奪われる！

『どうぞ・・・』
　拾い上げた缶を差し出した女性が、僕を見てニコリ微笑んだ・・。
「有難うございます・・・」
　その女性の顔をみたとき、自分の腰周りが妙に熱くなるのを感じた・・・！

　浴衣を纏った細い身体と、余りにも色香を含んだ美麗な微笑み。
　目を奪われるとは、まさにこの事だろう・・・。魅惑的な成熟した女性、そんな例えがピッタリの淑女が眼前で微笑んでいたのだから！

「どうも・・・・済みません・・」
　差し出された手からコーラを受け取った僕は、意味もなく掠れた声で再度お礼を述べた。
『どういたしまして、青木さん』
「はっ！？」
　自分の苗字を唐突に言われ、驚いた僕は改めて女性の顔をマジマジと見た。
（知り合いじゃ、ないよなぁ〜・・・・？？？）
　困惑する僕を楽しんでいるのか、妖艶な笑みのまま僕を見詰め続ける淑女・・・・。

「あの、何処かでお会いしましたっけ？」
　記憶の糸を辿ってみても、これ程までに美しい女性に心当たりがな無い僕は聞いた。
『フフフ・・・・。会っては居ませんわ。声はお聞きしましたけど、先程・・』
「んんっ？？　ああああ！！マサカああああ！！」
『気付いていただけました？良かったわ』
　仕切り一枚挟んで甘い声を聞かせてくれた女性・・・。それが咲子との出会いだった・・・！