妻、禮子ものがたり

龍 晃一 作
第４章　禮子と誠二の初めての夜


　昼下がりから仕事にならなかった。心は完全に禮子に飛んでいた。私としては何もすることができないのだ。
　禮子に携帯をして「今日は帰れ」と言うことは出来るが禮子も楽しみにしている雰囲気がある。槙田は禮子と会えることをもっと楽しみにしているはずである。槙田は禮子のプレゼントを買って、禮子を妻として迎えることに楽しみを抱いている。

　イライラしているので早めに帰宅した。娘２人を連れて回転寿司に行くことを約束していた。娘達は回転寿司で寿司よりもデザートが気に入っている。
「ママも来れば楽しいのにね」
「ママはお仕事なの----お泊りの出張なのよね、パパ---」
「そう、ママは出張なのだから------」
「可愛そう---こんな美味しいもの食べられないのに---」
　妹はママに同情している。

　娘達は大好物を沢山食べた。これでお風呂に入れるとすぐ寝てしまうと思えた。お風呂から出て暫くすると眠ってしまっていた。娘達を子供部屋に連れて行った。

　一人になると禮子が心配になってきた。１０時を過ぎた頃に携帯が鳴った。
「あああああ----逝きそう―---逝く逝く---------」
　禮子の喘ぎ声である。そして、切れた。

　それから３０分ほどして再び携帯が鳴った。
「誠二さんに一杯されているの-----パパ、興奮した。誠二さんのがお腹の中に入っているのよ-----あああ-----動かさないでお願い---感じてしまうの-----お口と子宮に大量に誠二さんの精液を飲まされたの-----」

「もしもし、禮子は素晴らしい。餅肌も大満足です。お口と子宮に私の精液を飲ませました。感激です。私のことを愛していると言ってくれました。感激です。今夜はまだまだ頑張ります----」

「パパ----もう切っていい----今日は何回失神したのか解らないくらいに逝かされました。誠二さんは、私を離したくないと言っているの------もう、切っていい-----」
「切らないで----禮子が逝かされている声を聴きたい----」
「逝かされている声を聴きたいのですって----」

「あうあう-----いい------逝きそう―---逝きそう―-----逝く逝く----------------------」
　禮子の歓喜の声が聞こえてきた。その声を聴きながら私は懸命に扱いていた。禮子の歓喜の声に合わせて禮子のショーツに私の精液を噴火させていた。

　ベッドに戻っても身体が火照って眠れなかった。携帯をして禮子の声を聴きたいと思ったが鳴らすことができなかった。２人の時間を邪魔していると言われたくなかった。この一夜でお互いのクセを知り、更に求めあっていると思うと腹立たしくなってくるが、今になっては後戻りはできないと思えた。

　朝の７時過ぎに娘達に起こされた。３人で軽く朝食を食べ、３人でディズニーランドに行くことにしていた。３時まで家で待ち続けることは気が狂いそうになると思えた。気分を一新するには禮子のことを忘れ去ることのできる遊園地に行くしかないと思えた。娘達と８時過ぎに電車に乗った。

　日曜日のディズニーランドは親子連れやカップルで溢れていた。パレードまでの時間は娘が希望するテーマパークの行列に並び入場した。遊びに熱中してくれている間、娘達は完全にママのことを忘れていてくれた。私もディズニーランドに来たことで遊びに夢中になっていた。お蔭で禮子のことを忘れていた。

　禮子は４時過ぎには自宅に戻っていると思えた。今日は５時までディズニーランドにいる予定にしている。公園から禮子にメールを打った。
「１８時頃に戻るので疲れていたら休んでいて下さい」
　１５時半過ぎに禮子からメールが届いていた。
「帰ってくるまで休んでいます。ゆっくりしてきていいですよ----」

　禮子と誠二は燃え上がっていたので、激しく求めあったと思えた。帰宅すると今夜は禮子からして貰えるという期待感があった。禮子からして貰えるという楽しみが湧いてきていた。そのことを思えと冷静でいられなくなった。禮子は子供達がいないので安堵して眠っていると思えた。ハレードのにぎわいの中で誠二からもメールが届いていた。

「森田さん、ありがとう。私は愛されることの素晴らしさを禮子によって体験しました。禮子さんは、私の妻に成りきっていました。食事を作ってくれ、その食事を二人で食べることの歓び、二人でお風呂に入りお互いが流し合いをしながら求めていました。禮子の口の中にミルクを吐出し、禮子の愛液を啜りました。こんなに美味しいものとは知らなかったです。私が長くクリストスと膣口を愛撫したので、禮子は燃え上がっていました。
　ベッドで禮子の子宮に２回もミルクを放出したのに、今日はピンピンのペニスがありました。膣から抜くと湯気が立ち昇るほど熱くなっていました。そのペニスを禮子は咥えてお掃除フェラをして貰いました。感激です。森田さんに感謝しています」

「私は愛するという行為を忘れていました。禮子を上にして６９の体位で愛撫し合いました。お互いが燃え上がり愛を感じているということは、お互いの性器を舐めることも愛液を嚥下することも美味しいと思えた。愛は通常では考えられない行為を愛しいと思いながら行えるものです。真剣に愛撫しました。この行為は愛する者同士しかない感じえない翠光な愛の行為なのだと思えました。禮子さんによって青春を取り戻すことができました」

　槙田誠二は、彼の性格からして私との約束を守る為にありのままに話してくれていると思えるが、私にすればその言葉が私の心にグサッと突き刺さる思いであった。潔癖であった禮子が槙田氏の実直さと妻を亡くした同情心から槙田氏に特別の感情を抱いてしまったことに気が付いた。禮子の優しさなのであろうが禮子が誠二の精液を愛しいと言って嚥下した言葉は、ショックであったが、そこに禮子の優しさがあると思えた。

　禮子は私にない素朴で真摯な性格に同情してしまい、槇田氏に性器を口で愛撫して貰い、何度も逝かされたことで肉体も心も槙田氏に靡いていたことを槙田の報告から感じた。女は逝かされることで心まで傾注したことを感じた。気持ちは嫉妬しているが禮子の素直な心に私の心も許せる気になっていた。

　これから二人がどのように進展するか楽しみであった。どうなことがあって禮子を２泊以上は貸し出す気持ちはなかった。
　槙田誠二の真摯な心は、私との約束を破られることはないと確信できた。彼の新たなる夢を聞かされることが怖いと思える。
　槙田が禮子を愛してしまった事実を知り、嫉妬と安心感が芽生えていた。今後、毎月昼間とお泊りで１泊することを承認している。この約束を反故するつもりもないが嫉妬しながら愛する禮子が別の男からも愛されている事実を確認した。

　５２歳の槙田はセックスのベテランである。昔３Ｐや４Ｐをしていたことを聞かされたことがある。緊縛することも関心があるようだ。槙田が禮子をどのように調教するのかを楽しみにも思えた。喜多村という吊り師に指示を受けたと聞いた。亡くなった奥さんを喜多村氏に１ケ月も預けたと話された。その詳しい話の続編を知りたいと思えた。奥さんは１ケ月間、喜多村師と寝起きし、緊縛されて撮影され、喜多村師の妻として仕えていたようだ。歴史は繰り返されている。今度は私が妻を槙田氏に預けることになってしまった。これも前世からの因果関係なのだろうかと------。
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2014.5.31掲載
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