| 後ろの正面 だれ？ 風天（かぜ あまみ） 作 |
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| 後ろの正面 だれ？ 第２話 慶介のワンルーム 母の章 禁断の妄想 息子、慶介が就職してから約一カ月。 ゴールデンウィークを利用して泊りがけで息子のマンションへ出かけた。 こちらへ帰省させることも考えたが、慶介の暮らしぶりが知りたかった。 久しぶりに慶介に会える。 はやる気持ちを抑えつつ、ハンドルを握る。 大手の服飾メーカーの流通センターに勤務する慶介は、おとなしいと言うか気が弱い。 几帳面な性格なので、上手くなじめているかも心配だった。 車を走らせること約２時間半。 幸い渋滞に会うこともなく、昼前に到着した。 車をマンションの下に停めたまま、インターホンを押した。 「どちら様ですか?」 聞きなれた声も、今は懐かしい。 「母さんよ、久しぶり、元気そうね。先にランチに行かない?」 「そうだね、すぐ降りるよ」 程なくオートロックの自動扉の向こうに慶介が現れた。 慶介を車の助手席に乗せて、近くのファミレスで昼食を済ませた。 晩御飯はお互い一人暮らしなので縁遠くなっている鍋物でもと言うことになり、近所のスーパーへ、そのまま買い出しに向かった。 郊外ということもあり、食材は新鮮で価格も少し安かった。 マンションに帰って、いよいよ息子の暮らしぶりが目の当りとなる。 想像以上に片付いていて、独身男の一人暮らしとは思えない部屋だった。 気になったことは、テレビボードの端っこにマネキンの手が置かれてあることだった。 何故かしらの背徳感を感じつつも、股間に熱いものを感じた。 「これ、どうしたの?」 「会社にあったから、もらってきた」 「何に使うの?」 「別に何にってことはないけど」 ワンルームの一角がキッチンになっているが、かなり狭い。 「私が準備するから、テレビでも見ときなよ」 「いや、母さん運転で疲れてるんだから、母さんがゆっくりしててよ」 結局分担して夕食の準備が始まったのだが、狭いキッチンではどうしても身体の接触は避けられない。 ちょっとした動きの中で慶介の鼻息が耳にかかったり、私の胸が慶介の背中をこすってしまったり。 徐々に敏感になって、接触する少しだけの甘美な快感を楽しみながら準備を進めた。 そして慶介が私の背後を通った時、お尻の上に何やら固い違和感を感じた。 この子も勃起している! 私を女性として意識しているのか、単なる接触での生理的な現象なのかは解らないが、言い知れぬ快感が込み上げてきたことに、慶介を男として意識している自分に否定はできなかった。 何度となく繰り返される、慶介の男性自身との接触。 回を増すごとに強く擦り付けられているのか、自分が押し当てているのか判断できないまま、徐々に湿り気を増してゆく私の股間。 幸いパンティに変形が無いので、潤いを受け止めてくれるだろうが、自分の息子に男性を感じている自責の念が、更に潤いの量を増していく。 まずい、こんなところで絶頂感を感じてしまったら、私はどんな醜態を息子に見せてしまうのだろう。 そう思った時だった、慶介がおもむろにトイレに駆け込んだ。 もしかして？ 思わず食材を切る包丁を置いて、忍び足でトイレに近づき扉に耳を押し当てた。 カラカラとティッシュを巻き取る音だけが聞こえてきた。 自分が想像していた淫靡な音色とは違っていたことに、淫らな想像をしていた自分が恥ずかしい。 再び包丁を握り、食材を切り出した。 ヌメった股間が不快だったので、慶介が出てきたら自分もトイレに行こうと思った。 トイレの扉が音を立てたので、スタスタとトイレに近づいた。 扉をあけて出てきた慶介は少し驚いた口調で、 「なに?、母さんもトイレ?」 と言いながら慌ててトイレの換気扇のスイッチを入れた。 「大丈夫よ、私気にしないから」 ケラケラと笑いながら入れ替わりに入ったトイレの密室では、想像とは違った匂いが鼻を衝いた。 おもむろに扉を閉めて、もう一度よく嗅いでみる。 忘れかけていた香ばしい匂いが全身を包み込み、全身の力を抜いていく。 震える膝に力を入れて、スカートを捲し上げ、パンティを膝まで下げる。 力が思うように入らず立って居られない。 便座に腰を下ろしてティッシュを巻き取り、パンティのヌメリを拭き取る。 その僅かな時間なのに、新たな潤いが股間に湧いてくる。 道徳的な思考も、女の本能の前では無力だった。 何も持たない指先が自らの意思に反して股間へと伸びていく。 なんということだろう。 息子が残した精子の香りに、母であるはずの私が欲情している。 パンパンに膨らんだクリトリスを撫でながら、時折そっと割れ目の奥に指を忍ばせる。 「ああ〜慶介」 漏れそうになる甘い吐息を口に手を当て押し殺す。 許されないことを自覚し、自責の念に駆られながらも、その罪の意識が、尚一層甘美な快感へと誘ってゆく。 洪水と化した陰部の潤いは、動かす指のヌチャヌチャという音量を上げていく。 もし、慶介が自分のように扉に耳を当てていたら… そんな想像が一層身体を火照らせ、指の動きに拍車をかける。 割れ目の奥から新たな潤いの波が押し寄せ、全身に電流が走る。 全身の痙攣と同時に、まるで小水のように股間から放出される大量の水分。 「はぁあ、ああ〜ん」 押し当てた掌の隙間から漏れる歓喜の声。 それが聞こえてしまったかどうかの意識も出来ないぐらいの快感に全身の力が抜けていく。 これは想像の世界の出来事なのだと、自分の意識を慰めながら… 禁断の妄想 終 |
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| 2015年10月31日掲載 |
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