| 後ろの正面 だれ？ 風天（かぜ あまみ） 作 |
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| 後ろの正面 だれ？ 第３話 慶介のワンルーム 慶介の章 母性を超えた母の女性 就職が決まり、一人暮らしを始めて約一カ月。 今日からゴールデンウィークを利用して母が泊りに来る。 初めての一人暮らしだったが、父の闘病生活が長かったせいか、母も留守がちで、思春期の頃に一人で眠ることも少なくなかったせいか、改めて一人暮らしというのも、思いのほか寂しさはなかった。 元々綺麗好きなので、部屋は片付いていたが、今日は少し早起きして、掃除の仕上げをする。 さて、これをどうしようか? 入社後しばらくして、自分のデスクの上に無造作に置いてあったマネキンの手。 「これ、なんですか?」 「あ、すまんすまん、倉庫整理したらそのパーツが半端なので、処分しようと思って忘れてた」 年配者の先輩がそう言いながら、マネキンの手を渡すようにボクを促した。 その手と握手するように手に取った時、なんとも懐かしい母の手を思い出させた。 「これ、処分するんですよね?、貰ってもいいですか?」 「そんな物、何に使う気だ?」 「部屋のインテリアに、面白いかなと思って」 「えっー!、変わった趣味だなぁ」 職場の先輩たちに大笑いされながらも、 「好きにしていいぞ」 と言ったやり取りで、手に入れたものだ。 少し悩んだが、元々ディスプレイなので、無造作にテレビボードの上に置いておくことにした。 程なくインターホンが鳴り、母の声を久しぶりに耳にした。 「母さんよ、久しぶり、元気そうね。先にランチに行かない?」 「そうだね、すぐ降りるよ」 マンションのエレベーターを降り、自動扉の向こうに母が見えた。 母の車の助手席に乗り、近くのファミレスで昼食を済ませた。 晩御飯はお互い一人暮らしなので縁遠くなっている鍋物でもと言うことになり、近所のスーパーへ、そのまま買い出しに向かった。 マンションに帰って、一息入れ、食事の下ごしらえに取り掛かった。 「私が準備するから、テレビでも見ときなよ」 「いや、母さんこそ運転で疲れてるんだから、母さんがゆっくりしててよ」 結局分担して夕食の準備が始まったのだが、狭いキッチンではどうしても至近距離での作業になり、身体の接触も避けられない。 母の首筋から香るソープの匂い。 ブラウスの隙間から見える胸の谷間。 それらが交錯して、なんともいやらしい気分になってきた。 そばに居るのは母さんなのに、何を考えているんだ。 そう思えば思うほど、下半身が窮屈さを感じてくる。 母親に勃起するなど、想像もしていなかった事態に、ジャージのパンツを穿いたことを後悔した。 出来るだけ悟られまいと、流し台に押し当てる形で立ち位置をとって作業したが、母と体を入れ替える際に、背中に胸が当たる。 ほんのり柔らかく、ムニュっとした感触は、まるで背中が性器になったかのごとく、その甘美な刺激をペニスへと送り込む。 そのペニスを擦りたい欲望に駆られ、今度は自分が母の後ろを通る。 勃起したペニスは、ジャージの生地をなんなく持ち上げていて、少し離れて通ってもペニスの先が母のお尻の上にあたる。 その何とも心地よい快感に、何度となく母の後ろを移動し、会を増すごとに強い刺激を求め、強く擦り付けながら通っていく。 気のせいか、母のお尻も突き出てきているように感じた瞬間、絶頂の波が押し寄せてきた。 急いでトイレに駆け込みジャージをずり下げてトイレの蓋に手をかけたが、かぶせている布のカバーで指にかからず、そのまま勢いよく射精してしまった。 仕方なくティッシュを巻き取って、ペニスと蓋の布を拭く。 一通りの作業を終えて、トイレから出た時、勢いよく母が向かってきた。 「なに?、母さんもトイレ?」 想定外の母の行動に少し驚き、慌ててトイレの換気扇のスイッチを押した。 「大丈夫よ、私気にしないから」 ケラケラと笑いながら入れ替わりに母がトイレに入った。 匂いは大丈夫だろうか。 こんなことなら、蓋にかぶせた布製のカバーを持って出てくるべきだった。 耳を澄ませばカラカラとティッシュを巻き取る音。 特に問題はなさそうなので、少し安堵した。 作業に戻ってしばらくしてもトイレから母は出てこない。 心配になりトイレの前で声をかけようとしたが、とりあえず扉に耳を押し当てて様子をうかがった。 なにやら荒い息遣いがたまに聞こえてきたので、大丈夫かと声をかけようとしたとき、 「はぁあ、ああ〜ん」 悲鳴なのか、喘ぎ声なのか。 呆然とトイレの前に立ちすくんで動けなくなってしまった。 しばらくするとカラカラというティッシュを巻き取る音が聞こえたので、ひとまず安堵し、作業を再開した。 程なく、何事も無かったかのようにトイレから母が出てきた。 その後、話しかけづらくなり無言で黙々と作業を続けた。 母性を超えた母の女性 終 |
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| 2015年11月7日掲載 |
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