龍 晃一 作
| 第１章 プロローグ 私とゆかりが結婚して５年、ゆかりも二人の娘の母親となった。ゆかりは３０歳になった。私も脱サラして４年目、試練の年になっていた。会社も一時は全国でトップの座を奪う勢いて伸びた時期もあったが、時代の流れに逆らう形になり、業界全体が我慢の時代になっていた。 その半年後、ライバル会社が倒産した。私の会社も風前の灯となり自転車操業をしていた。倒産させるよりも、自主解散する道を選んだ。妻とは、もう１年もセックスをしていなかった。いなかったというよりもできなかったのである。ペニスが勃起しないのだ。三十路の女が良く燃えると聞いていた。妻が何度もフェラして、勃起するように頑張ってくれた。アナルを舐めると勃起すると週刊誌に書いてあったと懸命にアナルも舐めてくれた。それでも勃起することがなかった。ゆかりに辛い思いをさせていた。 私は会社の倒産の危機で精神的にも肉体的にも疲れ果てていた。１年が過ぎても心労が重なり勃起しない状態が続いていた。妻を玩具でしか逝かすことしかできなかった。悔しい思いをしていた。 私は大学の県学友会で柏原先輩と午が合っていた。その先輩と遊んだ時代もあったが奥さんが病気と言うことでここ数年会っていなかった。その先輩と偶然に街で再会した。久し振りなので喫茶店に入った。 「妻が病気で亡くなり、一周忌も過ぎやっと落ち着いてきたところだよ。落ち着いてきたがエッチする相手がいないと言うことも寂しいことだ」 と嘆き節を聞いてしまった。 私は会社を解散したがペニスが勃起しなくなったことを何気なく話してしまった。 先輩の目が輝いたことを知らなかった。 「村川君の奥さんは３０歳を越える年になったのでは-----。三十路が女として一番したい年代なのだ----私に妙案がある」 「----------------」 「毅さん、あなたに会社を立て直すために１千万円を貸してあげる。無利子でいい。奥さんも困っているだろう。 私に奥様を毎週一泊だけ貸してくれないか。私の妻を演じて欲しいのだ、毅がセックスできない期間は、私が慰めてあげる」 「ゆかりを貸出しするのですか。ゆかりがなんというか-----」 「奥さんとは、校友会の時にお会いしているし-----美人でスタイルも良いゆかりさんだ」 「-------------------」 「いきなりと言うと奥さんもびっくりする。ゆかりさんとコーヒーでも飲む時間を造ってくれないか」 私は、正直悩んだ。妻を玩具でしか逝かせることが出来ないことに苛立っていた。妻も満たされないモヤモヤを抱えていることを知っていた。肛門まで舐めて私を直すことに頑張ってくれたゆかりなのだ。 「ゆかりのために」 そんな思いもあった。ゆかりが満たされない気持ちを柏原先輩に癒して貰うことも一計であった。 その３日後に「コーヒー倶楽部」という美味しいコーヒーがあると誘った。 そこに60歳になる先輩の柏原和也と偶然に出会ったということを設定した。そして、私に急用ができてその場を離れることを提案された。その後、先輩にゆかりを預けることに悩んだ。 ゆかりが戻ってこなくなったときは、どうしょうか。柏原先輩を好きになったらどうしょうかと悩んだ。 そんな私の悩みを一向に気に留めないで話を勧める先輩なのだ。 ゆかりと柏原先輩をコーヒー倶楽部で偶然に出会ったということで会わせた。初対面ではないが喫茶店で偶然に出会うことは不思議なこと出来なかった。 「村川君ではないか」 と言ってコーヒーを持って、我々の席に来た。 「学友会で会って、何年ぶりになるかなぁ-----４年ぶり----」 「そんなになりますか----」 「奥さんは、以前よりもお綺麗になった気がする------------」 「柏原さんは、冗談がお上手ですね」 と妻の言葉にも笑顔があった。 その時に、携帯が鳴った。柏原先輩の作戦であった。 「もしもし、村川さん――――私、山田です」 「ご無沙汰しています」 「少し、時間取れないか----」 「家に来てほしい」 「分かりました」 「山田先輩から電話があったので山田先輩の家に行ってきます」 「ゆっくりすればいいよ。ゆかりさんとドライブしてきてもいいか。３時間後の１６時にここの駐車場で待っている」 「１６時ですね。時間厳守でお願いします」 車を走らせながら不安がはしる。モーテルに連れ込まれるのではないかと心配した。 １６時にコーヒー倶楽部の駐車場に戻ると妻の笑顔が見えた。 「柏原さんがこんな高価なものを買ってくれましたとビトンのバックを見せた」 「村川さん、折角だから夕食を一緒にしましょうよ」 「子供が待っていますし-----」 「お母さんにお願いしょうか」 「そうするか」 妻は携帯で娘のことを実家にお願いをしていた。 海辺にある豪華な海老料理のレストランに来た。ゆかりは先輩の車に乗ったままであった。 食事のとき、妻は運転することがないので美味なワインを飲んで酔っていた。 「ゆかりさん、彼がエッチすることが出来ないのは、ストレスが原因しているので、精神的な刺激を与えると快復できまるかも知れません。私と会っていることも隠さずに彼に話すことで彼を刺激することです」 「私が柏原さんと内緒で会っていることを知ると主人は、怒りますよ----」 「内緒は駄目です。彼に相談してから会うのです。大丈夫です。私が直してあげますから---」 「村川さん、奥さんと今日のようにときどきデートさせてください。一人暮らしの私には、心が生き返ります」 断れなかった。 「妻がＯＫするときは、宜しいですよ」 「ありがとう、一人暮らしの身には、救われる思いですよ」 その日は、３人で海鮮料理を食べて別れた。 その３日後に妻は、柏原先輩からドライブに誘われたと聞いた。 「わかった。行ってきていいよ」 行かしたくなかったが気持ちよく送り出した。 海岸をドライブしていたとだけ聞いた。ゆかりは、結婚後初めて私以外の男とドライブしていた。初めて先輩とドライブして緊張していたと聞かされた。 その翌日に、柏原先輩と会った。 ゆかりとキスをしたと話してくれた。10分くらい長いキスして唾液を存分に飲ませた。乳房まて触らせて貰ったが股間を触ることは拒否されたと聞いた。そして先輩から書面を見せられた。 「村川ゆかりを譲渡する覚書 ①柏原和也と村川ゆかりが会っているときは、和也の妻とする。 ②柏原和也は、村川ゆかりを妻として預かり、完全保管義務を果たします。 ③柏原和也にも、村川ゆかりを愛され、愛する権利を譲渡する。 ④柏原和也は、村川ゆかりを妻として調教する権利も有する。 ⑤柏原和也は、村川ゆかりを妻として夜の行為、家事のことをして貰うものとする。 ⑥柏原和也は、村川ゆかりとプレイ上の結婚式を行い、新婚旅行に１週間行くことを承認する。 ⑦柏原和也は、村川ゆかりを妊娠させないが夫・村川毅の承認があれば、妊娠させる権利を有する。 ⑧柏原和也と村川ゆかりが逢瀬をしたり、宿泊するときは事前に連絡をすることで認めること。 宿泊は、毎週一泊を原則とする。 2010.10.10. 戸籍上の夫、村川 毅 覚書上の夫、柏原 和也 」 「ゆかりは次回のデートで、私の妻になる」 と柏原に断言されてしまった。 その言葉に目の前が真っ黒になった思いがしたが、先輩から１千万円の小切手を見せられると拒否できなくなり、親指で捺印した。一枚を柏原先輩が持ち、一枚を私が持った。 「お願いがあります。この書面はゆかりには見せないでください。口頭で私が承認したことを話しても良いですがこの文面だけは見せないでください」 柏原和也先輩に旨く言い包められた感もあるがゆかりをエッチをさせたかったことは紛れもない私の素直な気持ちであった。セックスでゆかりを満足させて欲しい欲望が蠢いていた。 |
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| 2012.10.27掲載 |
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２話（2012.10/30時点）
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