ずっと愛してます２　羅衣 作
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第26話　バタフライ


　隼士はなにも知らずに既に２回も敬子と楽しいひとときを過ごして、彼女とのセックスに夢中になってた。
　敬子に出会ってから隼士の性欲と精力は、日に日に増大し、ますます女好きに拍車が掛かった。
　敬子と性交すると数日は落ち着くのだが、亜実と毎日朝晩と激しく性交しても満足できず、毎日時間さえあれば何人もの女性を求め続けていた。
　三井には間違いなくセックス依存症だと言われ心配されていたが、田原氏の活動に関係して極道なのだが色事の任務が多く、その全てを久保は引き受けていた。

　まさにそんな時に、敬子から尊敬するお姉さん達とセックスしないかという夢のような話を持ちかけられた。
　久保にすれば断る理由などなく、むしろお願いしたい心境であった。
　色事の任務は年増熟女相手が多く、いささか食傷気味で若い女性とのセックスが欲しくなり、敬子をそろそろ抱きたいと切望していた時であった。
　お姉さん達はいずれも若くて美人揃いで、敬子のお姉さんのような存在で、まさに久保にはご馳走であった。
　特にあの郁美と亜紀、里奈の３人が入っていたので、話を聞いただけで、激しく勃起してしまったほどであった。
「郁美　亜紀　里奈　３人とも抱けるなんて　なんて幸せ者なんだ俺は！！」

　その女性達とセックスして、彼女達が気に入れば日常的にセックスできるという話の誘惑は強烈だった。
　しいて言えば三井の思いを寄せる亜紀も居たことが、多少気が引けたが、彼女も極上の女性であり、抱きたいというのが本心であり無視することにした。
　ただ残念なのは肝心の亜紀は身重で、そして里奈も出産直後ということで、しばらく我慢という点だった。
　そうなると、以前全裸姿を見た郁美への欲望を膨らませていった。
「あの人を抱ける日が来るなんて　俺ってラッキーなのか」

　彼女達は、敬子のように約束した時間に隼士のマンションを訪れ、お泊まりでセックスを一晩中満喫出来るという至福のものだった。
　そして誰が来るかは当日のお楽しみで、誰も来られない時は、敬子が代わりに必ず来るというもので、久保はその日を心待ちにするようになっていった。

　初めてのイベント日、隼士は随分前から肉棒を立てて、興奮状態で待っていた。
　服装は面倒なので、前回の敬子の時からトランクス１枚だった。
　とにかく直ぐ始めて、１回でも多く交じり合いたかったのだ。
　敬子も脱ぎやすいワンピース１枚で来てくれるようになっていて、そのワンピースも玄関先で脱いでしまうので、久保は嬉しくてしょうがなかった。
　彼女達は久保との淫交を楽しみにしてやって来て、一晩中相手をしてくれるというのだから、男として最高のシチュエーションだった。
「徳川将軍　大奥って　感じだな　早く来ないかな　誰かな」


　ピンポーン♪♪ピンポーン♪♪ピンポーン♪♪

　約束より２０分近く早くやって来たから、久保は嬉しくなった。
　それだけ長くセックスできるし、相手もそう思ってきたに違いないからだ。
　オートロックのモニターを見た久保は、流行る気持ちが抑えられなくなった。
「うわぁぁぁぁぁ　郁美ちゃんだ　うほぉぉぉぉぉ　頑張るぞ」
　久保は震える手でオートロックを外して招き入れた。

　あの愚か者レイプ犯の３人が命を失う原因となった女体を抱ける日がやってくるなんて、正直信じられなかったが、それが今現実になろうとしていた。
　あの日、先頭をきって部屋に突入し、３人を制圧したのは久保であった。
　その時に美の化身のような女体を目撃してしまった。
　日本人女性の美しさを体現した、まさに極上のオンナであった。
　百戦錬磨の久保でさえ、心奪われてしまう光景であった。
「これほどのオンナ　見たことない　あいつらが忘れられないの分かる気がする」
　敬子は現代っ子であり可愛い子であったが、日本人本来の美しさとはなにか違ったタイプであった。
　郁美は古風な日本人女性の美しさを備えた、それでいて上品な気品も備えたタイプであった。
　はっきりとした濃い黒髪のショートカット、そして上流階級の家庭で育った女性しか持ち得ない気品が滲み出た仕草が印象的であった。
　久保は三井の助手として郁美の素性を知っており、その気品に憧れを持っていたのだった。

　久保は玄関に出迎えに出向きながら、トランクスを脱ぎ捨てた。
　１８㎝を誇る魔棒がそそり立っていた。
「うふふ　郁美の反応が楽しみだ！！　敬子に色々聞いている筈」

　ピンポーン♪♪

久保　「はい　開いています　さあ郁美さん　入って！！」
郁美　「お邪魔します　初めましてっ　えっ」
　　　　「すっすごいぃ　うふっ　 頂きますぅ」

　郁美は、薄ピンク色の胸元Ｖ字カットが深く切れ込んだ大胆な超ミニワンピースを着て現れて、玄関に入るなり魔棒と衝撃的な出会いを果たした。
　もちろんそれが久保の悪戯心満載の演出だと察していたので、今更わざとらしく驚いたりしなかった。
　直ぐに、その魔棒への興味で我慢できなくなり、その場に迷うことなく膝をついて魔棒にパクッと食い付いた。
　そして猛然とフェラチオし始めて、魔棒の味を堪能していった。
「はぁう　すっすごい　健二さん　凌　徹とは全く違う」
「まさに逸物だわ　フェラなのに口が犯されているみたい」
「このツブツブが唇に当たって　なんとも言えない　ふぐぅ」

　久保は期待通りのノリで郁美が対応してくれたので、嬉しかった。
　王様気分で仁王立ちして、やって来たばかりの美女を玄関の土間に膝をつかせて、ファラをさせるというシチュエーションに酔ってしまった。
「さっ最高だ　うぅぅぅん　なんて　淫乱でウットリした潤んだ目をしているんだ」
「エロいオンナだ　そして　なんて透けるような肌白さ　美味しそうだ」

久保　　「郁美さん　おはよう」
　　　　　「俺たちは　初めまして　ではないんだよ」
郁美　　「ふぐっふっ？？」
久保　　「君が３人組拉致されたとき、助け出した助っ人の中に 俺居たんだよ」
郁美　　「ぶぐっうぅぅ　あひはぎぃがっとぅふぐっうぅぅぅ」
久保　　「こんな形で　お礼して貰えるなんて、最高の幸せ」
　　　　　「さて　ベットに行こうか！！　きっと忘れられなくなるよ」

　郁美は狼狽えていた。
「この人　わたしの秘密知っている　正体も」
「このまま　この人に抱かれたら　わたし　この人に自由にされてしまう」
「あぁぁぁん　でも　このオチンチン欲しいぃぃぃ」
　もはや郁美は淫欲を抑えることが出来なかった。

　久保はあっという間に郁美を軽々と抱き上げると、寝室に連れ込んだ。
　身長188㎝でがっしりして恵まれた体格を有する久保にとって、身長156㎝の小柄な肢体を自由にするなど簡単なことだった。
　久保が力を行使すれば、どんな女性でも、二人っきりに持ち込めば自由に出来るだろう。
　女性の抵抗など、彼の前にはなんの効果も発揮しないのは明らかであった。
　しかし久保は女性に暴力を振るったことは１度もなく、手すら上げたこともなかった。
　それは言動や仕草に現れており、極道で他者を威嚇する風体で有りながら、そういったことに嗅覚が敏感な女性達には警戒心を抱かせない不思議な男であった。
　郁美も抱きかかえられた僅かな間で、その久保の人柄を見抜いていた。

　室内で小柄とはいえ女性を抱き抱え移動すれば、普通は家具や壁などに身体をぶつけるのは避けられないが、郁美は何処もぶつけなかった。
　久保が全身を使って、郁美がぶつからないように上手くフォローしていたのだ。
　そういった守られている、大事にされているって感じる状況は、女性の警戒心を溶かしていく。
　気がつけばワンピースは脱がされて足元に落ちて、ブラのホックも外されて脱がされてしまった。
　買ったばかりのセクシーなブラで久保を誘惑して楽しむという郁美の計画は、いとも簡単に破綻した。
「あぁぁぁん手が早い　せっかく買ったのにぃ」
「まだ健二さんにも見せてない　素敵なデザインなのに」
「もう！！ホントに　噂通りのスケコマシ過ぎ！！」
「型崩れしちゃうから　乱暴にしないで　　　　うふっ　あらら　素敵な男ね」

　郁美は久保に唇を奪われながら新品のブラが心配で目で追っていたが、久保が実に器用に片手でブラを畳んで丁寧にサイドテーブルに置いてくれたことに満足していた。
「あはっ　敬ちゃんが好きになっちゃうの　分かるわ」
「いい男って　まだまだ いるのね」
　郁美の右手は魔棒から放されることはなく、左腕は久保に巻き付いていった。
「この人　間違いなく　いい男　一流のオトコだわ　オンナが求めているもの持ってる」
「これも　逸物　間違いなし」

　健二も徹、凌は激しく情熱的なセックスはするが、決して身体的に傷つけるような乱暴なことはしない。
　基本的に女性の身体へ愛おしむ気持ちが、彼らの行為ひとつひとつに滲み出ていた。
　実はそれらが女性陣を惹きつけて、裏切ったりさせない理由でもあった。
　それは女性にとって、守られていて愛されているという実感を抱かせるものであった。
　そんな場を手にしたオンナは、絶対に裏切らない。
　郁美も、亜紀も、里奈も、敬子も、麻輝も、美帆も、本音では一致していた。

　ただそんな事実は、オンナ達は男達には決して言わないし教えない。
　理由はただ1つ。
　それを知った男は間違いなく調子に乗り、図に乗って羽根を伸ばすのは明らかだから。
　オンナ達自身はあちこち自由に味見は楽しむが、子供はちゃんとパートナーの子を宿し産み、キチンと女の節を通す以上、男達にも最低限の節は通して貰いたいと考えていたのだ。
「男達には重石が無ければ節度なんて無い！！」が共通の見解なので、男達には最低限の首輪として、いつオンナ達が逃げ出すのではないかという不安を抱かせるのが効果的と一致していた。

　この剛胆で冷徹でならす久保ですら例外ではなかった。
　亜実と敬子に去られることをなによりも恐れていた。
　今回の美味しい話も、敬子を失望させないように頑張る必要があった。
　敬子の大切な人達は、既に久保にとっても大切な存在に変わりつつあった。
　出会ったばかりでフェラチオをして貰った久保は、早くも郁美に惚れてしまっていた。
　じっくり肢体を楽しむつもりだったのに、もうすぐにも貫きたいという欲望に取り憑かれた。

　郁美をベットに押し倒すと、獣のように跳びかかった。
　「トランジスタグラマー」という言葉は、まさに郁美のためにある言葉だと久保は思った。
　吸いつくような白い肌、手から溢れ出る柔らかいオッパイ、キュッとくびれたウエスト、まさに非の打ち所の無い最高のご馳走が目の前にあった。
　むしゃぶりつくように唇を重ねると舌と舌が官能的に絡み合い、なんとも言えない甘い味が口内に広がった。
「なんだぁ　この味は　はぁあ　なんて美味しいだ」
「うぅぅぅん　なんか　みるみるチカラがみなぎるようだ」
「こっ　これが郁美ちゃんの魅力なのか」
「こんな美味しいキス　初めてだ」
「なんだ　この気持ち　俺が　俺の心が　揺れている」

　郁美の首筋に顔を埋めると、思いっきり匂いを吸い込んだ。
　鼻腔にシャンプーの匂いに紛れて、ほんのりと若い女特有の甘い体臭が広がる。
　この匂いが男を惹きつけ、そして狂わすフェロモンだと久保は思った。
　実際、飲み屋でナンパした女でも、連れだって過ごしているうちに興味が失った女でも、この匂いを嗅いだ途端に抱きたくなってしまい、その結果惚れられて苦労したことは１度や２度ではない。
　この匂いを嗅ぐとセックスしたくて堪らなくなってしまうのだ。
　敬子に夢中になったのも同じ理由であったが、郁美の匂いは敬子より何十倍も強烈な催淫力があり、久保は次第に理性を失いつつあった。
　決して匂いが強いとか、臭いという意味ではなく、男を強く発情させる匂いなのだ。

　郁美は岩永健二と再会して結ばれて以来、日に日に本来の資質を開花し始めていた。
　まさに郁美は蝶、バタフライのような女性であったのだ。
　健二に出会うまでは「蛹」、出会って「ふ化」し、そして健二と再会するまでは羽根を広げて皺を伸ばし乾かしていた「飛翔前のバタフライ」であったが、再会して美しさを得たとき、羽根を羽ばたかせて飛翔の時を迎えていた。
　まだ郁美自身は自覚が無くて、その影響力を考えていない段階であり、自らの淫欲の高まりと共に催淫剤ともいえるフェロモンを放ち、久保を誘惑していた。

　久保は、このあたりから記憶が跳び跳びになって、よく覚えていない状態に陥った。
　分かっているのは、体力が続く限りセックスをして、精液はもう出ないという段階まで射精して力尽きたということだけであり、詳細は隠しカメラで盗撮したビデオ映像で知ったのだ。
　ビデオ映像には、汗が周囲に激しく飛散して２人の身体の映像がブレるほど激しいセックスをして、全身を駆け巡る快楽に喘いで絶叫する男女の姿が延々５時間近く収録されていたのだ。

　郁美が翌朝に早く帰ってしまったので、久保はおぼろげな記憶を確認しようと、ベットでグッタリしながらビデオを壁面の５０インチ液晶ディスプレイで再生していた。
　そこには自分自身とは思えない、肉欲に溺れて狂った男の姿が映し出されていた。
　ビデオの男は雄叫びをあげたかと思うと、おもいっきり中出しを決めて、恍惚といった表情を浮かべて涎を垂らしていた。
「まっマジか　シャブやってるみたいな　なんかのドラッグか？」
「そんなもの　使った覚えが無い」
　男が身体を押し返されて、螺旋状の小粒真珠をまとった魔棒が女の身体から弾けて飛び出した。
「うほぉ　流石だ　中出ししても　ギンギンだぜ」
「うわぁっ！！」
　女が魔棒にむしゃぶりつき、残留した精液を吸い出し、魔棒を綺麗に舐めあげていた。
「すげぇ　なんて淫乱なんだ　うっうぅぅぅ上手すぎる」

　気がついたら久保の魔棒は激しく勃起し、刺激を求めて猛狂っていた。
　久保は無意識に左手で魔棒を宥めながら、ビデオの映像を食い入るように見つめていた。
　ビデオの男が愛しげに女を抱き上げると、２人は膝立ちで唇を激しく求め合っていた。
　男が腰を下ろしアグラ組むと、魔棒がボーリングのピンのようにそそり立った。
　女は迷うことなく、その上に腰を下ろしていき、魔棒を余すこと無く咥え込んでいった。
　途端に魔棒に、その時の快感が蘇る。
　ビデオの男と同時に、久保は感嘆の吐息を漏らした。

　ビデオの男は、マシュマロのように柔らかく、それでいて張りのあるオッパイを押しつぶすように、女を抱き上げ激しく上下させながら腰を突き上げて、正対座位で交わった。
　女の頭が後ろに倒れて、上気してピンク色に染まった表情が艶っぽく刺激的であった。
　男は女が首を痛めないように、左手で女の後頭部を支えると、また激しく突き上げ始めた。
　女は何度も登り詰めて身体を激しく痙攣させていたが、貪欲に快感を求めて腰を振り続けていた。
　そして唐突に、それまで以上に腰が沈み込んだ途端に、男が今度は逆に頭を後ろに倒して仰け反った。
　そのまま後ろに倒れ込むと、あっという間に女性上位の体位になって主導権が女に移った。

　突然、女は別人のようなキリッとした表情を浮かべると、猛然と腰を上下させて男を責めたてた。
　魔棒は奥深く咥え込まれて抜け出ないようで、女の腰の上下にあわせて男の股間も吸いついたように一緒に上下していった。
　男の表情は見るに堪えない恍惚とした表情で快感に飲み込まれており、ほどなく男の腰が痙攣して身体が弛緩して、射精したのは明らかであった。
　女も同時に歓喜の声をあげるが、一息すると再び猛然と腰を振り男を責めたてた。
　男の両手がシーツを掻きむしり、決壊したダムのように歓喜の雄叫びをあげて身悶えていた。
　両目を目玉が飛び出るのではないかと思うほど見開き、背中は仰け反り、押し寄せる射精への欲求に必死に抗っていた。
「嘘だろ　たった今　中出ししたはず　あれが俺なのか」

　ビデオの男は身体を痙攣させて、再び射精して力尽きた。
　その刹那、久保の魔棒から白いサラサラの精液が放たれ、仰向けにしていた胸元に飛散した。
「俺がオナニーしてしまった　出してしまった　この俺が」
「なんて薄い　俺は　いったい何回射精したのだろう」
「彼女は魔物だ　俺の全てを吸い尽くして　なんて活き活きしているんだ」
「うわぁ　俺は　また姦られたのか　そんな　なんて濃厚なファラなんだ」

　久保は動くこともできず画面に見入って、そして左手は軽快に動いて魔棒を掻き続けていた。
　久保は初体験以来オナニーをしたことが無かったにもかかわらず、この日はもはやなにも出ない射精を延々と続けていった。
　画面の中の女は、目に見えて弱っていく男と対照的に、みるみる肌色艶も良くなって動きも次第に軽快になっていく。
　そして久保には女の背中に鮮やかな羽根が開いて、羽ばたいているように見えていた。
「彼女は　まさか　男を食らうバタフライなのか？」
「俺には　手に負えない女・・・」
「もう身体が　彼女を恋しがっている　マズイ　亜実　俺を助けてくれ」
「俺は　手を出してはいけない女に出会ってしまったのか」

　画面では数回連続の射精にもビクともしない精力抜群の男が雄叫びをあげて、屈曲位で女を組み伏して貫く姿が映し出されていた。
　２人の股間は密着して魔棒は全て女の体内に飲み込まれており、男が腰を振るたびに２人の身体が大きくバウンドしてベットの軋む音が響いていた。

　バッフッギュシィ！！バッフッギュシィ！！バッフッギュシィ！！バッフッギュシィ！！

　ベットで爛々と獣のように眼光鋭い男は全てを忘れて画面を見つめ、萎えることのない魔棒を掻き続けていた。
　それは絶倫テクニシャンの称号を欲しいままに生きてきた久保が初めて女に完敗した日であり、生まれ変わった日となった。
　それまでは女相手に全戦全勝の日々であったが、郁美には完膚無きまでに敗北を喫した。
　久保は井の中の蛙で、女には上手がいるんだと思い知らされたのだ。
　そんな変なプライドを持った久保が屈辱感を感じずに、現実を受け入れることが出来たのは相手が郁美という男を褒め称え上手な若く可憐な女性だったからだ。
　朝、放心状態の久保を郁美は巧みに褒め称えた。

郁美　「はぁうぅん　にゃぁん　おはようぉ」
久保　「あっおっ　おはよう」
郁美　「はぁう　夜　凄かったね　わたし　久しぶりに満足しちゃった」
　　　　「あんなに　夜通し　燃えたの初めてよ　隼士って敬ちゃんの言うとおり　素敵ね」
　　　　「うふっ」
久保　「そうなのか？　俺　途中から訳分かんなくなって」
郁美　「ほんと　燃えたよね」
　　　　「隼士のって　凄いよね　わたし　真っ白になったもん」
　　　　「会いに来て　良かったわ」
久保　「そんなに良かった」
郁美　「うん　まさに　グットジョブ！！」
久保　「そっそうなのか？」
　　　　「うわぁ　なんか　郁美ちゃん　眩しい　キラキラしてる」
郁美　「うふっ　素敵なセックスした翌朝って　女が綺麗に見えるって言うからね　うふふ」
久保　「なんか　嬉しいな」
郁美　「はぁぁぁん　もう少しゆっくりしたいけど　そろそろ帰らなきゃ　ごめんね」
久保　「大丈夫　あっ　送って行こうか？」
郁美　「うふふ　無理しないで　今日はお迎え来てくれるから」
久保　「あっ　男だな」
郁美　「いいじゃない　うふふ」
久保　「やれやれ　参ったな」

　楽しく郁美と一緒にシャワーを浴びた久保であったが、郁美が身支度を調えて帰ってしまうと恋しくなってしまい、隠し撮りビデオを見てしまったのだった。
　その映像は久保のプライドを見事に粉砕したが、女という存在に対して憧れにも似た感情の芽生えを引き起こしていた。
　そして、また１人、郁美に逆らえない男が生まれ、郁美のお願いならなんでも応えていくのだった。
　久保は、ただ「また郁美を抱きたい」の一心で、周囲の人を巻き込んで暗躍していくのだった。

　そんな郁美に対する気持ちが、久保の考え、気持ちに変化をもたらし、亜実や敬子達周囲の女性に対する態度や接し方が優しくなり、いつの間にかモテ度がアップして、本人が驚くほどモテまくって忙しい日々を過ごすようになった。
　女好き男がモテまくりになったのだから、笑いが止まらない久保であったが、なぜモテまくりになったのかは当の本人は全く分かっていなかった。
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2014年2月1日掲載
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