（言うまでもなく以下の作品は百パーセント、フィクションである。実在する人物には単にハンドルネームが一致するのみで、あとはまったく妄想の産物である）。

【アダルト小説サイトの掲示板】

　知佳子は、スイッチの入っていないホットカーペットの上で目覚めた。昨晩、ビールを飲みながらテーブル上のノートパソコンでアダルトサイトを見ていて、そのまま寝てしまっていた。
「休みの前日だからって夜更かしが過ぎたかな」
　気だるく上半身を起しながら、そうつぶやいた。
　昨日は会社帰りに「夕食会」と称して友人数名で飲みに行き、帰ってきてからさらに一人でかなり飲んで、確かに飲み過ぎてしまった。
（来年は30になるし、若くないんだから、少しお酒も控えなきゃかなぁ）
　と、内心つぶやきながら、ノートパソコンもスリープから目覚めさせる。
　ここ数年、というか20代後半になってからだろうか、妙に男運が悪い。いいなぁと思う人には既に恋人や奥さんがいて、しかもそういう“いい人”ほど彼女や奥さんを大切にしている。決してもてない方ではないと自分でも思う。でも、ここ数年、言い寄ってくるのは“ちょっとパスしたいっていうタイプ”や、妻帯者ばかりだったりする。今、思えば大学生のときに付き合っていた翔太が一番よかった気がする。
（しかしあの時点で結婚というのには早すぎたしなぁ・・・）
　その翔太も今では結婚して二児のパパだ。しかも、顔はまるくなってお腹まで出てきている。
「あ〜あ、サイテー」
　思わず声に出してしまう。
　そんなとりとめのないことを考えながら、昨晩、見ていたアダルト小説サイトの掲示板にアクセスする。昨日は酔っぱらった勢いでかなり大胆なことを書いてしまった。数日前、官能小説はクンニの描写が好きという趣旨のことを書き込んだら...
（ああ、あの日も酔っぱらってたなぁ）
　いつの間にか、「実際にクンニされるのは...」という話になっていたので、「もちろん大好きよ」なんて書き込んでしまった。
　そもそも翔太がベッドの中ではマメなタイプで、挿入前にはたっぷり愛撫してくれてた。クンニで二、三度イッテからしか入れてくれなかった。そのせいですっかりクンニ好きになっちゃったけれども、その後、そんなマメな男とは出会えていない。
（でもなぁ、誰が書いたかわかんないとは言っても、ちょっと大胆すぎるかなぁ？）
　自分の書き込みを読み直しながらそう思った。まだ誰からもレスはついていない。そのとき・・・
「きゃぁ！」
　思わず声を上げてしまった。自分の書き込みにメールアドレスをつけてしまっている！しかもこういうときに使うフリーのメールアドレスではなくて、契約プロバイダのメインのメールアドレスの方が。ブラウザの自動記入機能で何かの拍子に書き込まれたのを、酔ってたから気づかずそのままアップしてしまったのだろう。
（いや、大丈夫、まだ誰もレスしてない。）
　恥ずかしさで一人、顔を真っ赤にしながら、急いで削除キーを使って発言自体を削除した。そして、何ごともなかったように、まったく同じ発言を、今度は確かにメールアドレスが書き込まれてないのを確認して、アップし直した。

【悪友リコ】

（あ、今日、バーゲンやってるよなぁ）
　いつも買い物をするデパートで今日からブランドショップのバーゲンが始まっている。行こうかとも思っていたのだけれども、なんだかかったるくて行く気がしない。
（まあ、こんな日もあるさ）
　そんなことを考えながら遅めの昼食をとっていたら、バッグの中のケータイが鳴っているのに気づいた。着信画面を見るとリコだ。とるといきなり...
「ねえ、チカ？今日、何してるの？」
　相変わらずの調子だ。彼女は栗田里子、いやそれは旧姓で今は尾花里子だった。本名は「サトコ」と読むのだが、昔からの友人たちは彼女を「リコ」と呼ぶ。そして知佳子はみんなから「チカ」と呼ばれている。
「ん？昨日、飲み過ぎちゃって、二日酔いなの。家でダラダラしてる。」
　そう答えると...
「いいわねぇ、独身は」
　キャハハと笑ってから、さらに続ける...
「あのさ、うちのダンナ、出張で今日までいないの。で、うちの親がね一日くらいゆっくりしておいでって、子どもたちを預かってくれてるんだ。だから、よかったら、あんたんちで酒盛りしない？」
　中学生のときからの付き合いであるリコとはこの年になっても未だにときどき遊んだりする。それに彼女が独身の頃は、よく二人で夜遊びもした。飲みに行って、踊りに行って、ナンパされて。。。危ない目に逢って、二人でハイヒールを手に走って逃げたこともあった。
「ああ、いいよ、久しぶりだよね。お酒、買っておくからさぁ、食べ物を持ってきて。」
　ということに最終的に決まるまでに、なぜだか話題はさんざん脱線したが、ともかくそう決まった。
「さてと、リコとなら結構たくさん買っておかなきゃね。」
　ケータイを切るとチカは簡単に身繕いをして近くのディスカウントストアにお酒類を買いに出た。

　＊　＊　＊

「ガチャッ」
　ドアを開けると重そうな袋を手にさげたリコが立っていた。中学高校とバレーボールをやっていたリコは、小柄なチカよりも一回り背が高い。とはいえ、大柄というわけではなくて、チカが華奢すぎるだけだ。高校生のころはもっと背が高ければなぁとリコは悩んでいたんだけれども、バネの強さと運動神経のよさで、チームでは中心的な選手だった。
「リコ、ママになっても若々しいね」
　ミュールを脱いでいるリコを見ながらチカは言った。彼女はタイトな黒いデニム地のパンツに、白のぴっちりとしたカットソーのＴシャツ。体にフィットしているＴシャツの上からでも、彼女に無駄なぜい肉などついていないことがわかる。
「だってチカより運動してるもんねぇ。うちの近所の小学校で、ママさんバレーのキャプテンしてんだよ。」
　チカは半袖のジップアップ・シャツから出ている自分の細い腕をちらっと見た。
（確かにわたし、昔からぜんぜん肉ついてないしぃ・・・）
　チカの部屋は、テーブルを置けるくらいの少し広めのキッチンに、フローリングのリビング。まだ夕食の準備を始めるにも早すぎるので、二人は食材はキッチンに置き、奥のリビングでさっそくスナックをつまみに酒盛りを始めた。

　＊　＊　＊

　酒が進むにつれて話もはずむ、いや酒がなくてもはずむのだろうが。互いの近況から昔の思い出話、まじめな将来設計からしもネタまで、脈絡がないように思えるほど次から次へと飛びながら話題は尽きない。
「じゃ、チカって、ほら、おととし別れた・・・なんて言ったっけ？営業の...」
「川崎くん？」
「そうそう、川崎くんのあと、１年半もずっとヴァージンなんだ。」
「リコったら、何を言いだすかと思えば。まあ、でも、そういうことなんだけど。で、リコは夫婦仲どうなの？」
「う〜ん、うちは最近、少なくなってきたけど、でも月に一度はあるよ。」
「え〜ぇ、やっぱ、結婚して五年もたつとさすがにリコのところも少なくなっちゃうもんなんだね」
「なによ、それ？わたしがよっぽどセックス好きみたいな言い方」
「ははは。。。あ、あたしちょっとトイレ」
　ビールを飲むとトイレが近くなる。チカは席を立った。
　彼女が用をすませて戻ってくると、リコがタンスの引き出しをあさっている。
（あ、あの引き出しは下着を入れてて・・・）
「こら、リコったら、何やってんの！」
　チカが怒った表情を装ってそう言うと、リコは笑いながら振り向いた。
「あはは。。。チカってば、こういうのを隠す場所、昔から変わってないよね」
　彼女が手にしていたのは、チカの隠していたピンクローターだった。
「んっもう！そんなもん出してこないでよ、リコのエッチぃ！」
　チカは、さすがにリコ相手でもそういうものを取り出されると恥ずかしい。顔を真っ赤にして抗議した。
「でもさ、ほら、これが気持ちいいよって教えてくれたの、チカじゃん」
　そう、確かにボーイッシュで、セックスに関わることにもあっけらかんとしているリコだが、昔は意外と奥手で、チカの方が「マセ」てた。短大を卒業後、もうＯＬをしていたリコにローターを勧めたのはまだ大学生だったチカだった。
「それよりもさ...」
　リコはローターを手に座り込み、チカの手を引きながら、悪戯っぽく言う...
「昔みたいに、ちょっとしよっか？」
　手を引かれてチカもぺたんとお尻をついてしまった。その背後から覆いかぶさるようにしてリコが抱きしめる。
「ヤダ、リコ、はずかしいよ、だって、オモチャなんて使ったことなかったじゃない」
「オモチャは、チカが１年半もご無沙汰してるっていうから、サービスよ」
「ヤダぁ、なにそれ、ダメぇ。。。」
　と言いつつチカはそんなに強く抵抗する気もおきなかった。すぐに、恥ずかしがりながらも、股間にローターを押しつけられてしまった。

　＊　＊　＊

　リコとは中学生のときからクラスメートで割と仲がよかった。彼女が栗田で、チカが久保という名字だったので出席番号も近かったからというのもある。しかも高校へはクラスから二人だけ私立の女子校へ進んだこともあって、さらに特別親しくなった。女ばかりの環境になる女子校ではよくあることだろうが、仲のよい二人はレズっぽい遊びもしたことがあった。キスしたり、体を触りあったり、体を見せあったり。当時からチカは女らしい肉づきのリコの体をうらやましく思っていたし、リコはリコでスリムなチカの体形に憧れていた。
「ブーン・・・・」
　リコがスイッチを入れてしまった。
（もう、リコのばか。はずかしいじゃない、もう。）
　リコはあぐらを崩したような感じで、両脚でひし形を作って座っていた。そのひし形のなかにすっぽりおさまる形でチカは抱え込まれていた。リコの左手はチカの左ひざを押さえて、その左手の上にさらにチカの左手が乗っている。チカの右手はリコの右腕にからまり、その右腕はチカの股間へと伸びていた。
　チカの両脚はリコの手がちょうど入るくらいに開いていた。つまり体操座りよりちょっとだけ脚が開いているくらい。だから、下半身の唇は閉じたままで、ローターはその上から当てられているので、刺激は直接にはクリに届かない。
（う、むずむずする・・・）
　あまりに、刺激がソフトすぎる。ローターの出力も「中」あたりになっている。
　するとリコは後ろからチカのうなじに唇を当ててきた。
「チカの長い髪、こうやってまとめるとうなじが見えて、色っぽいよ」
　唇はうなじから首筋、耳の裏へと移動して、さらに耳にフッと息を吐きかける。
（リコったらわざとじらしてるんだ。）
　自分で脚をもっと広げれば、クリにもっと強い刺激を受けることができる。でも、いくらリコ相手でもそんなことまではできない。
（リコってば、この左手にグッと力を入れて、わたしの脚、広げてくれればいいのに。）
　チカの願いとは逆に、リコはチカの内腿をやんわりと撫で始めた。チカはムズムズ、ぞわぞわという感覚が強くなる。
（ううう、がまんできない。。。リコぉ、脚を広げてよぉ。。。）
　もう恥ずかしさは捨てて自分から脚を開こうかと思っていたときリコが言った。
「ねえ、ズボン、脱ごっか？」
　チカは部屋着としてタオル地っぽいゴムのズボンをはいていた。リコは一旦ローターを下において、それを脱がせはじめた。チカはお尻を浮かせてそれに協力する。
　脱ぎ終わると、さりげなくさっきよりも大きく脚を開いた。が、当然、リコはそれに気づく。
「ねえ、チカ、エッチぃ。こんなに脚広げて、さっきのじゃ物足りなかったんでしょ？」
　リコは悪戯っぽく言う。チカは答える代わりに黙って目を閉じた。
　大きく脚を広げることで大陰唇が退いた。包皮とショーツの布越しではあるけれども、ローターの振動がクリにかなりストレートに伝わってくる。
（やっぱり恥ずかしがってなくて、もっと早くこうしておけばよかった）
　チカは両手をあげて、リコの首の後ろに回す。ショートのリコの髪先が手にさわさわとふれて心地よい。リコの顔を引き寄せてキスをする。そして唇を離してからささやいた。
「ねえ、もっと強くして」
　今度はリコからチカに顔を近づけてキスをし、そして左手でローターの出力を最大にした。
「ヴィーン・・・・・」
　ローターの音が変わる。
（気持ちいいぃ、やっぱり自分で慰めるより数倍いいぃ、、、）
「り、こ、ぉ、、、」
　うめくようにリコの名を呼んで、チカは達してしまった。