12.

　天使の少女、「ノエル」の柔壺へペニスを挿入したまま気を失せた桜木は、数分後、潜在化に流れる映像に瞼を痙攣させていた。
　桜木の意思ではない、何者かによって意図的に脳へ投射される映像は、桜木が沙紀の住む団地を訪れた場面から始まった・・・。
　現実に起きたコトと違っていたのは、桜木に解るはずのない言葉やシーンまでハッキリと認識できることだった。

　顔を強張らせ、訪れた桜木を迎え入れた沙紀の携帯が鳴り、誰かの言葉に人妻の顔が蒼白となる。
『沙紀さん、いよいよ計画がスタートですよ・・・。ターゲットに怪しまれたり、勘ぐられたりしたら貴女の人生は今日で終わりです。大丈夫、そこに居る男は、女性経験が乏しく、至って単純です。貴女が本気を出せば、蕩ける顔で帰っていきますよ・・・。さあ、覚悟を決めて、その男を貴女の柔肌で包みこみなさい！最初の接触者である貴女の責務は大きいですよ・・・。大丈夫、貴女にしてみれば、以前と変わらぬ行為をするだけですよ・・・。相手は若い大学生ではありませんけどね・・』
　そう言って切れた携帯を握り締めた沙紀が振り向き、そして桜木に見せた顔は、覚悟を決めた経験豊富な淫蕩人妻へと変わっていたのだ。
　映像内の桜木が、沙紀の経験値に振り回され、その深い欲求に四苦八苦している・・・。沙紀を変貌させた電話の内容を知った桜木だったが、脳裏に流れる桜木自身は、ただただ悩殺的な人妻の性に翻弄されていた。

　沙紀の体内へ放出をはたし、半信半疑で車を運転する桜木の姿が見える・・・。突然、映像から自分の姿が消え、見たことの無いシーンが流れ始める。
　それは、駅前で若い大学生と待ち合わせをした沙紀が、嬉しそうに男に腕を絡ませながらラブホテルへと消えていくシーン・・・。
　映像が飛び、全裸となり大きな乳房を揺すりながら大学生の上に乗り、腰を振って激しく喘ぐ沙紀。
　人妻が欲求を満たす動きに若い男はアッケない位に根をあげ、それでも淫膣を締めて腰を上下する淫蕩妻に眉間を寄せる大学生。
　また映像が移り、ベットに座る男の前で膝をつき、若い肉樹を復活させようと淫唇を駆使する沙紀の後ろ姿・・。
　一回りも年上の女性に甘えた声を出し、人妻テクニックに見事な竿を勃てる大学生は、スライドする淫唇を下半身から引き剥がすと、床の上で人妻を四つん這いにさせバックから力任せに腰を振りだす！
　背後から伸ばした両手で豊満な柔乳を握りつぶし、肌の弾ける音を何度も繰り返しながら不倫妻を鳴かせ続ける大学生に、欲望を爆発させた人妻は高らかな音色とともにその場で大きく果てる。
　粘っこい淫音を残し、人妻の熟穴から若いペニスを抜取った大学生は、呼吸を荒げて瞳を閉じる沙紀の背中を数回たたくと、絶頂により意識を遠くした人妻に口の端を吊りあげる・・・。

　シーンが変わり、大の字でベッドに拘束された沙紀の型崩れしない豊乳とムチムチした太腿に群がる若い男達・・・。
　意識を失せていた僅かな時間に、大学生の手引きで部屋へ雪崩れこんできた同級生に動きを封じられ、淫乱や欲求不満、俺達が満たしてやるよ！とのセリフを投げられベットに拘束された沙紀を、若さで突き進む大学生５人が代わる代わる犯していく！
　ビデオカメラがまわり、次から次へと淫蜜を擦りあげながら突き挿れられる若い肉樹の数々・・。
　最初の抵抗も、若い連続攻撃にいつかは根をあげ、全身に浴びせられる快感に人妻であることを忘れ、涙を流して喘ぎ続ける。
　無数のキスマークが白い肌に赤い痣をつくり、復活の早い若者は順番を待つあいだに股間の剣を磨いていく・・・。
　一人が最低４回、沙紀の蜜穴や唇へ精液を撒き出し、合計二十数回に及んだ熟れ身への蹂躙に人妻の性は完全に狂ってしまう。

　映像が切れ、日付が変わったとおぼしき時間が経過して再度始まる。ホテルの一室で例の５人にまたも熟れた柔肌を抱かれる人妻・・・。
　今回は抵抗らしい動きを見せず、熟した身に与えられる官能に狂い酔う熟女妻。
　四肢を立て、柔尻を突き上げるオンナの後ろで、整然と列をつくる若い男達。一人ずつ順番にバックから白尻を掴み、軽やかな腰を送り捲くる学生に、人妻の淫唇は閉じることなく色付いた声色を吐き出し続ける。
　厭らしく、それでいて悩殺的な映像が延々と続き、今回も数十回目の精液が自分の体内を満たしたとき、人妻である沙紀は人間とは思えない声で空気を切裂き、完全に失神しては淫裂から潮を吹き上げていた・・・。

　またも時間は経過し、何処かの店らしき薄くらい場所で顔を下に向け、肩を震わせる沙紀。
　目の前には、沙紀と交際していた男子学生が何やら写真のような物をヒラヒラと振り回し、威圧的な態度で人妻に迫っている・・・。

『どうすれば、全部返してくれますか・・・・っ』
『それは奥さんの心掛け次第だよ・・。良く分かってる！？』
　大学生は、語気を強めて人妻を追い込んでいく。
『分かりました・・・。それで、幾ら用意すれば良いのですか？・・・・』
　顔を上げた沙紀の瞳は、恐怖と涙で震えていた。
　追い込まれた人妻の、何とも言えない苦汁に満ちた表情に、大学生は一瞬、胸の高鳴りを憶える・・・。
『そ、そうだな〜。取りあえず１００万、明日までに用意できるか？』
『ひゃ、ひゃくまん・・・・ですか！・・・・そんなの明日までなんて無理です・・・っ。もっと少ない額なら、ヘソクリからなんとか・・・・』
　すがり付くような人妻の顔は、限りなく痛ましさを孕んでいた・・・。
（この奥さん、徹底的にイタぶったら、スゲェ〜厭らしい顔で鳴くかもな・・・・！）
　金とは別の策略が、大学生の頭に浮かんでいた・・・。
『なら、取りあえず３０万でイイよ！残りは３日待ってやる。その変わり、延滞料としてこれから俺と一緒に行ってもらうぜ！嫌とは言わせないからな！！』
『さ、３０万ですか・・・・それ位ならなんとか・・・。分かりました・・明日には必ず、用意します・・・・。でも、今日はこれから家族と約束が有りますので、勘弁して欲しいです・・・・』
　媚びるように学生を上目遣いで見る人妻の仕草が、目の前の男を煽る結果となる・・・。
『フザけんじゃネエよ！オマエ、自分の置かれてる立場が分かってるのか〜っ。言う通りにしないと、すぐさまビデオと写真を旦那の会社とガキの幼稚園にバラ撒くぞ！分かってんのか！！』
　他に客のいない店内に男の恫喝が響き渡る！その音量に沙紀の身体が竦み、それ以上の反論が不可能となった・・・。
『せめて、７時までには帰してください・・・・。そうじゃないと、待ち合わせに行かない私を家族が心配しますから・・・・』
『分かってるよ！いま４時だから、３時間あれば終わるから黙ってついてコイよっ！』
　立ち上った学生に引き連れられた沙紀は、あるマンションの一室へと熟れた身を押し込まれた。

　まさに地獄だった・・・・。マンションで待っていたのは、身形の整った２人の男だった。
　しかし、その２人を見た沙紀は、思わず声にならない悲鳴を漏らしてしまう！
　男達の肌は黒く、明らかにアジア人種とは違っていた。現に、学生は彼等を「ブラザー」と呼んでハイタッチを交わしていた。

『素敵なジャパニーズワイフですね〜！可愛がってあげましょう〜』
　英語と日本語の混ざった言葉で微笑む男達の口から見える歯が、異様な白い輝きを放っていた・・・。
『いやっ・・・・・！』
　歩み寄る黒人の迫力に、人妻は震えるだけで動くことが出来ない。
『アナルだけは勘弁してやってくれよ、ブラザー！アンタ達のデカすぎるブツでケツを裂かれたら、日本の奥さんなんてすぐに壊れちまうからよ〜』
『残念だけど、ＯＫね〜！このワイフだったら、オマ○コとクチだけで充分エンジョイできそうだからね〜！』
　白い歯を光らせ、二人のブラザーは一気に沙紀を裸へと剥いていく！
『ＯＨ〜！ビューティフルボディーね〜！！　日本のオクさん、オッパイも大きくてグッドね〜！』
　黒く巨大な手が、豊満で柔らかい乳房を遠慮なしに揉みこんでいく。
『いやぁぁっ〜〜！！』
　沙紀が発した、言葉らしい言葉の最後のセリフだった・・・。

　褐色の腕のようなコックが、日本妻の唇を強引に割り裂き、喉元まで突きいれられる。
　丸太の腕が人妻の後頭部を掴み、尚も喉奥へと褐色のヤリを呑みこませていく！
　沙紀の目からは涙が洪水のごとく溢れ出し、むせ返る喉の振動が伝わる亀頭に、口を犯す黒人が大袈裟な唸りをあげる！
　背後に陣取ったブラザーの長い指が、白い尻下から淫裂へと無造作に挿入され、その刺激に身を揺する人妻の腰を屈強な腕で押さえ込む。
　執拗に繰り返される下半身への行為に、沙紀の割れ目からは少しずつ愛液が湧き出し、苦しげに歪む顔との反比例に、見物する学生は堪らない興奮を感じる。
『スタンバイ、ＯＫネっ！』
　尻下から指を駆使していた黒人が楽しそうにそう発すると、口内を丸太の棍棒で攻め抜くブラザーがウィンクで答える。

　喉奥に竿先を収めたまま、後頭部に充てた手を股間へ引寄せると、苦しさから沙紀の身体は前へ進みだし、自然と四つん這いで踏ん張る格好となる。
『ＯＨ〜〜！　キレイなオ○ンコねェ〜！』
　背後の黒人は、一声漏らすと長い舌を淫裂に這わせて唾液と愛蜜を混ぜていく。豊満な沙紀の身体がピクリと反応を示し、蜜壷の中程まで達する舌の温もりにたまらず喉を締め付ける！
『フフフ・・・・。このワイフ、とても感じてるネェ〜。そろそろ、イクよっ』
　舌を差し込んでいたブラザーの膝が立ち、垂直に伸びる巨大なペニスに片手を添える。
『ヘイッ！　ボクのコックが先じゃナイのかい？』
　フェラチオを堪能する黒人が、今にも挿入しそうなブラザーに両手を広げて訴えかける。
　押さえつけられていた頭を解放された沙紀は、呼吸を取り返そうと巨大なコックから唇を引き抜く。
　ゴポリっ・・・・。口内で溢れていた唾液と胃液が沙紀の顎まで流れ出し、大きく空気を吸い込んだ人妻は強烈な咳き込みに襲われる。

『ガマンできないネ〜！チョットだけ、ＯＫだろ〜？ブラザー！』
　割れ目まで添えられていた黒い凶器が、相棒の許しを待たずに人妻の蜜裂を切りひらいていく！
　咽込んでいた人妻は、人生で最も巨大なペニスを挿入され、そのショックに胃液を吐き出す！
　白い柔尻の間に、対照的な色をした肉杭が打ち込まれ、ギチギチとその限界まで褐色の肉先を進めてくる。
　ペニスの半分まで埋め込まれると、肉竿の先は終点へと到達し、巨大な亀頭部は日本人妻の行き止まりを強烈に押し拡げていく！
『ぎ・・・・ぎぎぃぃ！　ぐひゃあぁぁぁああ！！〜！！』
　この時から延々２時間、沙紀は未経験の世界に悲鳴と喘ぎを挙げつづけ、臭いも味も異なるサラサラとした精液を体内のいたる所へ撒かれつづけたのだった・・・・。


　黒人２人に３回ずつ、見物することで昂ぶった学生に１度の精を放たれた沙紀は、マンションから開放されたのちフラフラと家族との待合わせ場所へ歩いていく・・・。
　あと一つ、ビルの角を曲がれば最愛の家族と対面できる・・・。今日起きた現実など、家族に内緒で上手く処理できる！・・・。そう決意を固めてビル角を曲がろうとしたとき、何者かに肩を掴まれる！
　振り向かされた目に写ったのは、大勢で自分を蹂躙した学生のうち二人だった。

『奥さん、何処に急いでるの〜』
　ヘラヘラした顔で一人が身体を寄せてくる。一歩間違えば、すぐ先にいる夫と娘に発見されそうな危機感が沙紀を焦らせる。
『奥様、そんな怖い顔しなくてもイイんじゃな〜い！この前は俺達のチ○ポに喜んでたじゃん！』
　もう一人の学生が、沙紀の背後にまわり腰に腕を絡めてくる。若い二人に挟まれた格好となった沙紀は、声を殺して開放を訴える。

『誰かと待ち合わせかな〜！へへへ、旦那だったりしてー』
『まさかっ！黒人とヤッた直後に旦那とデートってコトないだろ〜』
　二人のやり取りに沙紀の表情は強張る・・・！二人は沙紀に起きた全てを知ったうえで、今こうしてチョッカイを出しているのだ！
　街の鐘が１９時を告げるメロディーを美しく奏でる・・・・。その音色は、３人の脇を通り過ぎる幸せそうな人間とは対照的に、沙紀の心を猛烈に締め付ける。
『待ち合わせに遅れます！お願いです、離してくださいっ・・・』
　二人に挟まれた身体を素早く動かし、通りへと飛び出そうとする沙紀・・。
　しかし若い二人はお見通しの様にそんな沙紀を押さえ込むと、マンション角から脇道へと強引に引き込んでいく！
　必死で抵抗する沙紀を嘲笑うように、簡単に雑居ビル階段下へと人妻を連れ込んだ学生達は、薄汚れた壁へ沙紀の背中を押し付けると、通りから姿を隠すように前を陣取る。

『急いでるんだろ！だったら素直に言うことを聞けよ。あんまり遅れると旦那が不安がるぜ〜っ』
　そう言った一人が、沙紀のブラウスを握りしめ、スカートから引き抜いていく。小さく悲鳴を漏らす人妻のブラウスが捲くりあげられ、白く大きな乳房をつつんだブラジャーがあらわとなる。
『相変わらず、デカイね〜、奥さん！』
　もう一人の学生が沙紀の横へまわり、無造作に片方の乳房を揉みはじめる。ブラジャー越に数回揉んだ手は、カップラインの隙間へ潜りこむとタワワな片乳を外へすくい出す。
『う〜ん、重量感タップリ〜！』
　白乳の先端で震える乳首へおもむろに食いついた学生は、身をよじる人妻を苛めるように突起を甘噛みして舌をからみ付ける。
『一人だけ楽しむなよー！へへへ、俺もっと！』
　完全に外部へ取り出された白乳双方へ、二人の学生はムシャぶりついていった・・・・。

　もう待ち合わせ時刻からはだいぶ時間が過ぎていた。家族の事が気掛かりな沙紀は乳房へ張り付く学生達をなんとか振り払おうと躍起になる。
　腕を捻り、腰をまわし・・・。肌に吸いつく舌と唇から逃れるために身を揺らす人妻に、男達はイラつきを感じる。
『動くんじゃネェよー！まったく・・・。せっかく俺達が淫乱なカラダを満たしてやってるのによ！』
　（淫乱・・・・満たして、やってる・・・！・・・・）
　沙紀の中で、細い糸が切れる音がした・・・。
『仕方ねえな・・・・すぐにヤッてやるよ！』
　豪を煮やした一人が、沙紀のカラダを反転させると、力任せに壁に押し付ける！
　沙紀の乳房がザラザラとしたコンクリートとぶつかり、白い膨らみの一部が赤く擦り切れる。
（痛い・・・・・なんなの、この人達は・・・・・っ！・・・・）
『尻を突き出せよっ！まったく、淫乱なくせに要領わりぃ〜奥さんだな！』
　沙紀の奥底で、太目の糸が弾けとんだ！

　学生の手がスカートを捲り上げ、ストッキングとショーツを無骨に太腿まで下げてくる。
　爪先で両方の足首を蹴られ両脚を広げられ、立ちバックで下半身を近づけてくる学生・・・・。沙紀の全身はワナワナと震えだし、込み上げる感情ですぐには身体を動かせない・・・。
　黒人によって押し広げられた蜜穴へ、若さだけが自慢のペニスがズルズルと挿入される。肉樹の頭が奥地へ達し、背後で歓喜の溜息を漏らす学生の鼓動がペニスを通じて沙紀の腹底へ伝わる。
　沙紀の目からは涙があふれ、むき出しの双臀が小刻みに震えた・・・。

『ヘヘェ〜、奥さんもう感じちゃってるのかよ！デカイ尻をフルフルしちゃってさー！』
　本能によって滲み出る愛蜜で濡れるペニスを満足気に抜き差ししながら、バックの学生が嘲笑う。
『どれどれ、俺にも見せろよ〜へへへ』
　もう一人が沙紀と仲間がつながる部分を覗き込み、こちらもヘラヘラと厭らしい笑をこぼす。
『奥さんのオ○ンコ、チンコにみっちりヒダを絡めちゃって、スゲエ淫乱マ○コだな〜！！』
　覗いていた学生は自分の股間を押さえると、堪らないといった感じでベルトをゆるめ中から屹立したジュニアを引き出す。
『こっちが空いてるから、俺は前でヤッてもらうぜ！』
　コンクリート壁と沙紀との間へ割り込んだ男は、人妻の頬を両手で挟むと股間に向かわせ、肉竿の先で強引に唇をこじあける。
　歯を食いしばり、若臭いペニスの侵入を防ごうとした沙紀だったが、バックからの一撃に声をもらし、侵入を許してしまう。

　前と後ろから自分勝手な動きを続ける学生達に、双臀から始まった震えは全身へと伝わり、その振動に二人は恍惚な吐息をつづける。
　瞳から溢れた涙が、汚れた床へと落ちていく・・・・。その落下を、虚ろな沙紀の目が追いかける。
　床で黒く染みを作った憂いの水分の先に、ある物が転がっているのを沙紀は発見する。
　沙紀の中で切れた太目の糸が、あらぶる感情へと堅く結びあわさり、その意思を強くもたせる・・・。
　これから自分が取ろうとしている行動に全身が引締まり、連動してキツク閉じた膣壁の締めつけにバックの学生が堪らず射精を開始する！
『ぐはあぁっ！　イッちまったぁ〜〜！』
　白尻の狭間から痙攣するペニスを引き抜いた学生と入れ替わるように、口を犯していた大学生が沙紀の双臀を掴みあげる。
『俺のチンコも気持ちよくしてくれよ〜！この良く締まる主婦のマ○コでよ！・・・・』
　そう毒づいて沙紀の尻を手ではたく学生に、芽生えた憎悪は歯止めが効かなかった！

『ぐわあああっっーーー！！！』
　沙紀の中へ放出をはたし、続きを見学しようとタバコに火をつけた学生が頭を抱えて崩れ落ちる！
　人妻の蜜穴へ挿入を試みていた背後の学生は、その叫びで一瞬動作がとまる。うずくまる仲間に視線をむけた途端、自分の頭がナニかとてつもなく堅いものと衝突した圧力が走る！
『ぐふううっっ！！　がああぁぁああああっっ！！』
　ジンジンと鼓動する頭を抱えた手を目の前にかざすと、その手は真っ赤な血で汚れていた。
　血液が流れ込む目で必死に前方を見ると、そこにはビール瓶を右手に持った沙紀が、恐ろしい形相で立ち竦んでいた！
　ひとつ息を吐いた人妻は、頭から多量の血を流す学生へと１歩近付く・・・。
『や、ヤメろおおお〜〜！！』
　階段下へ響いた学生の叫びを打ち消すように、大きな衝撃音が暗闇の雑居ビルへ響きわたった・・・・。


　家族の待つ場所へは行かず、血まみれの手をそのままに我が家へ飛込んだ沙紀だった。
　懸命に血を洗い流し、暗いままのベットルームへ膝をつくと、止め処なく涙が溢れてきた・・・。
　これで自分の全ては失われた・・・。そう感じた沙紀は、ドレッサーから産毛処理用のカミソリを取り出すと手首にあてる。
『あなた・・・・後のことはお願いします・・・・・・』
　震える全身を必死に押さえ込み、カミソリの歯を動かそうとしたその時、玄関から子供の大きな声が聞こえた！
『ママー！帰ってるの〜！！』
　沙紀の手からカミソリがこぼれ落ち、続いて聞こえた夫の声に激しく泣きむせんだ・・・。
　階段を登ってくる二人の足音に、沙紀は急いでベットへ潜り込んだ。
　扉がひらき、夫の不安に満ちた声が聞こえる・・・・。頭の先だけ布団から出した沙紀は、急に眩暈がして寝込んでしまったと咄嗟にウソをついた・・・。
　心配と不信が織り交ざる夫の問いかけをなんとか誤魔化し、そのまま布団で全身をつつむと、急激に襲い掛かる睡魔にまけて眠りにおちた・・・。
　翌朝、昼も近くなろうという時刻に起きあがると、家には人の気配がなかった。夫は会社へ、子供は幼稚園へと夫が送り出してくれたのだろう・・・。
　リビングにペタンと座り、恐怖と後悔で止まらない震えに苛まれながら、ただ時間だけが経過していく・・・・。やがて、自分を捕らえに警察関係がやってくるだろう・・・。
　その前に自ら進むべき道を選ばなければならない・・・。そう心に決め、立ち上がろうとしたとき、玄関扉の開く音がした。
　自分の身を案じ、夫が早目に帰宅したのかも・・・。そう思った沙紀の前に現れたのは、見たこともない若い女性だった。
　その若い女性は、自分は『ノエル』だと言った。それからの確かな記憶は残っていなかった・・。
　沙紀が警察に捕まることはなかった。自分の知りえないところで大きな力が作用し、自由の身のまま暮らしを続けている。
　しかし、見知らぬ女性があらわれた日から現在まで、沙紀の生活は衝撃的に変わっていったのだった・・・・。