13.

　気を失せたまま沙紀の今迄を見ていた桜木のペニスは、最大まで勃起していた。
　その屹立を、瞳がからかう様に指で弾く。桜木の口から微かな呻き声がもれると、瞳は片眉をあげて曖昧な顔を見せた。
　桜木を取囲む男たちが、いそいそと作業を続けていく・・・。頭へかぶせたゴム製のバンドへ新たなコードをつなぐと、その先にある仰々しい機械のスイッチを入れた。

　真っ暗闇の中でフラフラと歩く桜木の前方で、灯りの洩れる扉が見えた。
　その扉のドアノブへ手をかけ、ゆっくりと開いた先には、温かな団欒をみせる家族の姿があった。
　ダイニングテーブルを囲み、談笑しながら食事をとる３人家族の中心に、微笑みを絶やさない多恵の姿があった・・・。
　どこから見ても幸せを絵に描いたような家族だった。家庭を持たない桜木にとって、それは欲しくても手に入らない光景だった。
　突然、幸せだった家族の団欒が闇におおわれ、天井から一筋のライトが垂れ下がってくる。
　ライトが照らした先には、一人で顔をゆがめる多恵が佇んでいた・・・。

　ほんの出来心だった・・・・。多恵にとって、それは気の迷いとしかいい様がない始まりだった。
　ある日の夜半、飲んで帰った夫は、一緒だった同僚を引き連れて戻ってきた。
　終電がなくなり、仕方なくというのが建前だったが、家計の事情で家では深酒できない夫が、飲み足りなさを補うために同僚を連れて帰ったのだ。
　この形では、夫に不満をぶつける訳にはいかず、多恵は突然の来客に酒とツマミを用意し、渋々ともてなしを始めた・・。

　予告のない来訪を、多恵は普段と変わらぬ格好で出迎えるしかなかった。
　すでに就寝態勢に入っていた多恵は、就寝用の大き目なＴシャツにゆるやかなコットンパンツのみの姿だった。
　和室のテーブルで飲み始めた二人の前に、多恵は次々とツマミを置いていく。
　脇と首周りに余裕のあるＴシャツは、多恵がテーブルへと皿を置くために腰を折るだびに、その隙間からブラジャーに包まれた大きな乳房を覗かせてしまう・・・。
　夫の同僚が、その場所をチラチラと盗み見ているのを感じた多恵だったが、露骨な態度をとる訳にはいかずに、一通りの皿を出し終わると、酔いからロレツの回らなくなった夫の隣へ腰をおろした。
　すぐさま、同僚から薦められるグラスを断り切れず、付き合いのつもりで数杯飲んだ多恵だったが、元来、酒が嫌いじゃない性質が災いして、気付けば自分もホロ酔い気分となっていた。

　この頃には、酔い潰れた夫はその場で寝息をたててしまい、自然と同僚との会話がその場を占める。
　よくよく見れば、この同僚は夫よりも遥かに容姿も良く、話す会話も人を惹きつける上手さがあった。
　何より、自然と醸し出す男の魅力に溢れており、二人っきりで長時間一緒にいたら、普通の女性なら口説かれても可笑しくない雰囲気を纏っていた・・・。

『奥さん、トイレお借りします』
　立ち上がった同僚がこちらに背を向け、和室から出て行った・・・。まだシッカリとした足取りと、キュっと上がった尻がとても魅力的だった・・。
『あんな人が夫だったら、妻も気分がイイのにな・・・・結婚してるのかしら？そうなら奥様が羨ましいわ・・・・』
　部屋を出て行った同僚が戻り、呆然としていた多恵と目があった・・。何故か熱く自分を見詰める瞳に、多恵は思わず目を反らした。
『奥さん、大丈夫ですか？』
　そう言った同僚は、自然な振る舞いで多恵の隣へ腰を降ろす・・・・・。
『平気なら、もう少し飲みましょう・・・奥さん・・』
　唐突に隣に座った同僚に戸惑いを感じた多恵だったが、酒の勢いが思考を麻痺させたのか、空のグラスにそそがれたウイスキーに口をつける。
　再開された同僚の軽快な話題にいつしか引き込まれ、酔いの回った多恵の姿勢は段々とだらしなく崩れ、無意識のうちにゆるやかなコットンパンツの太腿部分から下着の一部が見え隠れを繰り返す・・・。

　酔っているはずの同僚は、相変わらずチラチラと多恵の下着を盗み見てていたが、多恵の思考が低下しているのか、気にする仕草は明らかに薄くになっていた。
　ここで、多恵に意味のない悪戯心が沸きあがる・・・・。自分をすでに女として見なくなった夫・・・。そして、自分を正真正銘のオンナとして男の目を向ける夫の同僚・・。
　この男から見て、自分は女としての魅力がまだ有るのか・・？確かめてみたいと沸き起こる衝動を、何故か抑えきれなくなっていた・・。

　酒に酔ったふりをして、隣で座る同僚の肩に頭を乗せてみる。すぐに乗せた頭を戻し、そして恥かしげに言葉を漏らしてみる。
『ごめんなさい・・・・だいぶ酔ったみたいで、少し眠くなってしまって・・・・』
　俯き、ウソの恥じらいを見せた多恵の太腿へ、同僚の右手が唐突に置かれた。
　驚いた多恵は顔をあげ、同僚の顔を真面目に見る・・・・。男の顔はあまりにも真剣に自分を見詰め、その熱い眼差しに多恵の胸がトクン・・と、高鳴る！

『ああ・・・ゴメンなさい・・・・』
　気まぐれな悪戯心から波及した現実に驚いた多恵の、失いかけていた理性が頑張ろうとする・・・。
　しかし、真剣に自分を熱視したまま、太腿においた手で白い肌をサワサワとさする男の感触に、強い抵抗心が一気に沸いてこない。
『あ・・・・っ・・・・ヤメ・・て・・・』
　男の手先がコットンパンツの上から太腿の付け根をこすりあげる。反射的に身体を揺すった多恵は、男の視線から逃れるべく身体を横向きに捻った。
　だが、男の求めは躊躇うことを知らず、捻った肩に手をかけると、力を入れて向きを戻してくる・・・。
『ああ・・・・・・ナニっ・・・・・！』
　再び、男の熱い眼差しに捉えられ、多恵の抵抗心が急速に力を失っていく。
　イケナイことだと解っていても、時間をかけて近付いてくる男の顔から目を反らすことが出来ない・・・！
　夫の同僚の唇から漏れる息が、自分の唇にかかり全身が熱くなってくる。太腿に置かれた手は、コットンパンツの裾と膝頭を絶妙な力加減で往復し、時折、コットンの布地を押し上げては第二関節まで内部へ進んでくる・・。
　暫く、男の臭いと肌の感触から遠ざかっていた多恵の身体は、同僚の意図する展開に心を焼かれはじめ、遂に重ねられた唇から伝わる本物の温もりに掠れた声をあげてしまう。

『ああっ・・・・〜・・・うむむっ・・・』
　背中に腕をまわされ、いたわる様に自分の上半身を倒してくる男の自然な動きに、多恵は抗うことを出来ずに畳の上で仰向けにされる。
　差し込まれた舌が柔軟に人妻の口内を動きまわり、口内の性感帯を的確につく舌先に多恵の舌がジンジンと痺れる。
　男の舌腹から滲み出る唾液を、痺れを帯びた多恵の舌が無意識に深く味わう・・・。
　同僚の右手は、太腿からコットンパンツの上を通り過ぎ、脇腹をくすぐりながら張り出す乳房へと這い上がってくる・・・。
『いや・・・・・それ、以上・・・は・・・むうう・・・ダメよっ・・・・』
　自慢のバストに手を添えられ、僅かに感じる恥じらいが多恵の唇に無意味な言葉をこぼさせる・・・。
　そんな多恵の本心など熟知しているのか、同僚の長い指を備えた大きな掌が、乳房の裾野を柔らかく持ちあげながら中指の先で突起の上を軽やかに通過する・・・。
『あ・・ふんっ・・・・・・ンン』
　ブラジャーとＴシャツで生の乳房を覆っているはずなのに、この男の指は、自分の乳首を直接愛撫しているかのように感じられる。
　軽やかに乳首をタッチしていた指先が、突起の全体を押し込むように刺激を加えてくる。
『あ・・・・っ・・・ふぅっ・・・！』
　すぐ近くで夫が寝息をたててるというのに、多恵の口からは感じたときに漏らす小声が発せられてしまう。
　唇を熱くふさがれ、舌と舌を激しく巻きあいながら続く愛撫は、じょじょに本格的に動き出し、男の片方の手が喘ぎを漏らす人妻の下半身へと伸ばされる・・・。
　長く細い左手の指は、コットンパンツの裾から自然な動きで中へ這い登り、背徳から汗をかくショーツのクロッチ部分を爪の先でカリカリと引っ掻いてくる。

『う・・んんっ・・！　んんンン！！』
　同僚の指先は、汗とはまた別の水分がクロッチに吸収されようと湧き出すのを敏感にキャッチし、さらにその場所への愛撫に力を乗せてくる。
　ショーツが割れ目に食い込み、どんどん溢れだす愛液がクロッチと蜜裂の摩擦を少なくして、男の指が動きを易くする・・・・。
　乳房をはっていた右手が一旦腰へとさがり、Ｔシャツを捲りあげながら人妻の首へと登ってくる。和室の空気がブラジャーからハミでる乳肉をチリチリと熱し、ブラジャーを突きあげる乳首が痛いほどに隆起して鳴き始める！
『あうんっ！　だめぇぇ〜・・・・ああ』
　これ以上されたら、夫を起こすくらいの声が出てしまいそうで多恵は身をよじった。

『アッチへ行きましょう・・・・・奥さん』
　自分の現状を察知し、背中に手を添えて優しく半身を起こしてくれた同僚がとてつもなく素敵に感じた多恵は、『奥さんじゃなく、多恵っていってください・・・』と、完全なる屈服のセリフをこぼしてしまう。
『なら、多恵さんもボクのことを、祐二って呼んでください・・・その方が親密感が増しますから』
　祐二に手をひかれ、奥のリビングへと移動した二人は、絨毯の上で同じように寝転がると、第三者を気にすることなく深く繋がりあっていった・・・。

　自慢のバストを裸にされ、白く張り詰める全体を祐二の手が柔らかく握りしめる。
　鳴きだしていた乳首を舌で愛撫され、久し振りに塗される唾液に薄茶色の突起は喜びに震える。
　コットンパンツはすっかり取り去られ、ショーツだけとなった下半身を細い指が華麗に動きまわる。
　女裂から漏れ出した液はショーツをこれ以上ないくらいに濡らし、そこを祐二に集中的にいじられると、多恵は堪らない声色を息とともに吐き出す。

　吸収力の限界に達した濡れそぼるショーツを優しく脱がされ、下方に陣取った祐二に両脚をじわじわと開脚されると、多恵の恥じらいと興奮はピークに達し、官能に支配されつつある全身がブルブルと震える。
　引締まった腕によって開かれた人妻の白い脚は、爪先から太腿まで朱に色付き、狭間に入れられた頭部から伸びでた舌先に蜜まみれの線を舐めあげれられると、朱に染まった両脚は一気に赤く染まり、その色は温度を上げた血流とともに全身の肌を赤く変化させていく・・。
『ああっ・・・っっ・・・！　いいぃ・・・っ』
　どこまでも的確に、そして優しく続く祐二の愛撫に、多恵の背中は床から持ち上がったまま降りようとしない・・。久し振りに吸い出される愛蜜は、その行為を喜び勇むように次々と溢れ出しては、舌を転がす夫の同僚の顔を濡らして熟れた臭いを撒き散らす・・・。

『欲しい・・・・お願いっ・・・・！あああ』
　舌先に長い指をミックスした蜜裂への愛撫に、多恵の欲求は最大に膨張し、朱に染まる大きな乳房の先が耐えられないほどに疼きを増してくる！
『ボクも我慢できないよ！挿れてもイイのかい・・・？』
　瞬時に肉竿を淫芯へとあてがった祐二は、止められるはずのない同僚の妻の欲求を確認するかのように亀頭を線に合わせて擦りつける。
『ううンンっっ〜〜！！　は・・はや・・くぅぅぅ〜〜っ〜』
　今にも蜜穴を塞いでくれそうな男竿を、早く咥えこみたい多恵の腰は激しく上下し、それを楽しむ男の焦らしに人妻の思考は限界だと叫びつづける。
　いよいよ、祐二の竿先が蜜まみれの膣を広げようと前へ突き出たとき、隣の和室から夫の唸り声が聞こえた！
　我に返った多恵の耳に、いやにハッキリと聞こえる夫の寝息・・・・。そして、寝息に混じってこぼれてくる、何かを話すような寝言・・・・。
　迎え入れる準備に開き切っていた人妻の女裂は、本能的に線を元に合わせ、充てられていた肉竿の先端をその柔身で押し返す。
　今更ながらに亭主を持つ身が理性を叫びだし、その叫びに人妻としての良心がかすかに舞い戻ってくる！

『ちょと・・・・待って！』
　挿入体勢で身をかぶせてくる祐二の胸を押し、それ以上の動きを止めようとした多恵だったが、男の下半身はいっこうに停止することなく、人妻の中へと竿の先を埋没させてくる！
『ヒッ！あああっっ・・・・・・！　ダメぇぇ〜っ・・・・・・っっ』
　肉の塊に穴を拡げられ、その体感に胸を押した腕から力が奪われる・・・・！男の象徴を長く受け入れなかった女の中心は、満たされる重圧に途端にヒダを絡め動かし、人妻の理性に逆らうように腹の底から濃密な官能感を突き上げてくる！

『はっっああぁぁああああ〜〜！！っっっつつ！！　ふふあンンーっっーーー！！』
　夫の気配を気にした思考など、強張りの侵入で一気に吹き飛んでしまった！強く、堅く、長い異性の温もりに人妻の抑圧された性は壁を爆破させ、全裸を打ち震えさせながら男の律動に止められない声を漏らし叫ぶ！
『多恵・・さん・・・イイよぉっっ〜！』
　締め上げてくる多恵の蜜壷に祐二の背筋はビクビクと痙攣し、夢中で動かしてしまう下半身に人妻は身を悶えさせて歓喜にむせぶ・・。

《ああ・・・多恵さんが喜んでいる・・・・・厭らしい人だ・・・・っ》
　脳内で乱れる多恵の姿に、桜木の呼吸が荒くなり、勃起したペニスが前後に激しく揺れる・・・・。
「いやね〜・・・桜木さんたら！意識がないのに竿を揺らしちゃって！」
　仰向けで気を失う桜木の隣で状況を見ていたヒトミは、躍動する男の象徴に割れ目が熱くなるのを感じる。
「ちょっとだけ悪戯しても良いかしら？・・・」
　ヒトミが伺いを立てた場所には、全裸で褐色の男を下に敷くノエルが微笑んでいた・・・。
「ダメですよ、ヒトミさん・・・。今が一番大事なとき・・・・ヘタに刺激して現実へ覚醒されたら全てが無駄になります。まあ、ちょっとやそっとで覚醒するわけが有りませんけどね！あああっ！気持ちイイわ・・・」
　桜木が天使と表現した美しい顔は、騎乗位でペニスを受け入れたまま官能美に染まっていた。細く長い脚がＭ字に開き、その真ん中に刺さった巨大なペニスに薄桃色の膜を張りつけながら上下する蜜壷は、現物で表現するのが不可能なほどに美しく輝き、その輝きと機能に男の竿は短時間で限界を迎える。
　勢い良く発射された精液を体内に蓄えたノエルは、そのまま隣へ少しだけ動くと、寝転がる別の男の上で腰を落としていく・・・。
　男の口から呻き声が漏れ、美しき天使の蜜壺が太い幹を締め付けながら天使の囁きで樹液を奪っていく・・。
　次の男へ、ノエルは裸体を動かすのだった・・・。

　桜木の脳内で乱れゆく多恵は、人妻の性を謳歌しつつあった。
　祐二のペニスは鋭い音をたてながら多恵の蜜穴を高速で移動する。膨らんだエラが人妻の愛液を引っ掻き回し、裁断なく漏れる熟れた淫声は歯止めが効かずに部屋を駆け巡る・・・。
『ゆう、、じさんっ・・・・・スゴイイっっ・・・・！！あああんんんんふふんん！！』
　もはや隣の部屋で亭主が寝ていようと、多恵には関係なかった。今まで自分が体感した全てのモノより、この同僚が与えてくれる快感は遥かに上を行っていた！

　鋭く、速く、力強く！蜜をたたえた熟れ時の身を狂わせる動きで律動する男の温もりは、男根の持ち主に対しての多恵の愛しさを増してゆく。
　祐二が殺した声でうなりペニスを引き抜く！そのまま多恵の腹を跨ぐと、赤く染まった巨乳へと精子を発射する！
　浴びせ掛けられた熱い液体に多恵のカラダは大きく波をうち、筋肉をきしませてブリッジすると、久方の絶頂を全能で甘受した。

　リビング内に二人の荒れた呼吸音が暫くつづき、それが修まりだすと、和室からは何も知らない夫のイビキが高らかに聞こえてくる。
　安堵に胸を撫で下ろし見詰め合う二人を支配したのは、飽くなき欲求への連鎖だった・・・。
　キッチンのタオルで胸の精液を拭き取り、蜜で光る祐二の肉茎を多恵の唇と舌が掃除する・・・。魅惑的なボディーで怪しげに繰り出すフェラチオに、祐二の肉幹はグングン甦ってくる。
　堅くなる口内ブツは人妻の淫裂を何倍にも濡らし、多恵は一匹のメスとなって二度目の挿入を熱望する。
　自らテーブルに両手をつき、程よい量感の双臀を後ろへと差し出すと、官能的な人妻のアピールに鼻の下を伸ばした同僚は、すぐさま勃起したジュニアを刺し挿れていく！
　パチンパチン！と尻肉と前腰が激しく音を立てて貪りを繰り返し、男の手によって握られた白尻はその手形をハッキリと白い肌に刻んでいく・・。
『あああっっ！！　またぁ〜〜っ！　イっ・・・イっっ！！　イっちゃうううぅぅぅううううううううう！！！』
　後背位で果てた人妻の背中へ飛散った無数の命が、優しく肌を舐めながら床へ滑っていった・・・。


　朝を迎え、何も知らない夫は二日酔いだと呻きながら出社していった。
　引き攣りそうな笑顔と裏腹に、多恵の身体は久し振りの爽快感につつまれていた。しかし、その爽快感と同居する欲求が収まりを付けずに熟れた身をこがしていた・・・。
　多恵は完全に不倫へとハマっていった。あの夜から始まった関係は、その後も切れることなく定期的な逢瀬をつくりあげていた。
　満たされなかった人妻の、典型的な不倫模様・・・・。その結末は、多恵の人生を逆転させる程の悪意をもって、人妻の身に襲い掛かってきた！

　いつもの様に祐二と連絡をとり、平日の午後、ホテルへと消えた二人・・・・。
　十回を越えた逢瀬は、すでに二人の肌に完全なる馴染みをもたせ、呼吸のあったプレイをお互いの為に遠慮なく繰り出していく。

　この日、祐二は馴染んだ多恵のハダカをいつもと違った感じで責めてみたかった・・。
　柔らかで能感的な裸体は、あらゆるプレイにも適していると感じていた祐二は、大きな乳房を中心に縄を使ってみたかったのだ。
　祐二の提案に戸惑った多恵だったが、すっかり愛情移入した男の強い願いを適えてやりたいとも思った。
　恥じらいながらも縄を許可した人妻に興奮を隠しきれない夫の同僚は、多恵の答えを予想してたのか、用意しておいた赤い縄を人妻の前に晒した。
『いやだわ・・・・祐二さん・・。ちゃんと持ってきてるじゃないっ・・』
　現物を目の当りにした多恵は、鼻息を荒げながら自分の裸を縄で括ってくる祐二の行為に、わずかに息が荒くなるのを感じた。
　縄のチクチクとした肌触りが、何故だか妙に全身を刺激的に変えていく・・。荒縄が股間をくぐり、キツク締め上げられると、思わず大きな吐息を漏らしてしまった。

『多恵さん、意外と感じたりしてる？！』
『うっ・・・イヤんっ！　ああっ・・・イジワル・・・・いわない・・でぇぇ〜』
　亀裂から滲み出た液体は、縄との間でクチュクチュと淫靡な音を立てていた・・。
　素人のメチャクチャな縄使いだったが、縛り上げてみれば其れなりに官能さを纏っていた。上下から縄で絞られた巨乳は、その存在感を一層に増して前へ突き出し、飛び出した乳首は、触れてもいないのにヒクヒクと頭を揺らしていた。

　結局は上半身を中心に縛り、縄の下方が股間をひと潜りしただけだったが、充分過ぎる興奮を二人にもたらし、口元へ添えられた祐二の肉棒に頬を染めてムシャブリつく人妻だった。
　いつも以上に舌をつかい、唇をキツク合わせては愛しい肉の塊を舐め続ける多恵の厭らしさに、祐二のペニスも普段以上に堅く膨れる。
　我慢しきれなくなった祐二は、拘束状態の多恵を荒々しくうつ伏せに転がすと、突き上がった白尻に食い込む赤縄を力任せに横へずらし、甘い臭いを撒き散らす淫芯に顔を寄せる。
　人妻の蜜裂は多量の汁気をおびてムンムンと熟れており、その輝きは祐二の股間をさらに昂ぶらせる！
　普段以上に堅く勃起する自分のペニスに痛みさえ感じた祐二は、最高潮に達した興奮そのままに同僚の奥方を背後から抱え込むと、膨張する竿先からもの凄い勢いで壺内へ沈めていった！！

『はあうううううううっっっっ〜〜っ！！！〜っっっ！！！』
　十数回の逢瀬の中で、最高とも思える屹立を埋め込まれた多恵は、一瞬、息が止まるほどの快楽感に括られた裸身を激しく跳ね上げた！
　双臀を握りしめた祐二の突き挿れは激しさを緩めずに、多恵の全身を揺すっては肌の弾ける音を響かせる。
　余りの快感に多恵の喘ぎは声にならず、ただ吐き出す息と吸い込む空気が切れる音だけがいつまでも続く・・・！
　子宮の入口など、どれだけ男のシンボルに砕かれたかも解らない多恵の絶頂が、波を大きくウネらせて一気に迫ってくる！
　あと少し！そこまで来ていた人生最高のオルガスムスを迎えようとした瞬間、夢中で動いていた祐二の腰がピタリと停止する・・。
　自分を待たずに、絶頂を受け入れてしまったと勘違いした多恵は、震える白尻と絞り出された乳房を揺すって可愛い不満を露にする。
　しかし、その仕草にも背後についた祐二は反応を見せない・・・・。それどころか、自分の背中へと上半身を乗せてきては、後ろ手に縛られた手首に体重をあずけてくる・・・。

『い、痛いわ・・・・祐二さんっ・・どうしたの〜？！』
　自分の言葉に答えを返さない男の象徴が、突き上げた双臀の間からゆっくりと抜け落ちていく・・。
　その時になって、祐二の状態が只事ではないと多恵は悟った！！
　必死に乗りかかる祐二に声を掛ける多恵・・・。しかし、祐二の口から言葉が聞こえることは決して無かった。
『イっ！イヤあああああああーーーーーーーっっ！！！！！』
　前触れもなく自分の身に襲い掛かった現実に、多恵は激しく取り乱し、大きな悲鳴を何度も挙げた！
　その声は、防音設備にさえぎられ、一向に外へ聞こえることはなかった・・・。
　どんどん重くなる祐二の身体は、縛られたままの多恵を押し潰してくる。呼吸もままならなくなり、多恵の身体が苦しさに喘ぎだす。
　必死に揺らした背中から、祐二の身体が横へ滑り出し、ドサリと多恵の真横へ落ちてくる。こちらを向いたまま見せた祐二の顔は、苦しげな目を大きく見開き、飛び出した舌が蛇のようにチロチロと動いていた！
『きゃっ・・・・きゃぁぁぁ〜〜ーーーーーー！！』
　すでに息をしていない男の恐ろしい死に顔に、断末魔の悲鳴をあげた多恵は、そのまま気絶した・・・。

　それからの事は、憶えていない・・・・・・。
　多恵が意識を取り戻したとき、病院のベッドサイドには、見たことの無い若い女性が立っていた・・・。
　多恵が知ってる中では、圧倒的な美しさを持ったその若い女性は、自分はノエルだと言った。
　医者が腕に針を刺し、注射内の薬液をゆっくりと注入してくる・・・・・。じょじょに鮮明さを失う意識の途中、ノエルから囁かれた言葉に多恵は逃れられない人生を背負ったと知った・・・・・。
　以降、祐二の話題が多恵を悩ませることは無かった。何かのパワーが作用したのは多恵にも充分理解できた・・・。
　夫も、今迄と変わらない態度で接してくる・・。それは決して無理をしている訳じゃなく、完全に多恵の関与を知らないと疑う余地もないほど・・・・。
　そして、多恵の生活の全ては、ノエルの手中に治められたのだった・・・・・。

（ああ・・・多恵さんっ・・・・。君はそんな風に今を受け入れたんだね・・・・可哀想に・・・・・）
　多恵という女性の闇を知った桜木の閉じた目からは、数筋もの涙が零れおちていた・・・・。
　その腰の上では、蜜を滴らせたヒトミの淫芯が、熱く桜木のペニスをつつんでいた・・・。