８．

　ヒトミの巧み過ぎるフェラテクニックに悶える桜木は、ヒトミによってフロアーに仰向けにされた。足首に引っ掛かるハーフパンツと下着を優しく取られ、Ｔシャツのみで寝転がる桜木の脚を左右に開くヒトミ・・・。

　開いた脚の間で片手と両膝を床につき、低い姿勢で迫るヒトミのタワワな乳房が前後に揺れ、伺い見る桜木の股間がその見事な膨らみに堅く強張りを増す！

「お気に召しますか？・・・・」
　自らの片乳を右手を使って持上げ、重量感のある物体を自分で揺する瞳は、仰向けの桜木に鋭い目力で淫蕩な笑みを向ける。
「あ、ああ・・・素敵だね」
　丸く艶とハリのある豊乳で迫り来るヒトミの厭らしい姿に、桜木は生唾を飲込み細い息を吐いた。

「ああ〜っ！！　ううううううううううっっっ！　ふんんン・・・〜〜ああ・・・・！　あああああんんんんっっっ！！！」
　すぐ近くでは、桜木と同じ様に寝そべる男の上で、育美が裸体を悶えさせながら乱れ狂っている。
　コーラの瓶底ほどに巨大なペニスに腰を沈める育美の両脇を、屈強な二人の男が支えながら上下し、プレイに休むヒマを与えない・・・。
　背後から廻された手で釣鐘の双乳は揉みこまれ、乳首は限界まで隆起しヒクヒクと鳴いている。その乳首を前から男が舌を絡ませ刺激している。
　眉間には皺が刻まれ、堅く閉じていた瞼は今では薄らと開き、横から差し出される男の肉竿を確認しながら口内へ含んでいく・・・。
　鼻腔を大きく広げ、そこから熱い吐息を醸し出しながら、自らも腰を廻し寝転がる男の顎をその締め付けで反り返らせる。
　上下、前後する育美の乱れに合わせたリズムで揺れる美しき白美乳が、細い腹回りから突き出しなんとも官能的だ・・。

　育美の痴態に目を奪われる桜木の男竿に生温かい感触が宿る。
「イヤですわ、桜木様・・・・。目の前にワタシが居るのに、育美さんに見蕩れてしまって・・・・」
　瞳の豊乳がペニスを挟み、その素晴らしき弾力と容量をもって鎌首から幹肉を柔圧してくる。
「うう・・・・・凄い・・・・タマらんっ！」
　ペニスに体重を乗せた瞳の美乳がゆるやかに前後し、深い谷間から顔を出すパンパンの亀頭先を真っ赤な舌腹が唾液を塗り付けてネブる。

　動物の体勢でパイズリを続けるヒトミの後ろへ男が近寄り、スカートのホックを外すと下着もろとも脱がしていく。
　そのまま男の腕が双臀の端の日焼けした場所を掴み尻肉を左右に拡げ、舌が淫裂へと伸びピチャピチャと唾液を馴染ませる・・・。すぐさま、パイズリと舌を駆使する受付嬢の口から淫蕩な小声が漏れ出す・・。
　顔を小刻みに上下し、背後から蜜裂を濡らす男の舌と指の愛撫に顔を歪めながらも、桜木への胸奉仕を休まずに乱れを見せる瞳・・・。
　竿先を舐めていた舌腹がエラへ絡みつき、拡げた唇が卵を飲み込む毒蛇のように桜木の膨らんだ亀頭を粘膜で覆う。
　根元を握る数本の指が適度な速度で上下を繰り返し、血流の流れが増し大きさを強めた硬物に本格的なフェラチオが開始される。
　上半身を少し立て、真上から唇を幹に沿って落とすヒトミの丸い豊乳が、ぶるんプルンと縦横に乱れ揺れ、堪らず桜木はその揺れ元へ手を伸ばし鷲掴んだ！

「好きにイジくってください・・・ううんっ・・」
　掌にあり余る大きな乳房を力強く揉みながら、ペニスを舐め咥えるヒトミの芳醇フェラに目を細める桜木・・。
　ヒトミの豊乳は、以前味わった「多恵」とイイ勝負だった。違いと言えば、ヒトミの乳房の方が若さからか明らかに堅い！
　堅いという表現は適切ではないかもしれないが、それ程に張り詰め、果物に例えると少し熟れた大振なリンゴを握り締めている感触だった。
　反対に多恵のそれは、張り詰めているものの掌に吸付く滑らかさをもち、果物では食べごろの大きな桃というところか・・・・。
　二人の魅惑的な乳房の違いに思いを馳せていると、最大まで成長したはずだった己の肉茎が一段伸びた感覚を下半身に得る！

「まあ、桜木様・・・・今まで隠してたんですか？こんな立派に成長する息子さんを〜」

　掌の中で屹立を増したゲストの肉竿に潤んだ目を向けて、瞳は幹に絡めた指をキツめに上下へスライドさせる。
　竿の先端からは、指によって絞り出された透明な液が巨大に膨らむ亀頭の山肌を伝いヒトミの指まで垂れてくる。
　指を濡らす粘り気の液を舌で舐め取ったヒトミは、後ろで淫裂を愛撫する男に離れるよう言うと、リンゴの豊乳を揺すりながら桜木の腰を跨ぐ。

「ターゲットの育美嬢より先に、この見事なオ○ンチンを頂いてもイイですか・・・？」
　豊満で官能的な受付嬢の言葉を拒否する理由なんて見付からなかった・・・・。黙って頷く桜木に嬉しそうに微笑んだヒトミは、別の男の愛撫によって溢れさせた愛液滴る蜜裂の入口と、寝そべる桜木から直立した肉の棍棒をピタリと重ねる。
「失礼します・・・・・あああっっ！！」
　肉茎にナマめく壺ヒダを深く撫で付け、受付嬢の腰が下までゆるやかに落ちてきた。

「ううんんンっ！　素敵です〜っ・・・・ああん、ふんんンっ！」
　ペニスの先端が蜜壷の奥へ届き、その堪らない感触にヒトミの身体が小さく震え、最奥に嵌りこむ肉頭の強張りにジッと動かなくなる。
　官能に表情を失なったまま動かない瞳に堪らなくなった桜木が腰を使おうとしたとき、動いていないはずのヒトミの奥が、生物のようにジワリ、じわりと竿の先を締め付けてくる！

「ううっ！　勝手に締めるよ・・・・奥が・・・があっ！」
　豊乳を握る手に、思わず力が入る桜木！大き目の乳首を摘んだ指が、突起の中腹を捻りあげる！
「あああっっ！　イイっ、いいわぁぁっ〜！　もっと、お願いぃぃ〜い！」
　どうやら瞳嬢は、強めの刺激が望みのようだ・・・・。竿の先を襲う刺激に耐えながら、桜木は捻った乳首をより激しく摘み潰す！
「すっ！ス、テキっ〜〜〜っっ！！！　もっとおおぉぉぉおおおおおっっ！！」
　官能のスイッチが入ったヒトミは、止めていた下半身を揺らしだし、進化した桜木の肉棒に沿って蜜壷を激しくスライドさせては背中を反らす！

　悩殺的だった・・・・！日焼けした肌とは対照的に、水着に覆われていただろう白いままの豊かな膨らみが大きく上下に弾け、自分の上で腰を廻し、夢中で乱れる若き受付嬢・・・。
　隣では、受付嬢に微塵も劣らない、いやそれ以上に魅惑的な若きＯＬが騎乗位で白尻を振りながら、血管を浮上がらせる肉根に唇を滑らせ嬌声を奏でている・・・！
　デビルが自分のために設えてくれた新たな刺激・・宴・・。これ以上の背徳がこの世に存在するだろうか？・・・。桜木の全身は隅々まで満たされつつあった。
　あとは、この受付嬢を出来る限り乱れさせ、たっぷりとその味を堪能し、その後で隣で喘ぎまくる育美の肌を味わえばいい・・。想像するだけで興奮度を高める桜木の腰が、自然とヒトミの蜜穴に向かって律動を開始する。

「はあっ！　ああアア！　す、スゴっ・・いいいいっっ〜！！　んんああぁぁぁあああああああ！！！！！」
　活発に動き出した桜木の肉竿に淫穴を貫かれ、瞳は狂ったように日焼けした裸身を淫らに悶えさせ、揺れる乳房を自分で握り潰しながら最高に厭らしい表情で淫感を享受する・・・。
　悶えるヒトミの中で暴れに暴れる肉の竿が、際限なく蜜穴の天井を叩き挙げる！その強感にヒトミの顎は上を向いたまま下がってはこない。
　数分続いた桜木の突き上げに、身も心も限界に達した受付嬢は高らかな淫声を強烈に奏でると、狂おしい程の絶頂感に激しく痙攣しながら果てた。

　時を同じく、育美と交わっていた最後の男が、跳ね上る豪幹から迸り出る精子を育美の口内へ注ぎ込んでいた。
　口内を満たす青臭い液体を、育美は満足そうな顔で喉を動かし体内へ落としていく・・。そして全部飲み干すと、電池が切れたオモチャのように一瞬にしてその場へ崩れ落ちた。

　腹の上で痙攣を続けるヒトミの日焼けした裸身を横へ降ろした桜木は、ビンビンに隆起する己の分身を恍惚な表情で手淫したのち、瞳の身体を反転させ、うつ伏せにする。
　豊乳と同様に白いままの透通る柔尻の下へ両手を通して持上げ、丁度いい高さへ白尻を固定すると、イキリ立つペニスを愛蜜で光る淫穴へ深く沈める。
　瞬時に気を戻すヒトミの喘ぎと震えをＢＧＭに、夢中で下半身を打ち込む桜木の奮闘ぶりを育美を弄んだ連中が取囲むように見詰める。

「うんあっ！！　ふんんああ！！　やあっ・・・あああ・・ぁぁぁぁ〜・・・・・・！！　ダメぇぇぇええええええ！！」
　淫穴の奥という奥を叩き続けられたヒトミは、狂い泣きながら連続して登り詰めると、迸る桜木の精を蜜奥で受け止めた。

　沼地から竹竿を抜取るに似た音が響き、ポッカリと開いた女淫からは、ヒトミの痙攣する裸身に合わせ収縮する壺ヒダの働きによって、白い物質が次々と逆噴射する！
　愛液に彩られた竹竿は、その節を禍々しく残しながら、萎えることをせずに天を目指し背筋を伸ばす。
　竿の先に滲む樹液は、次なるターゲットを求めて青臭さを放ち、竿自身は発見した獲物に向かって槍先を光らす！
　気を失せたまま輝かしいボディーをこの目に晒す若きＯＬへ歩を進め、その光に手を伸ばし掛けたとき、またしてもフロアーの照明が突然落ちる。
　ヤル気を削がれた桜木が怒りで鼻を鳴らし、暗闇に目を凝らしたその瞬間、今迄その場所にあるのを気付かなかった大型スクリーンが光を放ち、先程まで繰広げられていた育美と男衆の絡みが映し出された！
　フロアーの隅で、女性の叫び声が聞こえた！その場所へライトが向けられると、一人のオンナがスクリーンを凝視しながら身体を震えさせていた・・・。

　暗闇の奥から、低く貫禄のある男の声が響く・・・・。
［このオンナは、我々を窮地に陥れた罰を受けなければならない・・・・・。このオンナは、それだけの罪を犯したのだ！コヤツの罪は極刑をもって償われる・・・・］
　桜木には、声の主に思い当たるものがあった・・・・。実際に聞いたことは無くても、醸し出す独特の波長はメールそのものだった。
「デビル・・・・・っ」
　喉を伝って零れた桜木の声が、静まり返ったフロアーに染み渡っていった・・・。
　そして震える人妻は・・・紛れも無く、町田多恵だった・・・。

　
「育美・・・・・・どうして・・・・！」
　大粒の涙を流し、それを何度も拭取りながら慟哭する多恵はその場へ膝をついた。

「育美は、多恵の妹よ！・・・・・」
　呆然と多恵を見詰める桜木に、ヒトミが多恵に聞こえるようにワザと大きな声で説明した。

「いやあぁぁ〜〜〜！！！！！」
　言葉によって現実にされた恐ろしい出来事が、多恵の脳内を駆け巡り、人妻の口からは切裂くような叫びが挙がった！

「た、多恵さん・・・・」
　激しく取り乱す人妻に心を揺さぶられたのか、そばへ近付いた桜木は多恵の肩を撫でながら声を掛けた。
「あっ・・・！　さ、さくらぎ・・・・さんっ・・・」
　一度は合わせた肌をもつ男に心を許す訳ではなかろうが、多恵が桜木を見る目は、頼るべき者が他には居ないといいたげな刹那さを孕んでいた。
　だが、それも一瞬だった・・。自分の妹が陵辱された現場に桜木も居るのだ！この男も一味だと考えるのは取り乱した多恵の現状から当然といえた。
　しかし、多恵の変化を捉えるヒトミが、桜木は育美とは無関係だと諭すように伝える。

「桜木さんは、今日はワタシの身体しか味わってないですから」
　余計なことまで言うものだ・・・・！桜木がそう感じてヒトミを見ると、ヒトミは斜め上を向きながら悪戯っぽい顔で微笑んだ。

「さあ、起きてしまったコトですから仕方ありませんよ。多恵さん、いつまでもココに居ると、妹さんを喜ばせた男達の次の餌食になりますよ」
「よ、喜ばせたですってっ！　い、妹は犯されたんです！ケダモノっ・・・・うううう・・・・・っ」
　自分の大事な姉妹を侮辱するヒトミの言葉に、多恵は歳の割に幼い顔を般若のごとく変え怒りを露にした！
　そのとき、スピーカーの音量が大きくなり、スクリーン内で叫ぶ育美の喘ぎ声がフロアーに響き渡る。
　信じられない顔で映像に目をやる多恵に、ヒトミの追い討ちがかかる。
「ほら御覧なさい・・・・。妹さん、あんなに男の上で腰を振っちゃって！！　それに、あの乱れようったら何処のオンナよりも厭らしいし、喜びは半端じゃないでしょ〜」
　確かに、現在映し出されている育美の姿は、仰向けの巨根男の上でその太い幹に沿って秘唇を上下に激しくスライドさせ、唇に含ませた赤黒い肉棒に涎を垂らして奉仕をしている・・・。
　誰の目から見ても、淫乱な美女が複数の男を宛がわれ喜んでいるとしか感じられない情景だ。
「い、いく、み・・・・っ〜〜　ああああああああっっっ！！！！！」
　多恵は床に顔を擦りつけ、激しく泣き叫んだ！状況こそ違えど、桜木が目にする多恵の２度目の涙には違いなかった・・・・。

「さあ、多恵さんはこのままお帰りください！後日、デビル様より何らかの指示があるでしょう」
　ヒトミの言葉を合図に、数人の男が多恵の腕を持上げると、引き摺るようにフロアーの扉まで引張っていく。
「それでは、御機嫌よう・・・・」
　瞳の悪魔の笑顔が多恵を見送ると、鉄の扉は多恵を外に残したままガチャリと重い音で閉じられた・・。

「それでは桜木様。育美嬢がそろそろお目覚めになると思いますが、タップリとご賞味されますか？それとも、すでに私の身体でご満足なら無理にとは申しませんが・・・・」
　鉄の扉から振り返ったヒトミは、そう告げながらリンゴの様な乳房を両手で揺すった。

　巨大なマシュマロの先端で揺れる茶色の乳首が、桜木の目の中を何度も行き交う・・・・。それは一種の催眠なのか・・・・。この受付嬢へ放出した桜木の肉茎が、グングンと大きく堅くなり、欲情の意識が桜木の脳内を支配した・・・。

　桜木の脳内を支配したのは欲情だけではなかった・・・。別のナニか・・それは加虐心ともいうべき、荒んだ、本能だけで相手を攻め抜く欲望・・・。
　小さな唸り声を漏らす育美に近寄った桜木は、まだ目覚め切らない若きＯＬの腰を持上げるとその背後にイキリ勃つ己の凶器を近寄せる。
　切れ長の瞳を見開き桜木に振向く育美の目に写ったのは、悪魔の影をチラつかせる赤ら顔の中年男性。
「いやっ・・・・・・っ」
　恐怖に染まった顔で小さく叫んだＯＬの蹂躙され尽くした蜜壷へ、剣のごとく磨きのかかった肉の刃物が鋭く刺し挿れられた！
「やああっ〜っっっ！！あああああああ」
　鋭利な凶器の先端は容赦なく育美の女性なるふところを抉り刺し、内側の襞と粘膜を切裂く動きで刺し抜かれる。
　１０本の指で床を掻き毟り、膝の皿を何度も床へ打ち突けながら鋭利な凶器の餌食と化す若いオンナは、その抵抗も虚しく空回りを繰り返し、複数の男によって何度も陥ることを強いられた濃密な場所へ身体の底から嵌り込んでいく・・・。
　育美の全身は未経験のゾーンをまどろむ官能に酔い、自分から背後の突きに尻を振ることを本能が憶えては素直にその行為を繰り返す。
　悪魔の囁きに翻弄される中年の男は、若きＯＬが何度果てようとも何回も律動を蜜壷へと浴びせ続け、何度射精しても萎えることの無い凶器の肉棒で夜が白むまで濃密な絡みを受容した・・・・。

　翌日、会社でＰＣを見詰める桜木の風貌は、誰の目から見ても荒んだ身形だった・・。

　同僚や、ましてや上司までもがそんな桜木に声を掛けるのを躊躇うほどだった。
　唯一、悪意の同僚田之上だけが、休憩時間に桜木を外の喫茶店に連出し、お得意の口の端を吊上げた顔で理由を聞き出そうと迫ってきた。
　だが桜木が田之上に向ける視線にはとてつもなく深い影が見え隠れし、それを無視してまで問詰めることが悪意の同僚でも出来なかった・・・・。

　焦る田之上を無視する桜木の携帯が鳴り、一通のメールが届く。
　差出人はデビルであり、その文章を読む桜木の目がじょじょに輝きを含んでいく。

｛桜木様、本日の夜に素晴らしいパーティーを企画しております。もちろん参加されると信じておりますが、念のため出欠席の返事を戴けますでしょうか？本日のパーティーには桜木様も良く知る面々が同席しますので、是非おいでください。場所と時間は追って御連絡いたします・・・・｝

　桜木の指が躊躇いなく動き、参加の意思をデビルへ伝える。
　メールを送信したあと、目の前で自分を伺い見る田之上にひとつの疑問を確認してみた。

「田之上、オマエは早苗さんとアレからどうなってるんだ？それに、あの時プールで彼女に何を言ったんだ・・・オマエは何処まで知っているんだ？」
　色を無くしていた田之上の顔に、得意の悪意に満ちた気色が戻ってくる。
「お前と同じだよ・・・・・。デビルさんから唐突に教えられたんだ、お前と早苗が倉庫で厭らしいことしてるのを見て、それからは俺の好きにしてイイって言われたんだよ！だから早苗は今でも俺のペットさ、毎日ヒ〜ヒ〜言わせて可愛がってよ！お生憎様だな・・へへへ」
「あの時の言葉は？」
「それも言われた通り、彼女に『デビル』って囁いただけだよ！効果てき面だったな〜・・・彼女、その一言で大人しくなっちまって」
「それだけか？他には？」
「ホカ？それだけだよ！別になにか有るのか！？」
「いや、それならイイんだ・・・精々彼女と上手くやってくれよな。お前には家族があるんだ、あんな美人の奥さんを悲しませるなよ。それを肝に銘じて楽しめばイイさ」
「余計なお世話だよっ！何様のつもりだ！！」
　威圧的に自分を見る田之上を冷ややかな目で見詰めた桜木は、伝票を掴むとそのままレジへと歩いていった。
「家族だとっ！テメエに言われたくネェや・・・・馬鹿野郎がっ！！」
　その威勢良いセリフが、のちに自分を追い込むことになろうとは、悪意の同僚にはまだ知る由もなかった・・・。

　２３時・・・。桜木はある場所へ向かって歩いていた。
　パティー会場だとデビルから教えられた、一流ホテルのスイートルーム。
　ホテルのフロントで名前を告げると、接客教育の行き届いたホテルマンがルームナンバーを耳打ちする。
　１１２０号室。上昇するエレベーターが桜木をスイートのみが存在する途中階へ運んでいった・・・。
　エレベーターの扉が開くと、目の前には受付嬢のヒトミが彫りの深い笑顔で桜木を待っていた。

「ようこそ、桜木様。お待ちしておりましたわ・・・・・」
「今日はよろしく。何が始まるかドキドキしてるよ」
「ご期待を裏切るようなコトは決してありませんわ・・。最高級の背徳が今夜は繰広げられますので、お楽しみを」
　そう言ってカードキーを差込み扉を開いた瞳とともに、桜木は２度と現実には戻れない悪魔の住処へ身を潜めていった・・・。