【レベル　２】

　翌日から、僕と瞳ちゃんの間に、妙な決まりごとが出来た。
　瞳ちゃんは、僕を起こす時は、ノーブラになること。せっかく、ノーブラを承諾してくれたのだから、一日だけではもったいないと、意味不明の駄々をこねて、瞳ちゃんを言い負かしたのだ。
　瞳ちゃんは、困惑しまくったが、妥協点として、この家の中だけでいいと提示したら、何とか了承してくれた。
「こじろ〜さん、起きてくださぁ〜い」
　ユサユサユサユサと、いつも通りの瞳ちゃんのモーニングコール。昨日、なれない肉体労働をやったせいか、少し身体が重い気がする僕は、緩慢な動作で目を覚ました。
「起きましたか、こじろ〜さん」
　彼女の僕の名前の呼び方は、なんか独特だ。小次郎さん、と言ってくれているはずなのに、僕の耳にはこじろ〜さん、と届く。言い方が幼いのかな。
「なんか、身体重いかも、瞳ちゃん・・・」
「え？　調子悪いんですか？」
　途端、顔を曇らせる瞳ちゃん。慌てて、僕の額に掌を乗せ、熱を測ってくれる。
「熱はない、ですね」
「いや、疲れただけだから。昨日、身体つかったでしょ？」
　モソモソと今日はどこを触ろうかと右腕を出す。気づかないのか、気づいていないフリなのかわからないけど、瞳ちゃんは相変わらず無防備だ。
「昨日は大変でしたからね」
　昨日で、雪崩れ状態だった本を半分は、ダンボールに詰め終わった。まだ売れそうなのや、処分しなくてはいけないほど痛んだ本を仕分けしながらだったので、思ったより手間がかかっている。
「今日も頑張んないとね〜」
「そうで、すみゃ！！」
　今日は趣向を変えて、生脚まぶしい太ももに、手をあててみた。相変わらずの悲鳴に、一日がまた始まったなぁとしみじみと思う僕だ。
　考えてみれば、手以外でこうやって肌に直に触れたのは初めてか。掌に伝わる感触、信じられないほどスベスベだ。触っているだけで気持ちいい。
「あ、あぁぁ、あの、こじろ〜さん、あのあのあの・・・・・・」
　いつもと違うアプローチに、声を震わせて困惑している瞳ちゃん。ムチムチでスベスベとは侮れないなこの太もも、と僕は感動しきりだ。
「朝の挨拶だから、うん」
「ででででも、な、なんか、いつもと、違いますよ・・・・・・」
　いつもはお尻さわりがメインなので、このアプローチは瞳ちゃんにも新鮮のようで、新たな反応が見れて僕も嬉しい。
　スカートの中に手が突入していく。もう少しで捲れそうなのを、瞳ちゃんはあわてて抑えた。
「だ、ダメです。パンツ、でちゃいます」
　涙目でそう言う瞳ちゃん。いま、僕の手はあと三センチ上昇したら、瞳ちゃんのパンツに触れるなって場所で待機中。
「触るのはいいんだ？」
「えっと、それも、できたら遠慮してください」
「え〜、どっちかはいいじゃん」
　と不平の声を上げると、途端にシュンとなる瞳ちゃん。どれだけ押しに弱いんだろうか、この人は？
「で、でも・・・・・・」
　大前提として、兄嫁にセクハラをする僕の存在自体がいけないのだが、そこはスルーして僕は瞳ちゃんに提案する。
「じゃあさ、パンツ見せてくれるか、さわらせてくれるか、どっちならいい？」
「ふぇ、見せ・・・　さわる、ですか？」
　僕の提案に、目を丸くする瞳ちゃん。まだ寝転んだままなので、いくら抑えているとはいえ、この角度からなら、パンツはちょいと手を上げれば見えたりする。
「で、でも、どっちも、は、恥ずかしいですよ」
　ここまで流れを持っていけば、瞳ちゃんに両方断るって選択肢はなくなる。
「僕としては、このままさわらせてくれると、ありがたいんだけどねぇ」
　僕の言葉に、ビクンと身体が強張るのがわかった。さすがに女性の秘所に近い場所をさわられるのは、抵抗より恐怖心がくるらしい。
「じゃ、じゃあ、見せますから・・・・・・」
「見せてくれるんだ♪」
　声に喜色が乗ったのが、わかる。こっちがメインだったので上手く誘導できた。
「ちょ、ちょっとだけですよ」
「うんうん」
　と、抑えたままのスカートをつまみなおし、パって感じでそれを上げておろす。ちなみに僕の手はまだ太ももに掛かっているんだけど、これは慣れたのか、気にならないようで。
　ほんの一瞬だったけど、赤白のストライプの縞パン様がしっかり見えた。今日も僕の好みに合わせてくれたようだ。
「ありがとうございます」
　と拝んでみせると、トマトのように赤くなった瞳ちゃん「早く、降りてきてくださいね！」と言い放ち、あわてて部屋を出て行った。
　うん、今日も楽しい一日になりそうだ。

　着替えて階段を降りると、瞳ちゃんがむ〜っと怒った顔で座っていた。テーブルには、ピザトーストと珈琲が載っている。
「どうしたの？」
　いただきます、の後、わかっているけどむくれている理由を訊いてみる。
「こじろ〜さん、最近、いじわるです」
　本人は、怒っているつもりなんだろうけど、僕には可愛くむくれて拗ねているようにしかみえなかったり。
「どうして？」
　これもわかっているけど、しらばってくれて訊いてみる。頬を膨らませた瞳ちゃんが、テーブルにん手をつき身を乗り出してきた。
「今日はパンツ見せろっていうし、その、ブラだって外せって・・・・・・」
　説明しているうちに恥ずかしくなったのか、急に萎縮してまた座ってしまう瞳ちゃんだ。
「あ、そうだ。ブラしてないの？」
　その瞳ちゃんの言葉で、昨日のふざけた約束を思い出す僕。期待に目を輝かせて、瞳ちゃんに訊いてみる。ポン、って感じで瞳ちゃんがまた真っ赤になった。
　今の瞳ちゃんの羞恥の反応が、答えみたいなモンだ。ちゃんと、外してくれたらしい。
「答えてくれないと、さわってたしかめるよ、瞳ちゃん」
　と、ちょっと意地悪に言うと、瞳ちゃんはコクンコクンと肯定の意味で、首を縦に振ってくれる。
「さすが、僕のおね〜ちゃん。約束はちゃんと守ってくれるんだ」
　と満足気に僕が頷くと、またむ〜って感じで膨れて涙目で僕を可愛くにらんで来る。
　瞳ちゃんとしては精一杯の怒りの表現なのだろうけど、見ている僕には、子供が『怒ったぞ』とやっているようにしか見えなかったり。
「こ、こじろ〜さん、折り入ってのお話がありましゅ！」
　珍しく、強い意志を持って僕に意見があるようだ。でも、噛んだのが瞳ちゃんらしい。
「なに、瞳ちゃん？」
　大き目のピザトーストを片付け終え、珈琲を飲みながら、瞳ちゃんに向き直る。
「えっと、ですね・・・　お、おかしいと思うんです」
「何が？」
　としらばっくれてみるけど、瞳ちゃんが言わんとしていることは、もう察している。
「そ、その、仮にも、おねーちゃんな私に、その、さわったりするの。さ、最近は、い、いじわるですし、恥ずかしいですし・・・・・・」
　と口ごもるような感じだけど、瞳ちゃんなりに一生懸命、僕のセクハラを止めようとしているのがわかる。
　ここは、一つの勝負所かな、とマジメに向き合ってくれている瞳ちゃんを見て、僕はそう感じた。
「瞳ちゃん、誤解してるぞ」
　と、僕もなるべくマジメな顔をつくる。
「な、なにがですか？」
　僕の思わぬ反撃に、瞳ちゃんは少し驚いたよう。僕は、重々しく口を開いた。
「僕が瞳ちゃんに、あんなことやこんなことをするのは、瞳ちゃんが、僕のおね〜ちゃんだからだよ」
　おね〜ちゃん、と瞳ちゃん風に発音して僕は、瞳ちゃんを丸め込みにかかる。
「え、えっと、なんでです？」
　僕の言葉の意味がわからない、って感じで、瞳ちゃんが訊いてくる。思い通りの展開だ。
「考えてみてよ、瞳ちゃん。僕が、赤の他人に、瞳ちゃんにしてることやってみたらどうなると思う？
　セクハラで訴えられるか、捕まっちゃうか、どっちかだよ。でも、瞳ちゃんは、僕のおね〜ちゃんじゃないか、そうでしょ？」
　勢いをつけてまくし立てる。
「瞳ちゃんは、僕のおね〜ちゃん、家族じゃないか！？　だから、僕は瞳ちゃんをいじめて、楽しませてもらってるんだって」
　僕に気おされる風に、黙って聞いていた瞳ちゃん。冷静に聞けば、何言ってんだこの馬鹿的な発言だけど、瞳ちゃんは少し驚いたように、でもなっとくしかかっているって感じの表情を見せ始めている。
「瞳ちゃん、家に来たとき、甘えてくださいって言ってくれたでしょ？」
「は、はい、言いました」
　どうも瞳ちゃんは、ずっと弟が欲しかったそうで、僕の家に嫁いできた時に、こんな事を言ったのだ。
『これからは、私をホントのおねーちゃんだと思って、いっぱい甘えてくださいね』、と。
「だから、僕は、おね〜ちゃんに甘えてるんだって。わかった、瞳おね〜ちゃん」
　と、よくとっさにここまでお馬鹿な説得ができたなと、我ながら感心しつつ、瞳ちゃんの反応を待つことにする。
　僕に説得されていた瞳ちゃん、うんうんと何度も小さく頷いている。
「おねーちゃんが、間違っていました」
　と、瞳ちゃんが、マジメに、しかも使命感に燃えた眼差しで顔を上げた。何かを悟ったような感じがする。
「そうでした、こじろ〜さんは、私の大事な弟だったんです。そのこじろ〜さんが、他の人にセクハラして捕まったら、大変です。だったら、家族の私が、このおねーちゃんがこじろ〜さんのために、身体を張るのは、当然だったんです、うん」
　瞳ちゃんの中で、僕の説得がどんなスイッチを押したのか、イマイチつかめないんだけど、今の瞳ちゃん、もの凄い使命感に燃えている。
「安心してください、こじろ〜さん。可愛い弟のためなら、おねーちゃんはどんなことでも引き受けます、任せてください、いっぱい甘えてください」
　どうも、僕の説得で瞳ちゃんは、僕に頼られた、とでも解釈してくれたのだろうか。
いつもの瞳ちゃんからは信じられない、妙な信頼感すら感じている僕だった。
　少し面を食らってしまったが、そこまで言ってくれているのならと僕は・・・・・・

「はう、あ、あんまり強くは、ダメです・・・・・・」
　と早速、瞳ちゃんにセクハラさせてもらっていた。どんだけダメ人間なんだろうか、僕は。
　初めて、ブラをしていない瞳ちゃんの胸を、Ｔシャツごしにさわらせてもらっていた。場所は、僕の部屋。堂々と、さわらせてくれと頼んで、ベットに腰掛けて、股の間に瞳ちゃんに座ってもらい、背後から、小ぶりな乳房の感触を堪能させていただいている。
　僕にも一応、同年代の女の子と付き合った経験はあるのだけど、どうも性行為に関しては、歳の割には淡白だった気がする。
　でも、瞳ちゃんの胸を、こうして揉ましてもらっていると、何だろう、童貞時代より胸がドキドキして、興奮している。
　ゆっくりと、円を描くようにもんで、勃っている乳首を掌でこねるように揉んでいる。円が一周するたびに、瞳ちゃんの身体が、僕の腕の中でビクンと反応している。
「ま、まだ、まんぞく、しません・・・・・・？」
　右手を口元にあて、自分の指を軽く噛みながら、でそうになる声を必死に抑えている瞳ちゃん。その仕草が妙に色っぽい。
「もうちょっとかなぁ〜」
　胸だけ揉んで、もう二十分ってところだろうか？　自分でも不思議なほど、瞳ちゃんのあまり大きくない胸に執心してしまっている。なんだろう、この感触の良さ、ブラがないだけで、こんなに違うんだろうか。
　僕に身体をあずけるように寄りかかり、目を閉じて陶然とした面差しを見せている瞳
ちゃん。その体臭も、僕の頭を少し酔わせているような気がする。
「どう、おね〜ちゃん？」
　右手の動きを変えてみた。硬く尖った乳首を指で挟んでみた。やっぱり、乳首大きいみたいだ、瞳ちゃん。
　耳元にキスするように口をつけ、ささやいてみる。
「お、おねーちゃん、は、はずかしいです・・・・・・」
　消え入りそうな声の返答。眼鏡が耳にさわっているせいか、ずれてしまった。でも、瞳ちゃんはそれを直す余裕もないみたいだ。
　僕は、瞳ちゃんの眼鏡を外してみる。大きな瞳が、僕を見ている。素顔は三十路とは思えない幼さが漂っている気がした。
「・・・・・・め、めがねないと、何も見えないんです、よ、おねーちゃん」
「でも、こっちのおね〜ちゃんも可愛いよ」
　可愛い、と僕が口にしたら、瞳ちゃんは、ほんの一瞬、うれしそうな顔をした。たぶん、本人も意識していない、自然にでた表情、胸がドキッとした。
　そろそろ切り上げ時かと思い、攻め方を変えてみる。指二本で両方の乳首を挟み、そのまま形を変えるように、乳房を揉み始める。
　Ｔシャツ越しに、勃った乳首の形がしっかり確認できた。このまま、直にその乳房を見てみたい欲求がもたげてきたが、今日は我慢する。
　ハァハァと荒い息遣い、ビクンビクンと僕の動きに反応する身体、瞳ちゃんは首を反らせ、僕の肩に頭を乗せ、指を噛みながら、声を必死に押し殺している。
　今までに無い、反応が瞳ちゃんから出ている。弟の為にと思い切ったからか、僕に対しての反応が素直になっている感じだ。
「はぅ、つよい、あ、あぁん！」
　必死に声を堪え、身体が跳ねるような勢いで反応している。何かが、瞳ちゃんに来ているのがわかった。波に乗るように、その反応を見極めている僕。そろそろかと察し、指に挟んだ乳首を強く引っ張ってみた。
「だ、だめ、だめだめ！」
　弓反りといっていいくらい、瞳ちゃんの身体が反る。そのままかすかに震え、そして、荒い息と共に動かなくなる。僕の肩に頭を乗せて、脱力しきっている。
「・・・・・・ま、まんぞく、しましたか？」
　不思議と満ち足りた顔で、瞳ちゃんが呟いた。
「うん、ありがと、おね〜ちゃん」
　その汗ばんだオデコに軽くキスをする。瞳ちゃんは嬉しそうに笑ってくれた。