| ５０. ベッドの上の母は、膝を崩した状態で、私とＲのほうを向いて座っていた。先ほどまで母を後背位で貫いていた高校生Ｓは、膝立ちの体勢のままであり、その股間には母の愛液がまとわりついた勃起が反り返っていた。 久しぶりにＲのほうを見ると、Ｒは、先ほどまでのような狼狽を見せることなく、ベッドの上の２人の様子を見つめていた。しかし、それは、Ｒが落ち着きを取り戻したからではなく、目の前の光景を現実のものとして受け止めることができずに、ただ呆然としているからのように見えた。 私たち３人が見つめる中、母は、ベッドの上に視線を落として「今日・・私、その・・実は・・」とまで言うと、一度言葉を区切った。自らを落ち着かせようとしている母の表情からは、その強い緊張が伝わってきた。 私は、母が何を言い出すのだろうかと様々な想像を頭の中でめぐらせながら、母の次の言葉を待っていた。私には想像もつかない背徳的なことを母が言い出すのではないかという期待と不安に、私の心が乱された。 母は、おもむろに口を開くと、「私ね・・・Ｓ君に会えるのが今日が最後だから、実は、その・・ピルを飲むのを止めてるの」と言った。私とベッドの上のＳは、驚いて母の顔を見上げた。 Ｓの視線に気がついた母は、「いや、Ｓ君、心配しないで・・」とＳに声をかけた。さらに、母は、少し小さな声で「Ｓ君には迷惑はかけないわ・・。その・・妊娠したりしないの・・」と言った。Ｓが戸惑った表情を浮かべると、母は、「妊娠はしないの。そういうことになると・・やっぱりどうしてもＳ君に色々と迷惑をかけちゃうから・・」と言葉を続けた。 Ｓだけでなく、ベッドの隣に座っている私も、母の言っていることがよく理解できずに戸惑っていた。少し間を置いてから、母は、何かを心に決めたような表情で、「その、私ね・・ピルを止めて、リングを入れたの・・・分かるかな・・？」と言った。 母が言っているのは、避妊用のリングのことのようであった。私は、そういった避妊具の存在は聞いたことがあったものの、リングがどのような物なのか詳しくは知らなかった。Ｓも、Ｓに処女を奪われたばかりの女子高生Ｒも、リングについて詳しい知識を持っているとは思えなかった。 私たちの怪訝そうな顔を見た母は、「リングは、その・・女の人の子宮の入り口に装着するの。そうすると、妊娠することはないの・・。それを、病院で入れてもらってきたの・・」と説明をした。年配の女性らしく、私たち３人にリングについて説明する母の声は、先ほどまでＳに貫かれていた時とは違って落ち着いたものであった。 私たち３人が黙ったままでいると、母は、Ｓのほうを向き、わざと少し声のトーンを上げて、「だから、Ｓ君に迷惑をかけることはないわ。心配しないで。・・いつもみたいに気持ちよくなってね」と言った。Ｓは、「えっ・・あっ、はい・・」と返事をしたものの、やはり少し困惑した様子であった。 母の話からすると、Ｓとの最後の逢瀬に向けて、母は、ピルの服用を止めて、病院で避妊用のリングを装着してもらっていた。そのため、Ｓが、いつものように母の膣内に射精をしても、母が妊娠する心配はないようであった。 しかし、母の説明を聞いていた私には、母が何のためにそのような行動に出たのか分からなかった。そして、母の意図を測りかねているのは、ＳとＲも同じであるに違いなかった。私たち３人は、皆、同じ疑問を抱いていたはずであったが、なんと言えばよいのか分からずに黙っていた。ホテルの部屋に沈黙が流れた。 沈黙を破ったのはＳであった。Ｓは、ベッドの上に腰を下ろすと、思い切って「でも、百合子さん・・その・・どうして・・？」と疑問を口にした。全く同じ質問をしたかった私は、母の顔を見つめながらその答えを待った。母とＳがどのように避妊をしているのか知らなかったであろうＲも、強張った表情のまま母のベッドの上の２人を見つめていた。 頭を上げた母は、Ｓとの最後のセックスへ向けた決意をゆっくりと語り始めた。母は、思い出を語るかのような口調で、「Ｔさんに、Ｓ君との関係を終わらせるように言われた時・・私も、分かってたの。Ｓ君のためにも、こんな関係は終わらせないといけないって・・」と言った。 母が言葉を区切ったため、再び沈黙が流れた。少しの間の後、「でもね・・・私、最後にＳ君と、その・・・一つになりたかったの・・どうしても・・」という、母のか細い声が聞こえてきた。さらに、母は、「でも、Ｓ君の子供を妊娠するわけにはいかないわ・・産まなくても、Ｓ君に色々と迷惑をかけてしまうし・・」と言った。 私たち３人が黙って母の言葉を聞いていると、母は、「だからリングを入れてもらったの。リングはね、ピルとは違って、その・・受精はするの、男の人の精子と卵子が・・・。ピルだと、排卵しないから、そういうことにならないの・・・分かるかしら・・？」と続けた。私たちは、母の問いかけに何と答えればよいのか分からず、黙ったままであった。 母の説明を聞いた私は、母の言おうとしていることが少し理解できたような気がした。これまで男性に抱かれるとき、母がいつもピルを服用していたことは私も知っていた。母は人工的に排卵を止めることで、母を抱く男性たちが欲望のままに精子を注ぎ込んでも、母の卵子と受精してしまわないようにしていた。 これに対して、母は、Ｓとの最後に体を交えるにあたって、Ｓと一つになりたい、つまり、自らの卵子とＳの精子を受精させたいという強い気持ちを持つようになっていた。しかし、母の言うとおり、高校生であるＳの子供を妊娠したとしても産むことができないのはもちろん、堕ろすとしても様々な問題が生じうることは容易に想像できた。 そこで、母は、Ｓの子供を身ごもることはないものの、互いの生殖子を受精させることのできるように、リングという避妊方法を選択して、今日、このホテルの部屋にやって来ていたのであった。 母の言っていることの意味そのものは、私にもおぼろげながら理解できた。しかし、母の言葉を借りるとＳと一つになりたいと願う、複雑かつ屈折した母の感情を理解することは、難しかった。ベッドの上のＳ、そして、私の隣でやはり呆然としているように見えるＲに母の感情を理解できたのか、私はよく分からないままベッドの上の母を見つめていた。 母は、Ｓのほうに顔を向けると、綺麗な笑みを浮かべて「ごめんね、急に変なことを言って驚かせちゃって・・」と言った。Ｓが「えっ、いや・・」と口ごもっていると、母は、「驚かせちゃったかもしれないけど、Ｓ君が心配することは何もないのよ・・私の気持ちの問題だから」と、穏やかな声で言った。 Ｓが何と言えばいいのか分からない様子で小さく頷くと、母は、Ｓの目を真正面から見つめて「だからＳ君・・・妊娠することはないと言ったけど、私、その・・Ｓ君と一つになれる状態なの、今・・」と言った。さらに、母は、これまでのような優しい口調とは違い、かなりはっきりとした口調で「分かるわよね？私の言っていること・・」とＳに問いかけた。 母にじっと見つめられたＳは、その気迫に押されるかのように、「あっ・・はい・・」と返事をした。Ｓの返事を頼りなく感じたのか、母は、Ｓの顔を見つめたまま、「Ｓ君・・私、最後に女としてＳ君と一つになりたいの・・・お願い」と言った。 Ｓと見つめ合っていた母は、息を飲み込むと、意を決したかのような表情を浮かべた。そして、「Ｓ君の精子と受精しても、着床はしないの・・だから正確には妊娠とは言わないわ・・・でも、私の卵子と結びついて、小さな命ができることに変わりはないの・・Ｓ君の子供を私の中だけでいいから欲しいの・・・」と言った。 ベッドの上の２人が見つめ合ったまま、少しの間、沈黙が流れた。困惑しているように見えたＳであったが、Ｓの精子と受精を果たすことが母にとって重要な意味を持っているということを理解したのか、覚悟を決めたように「はい。分かりました」と返事をした。 母は、嬉しそうな表情を浮かべると、「ありがとう」と礼を言った。そして、「今日、最後に、Ｓ君と一つに・・」とまで言うと言葉を止めた。目を軽く閉じてから再びＳの目を見つめた母は、より率直に自らの欲求をＳに伝えようと、「最後に、Ｓ君の子供を妊娠させて」とはっきりとした口調で言った。 私よりも年下の高校生Ｓに対して妊娠させて欲しいと懇願する母の様子を目の当たりにし、私は、当然のことながら強い衝撃を覚えた。しかし、不思議なことに、嫌悪感や憤りのような感情が私の中に湧き上がってくることはなかった。 むしろ、ベッドの上でＳを見つめている母の横顔は、覚悟と決意に満ちた女性の凛とした気品を感じさせた。愛する人の子供が欲しいと願う普通の夫婦などとは違って、本来であれば決して妊娠の許されない背徳的な状況、また、今日しかそのチャンスがないという刹那的な状況が、母を危うく、しかしこの上なく美しく見せているように思えた。 Ｓは、母の顔を見つめたまま、しばらくの間、返事をしなかった。少し間を置いてから、Ｓは、姿勢を正すように軽く背筋を伸ばすと、「はい。分かりました。僕も百合子さんと一つになりたいです」と言った。その真剣な表情と口調からは、母の真剣な決意と覚悟に、Ｓなりに応じようとしているように見えた。 笑みを浮かべた母が頷くと、ベッドの上の２人はどちらからともなく顔を寄せ合ってキスをした。私としては、母とＳはもはや見慣れているつもりであった。それでも、たとえ受精してすぐに絶える命だとしても、２人の間の子供を作ろうと決意した２人が優しくキスをする様子を見つめているのは、この上なく辛かった。 名残惜しそうにキスを止めた母は、Ｓの股間に顔を寄せると、先ほどから勃起したままのペニスを口に含んだ。母の口唇とＳのペニスの触れ合う音が再び部屋の中に響いた。３０秒ほどのフェラチオの後、Ｓのペニスから口を離した母は、Ｓの顔を見上げて小さく頷いた。母に促されたＳが膝立ちの状態になると、母は、体を反転させて私とＲのほうを向いた。 私が母の視線に戸惑っていると、母は、「２人も、お願いね。最後に、私がＳ君と一つになるところ、２人にも見てて欲しいの」言った。私は、母の言葉にただ頷くことしかできなかった。 私が頷くのを確認した母は、髪を軽く整えて、最初の挿入の時と同じように枕の上に頭を乗せて仰向けになった。腰を動かして位置を調整した母は、Ｓのほうを向いて「Ｓ君・・・」と言った。 「はい」と返事をしたＳを見ると、Ｓがちょうど私たちのほうを向いていたため、Ｓの股間の勃起が正面から見えた。改めて正面から見ると、Ｓの肉棒は、幹の部分がかなり太いにもかかわらず、亀頭はさらに大きく、とりわけカリの部分が異様なほど張り出していた。そのシルエットを比べると、私のペニスと同じ生殖器とは思えないほどであった。 私がＳのペニスを見つめていた時間は、実際にはそれほど長くはなかった。しかし、母を受精させるという使命を理解したかのようにいきり立ったＳの肉棒の生々しい形は、私の瞼に焼きついて、しばらくの間、消えることがなかった。 Ｓは、まさにこのホテルで母を孕ませた父親Ｔの息子であり、Ｓの年齢は生殖能力という点からすると男性の生涯で最も秀でた時期に違いなかった。そんなＳが、逞しいペニスで母の中に元気な子種を迸らせるならば、母が望むとおり、その卵子が、若く、元気な精子と受精してしまうのは確実であるように思えた。 母の横顔を見ていた時に感じたどこか清々しい感情とは対照的な、悶々とした感情が私の心を覆っていく中、Ｓは、反り返った勃起を揺らしながら、仰向けなっている母のへと近づいていった。 |
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| 2014.10.11掲載 |