ヒトツバタゴの咲く島で


ヒトツバタゴの咲く島で【知佳の美貌録】知佳作
愛車カリーナで送り狼「うううっ……」　幾世は地面に膝をついて浦川のブリーフを下にずらす。足入れであっても声を漏らすほどスケベだと伝え聞いていた浦川。彼はだから、こうなる前に指マンで蜜壺をたっぷり掻きまわしておいた。現れた怒張はギンギンに反り返っており、見た目にも引き返すことのできないように思えた。　　狭い境内の片隅にある腰かけ岩付近で繰り広げられている情交を、物陰から覗き見る者がいた。泉地区婦人部の連中だ。彼女らは素知らぬ顔をし、路地を一旦海岸に抜け、複雑に入り組んだ岩をよじ登りブッシュの中に身を潜め、ふたりの結合を今か今かと見守っていた。「どうね……ウチが言うた通りやろう」「ほんとやなあ……熱うなってしもうとー」　壬神社が幾世と漢たちの逢瀬の場となってしまっていることは、もはや周知の事実となってしまっていたが、先にそれを拝んだのは漢連中。女は興味があっても行きようがなかった。鳥居をくぐって入るしかないのだが、参拝の時期ではない。目的が目的だけに女がくぐるのは憚られる。　だが、磯仕事の合間をぬって人目を避け、裏口から登れば話しは別だ。男は沖で魚を獲り、女は磯で海藻やウニを獲るものと決まっていた。休憩を利用し、忍び込めばと、そのうちのひとりが提案した。「坂井んとこは、よか男が出入りしとーそうやなか。あちらん方はどうなんやろうね」「幾世がこがんもんだもん、あんたが行って試してみたら？」「坂井んとこは、よか男が出入りしとーそうやなか。あちらん方はどうなんやろうね」「幾世がこがんもんだもん、あんたが行って試してみたら？」　休憩ともなると彼女らは口をそろえ幾世の閨話を声高らかに語る。「達夫ちゅう男が、あがん入り浸って足入れしとーとやけん、幾世もそろそろ興奮が治まるじゃろう」　と、言い出しっぺの女。　女どももそうぐらいだから浦川もももちろんそう思って様子見していたに違いない。ところがである。嫉妬がらみで神社に出向き、いざ神社から坂井家に向かって崖を伝い下ろうとし算段してはせ参じた浦川は、境内の腰かけ石に座る幾世を見つけてしまった。　幾世もまた、泉地区婦人部の連中のいう、「連日同じものを覗かされ、食い飽き…」とでも言いたげにである。自宅でも毎夜毎夜噂が立つほどの業態を繰り返したであろうに物足りず、目新しい漢を求め神社の境内に這い出してきたんじゃなかろうか…と浦川は推察した。　泉地区婦人部の連中もそう見ていた。　幾世が自衛隊に採用されたのは高校卒業直後、なのに、もうその頃既に泉地区では彼女の周辺に夜ごと漢の影がと噂が立っていた。あくまでもうわさに過ぎなかったようだが、海栗島に出入りするようになると、誰の目にもそれとわかる漢が彼女と連れ立って歩く姿が散見されていて、殊に境内でいるところを見たという人は多かったという。　当の隊内でも彼女と付き合ってると豪語するものも現れ始めたので、恐らくこの頃から境内で良からぬことをやらかしていたんだろう。　　海女姿に身をやつし、覗き見に来た彼女らが幾世を特別視し始めたのは、取りも直さず彼女が二股三股でコトを進行させ始めたからではあるが…。日ごと夜ごと泊まりに来る、親も黙認の夜這い・足入れ男がいるというのに、その男の目を盗んで自宅の裏の境内に出没し、浦川のような漢とヤリまくる…というのはこの島にあってさえ度を越えていた。如何に好きモノの海女連中であっても罰当たりすぎてやらなかった。　やってみたいが恐れ多かった。淫行の末の三行半、出戻りなどと噂が立てば、島にいづらくなる。が、他人事で済ますことができるなら、一度ぐらい拝みたくもあった。「浦川さんて、ほんなこてスケベね」　浦川を睨み据えながら、怒張に手を伸ばす幾世。周辺の女どもですら呆れかえる、その幾世が愛おしくてたまらなくなったのか、浦川は幾世の唇を求めた。唇を重ねながら、お互い持ち物を嬲り合った。長いディープキスが終わると浦川が苔が生え幾分柔らかそうな場所を探し、そこに横になり、幾世が彼の顔を跨ぎ、わざわざ覗きに来るであろう輩に奪われつつあるアソコの様子を魅せ付ける形を取るのである。　自分の部屋では深夜、達夫相手に毎度この形を、親たちの意向に沿って男と女の関係に至ってるんだと、戸障子ひとつ隔てた隣部屋で息をひそめ男と女の睦ごとに聞き耳立てる両親に向かって言わんがため、達夫によって取らされていたが、流石に屋外で、しかも達夫への背徳心を魅せ付けんがため…となると話は違う。スケベ女房連ににあって、この種の女は初めてだった。幾世は緊張のあまり萎え始めた浦川の陰茎を手に取り、口に運び、裏筋をに舌を這わせ、ギュンと反り返るのを目の当たりにすると、その肉袋を握りしめてみた。深夜、馬乗りになった達夫は幾世のアナル付近を、この肉袋でリズミカルにノックし続け興奮を煽るからだ。「おいが睨んだ通り、ばり形ん良かオ〇ンコばい」　彼は両手を使い、パンティを脇にどかし、濡れそぼった割れ目を開き観ながら、こう誉めそやした。「女は誰もみな、同じ形やなかと？」　銜えた肉棒を、あまりの大きさ故嘔吐をもよおした風に見せかけ一旦外し、如何にも楚々とした女を艶ずるべく微笑みを浮かべながら、こう尋ねる幾世。　ふたりの様子を覗き見る海女たちこそ、耐えがたい苦痛に身を揉んでいた。どう頑張っても幾世が靡いてくれなかった場合、遅かれ早かれ浦川は自分たちの誰かの手に落ちる。　そう踏んでいたからだ。「あがんことやってまで、漢ん気ば惹こうとするなんて……まるで淫売たい」　吐き捨てるように言うのだが　部落中に触れ回るには、一部始終見届けなくてはならず、かと言って下腹部が始末の悪いほどヒタヒタになっているため、その場から立ち去りがたい。自分たちもしょっちゅう仲間の亭主相手に同じようなことをやらかす癖に、皆が皆、この時だけは幾世憎しで凝り固まってしまい始めていた。　誰もが興味を抱く、この種の噂は一気に比田勝圏内に広がった。良くないこととは知りながらも、またまた各港では隣近所同士誑かし合って、挙句の果てコヤでいかがわしいことをやらかすものが現れ始めた。相手が誰であろうと、羽目たくて、或いは羽目てもらいたくてたまらなくなったのだ。　ほんの少し事情は異なるものの、豊の官舎に美しい嫁とふたりの可愛らしい女の子と暮らす、野球好きの宮田という男がいた。彼もそのひとりだった。　宮田は実に朗らかな男だった。宮田がこの地に転勤してきてからというもの、彼の気質に惹かれてか、一気に野球熱が広まった。休みともなれば学校のグラウンドを借り受け、野球の試合に、男のみならず女までもが余念がなかった。　美しい妻のお腹はこのとき、一見してそれとわかるほど膨らんでいた。若くして３人孕ませるほど、宮田もまた絶倫だった。その宮田目的で野球の試合に、既婚未婚問わず女どもまでもが集まっていた。「頑張って～」　野球の試合が始まると、バックネット裏から黄色い声を張り上げる女性群がいた。例の女教師やその仲間、それに魚屋にアルバイトに来ている女の子たちだ。「おう、任せとけ！」　誰が誰に応援してるかなど頓着せず、宮田はにこやかに、この女どもすべてに向かって手を振った。　妻子がいる中年と分かっていても、女教師は黄色い声を張り上げ、他の女どももルールもろくに知らないくせに応援に余念がない。所詮人口の少ない島内のこと、周囲を飛び交う神社の境内でのうわさが、彼女らの理性を崩壊させていた。それほどにこの島には娯楽がなく、宮田も見た目に若かった。魚屋のアルバイトの女の子は、当然気軽に声をかけてきてくれる宮田を、自分と同じ独身と思い込んで熱心に応援してくれていた。「はい、これ……おにぎり。下手やけん、形は悪かばって……」　おずおずとのぞかせてくれた手弁当を、「ありがとう」と一声かけ、自慢げに見せびらかし、「流石気が利く良い女の子」と吹聴しつつうらやましがる連中を前に頬張ってみせた。これが悪かった。女の子はすっかりその気になってしまったからだ。　　浜田と幾世が夜な夜な長電話をやっていたように、女の子もまた宮田家に向かってそれとは知らず電話を掛けてきた。電話口に出た婦人を、宮田は妹と偽り二言三言話すと電話を切らせ、急いでカリーナを駆って比田勝に向う。手をつなぎ、唇を奪うためだ。こうして徐々に彼女からの信頼を厚くしていった。　釣りが趣味なのに、わざわざ魚屋で高級魚を買って持ち帰った。「おう、今日もアルバイトか。お疲れさん。終わったら、送って行こうか」　頃合いと見た宮田は、閉店時間に合わせ店先に現れ、自宅まで送ろうと申し出た。　魚屋は人使いが荒い。散々周囲に気を使い、大声張り上げ集客したものだから喉も枯れ、閉店ともなるとくたくたになる。女の子は、この申し出に躍り上がって喜んだ。「よかと？　結構遠かとよ」　まさか、あの宮田が、奥さんから孕んでるからと夫婦生活を断られ、しかも幾世の噂で下半身が怒りまくって困惑し、それなら今宵こそと、わざわざ豊から比田勝まで車を飛ばしてきてくれているとは知らずにである。自宅まで送ろうと申し出たのは、車に連れ込まんがため。などと、鳥も通わないほどの過疎地から働きに来ているものだから、考えてもいない。　脇本商店に勤めていた女の子と、さして変わらない生活を送っていた女の子はその日、乗って来た自転車を店に預かってもらい、宮田車の助手席におさまった。「ごめん。迷惑じゃなかった？」「うううん、いっちょん。なんで？」「だいか付き合うとったら……見られたかもしれんやなか……やけん……」「なんでそがんこと……わかっとるくせに……」　宮田は、女の子が口にした、この「わかってるくせに」という言葉に力を得た。　カリーナはセダン、若者が好むクーペではない。よくよく車内を見渡せば、家族を思わせる何かがあったであろうに、車など持たない過疎の村にあって、女の子は疑問だに抱かず助手席に納まった。　女の子にしても、自宅まで送って行ってくれるというからには、これがふたりっきりになれる、告ってもらえる良い機会ととらえていたのだろう。車が比田勝の街を外れると宮田は、待ちきれない風を装って手を伸ばし女の子の手を、さも当然という風に握った。女の子の方も待っていたので素直にこれを受けた。その手に熱がこもり始めると、宮田はカーブが多発することを逆手に取り、一旦つないでいた手を離しハンドルを握り、再び伸ばした手を今度は間違えた風を装い彼女の太股の上に置いた。　宮田のためにお弁当まで持って行こうというような気持になってしまっている女の子である。宮田の手が次第次第に太股の奥へ忍び込むというのに、抗いはしなかった。スカートがめくれ、チラチラと見える真っ白なパンティの奥へと指先を忍ばせる宮田。　女の子を乗せた車は軽快に彼女の自宅へと向かっていたが、いつの間にやら縦貫道である県道を外れ、木々の生い茂る地道に入ってしまっ…途端、速度を落とし、カーブの手前のやや広くなってる場所で車を止め、女の子に覆いかぶさった。元々将来を約束すべく付き合えたらと、淡い希望を抱いていた女の子である。宮田のペースに乗せられ、とうとう最後の一線を車の中で越えてしまった。　彼の手が、太股に触れた頃から、宮田の股間が異様に盛り上がってきていることに気付いていて、しかし淡い期待を抱いていたから、当然こうなるだろうという予感はあった。　人もうらやむ美人を妻に持つ宮田は心得があるからだろう。女の子の扱いが実にうまかった。未通であるにもかかわらず、焦らず騒がず、彼女のソコをホトホトになるまで嬲り、幾度か気を逝かせてから穿いてるものを脱ぎ捨て、暴発寸前のソレをオ〇ンコにあてがった。「うううう～む……ぐぐぐっ……あうっ」　我慢に我慢を重ね、慎重に慎重を期し口説きにとどめ置き、この瞬間を勝ち得た宮田は、ともすれば暴発しそうになるのを必死に耐え当てがったままなぞり続けた。これから先、何度もこうしたいなら良い印象を植え付けることこそ大切だからだ。　無防備な状態のまま受け入れたりすれば、できるかもしれないとわかっていながら女の子はその先をせがんだ。友達や母親に億度も聞かされており、自分のカラダがそうなってからというもの、この先そうそう我慢できそうになかったからだ。　腰をもぞもぞと蠢かせ、自分の方から呑み込む形をとった。未通とはいえ、すっかりぬかるんでおり漲りと相まってするりと入り込んでしまった。焦るあまり、舐めてもらうことも、啜ってもらうこともこともせずして結合させてしまっていた。　根元まで挿し込むと、空いた手で彼女の衣服ともども、自分も着てきた衣服を脱いでいった。肌と肌が重なり合うと、粘膜同士が先に触れあってるだけに彼女の興奮も徐々に高まりをみせてくれた。　ゆっくりと抜き挿しを繰り返すうちに、肉胴に彼女が興奮に至ったであろう白濁液がまとわりついてき始めたからだ。それと同時に、あれほど反応をみせなかった彼女の乳首も、勃起し始めた。宮田もそうなら、彼女もまた、待ちきれなかったのだろう。宮田は、ピンク色の可愛らしい乳首を口に含み、腰を使った。「あああああんんっ……なっ……なんかへん……ふわふわすっと……」　このようなことは生まれて初めてであろうが、恋焦がれた漢の男根の味を教え込まれ、女になり始めた姿を魅せ付けられて、宮田のペニスはゆとりを失った。膣奥にある、狭い通路に先っぽを押し付けた途端、他の漢に奪われまいとする焦りといおうか、美人の妻に拒まれ過ぎてと言おうか、溜まりに溜まっていたため全身に戦慄が走り、うかつにも飛沫かせてしまった。　宮田は彼女のために、萎え始めたペニスを敢えて引き抜かなかった。彼もまた、女房と別れ彼女と所帯を持っても良いとさえ思い始めていたからだ。　痛みよりもむしろ、結ばれたことへの喜びが彼女を満たした。その感動は締め付けに変わり、萎え始めた宮田のペニスを再び元気づけた。　店頭で、幾多の漢を相手に春に事欠け魚を売る。そこに集まった男の中には荒くれ漁師までいた。幅４メートルそこそこの道路を隔て港という立地条件。釣り糸を垂らせば子アジ程度ならいくらでも釣れる。ましてや湾外に出れば魚はいくらでもいる。漢どもが魚屋に入り浸るのはひとえに、女の子のオ〇ンコ目当て。それも幾世のような使い古しではないサラピンのオ〇ンコ。　だが、田舎育ちの彼女は鮮魚を売ることに必死で自分のアソコが狙われているなどと気づいてもいない。客の言いつけで頃合いの魚を探す。その尻や胸を、漢どもはねめつける。嫉妬は宮田を猛り狂わせた。美人妻をも狂わせたその宮田の持ち物に、女の子はこの日しがみついてきた。二回戦の始まりだった。　夜釣りに出かけるだのなんだのと、美人妻に向かって大嘘ついて比田勝に向かうカリーナ。　宮田が賢かったのは、幾度となく夜釣りに出かけ大魚を持ち帰り、信用たらしめ、妻を安心させてから女の子を口説きにかかって功をなしていた。　連日彼女相手にカーセックスしに出かけていたのが女の子がオンナに変わっていき、当然漢どもが引き、売り上げが減ったと店主からの通報でバレ、親に謝りに行く羽目になったそうだが、なんと親は許してくれたそうな。　すこぶる美人の彼女であったが、脇本商店の女の子同様、彼女もまた拒否さえしなければ一家の借財を背負い売られていく身であったそうな。脇本商店の女の子と違う点は、彼女の場合もらい受け先が島内。つまり、穴さえあれば誰であっても構わない風な結婚だったのだ。　床上手も嫁入りの条件。病気持ちでも、財産目当てでも、ましてや結婚目的でもない男に仕込んでもらえたのは、勿怪の幸いとでも思ったのだろう。　宮田にしても相手が中卒と知って、しかも親が子を売ろうとしていたことに怖気づき、わが身可愛さにそれ以上深追いしようとはしなかった。　助かったのは美人妻。事件が表ざたになるのを恐れ、宮田が女の子から手を引いてくれたのだから、この際不問にすると言い出した。駆け落ち同様、卒業式を待たずして旦那のもとに走り二児の母となった彼女としては、イケメンでタフな旦那を若い子に寝取られたくなかったのだ。
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【知佳の美貌録】
2025年7月13日掲載
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