桃尻羞恥旅館
桃園元和 作
２．黒カバン

　淫臭漂う桔梗の間に、まどろみ続ける綾子を見下ろして、着替えを済ませた柴田。
「金額は、おいおい決めるとしょうじゃないか、…カバンは預けておくから時間がとれたら、また連絡もらえるかな、…相談に乗らせて頂きますよ、…見送りはいらないから」
　赤く火照らせた顔を気にする様子もなく、自ら内鍵をカチンと空けて重い扉を押し開くと、桔梗の間を後にしていた。…そんな柴田は、連絡を待ち続ける日々を過ごしている。

　イライラのつのる柴田は、たまらず受話器を持つ。
「あけぼの銀行の柴田です。…いやいや、大した世話はしてませんがな、…で、この間の融資の件、…はいはい、勝手ながら、女将に旅館を案内して頂きましてなぁ、…そうなんです。奥の奥まで、…いゃぁ〜あの旅館なら仕込めば何度も利用できますよ、…使い込んでも、…まだまだ味がでると考えとるんですわ。…額？、…頂上は、まだ未知数ですがね、…はいはい、初物は最高ですからなぁ、…そう女将さんに必ずお伝えください。…こちらも続けたいと…、それでは、…はいはい、失礼します」
　女将の熱い秘肉の感触を思い出して、股間をうずうずさせるのである。

　その翌日、夫からも連絡があった綾子は重い心を押して旅館のために、と連絡する。
「お世話になっております。月光園の綾子でございます。…いつでも都合のよい日を、…はい、明日、…お泊りで、…はい、おカバンは大切に保管させて頂いております。…はい、お待ちしております」と電話したことも悔やまれる思いの綾子とは裏腹に、柴田は調理方法に思い巡らせ始める。

　どんな顔をして迎えたものかと悩む綾子の思いを、よそに柴田は１８時過ぎに意気揚々と月光園に現れると、里子が準備の整った桔梗の間へと案内した。
　お茶の用意を済ませると、
「少しお待ちください、女将にお伝えしますから…」と、慌ただしく走り去って、綾子を探す。
「女将さん、あけぼの銀行の方が、…お部屋でお待ちですが…」
「わかりました。ありがとう里子さん。すぐ、伺います」落ち着いた素振りを装う綾子は、シャワー後も、拭いても拭いても綺麗にならない様子で着替えも済ませている。

　急ぎ足で桔梗の間へ向かい、重い扉を閉めると内鍵を掛ける。
「お待たせしました。先日はありがとうございました」と丁寧に挨拶する綾子に、柴田は妻でも迎えるように気楽である。
「いやいや、お呼び頂いて光栄ですなぁ…、これ、即で頼みますわ」
　浴衣に着替えて料理をつついている柴田は、手酌の酒をあおると浴衣の裾を大きく割って、すでに綾子の口いっぱいになる程に起立した自慢の巨根をさらけ出す。
　いきなりの事に二の足を踏む綾子に、
「融資額は、どうしましょうかねぇ？…今日は、これが萎えなければ一桁上げるってことでどうです？」とさしみを一切れ摘み上げる。
　それを聞いた綾子は、
「し、失礼しました、柴田さまぁぁ」と駆け寄るようにして股間にすがり付き、いとおしそうに頬を寄せる。
「い、いただきますぅぅ」と毛むくじゃらの中に右手を滑り込ませると、蒸せかえるような雄の匂いを肺いっぱいに吸い込むと、赤く充血させた瞳をトロンとさせて、手の平で挟み込むように舌を伸ばして玉袋の上から筒先へとズルズルっと一舐めして、結び目をちゅーちゅー吸い上げると、パクッと咥え込むと舌をクルクル回して奉仕を始めると、ビクッと自らの雌芯を中心に痙攣を走らせ被虐の虫を目覚めさてしまう。
　柴田は、そんな女将の様子を見て着物の帯をシュルシュルと引き剥がして、襦袢姿にすると、
「どうしたんだ、思い出してるのか？」と上下を繰返す綾子の頭を引上げ、
「…どうなんだ？」と口元にトロトロと酒を注ぐ。
「そんなことありません」とうそぶいて返事をする綾子は、休むことがもったいないかの様にすかさず咥え直す。
　柴田は、見えない秘肉に手を伸ばして縦筋を骨ばった指でツルッとなすり上げると、ぬめった雌芯がひと際大きくビクビクと反応して尻が蠢く。
「女将さん、躰は嘘をつけないようじゃないか、痙攣が止まらないぞ」と満足げに湿ってテカついた指をペロペロ味見する。

　綾子の頭を股間に這わせたまま、胃袋を満足させた柴田は、
「女将、カバンを出してくれ」と呼び捨てにする。
　綾子は、咥えていた肉棒からなごりおしそうに離れると、
「はい」とバタバタと慌てた様子で押入れの中から重い黒カバンを柴田の横に置き、萎えてしまわないかと気がかりに、どうしたものかと戸惑った様子でいる。
「あははは、そう気を揉まなくても、直ぐに萎えたりしないぞ、これは。…そんなに心配なら咥えてろ」と、すでに３０分程は咥えさせているというのに、テーブルを押しのけるとＶ字に開いた足の間に呼び込んで再び咥えさせる。
　綾子が、言葉もなくあたりまえのように咥えるのを見て、柴田は、浴衣の小さなポケットから小さな鍵を取り出し、カバンのチャックを止めた南京錠を開けると、赤く長いロープを取り出す。
「女将、縛らせてもらうよ、…悪い癖でねぇ」と自分でも感慨深い様子で、綾子の頭を引き上げると、胸元を大きく割って乳首を尖らせたＥカップの程よい膨らみを転ぶように飛び出させた。
「いい、大きさじゃないか…色艶といい、張りといい絶品ですなぁ」あらためて極上の評価を口にして、縦方向に首を回して、胸の上下に横方向の縄を掛けると、ロープの端を窓側近くの梁に通してロープの端を手にしている。
　綾子は、胸と首にロープを巻かれると酩酊したかのように意識を薄くしてしまい、手も脚も自由でロープの端も吊り上げるでもなく、猿廻しの猿のような拘束でいる。
「面白いおもちゃも用意したからな」と、股間に沿わせるように湾曲し、その上下には、それぞれ２本の紐が繋がっている、奇妙な形をしたローターを取り出す。
「立ち上がって、軽く脚を開いていろ…」見たこともない物を不思議そうに見つめる綾子を立ち上がらせ、上の紐は腰に、下の紐は股をくぐらせて腰辺りで小さな金具と共に４本を繋ぐと陰核にローターが固定されてしまう。
「これは、何なんです？」女将の問に「そう、かまととぶらなくても、ローターぐらい知ってるだろ」カチッとスイッチを押す。
「面白い仕掛けでねぇ、ほら」音に反応するローターに声をあげて説明する。
「あっ、あぁぁん」音を拾うとブ・ブブブ・ブ・ブブと３秒程度予測の出来ない動作で振動を繰返すと、バチンと両脚を閉じて綾子は見悶える。
「面白いだろ…？」
　自身の声に反応して振動し続けるローターに声を押し殺す綾子。
　立った柴田は、ツンツンとロープを引いて、
「ほら、萎えかけてるぞ」と振動に耐えつつ、まだまだ大きさを保った巨根を膝立ちになって静かに含ませると、綾子は雲を漂うように揺れ始める。
　膝立ちで無防備な綾子の淫裂に足指をツンツン突き入れ、
「女将、下の口も寂しいだろ、びしょ濡れになるまで続けるぞ…時間はタツプリだからな」
　ブブブ…、（あぁっ、あぁぁん）
　くぐもった悶え声の綾子の口から巨根を引き剥がし、ロープを引いて膝立ちの綾子の脚を押し広げつつ、間に滑り込んで山肌に生える松茸さながらに押し立てると、綾子の股下に仰向けに寝て、ツンツンとロープを操る。
「女将…」ブ・ブブ…（あっ、あぁぁっ）
　全身を汗でにじませた綾子は悪魔にでもつかれたように、巨根を右手を添えて膝位置をズリズリ移動して雌芯に合わせるようにして尻を滑らせ、じわじわ下げていく。
　遠い所に視線を置いて、淫裂が割れ切っ先が隠れると、
「あっ、柴田さまぁぁん」ブブ・ブ…（あっ…）綾子の脚の力が抜けて、ストンと巨根が奥深くへと飲み込まれる。
「あぁぁぁぁん」ブブブ・ブ…「あぁぁぁ、あっ」ブブブ・ブ…と、声に反応する振動と共に、柴田の胸に両手を這わせ下半身を浮かせ、クイクイと腰を前後させ始める。
「おおっ、それっ、いいですなぁ…こなれた腰振り」とあおり、綾子が休むとツンツンと突き上げては、
「減額ですか？」ロープを引いては、腰を降らせるてもてそぶ。

　前後、上下にと、ひとしきり尻振らせて、綾子が喘ぎと共に、肉棒食い絞め、子宮口を摺りつけるように蠢かせるのを見て、
（そろそろ、来たな）とロープを離して綾子を押し倒す。
（ほーら）と操り始める巨根をエイトビートの曲に合わせたように速い細かな抽挿を休みなく続けて３００を数えると、徐々に速度を落として綾子の様子を見ながら共振したかのように激しく喘ぐ速度を探って、小さなアクメを与えると、再びエイトビートに戻して耐えさせる。
　そんな、無言のやりとりを３度も繰り返すと、大きなアクメにじれる綾子は意識も朦朧と子宮口のうねりを止められない雌獣に仕上がっている。
　巨根の動きを探り出した共振速度で安定させると、火の付いたマッチのように一気に駆け上り燃え上がる綾子は雌獣である。
　雌芯のきつい食い絞めを増し、舐めるように子宮口を筒先に摺り廻すと、柴田の背中に爪を立てて頭を浮かせて絡み合い、胸をも擦り付ける、
「あぁぁぁ…」と狼の遠吠えさながらに無制御な喘ぎに合わせて、最奥へと奥深く突き上げると巨根の動きを止めてやる。
　雌芯を絞り上げ全身と共にビクビク痙攣させ、止められない痙攣に耐えられないと爪を立ててしがみつくように抱きつくいて逝きはてる。
「女将、逝ったか？」柴田の声に意識を戻すと、視線を合わせて小娘のように幼い表情で、「はい」と小さく答える綾子に融資の事など頭から消えている…。
　一度火の付いた雌獣は、速い細かな抽挿に何度も、うずみ火を起こされ繰り返し逝かされ、巨根があきたという頃に、やっと遠吠えのような喘ぎ合にわせて放出を受ける。

　あれこれ、調理方法を巡らせた柴田も、その１０分の１もこなせず、妖艶・爛熟な綾子に翻弄され一桁上げた融資を確約していた。


つづく
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桃園元和さんの作品集→豪円寺琢磨さんの作品集
2016年1月23日掲載
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