桃尻羞恥旅館 桃園元和 作
３．温泉組合委員長 　月光園の主人からの苦境を聞く温泉組合委員長を務める藪下は、同業者の危機に同情し、 「心配いりませんよ、組合としても最大限の協力をさせて頂きますから…」と支援を約束しつつ、組合繋がりで知り合いの海運組合連合所属の資産家、剣崎を紹介し、連絡先を書いた小さなメモを手渡して支援の意思を表明した。 　数日後、忙しく駆けまわる里子が、予約表に藪下の名前を記載して、 「お一人様ですね。…はい、組合からも支援して頂けると、…ありがとうございます。…はい、必ず…女将にお伝えします」 　あけぼの銀行からの融資をとりつけたものの、綾子には躰の奥底にうずみ火のように潜む魔性の虫をうねうねと湧き出させ、身も心も獣の支配を受けてしまった淫欲の檻「桔梗の間」…また新たな来客の用意が済まされる。 　月光園の女将が妖しい香りを立ち昇らせ、クリクリした桃尻を揺らせて、藪下の先に立ってほの暗い廊下を案内している。 「土地と建物以外には資産は無いそうだね、女将」と、藪下の手が女将の揺れる尻をクイクイと揉み上げる。 「あぁっ、はぁぃ、何も…」キュッと尻を絞って歩みを遅くすると、反応のよさと柔らかい感触に、藪下はニヤニヤと表情をほころばせて、期待を膨らませる。 「正式には担保が必要なんですがね、そこは組合のお仲間ですから…」と、さらに遠慮なく尻をクルクル撫ぜ廻す。 「あっ、…よろしくお願いしますぅ、…どうぞ、こちらです」桔梗の間の重い扉を引き開けると、手入れの行き届いた庭を超えた目線の先には、自然の渓谷と山並みが一望できる絶景が目に飛び込んでくる。 「おぉっ、これは絶景ですなぁ…ぅぅん、これを失うのはもったいない」と褒める藪下に追い打ちを掛けるように、 「こちらには、温泉も引いてありますのよ」と部屋の隣にしつらえられた露天風呂を案内し、 「ほぅ、それはいい、…お湯はっておいてもらおうか…」満足そうな藪下。 　綾子は、温泉の温度を調整して蛇口を開けると、忙しく駆けまわり藪下の着替えを済ませる。 　テーブルいっぱいに並べられた綺麗に飾られた数々の料理を、妖艶な女将の接待で舌つづみを打ち、ほろ酔い加減で気分も良くなった藪下が、 「あけぼの銀行と同程度で、どうですかねぇ」と問いかける。 「…、はい、よろしくお願いします」（何が同程度…？）と不安をつのらせる綾子に、 「女将、露天風呂にでも入ってゆっくりしてはどうかね」ここが押しどころとばかりに藪下は遠回しに脱衣を要求し、ガラス越しの湯船をチラチラと見ている。 　…もじもじと動きの鈍い綾子の様子に、 「絶景に天女が加われば融資も夢じゃなくなるんじゃないですかねぇ、…女将」寄り添うようにした綾子に耳打ちして膝、腿、内腿へと手を滑らせ始める。 「わかりました（覚悟を決めると）…失礼して」と綾子は藪下の手が奥へと届く前に、すくっと立ち上がり大きなバスタオルを用意すると、シュルシュルと衣擦れする音を響かせて着物を落として、いよいよという時にバスタオルが肌を隠してしまう。 （おっと、残念…） 　大きく膨らませた期待を縮小させて、藪下はガラス越しの露天風呂により大きな期待をかけ、ちびちびと酒を飲みなおす。 　綾子がガラス戸を開けて湯煙漂う風呂場へ躰を滑り込ませ、扉の隙間から片手を伸ばして躰から外したタオルを落とすと、誘われたような錯覚を覚えてしまう藪下は、思わず腰を浮かせて…思いとどまる。 　片膝ついて掛け湯する綾子のヌードは天女さながらで、尻の下を滴る雫がいっそう嫌らしく、…湯船に躰を移して静かに浸かると、こんなことはしてられないと浴衣を脱ぎ捨てて後を追い始める。 （いよいよ裸の付き合いだ）と、ほくそ笑む。 「お足元にお気をつけて…」勢いよく入り込む藪下に綾子が声を掛けると、急に速度を落としてタオルも持たない股間がブランブランと揺れている。 「女将さん、背中でも流してもらいましょうか」と小さな椅子に湯を一かけしてドカッと座り込むと、 「ここからの眺めの最高ですなぁ」とご満悦、湯船から立ち上がる綾子の恥毛をしげしげと追っている。 「一度湯船に浸かって体を温められたら？」と進める綾子は、大きな背中に湯をかけると自身の胸元に液状の石鹸を塗り付けて泡だてる。 「いやいや、そこは女将の躰で温めてもらいましょうかね」温度差でも感触を楽しめるという、藪下の思惑なのである。 　意を決した綾子が、 「失礼します」と泡まみれの胸元を押し付け、滑り落ちないようにと泡にまみれた両手もお腹に回して、ぬるぬると上下に擦り始める。 （むむ、やけに慣れてるのか？） 「月光園の女将から、こんなサービスを受けるとは、…夢にも思いませんからねぇ」ムクムクと股間に刺激を受けながら、こなれた様子に、綾子の手を引いて半立ちの肉棒へと誘うと綾子はビクッ驚く反応を見せながらも、 「もう、こんなに…」と液体石鹸を追加して、両手を使って玉袋を持ち上げながら、こねこねと竿を捏ね回して、徐々に大きくなるのを楽しむかのようにして完全勃起を促すと、 「ごりっぱですわ」胸をくるくる回して押し付け、竿の根元を握った手を上下動かしつつ、もう一方の手がカリの段差をなぞり回す。 「おかみ…おっ」ソープでもここまでは…、と竿をビクつかせる。 　石鹸が枯れはじめて重くなると液を追加し、竿がピッチピチに張り切ると速度を落とし、ヒクつきが治まると速度と圧を上げて、…と行かず鳴かずを保って、藪下がことわりを入れるまで丁寧な愛撫を惜しみなく続ける…。 「いつまでも、その姿勢では疲れるだろう」スケベ椅子でも在ればもっと面白いだろうに、…と尽きない欲望を思う。 「いいえ」男の背中に大きく体重を掛けるようななった綾子は、ランナーズハイのように朦朧ととしていても活動的。 「そう、無理をすることもない、…こっちも横にならせてもらう」藪下が、立上がり椅子をよけるとバスマットを引き倒すと、綾子が全面にお湯をかける。 　藪下が仰向けに横になると、湯をかけようとする綾子の手を抑えて、 「泡は流さなくていい、…スマタ、素股わかるんでしょ？…女将」口ぶりも慣れてきた感じの藪下は、綾子の雌芯をツルンと、ひと撫ぜする。 「…わかりますわ」泡に包まれた胸を揺らせて、液体石鹸を取ると藪下のお腹から足先へと半身を泡まみれにし、 「あっ、あぁぁん」と足先に雌芯を降ろしてズルズルと脚の付根まで摺り上がる。 　両足をそれぞれ、２往復して焦らせると、いよいよ脚を広げて腰に跨る、 「あぅっ…」（感じちゃうぅ）陰核に筒先をクイクイと細かい動きで擦りつけ、藪下の胸横のマットに両手をついて前かがみになる。 「うぅん、この感触…（初物…）」藪下は、目の前に揺れる、見かけ以上に大きい綾子の両胸を押上げるように包み込みながら、乳首をグリグリともてあそぶ。 「あ、はぁ…」（いい）大きく綾子がスライドして、竿全体を擦り上げ本格的な素股を始めると、雄雌の粘液が泡とは異なる感触を与えて、勢いを増し止まらない。 　藪下は、受けるように上を向けた手の平を、尖った綾子の乳首が擦れるに任せた感触を、自動人形のようで面白く、嬉しさと快感が交互に押し寄せる。 「あぁぁん」（気持ちいい）雌の淫欲をいよいよ目覚めさせ、手コキの時と同様に粘り強い藪下に、自身の快感と戦い続ける…。 「どうした、疲れてきたのか？…女将」速度の落ちた綾子の動きに、藪下の手が柔らかい尻を、パシッとひっぱたくと、 「あぁぁん、ダメッ…」と一声上げると、粘ついていた竿と雌芯が、汁っぽく潤いグチャグチャと音を響かせて擦れ合う。 （おおっ、これは…）藪下にも、爛熟な躰を持つ雌であることに気づかれてしまい、両方の尻っぺたを、パシ、パシとひっぱたかれ、風呂の壁を響き渡り、グチャグチャと卑猥な音と共に、止まらなくなる。 　藪下は、尖った乳首を捻り上げ、甘噛みしたり、首を締め上げ、頭への血流を止めたり、全身を所かまわず爪でひっかいたりと、道具のない状態で出来る限りの事をつくしても、 「あぁぁぁん、もう…」と、竿への圧力を高くして、いい声で快感に咽び鳴く。 　十分な頃合いだと、藪下はスルッと躰を抜いたて、シャワーを浴び始める。 「女将、軽く汗を流しなさい」と放水を浴びせ一巡させると、手早く雫をぬぐい去ると、引きずるように手を引いて、風呂の敷居を超えると座布団目がけて押し倒、 「女将さへ良ければ金ことは任せてもらってもいいんだがね？」と覆い被さる顔を向き合わせると、雌芯の縦すじにそって、筒先を上下する。 「あぁぁっ」っと、雌となって焦れた綾子の卑猥な喘ぎに、強気の言葉を発する藪下も竿をハチ切れんばかりに膨らませ大きな誘惑に誘われ、…雌芯と雄芯を擦り合わせた状態で淫欲の綱を引きあって、 「あぁぅっ、…入れてぇ」淫欲に敗北した甘え声を上げた綾子に、勝ち誇ったようにニヤついた藪下が、空砲を打つようにポンと腰をぶつけると、 「あぁぁ…」ビクビクと躰を波打たせて、痙攣を走らせる。 「ほら、足を開け、…手で引き上げてろ」と雌芯をむき出しにさせると、ズンズンと奥深くを探るように雄芯を突き入れる。 　玉のような汗をポタポタと滴らせる濃厚な咬合を重ねて、ドクドクと雄の放出を終えた藪下は、（こんなに勢いよく出し切ったのは何年ぶりか）と満足して、虚ろな瞳でまどろみ続ける綾子を足元に見て、 「女将しだいだから…」と主語のない捨て台詞で桔梗の間を後にした。 つづく
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2016年2月6日掲載
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