息子の担任に一目惚れされる美しい母親 ＹＯＫＯ 作
優太はショックだった。 　目の前で担任の先生が自分の母親に一目惚れしたからだ。 　それだけあからさまな一目惚れだった。 　それだけではない。優太は美人の感覚がわからなかった。 　女の子を好きになったこともなかった。 　でも、弘樹の言動で初めて分かった。自分の母親こそ美人だったということを。 　優太はショックが大きすぎて課題を手に付けられないでいた。 　そんな中、流れた完全下校のアナウンスが流れると優太は急いで教室を飛び出した。 　早く母親に会いたかったからだ。 　帰り道も、ずっと母親の事を考えていた。 　ママは美人なんだ。優太はその思いが頭から離れない。 　そして弘樹先生の方が先にママを美人だと思ったのが悔しく思えた。 　家に帰って母、真理子の顔を見て安堵する。そしてやっぱり美人だと思った。 　優太は父親のことはお父さんと呼んでいたが母親のことはママと呼んでいた。 　なぜかお母さんと呼べなかった。その理由がわかった気がした。 「早かったけど宿題はちゃんと終わらせて来たの？」という真理子に優太は「完全下校のアナウンスが流れたから帰ってきた。今からやる。」と答えた。優太は自分にとって初めて美人だと思った女性が自分の母親だということが少し嬉しく思えた。そして改めて弘樹先生からママを守らなければと思った。 　一方、弘樹は懇談会中、ずっと先程出会った中山優太の美しい母親の事を考えていた。 　まさか、あの落ちこぼれの中山優太の母親があんな美しい女性だったなんて未だに信じれないでいた。 　一体、名前はなんというのだろうか？年齢は？ 　弘樹は中山優太の母のことで頭がいっぱいになった。 　結婚していながら彼女のことを運命の女性だと思うようになった。 　彼女こそ自分が探し求めていた女性だとさえ思った。 　帰り道も、中山優太の母親の事を考えては興奮していた。 　そして家に着くと、妻の真希子が弘樹を出迎えた。 　弘樹の妻、真希子は美人だった。朝までは真希子こそ世界で一番美しい女性だと思っていた。 　しかし今は違う。昼間出会った女性に心を奪われた。 　一目惚れだった。鼻の下も伸びていただろう。女性を前にあれだけ動揺したのは初めてだった。 　いつもなら、真希子にただいまのチュウをするがスルーした。 　夕飯の間も弘樹は真希子を前にしながら中山優太の母のことを考えていた。 　美しい。頭から彼女のことが離れなかった。早く名前を知りたかった。 　その夜、弘樹は終末にも関わらず、真希子との夜の営みを拒んだ。 　昼間出会った女性のことを考えていたかったからだ。 　その晩、弘樹は優太の母のことを考えながら10数年ぶりに自慰をした。
【前】/【次】
あなたのひと言が作者の励みとなり、新たな作品が生まれます。ご感想宜しくお願いします。
2015年4月18日掲載
Copyright (c)2015 ＹＯＫＯ All rights reserved.

▲