| 息子の担任に一目惚れされる美しい母親 ＹＯＫＯ 作 |
|---|
週明け、弘樹は家族調査票を配った。 これであの美しい女性の名前も年齢も知ることができる。 気持ちが高まる。少しでも彼女のことが知りたかった。 「金曜日までに提出するように」と告げた。 気持ちが高まる弘樹とは逆に優太の気持ちは静まる。 これでママの名前が弘樹先生にバレてしまう。 弘樹先生が喜ぶだろうと思うとイヤで仕方なかった。 優太は家庭訪問のことも心配だった。 きっとママのことが好きな弘樹先生はママとの時間が楽しみだから最後にするだろう。 それだけではない。長居することや他の人の家を聞くために訪れてできるだけ多くママの顔を見ようとするのではないかということが安易に予想できた。 優太は家に帰って調査票を真理子に渡した。 本当は渡したくなかった。しかし仕方ない。 真理子はすぐに記入して封筒にしまうと優太に渡した。 ここにはママの名前もまだ自分も知らないママの年齢も書かれている。 弘樹先生に知られてしまう。 きっと年齢を見て若いと思うのだろう。 またママのことが好きになるのだろうか。 優太は調査票の提出を躊躇い始めた。 ただでさえママを美人と思うのを先を越された。 弘樹先生にママのことを知られたくない。 そう思うと提出しない方がいいのではと思った。 そして既に記入済みの調査票を持ちながら優太は忘れたことにした。 金曜日、提出していないのは優太だけになった。 わざと忘れたことにしていた優太の行為は下手に出てしまう。 「また忘れたのかい。君だけだよ。提出してないのは。本当はお母さんにも渡してないじゃないかい」美しい女性が書いてないわけないと決めつける弘樹は優太の責任する。 「お母さんに学校に来て書いてもらわないと。もし本当に君が忘れただけなら学校に持って来てもらおう」弘樹はニヤニヤする。 優太が落ちこぼれなことが好都合だと思えた。 落ちこぼれを理由に美しい女性に会う口実ができるのではないかと期待した。 優太は弘樹先生の言葉にショックを受ける。 どこかで弘樹先生がママに惚れているのが思い込みでありたいと思っていた。 しかしニヤける弘樹先生を見てママに惚れていることを確信した。 優太は「ありました」と弘樹先生に調査票を渋々提出した。 弘樹はがっかりしながら「あるならちゃんと出しなさい。忘れたと言う前に確認しなさい」と優太を叱った。 次の時間、弘樹先生プリントを配り、問題を解くように命じた。 その間、先程受け取ったばかりの優太の、中山家の家族調査票に目を通す。 弘樹は心臓がドキドキしていた。 ついにあの美しい女性の名前も年齢も知ることができる。 心臓の鼓動が高まる中、封筒を開ける。 父親の名前はどうでもいい。早速、母親の名前に目を通す。 中山真理子 38と書かれている。 弘樹は興奮した。「真理子さんか。素敵な名前だ。美しい名前だ。美しい彼女に相応しい名前だ」弘樹は彼女の名前が真理子ということに運命を感じた。 なぜなら真理子という名前は弘樹の初恋の女子と同じ名前だったからだ。 そして年齢が38ということに思ったよりも年齢が高いことに驚きながらも自分と同い年なことにまた運命を感じていた。 家族調査票をニヤニヤする弘樹先生を見て優太はついにママのことが弘樹先生に知られてしまったと落ち込み、先のことでまた不安になっていた。 そんな中、家庭訪問の日程が配られた。 優太の予想は若干外れていた。最終日というのは当たっていたが一番最後ではなかった。 そこには優太の予想を上回る弘樹先生の下心があった。 ※ 弘樹は美しい女性の名前を知ることができて興奮していた。 「真理子さんか」と頭から離れない。 真理子は美しい女性だった。 色白で小柄で化粧もしない飾らない女性だった。 性格は明るく社交的で人当たりも良く誰からも好かれるタイプだった。 しかし自分の外見も気にしないので自らが持つ美貌にも気付かずにいた。 というのも高嶺の花タイプということもあり、男たちからは近寄り難かったい存在だった。 夫ともお見合い結婚だった。 弘樹はそんな真理子に一目惚れして以来、彼女のことが頭から離れないでいた。 一服しながらも彼女のことを考えては勃起していた。 しかしまだ弘樹は性的対象とは考えていなかった。 真理子の美しさに夢中だったからだ。 それでも真理子のことを考えては自慰をしていた。 「真理子さん」と布団の中で妄想してまた抱きしめた。 人生で初めて遺精をした弘樹はもう美しい妻、真希子のことなど眼中になかった。 それどころではない。 妻と真理子を比べて月とスッポンとさえ思っていた。 もちろん妻がスッポンで真理子が月だ。 弘樹がチュウさえもしなくなり真希子は「どうして？」と思わず聞いてしまう。 弘樹は真理子のことを考えながらも「手のかかる子を受け持つことになったことは言ったかもしれないけど、予想以上に手のかかる子で参ってるんだ。今は仕事のことだけ考えたい。その子とも真剣に向き合いたいんだ」と優太の落ちこぼれを言い訳にする。 優太の落ちこぼれは弘樹にとって好都合なことばかりだった。 そして間近に迫った家庭訪問で真理子に出会えることを考えてはまた興奮していた。 |
| 【前】/【次】 |
| あなたのひと言が作者の励みとなり、新たな作品が生まれます。ご感想宜しくお願いします。 |
| 2015年4月25日掲載 |
| Copyright (c)2015 ＹＯＫＯ All rights reserved. |