息子の担任に一目惚れされる美しい母親　ＹＯＫＯ 作
あまりに早い訪問に真理子は驚く。 　松田家に来る時間にも早かったが10分は滞在するだろうから移動時間も含めて15分はある。当初の予定では各家庭に15分は滞在する予定だ。 　それが30分以上も前倒しだ。 　お茶の準備がまだできていないと思いながらも真理子は息子の担任、弘樹先生を出迎える。 　真理子にとっても息子の担任が男性は初めて。 　少し緊張する。 　ニオイに敏感な真理子は弘樹先生のタバコのニオイに鼻がムズムズする。 　しかし自分のくしゃみの音にコンプレックスがらあり、静かにくしゃみできる自信がない真理子は頑張ってムズムズすふのを堪えた。 　見た目から自分と同世代だろうとは思っていたが男性教師ということもあってやはり緊張する。 　厳しいと評判の先生だ。どんな話をするのだろうか。 　先ほどは方向音痴という意外な一面を見た。 　真理子は手作りのケーキを弘樹に差し出す。 　弘樹は感激する。まさか手料理が食べれるとはニオイからして美味しさが伝わってくる。 　もちろん期待はしていた。期待通りに事が進んで弘樹はニヤけが止まらない。 　太った松田母を見た後だからが余計に真理子が美しく見える。 　興奮して勃起してしまう。バレないようにしなければと内心焦る。 　先ほどの松田母はお茶も出さなかった。 　やはり真理子さんは外見だけでなく内面も美しい完璧な女性だ。 　完璧な自分に相応しいと思えて仕方ない。 　しかし松田家も茶菓子の準備はしていたが弘樹の予定より早い訪問に短時間の滞在に出す暇さえなかっただけなのだ。それも弘樹はわかっていたが真理子の美しさを際立たせたくて都合良く考えていただけなのだ。 「優太くん、授業中も何か考え事をしているようで話を聞いてないんですよ」と話を始める。 　まさか優太の考え事が自分が目の前の美女、真理子に夢中なことに気づいて心配していると夢にも思わない。 　落ちこぼれが気づくわけないと決めつける。 　自分の母親の美しさにも気づかない勿体無い奴と決めつけていた。 　話を続けながらも真理子のケーキを口にする。 　絶賛するがお世辞ではなかった。うちのスッポン真希子にはこんなの作れない。 　また自分の妻を弘樹は貶す。 　スッポン真希子ではなくスッピン真理子を早く妻にしたい。 　弘樹は頭の中では妻を妻と認識していなかった。 　そんな中、一枚の写真が目に入る。 　真理子のウエディングドレス姿の写真だ。 　今から12年ぐらい前だろうか。 　やはり美しい。 　若い頃のはずだか今とあまり変わりはないように見える。 　若い頃はもっと美しいのかもしれないと期待もしたが美しさを保ち続けていることが分かる。 　むしろ40代を目前にして女性の色気が出て更に美しさが増しているようにも思えた。 　優太のことを話しながらも美しい真理子のことしか眼中にはない。 　真理子は弘樹のタバコのニオイが気になって仕方ない。 　鼻のムズムズはおさまったがタバコ臭い男性は苦手だった。 　会話の中で弘樹は思わず「真理子さん」と下の名前で呼んでしまう。 　下の名前で呼ばれたことに真理子は驚きながらも返事をする。 　驚いている表情も美しい。 　彼女の、真理子の様々な表情を目にしたいと弘樹は思えた。 　どんな表情でも美しいのだろう。うちのスッポンとは大違いだ。 　心の中でまた数週間前まで世界一美しいと確信していた妻を貶す。 　そして滞在時間も30分が過ぎた。さすがに真理子も時計を気にしている。 　弘樹は真理子に「また迷うかもしれないので案内お願いできますか」と言う。 　この際、方向音痴と思われても構わない。 　2人で歩くことで彼女の気は引けるだろうと確信があったし並んで歩きたかった。 　周囲はお似合いの美男美女で絵になると思うだろう。 　弘樹は真理子の横を歩きたかったのだ。 　全ては計画通りだ。 　カバンからある物を出し、中山家を出た。 　真理子の顔を写真に撮りたいと思いはおさまらず、保護者の顔を覚えるために写真を撮っていると偽り、美しい真理子の写真を撮った。 　真理子はまさかこの男性教諭に自分が好意を持たれているとも気づかず、再び次の高橋家を案内するために歩き出した。 　その時、真理子の鼻がムズムズし出した。
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2015年5月2日掲載
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