鞭を執れ
はちみつ太郎 作
１６

　ブラを外すようビルドが促すと、手首にまとわりついたままのショーツを、片手に通したままブラのホックに手をかける。容易く外されたブラのストラップを摘むと隠そうとさえしない乳首が、艶やかに色づいているのがわかる。

「はぁぁ・・・。」
　大きく吐いた息は、ビルドに伝わる。吐いた息を号令に、自らもトランクスのみの姿に脱ぎ去った。先端の尖りは、動画で見たものと同じ位に勃起していることは伺える。

　視線を外した小春は、目を閉じ、ビルドを受け入れる受身になることを訴えかけた。全裸のまま、仰向けに横たわる小春は、女として恥ずかしさを隠せない部分を視線を閉じたと同時に腕と手のひらで覆う。

　その仕草さえ、勃起の対象としているビルドには抵抗より刺激を増幅させているだけだった。

「奥さんが求めるまで、リンパマッサージを続けます。僕のおち○ちん、欲しくなったら・・・。」

「うんっ。」
　小春は目を閉じたままビルドの問いを理解して、小さく頷いた。手首のショーツは再びビルドに取り上げられると、股布の汚れた部分を鼻先にあて、小春の表情を奪うように隠す。

　隠れた表情を確認したビルドは背後を気にすると、坊主頭で筋肉質な男が近寄ってくる。

「こんばんは、奥さん。・・・弟子のマッサージで芯まで暖まってね。」

「え、・・・え、だ、誰なんですか？」

「あぁ、紹介遅れました、僕ちんの師匠、舐め地蔵さんです。」

「はじめましてぇ、旦那さんに言われててね、動画撮影させてもらいます。さ、さ、気にせず、気持ちよくなって。」

「あ、は、はいっ。」
　ショーツの足の部分から視線を舐め地蔵の風体にやり、捜査対象として確かめた。

「な、舐め地蔵さんもマッサージをされてるんですか？」

「えぇ、一応オーナーでね、３店舗あるんですよ。・・・こいつは、３号店の店長。」

「どこに、本店が？」

「天友寺の駅裏、・・・ロイヤルホストの上。」

「奥さん、僕ちんの３号店の方に来てよ。イケ面そろいだよ。」

「え、でも、マッサージッって、普通の？」

「そうだよ、でも、・・・ねぇ、師匠。」

「あぁ、奥さんみたいな、エロエロな女性もたくさんいますよ。そういう方には、個別で性感をね。」

「え、ほんとに居るんですか？」

「師匠の女性会友さんだけでも、３０人、僕ちんだって５人ほどいます。現に、ここにもいる訳だし。」

「ハハハ、そうですね。・・・すごく、熱く・・・ポカポカして。」

「会話しながら手当てするのも効果あるんですよ。緊張が最大の敵ですから。」

「ビ、ビルドさんの、・・・手当てって、・・・きもちぃぃぃですぅ。」

「奥さんの表情・・・いいよぉ。」
　舐め地蔵は、弟子と同じく下着だけになる。その下着は、弟子とは違い先端が早くも見え隠れしそうなブリーフタイプだった。

　上半身は首元から腋の下を入念にし、間をあけず股関節の根元をコリコリと解している。割れ目や乳首などへの刺激は皆無で、関節の狭間だけでビルドの刺激は十分だった。

　ビルドの視線は、閉じられた小春の目を見ることはなく、吐息と同時に開きそうな陰唇の割れ目を注視する。舐め地蔵も、小春の吐息で収縮を繰り返す腹筋から、繁茂を下って割れ目の頂をアップで映していく。

「あぁ、・・・あっ・・・あついぃぃ。」

「奥さん、割れ目から・・・滴がこぼれそうになってるよ。」

「小陰唇の隙間を・・・押しやってる。・・・あぁ、こぼれたぁ。わかるよねぇ、奥さんっ。」

「うん、・・・熱いんです、・・・あそこの奥っ・・・自分でも、抑えられないっ。」

「いいんだ、熱くさせてるんだから。・・・どんどん、湧き出て、いいから、ほら、ほらほらっ。」
　ビルドの指先は、少しだけ陰唇に近づき、柔らかい大陰唇のすぐそばを揉みこんでいる。指先には、恐らく小春の膣奥の熱量を感じている。その報告を目で、舐め地蔵にするとツボを指摘するように言う。

「築、・・・もう少し下・・・そうそう、・・・３回押して、１回なぞれ・・・そうだ。」

「あぁぁ・・・はぁぁ・・・さ、触って・・・もぉぉ・・・いぃぃからぁぁ。」

「まだだ、・・・オツユの量は、感じきってない証拠。壁がある証拠だよ。」
　舐め地蔵は、ファインダー越しに投げかける。催眠のような語り口は、小春を術に落とすかのようだった。

「あぁぁ、奥からぁぁ・・・熱いのがぁぁ・・・クチュッ。」
　小春は、腰をゆがめると陰唇の奥に濡れた膣道が同じようにゆがみ音をたてる。ニヤついた二人の男は、畳み掛けるように言葉で責めた。

「ほら、淫乱な奥さん。お○んこの奥は、トロトロだねぇ・・・旦那さん・・・奥さんこんなだ、とてもスケベェな女だ。」

「い、言わないでぇ・・・だって、だって・・・あぁぁ。」

「まだ指も触れていない・・・舐めもしてないのに・・・このザマだ。旦那さんが、我々に託すのも無理はない。」

「マッサージだけで、何度往けるんだ・・・３回か・・・１０回か？」

「あぁ・・・お、おねがいぃぃぃ・・・い、いきたいぃぃぃ・・・いっかい・・・いかせてぇぇぇ。」
　大陰唇より外側を揉み解している間に、陰唇の回りは汗ばんでいるのか、淫汁が湧き出しているのか判らないくらいだった。

　腰を上げ下げする小春の姿は、淫らなお汁を沸き立たせている膣道をビルドや舐め地蔵のカメラに見せ付けるように見えている。

　上げ下げが一旦収まると、小春の口から女の本音が漏れた。

「も、う・・・お願いぃぃ・・・おち○ちん・・・ほしいぃぃ。」

「まだだよ、奥さん。・・・よし、築、皮ベッドに。」
　舐め地蔵は、カメラを止めることなく、いつも通り事を運ばせる。横たわり、沸きだつ陰唇をピクつかせている小春は、牝の宣言むなしくビルドの抱きかかえられ、ウエストの幅ほどしかない皮のテーブルに体を載せられる。

　抵抗をするでもなく成り行きに身を委ねる小春の体は、古めかしい病院の長椅子のようなものに括り付けられた。

　両腕はまっすぐ頭の上にやられ、皮ベルトに固定される。両の腋をビルドに親指で擦られると、仰け反るようにするが、逃げられないでいる。

　被されていたショーツは、外され息苦しさは脱せたが、両腕の挟まりで鼓膜へ届く音量は少し狭まったようだ。

　腰より下の部分は、Ｙの字に割れて、足首は両手同じく皮ベルトが纏わりついている。

「追いつめられたね、奥さん。・・・こういうの、期待してたよね。」

「き、期待は・・・。」

「してた。・・・オツユの量で判る。じゃぁ、もう一段階、上げてみようか。」
　舐め地蔵はビルドを二人の言葉で促がした。きっぱり否定しなかった小春の言葉を理解した二人は、指先を蜘蛛の足のように動かすと、今まで触れなかった女の部分に接触する。

「あぁぁ、・・・・だ、だめぇぇぇ・・・そこ・・・あぁぁ。」

　自らくもの巣に引っかかったアゲハチョウは二匹の種類の違う蜘蛛に嬲られ、食されていく。
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2012年12月12日掲載
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