鞭を執れ
はちみつ太郎 作
２０

「桧山警部補、今回は当たりか？」

「今のところ、外れです。ですが、店舗及び人物像の特定は出来ました。」

「そうか。やつら、二人組みなんだろ、３Ｐ中か？」

「もう、終わりました。」

「そうか、実はなぁ。・・・。」

「動きがあったんですか？」

「あぁ、一人目の行方不明者の重要参考人がな、大峰山であがったんだ、変死体でな。」

「・・・そうですか、自殺？それとも他殺？」

「検死の結果は、自殺。表向きはな。」

「自殺に見せかけた他殺ってことですか。・・・あそこの県警の検死っていい加減で有名です。」

「そうだ、司法解剖の件数が多すぎて、・・・処理しやすい方を選んでやがる。」

「では、旦那を殺したということで？」

「あぁ、所轄は、面倒臭がって被疑者死亡で書類送検するようだ。ま、そのほうがこっちはやりやすいんだがな。」

「拉致した連中が、殺害を？」

「だろうな、旦那の殺害を告白した遺書まであった。行方をくらませて６ヶ月。遺棄のローテーションがわかったんだ、近々、次の女を物色しててもおかしくないだろ。」

「管区局長の娘さんは、３ヶ月前に失踪。１０１７事件の行方不明者は一人減って三人。時間、ありませんね。」

「早く、機動隊員を利用して、夫婦スワップくらい出来なければ、魚は寄り付かんのではないのか？」

「ご心配には及びませんよ本部長。準備は整い始めてます、小春も、彼も。」

「そ、そうか、滝井巡査も機動隊員もわしの顔知らないだろ、わしが登場しても・・・。」

「・・・。」

「うそ、うそ。じゃ、早めの目星、頼んだぞ。」
　あずさは、携帯の会話を遮断すると、再び、イヤホンを耳に埋め込み、小春と一人の男の車内での会話を耳にする。


「奥さん、・・・どうだった、あいつの？」

「あ、はい、・・・上手いっていうより・・・。」

「いうより？」

「力づくで、男っぽいって・・・ゆうか、若い・・・こんな感じです。」

「ハハハ、それ聞いたら自信なくすね、ビルドの奴。」

「あ、駅前で止めてください。・・・旦那に迎えに来てもらいますから。」

「あぁ、うちの店で休んでたら、その間に迎えに来てもらえば、駅前、結構物騒だよ。この前も、女子大生が拉致されて・・・強姦事件になってたし。」

「そ、そうなんだ、・・・じゃぁ、電話させてください。」

「どうぞ。」
　携帯を握り締めると、黒田へするように電話をした。回線はあずさへの信号を送り、追尾している黒田には届かない。

「あ、小春です。うん、師匠さんに送って・・・もらってるところ、天友寺の駅裏のロイヤルホストの上に・・・。」

「マッサージ専門・・・地蔵。」

「マッサージ専門地蔵ってお店、そこに行きます。・・・どれくらいかかりそう？」
　あずさの返事を待つ小春。黒田にその事を伝えているようだった。追尾中なので、すぐさまにも迎えれるはずの黒田だが、あずさの返答は、１時間後だった。

「１２時・・・頃、あと１時間半あるね。うん、下に着いたら・・・。」

「上がってください・・・お待ちしてますから。」

「上がって来てって・・・うん、じゃぁ・・・バイバイ。」
　電話から数分して、天友寺の駅前を抜け、ビルの駐車場へ車は滑り込む。外階段を上がると、派手さのない看板が出迎えている。

　１２時までの時間の使い方は、小春には想像がついている。あずさが時間をずらした理由は、そこにある。

　施術室に通されると、白いシーツのベッドに腰掛ける。舐め地蔵は、冷蔵庫から特製ドリンクと銘打った液体を持ち出しコップに注ぐと、小春は飲み干すよう促がされる。

　喉越しの甘いそのドリンクには少し苦味を覚えたが、別段の作用は感じられず、残ったドリンクを舐め地蔵自ら飲み干してしまった。

「心配しないで、変な薬、入ってないから。」

「え、えぇ、心配してませんよ。」

「背筋の歪み、気になるね、奥さん。一時間あるから・・・施術してあげよう。」

「・・・はい。」
　小春の返事には、あずさの時間稼ぎへの返事と舐め地蔵にした返事の二つの意味を含んでいた。視線の感じで自分への返事に気がついた舐め地蔵は、耳たぶを舐めはじめると、真意を確かめる。

「旦那さんに・・・直接、見られたいんだよね。」

「・・・。」
　無言で唇を押し付けてきた小春の動作に肯定の言葉は要らなかった。舐め地蔵はビルドの前で抑えてきた衝動とテクニックをお披露目すべく小春に体を合わせている。

　ゆがみを指摘した背筋には、何も触れず、施術用のベッドに仰向けにさせると、蜘蛛男のように小春の上に跨り、首筋辺りを入念に嘗め回す。

「あぁっ。」

「ペロペロ・・・・ペロペロ・・・チュルルルルル。」
　ナメクジのように這う舌捌きは、若い男には持ち得ない技だった。ビルドの突きで何度か往かされた小春だが、男に対する恐怖心はこの舐め地蔵の方が大きい。

「首筋ぃぃ・・・やばいぃぃ・・・はぁぁ・・・。」

「ペロペロ・・・奥さんの舌出してごらんよ。・・・吸い取ってあげるから。」
　小春は、とろんとした目で舐め地蔵の言うとおりに半開きの口から差し出した。吸い付くように舐め地蔵の舌が絡まると、舌の根までに差し入れられる。

「チュゥゥゥゥゥゥ・・・どう、こんな長い舌、はじめて？」

「うんっ・・・すごい、普通の人の倍はありそう。」

「奥さんのＧスポットくらいなら届くよ。」

「Ｇ・・・？？？」

「スポット・・・お○んこの上側の性感帯。」
　舐め地蔵は、指先で手まんをするように鍵状に曲げ、クイクイと動かした。

「あぁ、・・・あんなところ、舐められたら。」

「試してみようよ・・・ねぇ。」

　仰向けのままワンピースの裾をまくり、黒のレギンスを膝までずらすと片足だけ抜いた。薄いブルーのショーツは替えがないので、汚れたままだった。染みの部分を舐め地蔵が見つけると、すかさず舌を這わせ圧力を掛ける。

「え、このまま・・・？」

「それは無理・・・奥さん、ショーツ・・・めくって。」
　小春はショーツのビキニラインをずらし、舐め地蔵の面前にビルドの射精液の残っていそうな膣道を見せる。

　シャワーで中までは恐らく洗えていないことはわかっていたが、残滴感が少し感じられるのは、自らの潤滑液が湧いているくらいに感じていたのだ。

「ペロペロペロペロ・・・あぁ、女の匂い、子宮の奥から匂ってる。」

「あぁ・・・あぁ・・・あっあっあっ・・・クリトリスっ・・・弱いんでっ・・・あぁ。」

「クリが強い女なんて聞いたことないよ。・・・みんな、弱いもの、だから鞘が被ってるんだ。」
　陰核包皮を剥き、実を引っ張り出すように隙間に舌先を潜らせる。ころりと実が落ちそうなくらい勃起させられた陰核は、舐め地蔵の舌先に蹂躙され続けている。

「どぉ、ビルドより・・・？」

「あっ・・あっ・・あっ・・・あっ・・・・あぁぁぁぁぁぁ。」
　身震いするように腰をくねらせる小春を、制するように尻肉を掴み、固定する。鼻先を繁茂にあてた舐め地蔵は、舌先をクリトリスから膣前庭の尿道口に移動させると、女の鉄分を味わい、グニュグニュと挿入させた。

「あぁぁぁぁ・・・ビルドさんよりぃぃぃ・・・いぃぃ。」

「グチュグチュグチュッ・・・ググググチュチュチュチュチュゥゥゥ。」
　膣道の上側を、舐め地蔵の長舌が潜り込んでいく。床下を点検する清掃員のように小春の膣肉を点検していく。

　柔肉の中の粒々を舌先に感じさせ、右へ左へ動かす獲物を得た舌の動きに、小春はおしっこではない衝動を再び感じる。
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2012年12月24日掲載
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