鞭を執れ
はちみつ太郎 作
２１

　天友寺駅裏の１００円パーキングに車を止めた黒田は、あずさの指令を待った。追尾した舐め地蔵の車のナンバーなどは、報告を終えている。

　到着して３０分がたった１１時半頃、あずさからのコールがなる。

「はい、黒田です。」

「あと３０分経ったら、ノックをして中に入って。」

「最中でも？」

「えぇ、勿論。・・・見たくない？」

「出来る事なら、見たくない。」

「悪いけど黒田くん。あなた、小春の彼氏でも、旦那でもない、ただの捜査員同士。」

「・・・。」

「もっと言えば、あの娘だって、それを理解しながらあなたとエッチしてるだけ。勘違いしないでね。」

「・・・。」

「何度も言うけど、降りてもいい。あなたの代わりはいくらでも機動隊員の中から選抜できる。」

「すいません、・・・続けます。・・・入って何をすれば？」

「どうなってるかはわからないけど、男の言うこと、それを聞いていて、あとは小春に任せてあるから、あの娘の欲するままに。」

「・・・わ、わかりました。」
　あずさからの回線が途絶えると、トリチウムの光る文字盤に目をやり、１１時４０分であることを確認した。


　小春は、膣道をまさぐる舌の動きを感じ続けながら黒田の到着時間を確認する。時計は１１時４５分を過ぎた頃だった。

　舐め地蔵の頭を押さえつけながら、舌先の動きをかわすまではいけていない。どころか、押し込む力をよりいっそう強くし、空間が拡大した膣道を這い回る。

　舐め地蔵の動きが止まる。壁掛けの時計を気にしている。

「もうすぐ、旦那さんの迎えが来るね。」

「はぁ、はぁ、はぁ、・・・怒られるかも。」

「こんなかわいい奥さんを叱るなら、他人棒なんて言い出しやしないよ。」

「はぁ、はぁ、はぁ、・・・うん。」

「じゃ、お尻向けてごらん。」

「え、四つんばいに？」

「あぁ、直腸と膣の間、ここの粘膜って薄いんだ。・・・そこ、舐めたげるから。」
　ワンピースのスカートの部分をまくりあげ、下がらぬように折り込んだ。膝と肘、四点で支えると、ショーツを膝までずらし、尻肉を鷲掴みにする。

　菊の花のような肛門まで晒され、舐め地蔵の鼻息が吹きかかる。肛門の露出を避けようと、後ろ手に隠そうとすると、ピシャリと舐め地蔵に跳ね除けられた。

「ヒクヒクしてるよ奥さん。」

「いや、はずかしぃぃ。」

「おや？もしかして？」

「え、え、？？？」

「お尻の経験・・・あり？」

「そ、そんなこと・・・。」

「否定しないんだ、・・・旦那さんとアナルセックス？」

「・・・いいえっ。」

「じゃぁ、浮気相手とか？」

「・・・む、むかし。」

「元カレってやつか。」

「アナルはしてないんですよぉ。でもぉ・・・元カレが、オモチャを何度か。」

「何度かのアナルじゃない。・・・アナルオナニーとか？」

「・・・判るものですか？」

「あぁ、緩み方が、未経験者と・・・違うんだ、閉じ方がどこか緩い。・・・ペロペロペロォォォ。」
　舐め地蔵は、経験談を交えながら小春のアナルを舐めていく。小春は、肛門の形状まで見抜かれ、最近、潜入中にディルドゥをアナルに入れ続けられていたことを思い出している。

「あぁ、はぁぁぁぁぁ、き、きたないよぉぉぉ。」

「そうだねぇ、少し臭うよ、ハハハ・・・旦那さんに言いつけても良い？」

「だめですぅぅ・・・あぁぁ、あっ、あっ。」
　ライオンが草食動物に噛み付くように腰周りに手をまわし、鼻先を尻肉の間に埋めている。肉を食むようにアナルの周りの外括約筋を嘗め回すと、小春は胸を施術ベッドにつけ、穴の位置を大きく上向かせた。

　それを狙ったか舐め地蔵は、舌の先を肛門から小陰唇を経由し、膣道に押し込み、膣襞をのぞかせる。
　襞から伝わる牝の味は、鉄分豊富な味がした。直腸に面した側の薄い膣肉に舌を押し当て、直腸付近を揺さぶった。

　それに飽き足らず、人差し指を内括約筋を抜けさせ、薄い内臓粘膜一枚で小春をいたぶる。舐め地蔵は、自分の舌先に内臓粘膜越しの指先を舐めるようにした。

「き、きれちゃう、あぁ、あぁ、あぁ、いたいぃぃぃ。」

「ごめん、でも、感じたろ？お尻の穴の奥がいいってこと・・・わかるよねぇ。薄い皮一枚なんだから。」

　人差し指を抜いた舐め地蔵は、汚れはしていないが、微かに排便臭のする指先をぱくりと咥えた。その姿は、小春には見えていない。

　小春の突き上げた尻は、いまだ上向き加減で舐め地蔵の手に落ちたままだ。壁時計を小春の尻越に確認すると、１１時５５分を過ぎていた。

　時計の下にあるエントランスのドアの摩りガラスに人影が見て取れた。後ろを向いているでもなく、それは横顔で、中の音を聞いているように見えた。

　ノックの音が聞こえるまでに、舐め地蔵は、小春のふくらはぎを自分の尻で押さえ、下半身が身動きできないようにホールドする。

　外の影に、征服された牝妻の喘ぎを聞かせるべく、精一杯舌先を伸ばしきり、小春の内臓深く刺し込んだ。
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2012年12月26日掲載
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