鞭を執れ
はちみつ太郎 作
２７．


　計は、続けざまに男の潮吹きをさせられ、フローリングはコップの水をこぼしたかのように漏れ広がっていた。

「も、、、もうぉぉ。や、やめて、、、くださいぃ。」

「嫁ちゃんはまだ、犯されてんだよ。旦那がくじけてどうするの。」

　シルエットは正常位で交わり始め、２分過ぎ。

「おまえは、早漏レイプ犯に負けた。」

「ぃぃ、、、。」

「まだ出るか、、、しつこい潮吹きだな。」

　３８０９は、計の股間に顔を近づけ、握った指を離し、先端を口に頬張った。

「あぁぁぁあぁぁぁあっぁあぁっぁぁぁぁぁぁ。」

　口に含んだ瞬間、計は震えるようにし、３８０９の口内に潮を吐き出した。上目で計を見る３８０９。計は天井を見つめ、喘ぐように許しを願う。

「も、もぉぉ、、、、やめて、、、くだ、、、さぃぃぃ。」

　３８０９は無言で舌を亀頭の周りに絡めると、計は再び放出している。一度口内の潮を喉に押し入れる。口から陰茎を離し、３８０９は計に告げる。

「いい味してるよ。旦那さん、、、硫酸の風呂に入れてしまうのは惜しいくらいだ。ＭＡＤの汁は、、、味気なかった。」

「も、っもぉぉぉ、、、。」

　しごきを止め口だけで計の陰茎を刺激する。屹立は射精後も維持し続け、亀頭の赤黒さは血流の多さを知らしている。

　天井を見上げ、何度もうめいた計は、三枚引戸の反対扉が開いた瞬間を見逃した。

　３８０９が口から陰茎を離すと、計は荒い息で三枚引戸の奥のシルエットを見つめた。小春も３２０１も影がない。

「、、こは、、、、。」

「また嫁ちゃんの名前を言いかけたな、早く呼べよ。」

「いない、、、。」

「あ、レイプ犯にしては遅かったな。」

「よ、嫁は。」

「名前で呼べよ、大きな声で。」

「こ、、、こはる。」

「かわいい名前だな、こはるちゃんか。」

　返答はなかった。ガチャと音が聞こえる。そのあとで、シャワーの音だけが聞こえてきた。水流の音の中に話声は聞こえない。

「いちゃいちゃタイムかな。風呂場で洗いっこ。」

「、、、手は、、ださないでください。」

「あ？もう出てるだろ。」

「あ、いや、、、その。」

「あ、硫酸風呂か？」

「あ、、はい。」

「入れるときは番いだよ。心配するなよ。」

「、、、。」　

　言葉を無くしていると、三枚引戸の１枚が開いた。

　３２０１が、陰茎をぶら下げて３８０９に指示をする。

「どっちが勝った？」

「あんたの勝ちだよ。晩飯の一品、譲るよ。」

「ありがとよ。」

「どうだい、、、耐えられそうか？」

「あぁ、肝は据わってるよ。小娘の雰囲気なのは体だけだ。入れた瞬間から女になりやがる。」

　計は、３２０１に視線をやった。先端からは白い垂れが見えず。問いただすこともできない。

「よぉ、旦那。あんないい女、どこで見つけた。大事にしてればこんな目には逢わずに済んだのにな。」

「こ、、、嫁は許してください、、、お、おれは、どうなってもいい。」

　３８０９は小春の名前を言った。

「嫁ちゃん、小春ちゃんっていうんだわ。」

　３２０１は、風呂場の方に視線を向ける。

「嫁を許せって？硫酸風呂の話か。」

「はい、、、。」

「お前とＭＡＤで番になるってのか？」

「、、、。」

　頷くだけの計を３２０１は、諭す。

「お前とＭＡＤの硫酸風呂ショーなんざ、誰も喜ばんよ。」

「、、、。」

　３２０１は、引戸を閉める前に言った。

「女として往くときも、、、嫁として逝くときも　つがいが一番なんだよ。」

　３２０１の姿は消える。計は風呂場へ向かったと想像し、これから再び犯される小春の姿を思い涙した。

　とめどなく流れる鼻汁と涙は、床の射精液と混じり、屹立したままの計の陰茎を３８０９はショーツに押し込んだ。



　風呂場で湯を浴びた小春。

　戻ってこない３２０１を不審に思うが、１回の交わりで終われることを内心ホッとしていた。

「１回が短くて良かったかも。」

　中に出されず、腹上に出された射精跡を湯で流し丹念に拭いた。拭い去った後ももう一度手でさすり、臭いを嗅いだ。

　問題ないと石鹸の匂いを感じると、脱衣に出て、脱いだショーツを探す。

「あれ、？」

「ない？もしかして？」

　３２０１が脱いだ下着を手にしたのかと思い、バスタオルを巻いて廊下に出た。計のいるリビングを通らずに、寝室の扉を開ける。

　ベッドサイドに小春の下着を手にした３２０１。

「ちょ、っと、、恥ずかしいです。返してくださいよぉ。」

「あ、つい、、、癖でね。」

「え、どんな癖ですか。」

「昔の癖で、、、、やった女の下着は持って帰るんですよ。」

「みんな許してくれるんですか？」

「あぁ、、、みんな許してくれたよ。何も言わずにねぇ。」

「これは、ダメですよ。お気に入りだから。」

「ＭＡＤが買ったやつ？」

「あ、うん。」

「旦那に悪くないの？」

「あ、まぁ、、、だって買ってくれないし。」

「じゃぁ、また買ってもらえばいいじゃない。」

「え、どっちに？」

「どっちに買ってほしいの？」

　小春は、答えに困っている。

「帰りの下着が困るし、、、返してください。」

「困らないでしょ、、、こんなにあるんだから。」

　３２０１はＭＡＤの箪笥の引き出しから小春用に買いそろえた下着を取り出した。

「ちょ、ちょっと、、、ダメですよ。」

「旦那に見られたら困るかい？」

「うん。、、、困る。」

　３２０１は、鼻で笑う。

「答えは、ＭＡＤにメッセージしろよ。」

　少し口調が変わったが、小春は気にせず。スマホを受けとった。

　録画ボタンを押し、ＭＡＤにメッセージを送る。

『３２０１さんと１回、、、しました。もう、終わりでいいですか？』

　３２０１はフレーズが足らないともう一言付けさせる。

『３２０１さんに私のお気に入りの下着を取られたので、また、ＭＡＤさんが買ってください。』

　小春は、スマホを渡すと、すぐに既読が付き、３２０１は確認する。

　文字で起こされたメッセージはこうだった。

「ブラックの嫁ちゃんへ　　　お疲れでした。二人が帰り次第、私も戻ります。それまでは旦那さんと、交わっていてもいいですよｗｗｗ。　その最中に帰宅できたら、、、、。

　追伸　クロゼットの中にプレゼントがあります。喜ぶといいな。」

　３２０１は、文字を読むと小春に手渡した。

「聞いてます？」

「ん、クロゼットの中身かい？」

「はい、。」

「いや、、、開けてみれば。」

　三枚引戸を３８０９が開けると、そこに計の姿はない。

「旦那は？」

「クロゼットに隠れてんじゃない？」

　３８０９が答える。

「プレゼントかもよ？」

　３２０１はメッセージの言葉を引用する。

　小春は、戸惑いながらも、バスタオルが落ちぬよう胸元に手を当てたまま、クロゼットのノブを引いた。
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2020年8月12日掲載
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