鞭を執れ はちみつ太郎 作
３ 　４分ほどのフェラチオで黒田の性経験は理解できた小春。壁際に背をあて、もたれる黒田は、フェラチオを終焉させたい小春の真意がわからなかった。 　幾度となく視線で訴えかける小春は、根元まで咥える陰茎から手を離し、指先を尖った乳首に当てがう。 　もう片方の手は、黒田の腿に添え続け、昂ぶりを増幅させようと努めている。 「ウグゥゥ・・・グポッグポッ。・・・クウッチョクッチョッ。」 　黒田の腿から一度手を離すと、ショーツのゴムに手をかけた。天井を向いたり、小春の髪をなでさするだけの黒田は、小春の仕草を見逃したままだ。 　咥えたままでショーツをずり下げた小春は、もう一度黒田に視線を送って見せた。繁茂を覗くように身体を曲げた黒田は、咥えを外させると、小春の背後にまわり、太股に絡まる白いショーツに手をかけ、足から取り去る。 　流れで仰向けになった小春は、太股は閉じているが繁茂を隠そうとはしていない。枕で顔を覆うと、黒田は小春の欲する衝動を理解した。 「舐めていい？」 「うんっ。」 　膝の後ろに手を掛けた黒田は、小春の陰唇に視線を向けた。繁茂は薄く、肛門まわりの陰毛も皆無だった。 「ベロッ・・・ペロペロペロペロッ・・・チュッ。」 　大きくは広げなかった黒田は、大陰唇の閉じた小春の陰部をこじ開けようとする。舌先だけで余裕で鍵を開けた陰唇は、ピンク色した膣前庭を簡単に露出させる。 　黒田の唾液が接触する間もなく、湿潤状態の小春の膣前庭は、立ったままでのフェラチオを促した小春の言葉を証明していた。 　少し鼻に女の臭気を感じた黒田は、気にすることなく、舌先を割れ目に添わせ、小陰唇付近を満遍なく舐めまわす。 「あんっ・・・あぁぁっ・・・いいっ・・・ク、クリ・・ちゃんもっ。」 「フゥゥゥゥ・・・フゥゥゥゥ。」 　鼻息だけが返事をし、その返事は確実に小春の欲するところをヒットしていた。黒田の鼻先が陰毛をくすぐると、陰核包皮を舌先がついばむ。 　膣前庭を押しこみながら舐め上げられると、押し出すように陰核が芽を出し、ざらりとした男の舌で刺激される。 「あんっ・・・あんっ・・・。」 　背筋を使い仰け反った小春。枕を抱きしめると、よがった顔が暗闇の中で光る。よがりを覗き込もうと黒田は、潜望鏡のように顔を恥丘からヒョコっとだすと、再び小春の反応を導く。 「あぁぁぁんっ・・・ひゃぁぁんっ。」 　膝の裏にあてがっていた黒田の手は離れると、小陰唇を割り開く役割に変わっていた。陰唇を割り開くと、陰核は大きく露出される。引き割り納豆ほどの陰核は、陰唇のひくつきにあわせ、脈打っている。 「あぁぁ、だめですぅぅっ・・・あぁ、あぁ・・・クリちゃん・・・弱点っ。」 「ペロペロペロペロッ。」 　溶けかけのソフトクリームを舐めるように舌を縦横無尽に動かすと、弱点と呼ぶ陰核だけに対峙した。 　刺激の度合いが超えかけると、太股で黒田のこめかみをきつく挟み、舌の動きにブレーキを掛けさせる。 「計・・さんっ・・・こんなの、どこで、・・・きもちいぃぃよぉぉ。」 「小春ちゃんこそ、・・・どこで、あんな、フェラチオ・・・を。」 「内緒ぉぉぉ。」 「じゃぁ、僕も、内緒だ。」 「６９・・・って・・・好き？」 「うん、・・・僕が、下に？」 「ううんっ・・・上になって。小春、・・・おちん○ん・・・押し込まれるの・・・好きっ。」 　仰向けのままの小春の頭に尻を向けなおし、頭をまたぐ。またぎ終えると、膝を折り、勃起が少し収まった陰茎を小春の顔面にぶらつかせた。 　ぶら下がった陰茎の先端を口にあてがうと、亀頭をねぶり、陰茎の根元をしごく。ヘリが着陸するように小春の顔面に近づけると、咽喉奥まで突き刺さる感触を得た。 「ウグォォォ・・・グポグポッ。」 　黒田の膝はベッドにつき、下を向いたスフィンクスのような格好だ。割れ目に添わせて舌を這わせると、陰茎を含んだ口の隙間から、喘ぎが漏れる。 　ベッドのクッションの沈み込みを利用して、陰茎への奉仕作業を可能にしている小春。黒田の短めの陰茎のおかげか幾分、咽喉の奥への圧迫は少なかった。 　舌全体で含まれた亀頭を舐め、頬の粘膜も利用し陰茎の血流を維持させる小春。その維持も、指の侵入によって、息継ぎをするように、口内から排斥された。 「ハァァァァッ。」 　陰核を中心に陰唇の合わさりを揉み込む黒田。揉み込みにあわせ、口を開けた小春の膣道は、早く、早くと言っているようにパクパクしてみせる。 「まだ、咥えてて、すごく、いい。」 「はうぅぅ、・・・奥まで、押し込んで・・・計さんの、お○んちん。」 　再び口の中に収めた陰茎は、黒田の腰の動きに合わせ、小春の扁桃腺付近にまで押し込まれる。鼻で、息をするしか呼吸の方法はない。 　両手の人差し指の挿入で、膣道は大きく割られる。膣襞からは、ヌメリを感じさせる淫液がトロリと涌きで、敏感に腰を浮かせている。 　反応を楽しみながら、リズミカルに指先を操る黒田。敏感になった膣襞への刺激の薄いときを見計らって、陰茎への舐めを繰り返す小春。 　男と女の身体の会話は、一晩で阿吽の呼吸を体得しているようだった。 「ブゥゥゥ・・・ブゥゥゥ。」 　短い周波のバイブ音がする。隣の部屋からだった。個人の携帯を持たない捜査員への連絡は、連絡員からの業務であることを小春は体で知っている。 　それを見過ごすことが、自らの命と引き換えになることを教えられているからだった。咽喉奥から、黒田の陰茎を吐き出すと、足の隙間から這い出て、膣襞に纏わりついた指先を離脱させる。 　口の周りの涎を拭うと、 「ごめんね、ちょっと・・・業務連絡みたい。」 　ベッドからスタッと飛び降りると、全裸のまま隣の部屋に向かった。小振りな女体は、暗闇の中でいっそう愛くるしく感じていた。 「メールか。」 　画面をスクロールし、アイコンをタップすると、あずさからのメールであることを示していた。 『昨晩、４人目の被害者が出た。機動捜査隊からの男性の変死体が、ラブホであがった。奥さんが行方不明で、被疑者は奥さんであると断定しているが、密命本部は１０１７事件の対象であると判断。この夫婦が利用している、「他人との相性」に投稿を急ぐよう指示する。以上』 　メールの添付ファイルを開くと、「他人との相性」というページが開かれた。そのサイトへの登録を手短に済ませると、投稿画面をキープしたまま、隣で待ちぼうけする黒田の様子を伺った。 「計さん・・・ちょっと、いい。」 　スマホ片手に小春は、ベッドの上で横たわったままの黒田に近寄った。体を起こし、小春の目を見ると、問いかけに応対する。 「仕事、だよね。・・・今日は・・・寝るよ。」 　途中やめになった男と女の会話は、女よりも男のほうを醒めさせていた。 「途中やめになって、ごめんね、・・・お願いが・・・あって、・・・写真、撮って・・・裸の。」 「え？」 「顔から下、・・・いい？」 　スマホを手渡すと、廊下の明かりだけを頼りに、小春の全裸を撮影した。淡く写る全裸の小春。顔は見切って画像を保存させた。 「これで、いいの？」 「うん、・・・きれいに、撮れてるね。・・・つづき・・・する？」 「・・・。」 　男と女の会話は視線のやり取りだけで再び成立していた。
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2012年11月7日掲載
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