| 鞭を執れ はちみつ太郎 作 |
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| ３３ 砂利道の林道に、後手縛りで投げはなたれ、丸出しの尻は草むらからのっそりと餌の臭いに気が付いたツキノワグマが現れた。 後ずさりしか出来ず、砂利で尻に傷がつき滲んでしまった血の臭いは、腹を空かせたツキノワグマの鼻の奥に吸い込まれていく。 立ち上がるでもなく、ゆっくりと近づき、尻の傷を舐め、テイスティングをする。女も男も関係なく、餌としての尻は肉の塊としてしか判断されていない。 逃げ切れるわけもなく後ずさると足をつかまれ、爪で肉はそぎ取られてしまう。恐怖の方が勝ち、肉の殺がれた痛みは感じない。 片足をつかまれ、広げられた股間には目もくれず、内腿に牙が刺さると、、、。 「いやぁぁぁ。」 小春は、コンクリートの床に頬を付けていたが、わめくように起き上がる。 後手の縛りは、無くされ、ラバーマスクは、そのままだった。 縛りのない手を気にし、ラバーマスクをはぎ取ろうとするが、首輪とマスクが固定されていて、はぎ取ることが出来ない。 手触りで感じた冷たい南京錠の質感に、ラバーマスクでの視界のさえぎりは、まだこのままであると絶望した。 再び、コンクリート壁に体を寄せ、脚を三角に折り座る。フリーになった手で、自らの股間の状態を探る。 凌辱の後はなく、閉じた陰唇付近に傷もなさそうだ。尻の穴に指を添えると、昨晩穿られた覚えを思いだし、夢か幻か、確かめる。 粘液のでもなく、乾燥した菊門付近は、その痕跡を見出すことはできない。小春は、直腸の違和感もなく、夢幻であったと、信じることにした。 床を触り、吐しゃ物の有無も、広範囲で調べられないが、自らのパーソナルゾーンは土間の手触りのままで、コンクリート以外に指先に感じることはない。 ひんやりとしたコンクリート壁にもたれていると、ＭＡＤの自宅から連れ去られて初めての尿意に身震いする。 小春は、誰を呼ぶこともできない。 トイレに行かせてもらえるとは、思ってもいないからだ。 ただ、見られているかどうかも分からない小春は、壁を触り、室内の空間を手探りで認識する。 壁の入隅に手を触れそこから、時計廻りで動き出す。 ３畳間程度の壁を触り歩き、鉄の扉を触れ、間取りの雰囲気は理解できた。 鉄扉と反対の位置で足を踏み外す。段差と感じたものは、おそらく和式便器であると認識した。 レバー部分を探し当て、足先で便器の縁を認識すると、股を開き和式便器に尿意の限界点で放尿した。 「じょじょじょーーーーーーーーー。」 放尿を終えると、そこから一番遠い入隅に移動し、股間を拭くこともできず、内腿についた小便を気にしていた。 レバーを握り、水を出そうとするが、流れることなくレバーは何も反応しないでいた。 「がちゃ。」 「だ、だれっ、、、。」 物言わぬ者は、小春に声を掛けるでもなく、小春に触れるでもなく、ある目標に進む。 小春は逃げるように壁に背を当て、見えぬ者のから逃れようと必死だ。 なにかをすくう音がし、ちゃぽちゃぽと小春の耳に感じた。 「はぁぁ、ゴクゴク。はぁぁ。」 何かを飲み干したような喉の音が聞こえる。 小春も、喉の渇きを覚えるが、男への声掛けをためらう。 「ごちそうさん。よく溜まってたんだな。少し、香ばしいけど、最後は、甘めのジュースを飲んだね。」 「え、、、。」 小春は、その言葉の意味を想像した。その想像と現実はの乖離はまったくなかった。 「また、来るよ。そう、ここにね、飲み物を用意しておいたよ、これ僕の好きな味だから。」 何も言えず、声とは別の方向に小春は移動する。 声を発した物は、扉を閉め、小窓の向こうから声を掛けた。 「また、いっぱい溜めててね。僕に君の膀胱の中の味をテイスティングさせてくれ。」 「え、、、まさか。」 小春は、壁際で腹部にある膀胱の位置を撫でさすり、声を発した者の意味を理解した。 溜めこんだ小便を、コップに掬い飲み干したのだろう。小春は、再度レバーを何度も押すが水が流れる気配はなかった。 「これ、飲んだら、、、またあの男が、飲みに来るってこと？。」 小春は、再び壁に背を当て、尻をついて次の尿意を恐れていく。これは尿意だけか、便意をもよおした時の想像も同じくし、際限なく訪れそうな絶望を感じ始めた。 「大の時、って、、、、。」 いなくなったと思い込んでいた小春。扉の小窓からだろう、男の声が聞こえる。 「そうさ、もちろんだよ。」 短い一言だけで、男は立ち去って行った。 廊下の突き当たりに戻った男が立ち止り、声を掛けられた方を向く。 「いい味でしたよあの子の小便、でも次が最後かな。８時間くらいかな次は。」 「僕の出したあのコーヒー飲んでくれるかなぁ。」 「どうしてあれにこだわるんだよ。」 「いやぁ、僕が試した中で、一番香ばしい味でね、あれを飲ました後の小便が一番いいんだ。だから、最後にお願いしたんだよ。」 呆れる顔もせず、もう一度問いただす。 「他に、隠していることはないんだな。」 「えぇ、何も。でも、、、願いが叶ったら、、、当然、、、ですよね。」 「あぁ、近いうちだな。」 「明日とか？」 「、、、。」 「ですよねぇ、、。」 男は、もう一度小春のいる側の扉に目をやり、付け加えた。 「あの娘、出来るだけ我慢してくれよ、そうすれば、膀胱の味も、、、こっちに居られる時間も、、。」 |
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| 2020年9月9日掲載 |
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