鞭を執れ
はちみつ太郎 作
４０．


「あずさ、かかったか？」

「、、、。こうするしかなかった、、、ですか。」

「おかげで、黒幕はつかめただろう。」

　ＧＰＳ装置の移動を確認しながら、予想している行先を拡大表示する。

　表示位置に赤点が移動し終え、動きはゆっくりとし、点線で囲まれている地図上の建物で止まった。

「備品時の認証装置を外さなくてよかったな。」

「、、、。」

「あずさのは取り除いているんだよな？」

「、、、。」

「何か不満か？」

「佳乃さんには、荷が、、、。」

「重くないだろ、、、君の責めを受け止めるネコさんなんだ、もうそれを望む体になっているんだから。」

「でも、普通の状態に、、、してあげることも。」

「もうあの雰囲気だ、望んでいないだろ、、、あの仕打ちを乗り越えても、体は覚えているんだ、君もそうだろ。」

「、、、。」

「おまえもいっただろ、、、Ｍ感性がある女なら、簡単に殺されることはないと、嗜好会員の責めよりはましだろうと。」

「そういいましたが。」

「場所を特定するだけの道具なんだ、数日のうちには突入の手はずを整える。」

「はい。」

「ただ、政治的な日程もある、、、少し時間を待て。」

「政治的とは？」

「法務大臣が、今の警察庁長官の仲のよい代議士に変わる。そこまで待つんだ、、、、いいな。」

「わかりました。実行部隊の編成は、私をＴＯＰに。」

「わかっているよ、まだ大きくできない、なんだったかな、法務省の次長とは連絡を？」

「まだ、取っていませんが、、、。」

「内密に伝えることは可能か？」

「呼び出しに応じますか？」

「女の力を使えば、、、、どうだ。」

「小笹の、知っている情報を探ります。」

「時間はないぞ。」

　小笹の携帯番号を探し、あずさはすぐに発信した。

「警察庁　桧山あずさと申します、この間は拘置所の訪問ご手配いただきありがとうございました。」

「あ、、いえ、何もできずにすいません。」

「長野副所長には、いろいろご案内やら、ご説明いただきありがとうございました。」

「いえいえ、あ、忙しいのでまた、、、、。」

「ごめんなさい、お礼をしたくて電話をさせていただきました。お時間よろしければ、明日の19：00ごろ、上町あたりでお食事を。」

「あ、、、はい、、、では、あすのお昼にでもお答えさせていただきます。」

　小池は指で丸を作り、デスクを後にした。あずさは、上町の行きつけでない串焼き屋を検索し予約した。

「明日、２名で、、、１９時に、、、ハイ、お願います。」

　拘置所内の地図の赤点は移動することなく真ん中付近に止まったままだった。
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2020年10月3日掲載
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