鞭を執れ
はちみつ太郎 作
５２

　週末日曜日、小春は風呂上りに着替えたスウェットの裾を伸ばしながら計に尋ねた。

「計さん、来週の水曜の予定は？」

　リビングのソファーでスマホを見ていた計が小春の方を向く。

　スマホのスケジュールを見ることなく計は伝えた。

「水曜から日曜まで、、、国体の警備だね、、、金沢。」

「皇族？」

「だよ、、、。何かあるの、、、。」

　計は潜入のことだろうと感じるが、聞くことができない。

「ううん、、、休みだからね、お墓参りに、、、おじいちゃんの。」

「、、、そうなんだ、、、実家ってどこなの。こういうのも聞いちゃダメ？」

「ううん、岐阜の高山だよ、、、近いね。」

「金沢とならね。」

「抜け出せないよねぇ、、、。」

「まぁ、、、無理だよね。」

「だよねぇ、、、。」

　計の横に座ると小春は少し天井を見て計に話しかける。

「この前さ、、MADにランジェリープレゼントされたじゃん、覚えてる。」

「うん、、小春ちゃんが履いてたのと交換したんだっけ。」

「そう、、。で、その時に、計さんに、って、、、渡されたのもあって。」

「え、まじ、、、別に要らないけど。」

「見てみる？」

「まあ、見るだけなら、、、。」

　小春は、部屋の自分の下着ボックスからビニール袋を取り出した。

「これ、、。」

「まじか、、、。」

「なんか書いてある。」

『旦那様へ、いつも奥さまと楽しい時間を過ごさせていただき感謝しております。

　奥さまとおそろいの色の下着をプレゼントいたします。

　ご夫婦でご使用いただければ、うれしく思います。

　追伸

　旦那様と購入されたと聞いております奥さま愛用のショーツとブラは、大切に保管させていただいております。

　いつの日か、奥さまのタンスの中身が、すべて私の贈り物で埋め尽くすことを目標に。

　MAD　』

　小春の愛用下着が押し花のように額装された写真も同封されている。

「けっこう、、、悪趣味な男？」

「いや、、、そうでもないかな、、、。」

「気に入ってるの？」

「ううん、、、、」

　計は嫉妬心を隠すようにMAD提供の下着を広げた。

「まじか、、、なんか、、、小さ目じゃね、、、いやみかよ。」

　玉袋の部分のみを覆う形の代物だが、自分の大きさを想定すると、そこそこの部分が隠れることを認識した。

「そんなことないよ、、、ポロリしちゃうよ。」

「履いてみる？」

「うんうん、、、履いて。」

　計はショートパンツを脱ぎ、トランクスも脱ぎ去ると、隠すことなくぶら下げた。

　細めの紐の部分を足に通すと、おさまりの悪いポケットに睾丸を収めた。勃起していない茎の部分もギリギリ収まってしまう。

「これって、やっぱり、、、小さいってことを、、、。」

「そうじゃないよ、、、大きくなったら、、、ぴょこんって、、、出てくる用なんだよ。」

　小春は、計の睾丸部分に指を這わし、茎への血流を促していた。

　計はあきらめ気味に、小春の指から離れるように体を背けた。小春は追うように指を這わせたが、計は逃げ出すように寝室に逃げた。

　追いかけた小春の背後に回ると、耳元で小春に声をかける。

「大きくしてよ。」

「うん、いいよ、、、してあげる。」

「MADの下着に着替えれる？」

「見たい？」

「MADに染められてるなぁ。」

「かも、、。」

　小春は着たばかりのスウェットを自ら脱ぎ捨てると、実はMAD提供の下着を着ていることを知られてしまう。

「あ、、、それだよね、、、。」

「ごめん、、、肌触りいいし、、、着ちゃってた。」

　小春を抱きしめると計は、舌を奪い取るようにねじ込んだ。自ずと収まっていたはずの下着からはみ出るように茎が育ち始めていく。

　計はショーツの肌触りを確かめ、感想を伝える。

「脱がすのがもったいないくらい、すべすべだね、、、。」

「あ、、、んっ、、こすったら、、、だめぇ。」

「沁みつけるのが惜しい？」

「だって、、、そう言われちゃうんだよ、、、次の時。」

「え、もしかして、予約してんの？」

「違うよぉぉ、指示があったときに、ってこと。」

「想像しちゃった、、、MADに脱がされて、シミを見つけられたのを。」

　計の指先は割れ目の上から何度も往復し、小春の腰の引き具合でシミへの抵抗を感じた。

「汚したくない、それとも、あいつにシミを見つけられたくない、どっち？」

「汚してもいい、、、けど、シミを見つけられて、、、エッチなこといわれて、、、エッチな気にさせられるのが、、、怖いの。」

「、、、エッチな気になっちゃうんだ。」

「なっちゃうよぉぉぉ、、、なっちゃわないと、、、お仕事なんだからぁ。」

　計は小春の耳元を舐めながら、囁く。

「口でして、、、小春ちゃん。」

「うん、、いっぱいしたかった。計さんので。」

　MADの下着に包まれたまま、茎のみが屹立し脱がすことなく計の亀頭を咥えこむ小春。

　ベッドに腰かけた計は、小春の耳たぶをつまみ、髪を撫で上げながら後頭部を抱えるようにし喉深く押し付ける。

「ふぐぐぐぐぐぅぅ。」

「小春ちゃん、、、あぁぁあぁ。」

　小春は、少しストロークを小さくし余すようにして舌先だけで計を慰める。

　計を上目使いで見上げると、天井を見据えて昇天の時間が近づいていたのがわかる。とっさに口から離し、唾液にまみれた茎を指先でしごき計に声をかける。

「シックスナインがいい、、、私のも、、、ね。」

　小春はベッドに横たわると、MADのショーツに隙間を作り、計に擦られ濡れ始めていた陰唇を空気に触れさせた。計は、M字の小春の間に頭を近づけ割れ目のしずくを舌にのせる。

「あぁ、、、んっ、、、。」

　仰向けの小春の顔に計の下半身をかぶせ、MADの下着からはみ出た陰茎を小春にしゃぶらせる。小春のショーツは、割れ目のしずくの量を計が確認したあと、再びふさがれた。

「け、計さん、、汚れるってぇぇ。」

「なんか、、、寝取られの、、、意味わかってきた、、、かも、、、。」

「えぇ、、、よごしちゃうのぉぉ。」

「あぁ、、、黄色いしみ作って、、、、あいつを、、、。」

「あぁぁぁ、、、、もぉぉ、、、おし、ごとなんだよぉぉ、、。」

「うん、、わかってる、、、けど、、、。」

「けど？」

「お仕事じゃ、、、なくなりたいかも。」

「だめだよ、、、お、、、しごと、、、だよぉぉぉぉ、、、わすれちゃ、、、ぁぁだめなんだよ。」

「、、、。」

　小春の割れ目をMADのショーツに浮き出させ、自らの唾液と小春の淫汁でシミを交錯させている。

　深いシミにならぬまま、計は小春の口内を汚すだけで夜の時間を終えた。
【前頁】/【次頁】
あなたのひと言が作者の励みとなり、新たな作品が生まれます。ご感想宜しくお願いします。
はちみつ太郎さんの作品群→はちみつ太郎さんの他作品
2023年10月6日掲載
Copyright (c) 2012-2023 はちみつ太郎 All rights reserved.
▲