鞭を執れ
はちみつ太郎 作
５９

　ナンバープレートから持ち主を照会し終えた巡査長が、県企業局の伊藤へ問いかけた。

「ダムは、夜間も巡視されるんですね。」

「えぇ、たまに誤作動で、警報が鳴るんでね、宿直時は来なきゃならんのですよ。」

「お二人で？」

「えぇ、なんかあったら困るんでね、、、ま、今日はなんかあったんですけど。」

「よく、止まってます、キャンプする人とか。」

「たまにいますね、、、、。誰もいないんでね。そういう人はいますね。」

「ですか、、、テントの中、見られました？」

「あ、はい、声掛けしようとして、、、。」

「なんか、触られました？」

「ファスナーとかは、開けるのに、、、。」

「ま、なんか、やってたんでしょうけど、避妊するのであれば、心中とかは、なさそうですけど、滑落とかの懸念はありますね。」

「、、、ダム湖に？」

「トイレに行く感じで、、、落ちることもあるでしょうし。」

「車両の持ち主は、どうです？」

「車庫証明の番号にかけますが、携帯電波が通じませんね、、、住所と名前はわかったんですけど。」

「ここで、我々も待機ですか？」

「そうですね、捜索といっても、朝にならんと。ま、我々ここにもう少しいますんで、連絡先だけ教えていただければ、何かあれば連絡します。」

「ま、ダムは我々の管轄内ですから、少し探してみます。」

　巡査長は、部下に指示している。照会内容の続報がないか聞いていた。

　部下は車両から巡査長を手招きする。

　伊藤と友野は、非常用発電機の倉庫へ行き法面の上から捜索のふりをした。

「友さん、どうする、、、ばれねぇよな、、、パンツ盗んだのよ。」

「大丈夫だろ、、、持ってんの？今？」

「あぁ、車の中だよ、ポーチの中。」

「あぶねぇな、、、。」

　伊藤は、巡査長を呼び止め時間的なもので、管理棟を確認したのち帰宅することを告げた。

　巡査長は、敬礼し伊藤に連絡先だけを聞き取った。


　パトカーに乗った巡査長は、部下の巡査が言う指令の違和感を聞き取った。

「ナンバープレート照会したら、指令側にすぐに捜査中止の指示連絡があったらしいんです。こんなの初めてっすよ。」

「そうか。、、、はじめてでもねぇな。このダムでな、少し前に、、、それっぽいことあったらしい。」

「聞かん方がいいやつっすか。」

「ほとんど知らんし、気味が悪くなる、、、止めとくか。」

「ですね、、、でも、エッチしてる途中で人さらいとかってあります？」

「ゴム付きって、ことは夫婦でもないんかな。」

「男の方の車でしょ、これ。」

「拉致系の事件、、、とか、、、。」

「国家犯罪的な？」

「どうかな、、、そうだったら、所轄の出る幕じゃないし、日報にも残らんのなら、下りてコーヒーでも飲もうや。」

　巡査長は助手席に乗り込むと、無線連絡し捜査中止を連絡し、県道へと続く道にハンドルを切る。



　パトカーのテールランプが見えなくなると、伊藤と友野は管理棟の明かりを消し、同じくパトカーの行く手に従った。

「あ、、友さん、、、レギンス忘れたなぁ。」

「もう、あきらめてよ、、、ショーツ一枚ゲットしてるし、、、警察の厄介になるよ。」

「でも、警察はすぐ、事件性なしみたいになったね。」

「だね、、、なんか、前に噂あったよね、、、浮かんだ女の遺体、、、すぐに事件性なしで片付いたやつ。」

「あぁ、、、新聞にも、テレビにもならんかった。」

「あれと、同じとか、、、ってないよねぇ。」

「ないことないかな、、、やっぱ、、、早く帰ろ。」

　山門川の分かれ道にある発電所の駐車場に伊藤が車をつける。友野は自分の車に乗り込み合図するようにライトをパッシングさせる。

　窓を開け、横付けした友野は、伊藤の車に忠告する。

「もう一回、、行くんでしょ、伊藤さん、、、俺はいなかったことにしてくれよ、、、なんか、面倒に巻き込まれそうだよ、じゃぁな。」

「あぁ、いなかったことにしておくよ、、、俺は、これから勤務外の夜間ドライブだよ。」

　あきれた顔した友野はクラクションを鳴らし、発電所の門を出た。下っていく友野の車と反対にダム湖への道を逆戻りした。


　パトカーと企業局員の車がダム湖を退去したタイミングでダム堰堤の陰から賢は小春の手を引いた。

「パトカー帰りました？」

「多分、もう一台の車も帰ったね。」

「ダムの人？」

「あぁ、多分ね、敷地内にいるから、調べに来たのかな？」

「もしかして、、、パンツ取ったのも？」

「わかんないね、かもしれない程度。」

「移動する？」

「どうかな、、、そのままでも、もう来ないかな、朝までは。」

　確証のない自信に満ちた賢の言葉を否定することができずに小春は、賢の腰に手をまわす。

「大きいの引っ込んだ？」

「うーん、、、。」

「出しちゃう？」

　小春は賢に返事はせず、堰堤にある階段を下りていくよう手を引いた。

　ランタンを再度つけた賢は、Ｔシャツだけの小春の下半身を照らすようにし足元を見つめた。

「恥ずかしいからぁ、、、。」

　小春はランタンを取り上げようとするが、ままならず、賢が小春に階段を降りるよう促した。

　Ｔシャツの裾を伸ばすようにし下半身を見せぬように歩くと、数秒おきにくる下腹部への排泄の波がそれを邪魔していた。

「ここで、、、こぼしちゃう？」

「草むらがいい、、、賢さん、、、見ちゃだめだよ。」

「旦那さんも見たことないんだろ？」

「当たり前っ。だめだよ、、、だめ。」

　堰堤の中腹にまで降りると、脇から流れている小川があった。賢はそこを指さすと、小春は言わんとしていることを悟った。

「、、、ここ、、だよねぇ。」

「紙、、、これで足りる？」

「うん、足りると思う。」

「足らんかったら、、、大きな葉っぱもあるよ。」

　賢の脇腹をつねり、小春はポケットティッシュを受け取った。ランタンは賢が持っているままで、小春が２０ｍ先の小川付近にたどり着くと、消すように促した。

　暗闇に戻ると、小春は数秒も持たず賢へ助け舟を求める。

「賢さんっ、、、やっぱ、、、、こわいよぉぉ。」

「横にいようか？」

　ランタンを持ち、小春の横までたどり着くと川を跨がせた小春の後ろに接した。

　小春は堰を切りそうな排泄の予兆を賢に伝える間もなく、跨いだ川に少量の小便を先陣に、３粒ほどの大便を川へと放出した。

　賢への抑制の言葉がでるまもなく、放屁音とともに堰をしていた３粒の大便の後、土石流のように液体に近い軟便が流れ去っていく。

　しゃがんだ小春の背に体を重ね、小春の太もも裏を持ち上げるようにし、幼〇への排泄補助の様に足を浮かせ小川と肛門を平行にし、排泄の放物線を描いている。

「やぁぁ、、、。」

「まだでそうだね？」

「あぁぁ、、、うん、、は、はずかしいよぉ、、、。ブピィ、、、プピィィ。」

「かわいいおなら、、、、。」

「もぉ、終わり、、、かもぉぉ。」

　最後にもう一度いきみが終わると小春が大きくため息をついた。

「はぁぁ、、、はずっ。ランタンで照らしちゃだめぇぇ、賢さん。」

「泥か、う〇ちかわかんないよ、小春。」

　取り出したポケットティッシュで小春が肛門付近を拭いとる4回目でも、汚れが取れていないのか、ティッシュを確認する。

　賢もポケットティッシュを取り、背後から小春の肛門を拭ってみた。茶色い筋が残っていると告げ、最後の一枚のティッシュを賢から取り上げる。

「、、、きれいになった、、、。」

　賢が小春の肛門に小川のひんやりとした水が股間にかける。

「天然ウォシュレット、、、。」

　小川の水で濡れた指を小春の肛門に当てマッサージするようにこのあとの交わりのためか洗浄をかねて、排泄終わらせていく。

「あぁ、、、もぉぉ、、、汚いし、、、。」

「あとで、いっぱい舐めてあげる、、、、ここもね。」

　賢が肛門の入り口に指先をあて、爪先で菊門の皴を爪立てた。

「う〇ち、、途中で出ても知らないよ。」

「いいよ、、、出し切ったら、、、アナルで初体験させるから。」

　小春を背後から抱きしめ、Tシャツに隠れている乳房を鷲づかみにしたときだった。ランタンの光より明るい一直線の光が小春の顔を照らした。

「大丈夫ですか？テントの人たちかなぁ？」

　下半身を隠すこともできずにいる小春は、賢の後ろに隠れようと立ち上がる。作業服姿のダム管理の伊藤は、堰堤の階段から小春たちを照らしたまま近寄ってきた。
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2023年11月7日掲載
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