堕（おと）された完熟桃
極楽とんぼ 作
第１４章　　ふざけ合って勃起を見た夫人

「ねぇ、もう１５曲ダウンロードできたみたい・・・ここで一休みして良い？・・・」
　丁度コーヒーが入ったタイミングで声が掛ってきた。
「グッドタイミング！・・・今入ったところじゃ・・・邪気が抜けて気が十分に入ったから、コーヒーの味が良く分かると思うよ・・・」
　盆に載せて運んで行くと、さっきの様に並んで座るつもりなのか、尻をずらして俊英が入る場所を開けた。
　忘れているのだろうか？、ワンピースの裾を尻の下に敷き込むこともしていなかった。

「ほんと！・・今日のコーヒーは一段と美味しいわ・・・完全に治ったと言うことね・・・さすがプロだわ！・・・」
「そんなに言われると、面はゆいなぁ・・・こっちを向いて顔を見せてよ・・・艶も戻っている筈じゃから、確かめて於かんと・・・」
「覗き込むように見たら恥ずかしいじゃない！・・・どう？・・・顔の色艶、少しは良くなった？・・・」
「うん・・良くなっている！・・・Ｎ○Ｋアナの妹か？と、人に言われるのも道理じゃな！・・・艶やかさとスタイルでは、由美さんの方が勝っているもんな！・・・」
「こらっ！・・・そんな見え透いたお世辞、言ってもダメ！・・・彼女はサンディスポーツの看板アナじゃないの！・・・」
「それ位の知識は、若い坊主でも知っている・・・彼女は美人で、グラマナスだけど、身体に張りがないと感じない？・・・バストは９１〜２センチ位だが、ボヨーンとした感じじゃぁない？・・・由美さんのバストは８６センチ位じゃが、プリプリした張りが伝わって来るぞ！・・・」
「ねぇ、何でそんなこと分かるの？・・・留美さんと一緒に書いた問診カードにも、記入したのは予定日と周期だけよ・・・」
　サイズがドンピシャだったらしく、少し狼狽えていた。

「治療院では全部記入するのが原則なんです・・・施術後の感覚と照らし合うから、自然に推察できるようになるんですよ・・・これまでに２千人近くの事例を体験したから、見ただけでも分かるようになりますよ・・・」
「そんなに自信たっぷりで大丈夫？・・・じゃぁ、言ってみて！・・・
　スタイルには自信を持っているらしく、当ててみろ！と迫ってきた。
「なら言うよ・・・まず、身長は１６４センチ、体重は５０キロ弱、ウエストは６２センチ、ヒップは８９センチ、バストは、さっき言った８６センチ、体脂肪率は年齢としては理想な値に近い・・・それ以外の特徴として、筋肉や腱は柔軟でしなやか・・・気のエネルギーは大きく、したがって素肌年齢は実年齢より５歳下・・・この保持には適度の運動が必要！・・・以上だけど、どこか間違っている？・・・」
「ほとんど合っている・・・素肌年齢なんか知らないけど・・・運動が必要？・・・」
　夫人は「熟れ盛りは何時迄もは、続かないぞ！」と言った、あの男の言葉を思い出していた。
「運動が必要なの？」は、女の盛りを少しでも伸ばしたい願望が言わせたセリフだった。

「エネルギーの大きい人は、特に必要じゃな・・・エネルギーは身体が必要とする量を絶えず用意して、各器官に送っているわけで、使わないと劣化して溜まってしまう・・・そうなると、気の流れが滞り、その器官やそれを構成する細胞まで活力を失ってしまう・・・送り込まれた量を消費しないとダメです・・・それが適度な運動が必要な理由です・・・」
　わざと事務的な口調で、淀みなく一気に喋った。

「具体的には、どうしたら良い訳？・・・釣り具の洗濯や手入れ、部屋とお庭の掃除、それにピアノだって結構激しい運動なのよ・・・運動しているつもりだけど・・・」
「確か、お尻の環跳と、脚の陰陵泉、箕門を押した時に凄く痛がったよな・・・脚と腰の辺りの滞りが強い様だから、其処を動かす運動が必要と言うこと・・・治療院で勧めているのは、骨盤体操の一種で、ペルヴィスダンスなんだけど・・・」
「なんか恥ずかしそうで、習いになんか行けないわ・・・教本とかビデオは無いの？知っているなら教えてよ・・・」
「岡山の治療院には有るけど、休憩中じゃから、探してみようか？・・・」
「探すって、お部屋にあるの？・・」
「こういうものは、ネットで調べるのが一番じゃ・・・練習にもなるからやってみて！・・・」
　夫人はＩＥを立ち上げ、検索欄に骨盤体操と入力して検索一覧を表示した。
「ねぇ、いっぱい出て来たわよ・・・どれにしようか？・・・」
　もう気の循環が強くなる頃で、くっ付いて居る夫人の太腿が少し熱く感じられた。

「うーん・・どれが良いかな・・・ここにユー・チューブがあるじゃない！・・・映像で見るのが一番分かり易いわ・・・」
　一覧の中から、モデルのＫｙｏがお手本を示す映像を選択した。
　映像はＴＶの録画だったが、Ｋｙｏが括れた６０センチのウエストと、良く張った８８センチの腰をエロティックにくねらす姿を並んで見た。
「ねぇ、何かエロティックな感じがしない？・・・あれをしろと言うの？・・・」
「健康保持の為なんだから、感じなんかどうでも良いのと違う？・・・あれはレッスンの一部だと思うけど・・・僕の見ている前でする訳じゃないんだから・・・」
「藤堂君の前であんな恰好できる訳ないじゃない！・・・忠実にハイハイと言っていたら、試しにしてみろとか、言うんじゃない？・・・」
「其処までは厚かましくはないけど・・・本音は見てみたいな・・・」
　前半はハッキリと、後半はぼかすように小声に変えた。

「悪賢いんじゃない？・・・本音を口にする時は、声が小さいわよ！・・・」
「他人に本音を堂々と言えたら、苦労は無いですよ！・・・由美さんになら、白状できるんだから、大目に見てよ・・・」
「正直過ぎるのも欠点だわよ・・・ねぇ、ほんとに骨盤の矯正をしないとダメ？・・・この前の施術の後には、何も言ってくれなかったけど・・・」
　急に真剣な顔つきになって問い質してきたが、欲求不満が原因だとは言えなかった。

「ちょうど休憩時間じゃから、誰にでも判定できる方法を教えてあげるよ・・・カメラ取って来るから、ちょっと待ってくれる？・・・」
　怪訝そうな顔をしていたが、何も言わずに２階へ駆け上がり、カメラを取って戻って来た。
「由美さん、畳の上で大の字になってくれる？・・・」
「良いけど・・・何処を撮ろうとしているわけ？・・・」
「大の字になった時の足先の角度じゃ・・・それを見ると誰でも分かるから・・・」
「ねぇ、足元から写すのはダメよ・・・」
「そんなに先回りして心配しなくて良いよ！・・・頭の側から写すから！・・・」
　女の股間を写して悦に入る趣味など無かったから、此処は軽く流し、身体の力を抜いて一番楽な姿勢になるように促して写した。

「見てごらんよ、足先の角度が違うじゃろう？・・・」
　並んで座り、肩をくっ付け合って小さな液晶画面を見ることになった。
「あっ・・ほんとだ！・・・右足は垂直に近いけど、左は３０度位傾いてる・・・」
「左の方が正常だと言うこと・・・この方法なら、誰にでも判定できるじゃろう？・・・骨盤は正常だけど、その周辺の筋肉のバランスが崩れているんじゃ・・・それのバランスを整えるのが骨盤体操という訳・・・」
「うん・・良く分かった・・・でも・・この画像は、消去するわよ・・・」
「せっかく撮ったのに、勿体ないなぁ・・・」
「だって、胸がこんなに写っているじゃない！・・・それに腰回りも・・・こんなのを残しておくと、見られるもん・・・」

　撮影した角度に拠るのだが、確かにむっちり張った腰回りと、見事に盛り上がった胸の隆起とが際立っていた。
　それだけでなく、切れ込みの深い襟元の中に、隆起の麓から少し上部までが露わに写しだされていた。
「仰向けになると、普通はおっぱい自身の重みで弛みが出るじゃろう？・・・これには、それが全然見えないぞ！・・・綺麗なおっぱいの見本みたいじゃ・・・まぁ、被写体は由美さんだから、本人の意向が最優先じゃもんな・・・」
　乳房の張りを褒められたと思ったのか、素直に引き下がると、深追いはして来なかった。

　再度、共同作業を開始することになったが、風邪が抜けた夫人は、一段と色香が増していたし、習得意欲も旺盛だった。
　ＭＰ３ＧＡＩＮの使い方も覚え、サイバーリンク社製の書き込みソフトの使い方もマスターした。
「うわっ！・・凄い！・・・ちゃんと出来ている！・・・ねぇ、ラベルマイティの使い方も教えてくれない？・・・このＣＤにブライトマンの画像を入れて、曲名も書き込んで於きたいわ・・・」
「急ぐ気持ちは分かるけど、もう３時を過ぎているぞ！・・・もう一度美味しいコーヒーを入れるから、少し休んで帰ったら？・・・明日は予定通り、ラベルマイティをマスターしないか？・・・」
「そうしようか？・・・明日は生徒が来るのが４時頃だから、１時開始で構わない？・・・」
　俊英の狙いは、この休憩時間に揺さぶりを掛けることにあったが、由美さんは警戒することもなく乗ってきた。

　今度は並んで座る理由がないので、炬燵の席は由美さんの左手にした。
「風が抜けると、コーヒーの味って、こんなに変わるんだ！・・・治してくれただけじゃなく、パソコンの手解きまでしてくれたんだもの・・・何かお礼しないといけないわね・・・」
「礼なんか、要らないよ！・・・気楽に女性と話しが出来たのは、由美さんが初めてじゃ・・・礼はこっちが言わんと・・・」
「そう言えば、留美さんが言ってた・・・施術している時は朴念仁じゃとか・・・朴念仁って何って聞いたら、木像と思えば良いと言ってた・・・だから、お尻に手を当てられていても安心だったけど・・・」
「えーっ！・・留美義姉さん、そんなこと言っていたのか？・・・施術の時は無心になれと師匠から鍛え抜かれたけど、木像はちょっと酷過ぎると思わない？・・・」
　ドキドキ感を楽しんでいたくせに！・・と思ったが、じゃれ合いに持ち込もうとすれば、こう言うしかなかった。

「そうよね・・・軽いジョークも言っていたし、隙を見て、覗き込もうとしていたし・・・」
　年上の余裕を示すつもりなのだろうか、からかうような悪戯っぽい目線を送ってきた。
　だが、ワンピースの裾から手を入れ、３０分近くも尻に手を当てた濃密な接触の効果は大きかったようだ。
　もう、慣れ親しんだ感覚になっている感じで、足先に触れて来たし、膝小僧もくっ付けてきた。
　接触と温もりの交流が絶たれると寂しく感じるらしく、無意識にしているようだった。
「情けないけど、おっぱいには弱いみたいで・・・それに、色白でプリプリのおっぱいなんて、初めてじゃもん・・・大目に見て欲しいんじゃけど、ダメかな？・・・」
　確たる見通しなど無かったが、ここは神妙に振る舞って、敵失を待った方が良いと直感した。

「修一にも若干その傾向があるんだけど、藤堂君は、おっぱいに関心を持ち過ぎだと思うわ・・・そう言えば、お寺も道場も女気は無いわね・・・そうすると、赤ちゃんの時は哺乳瓶で育てられたの？・・・」
「師範夫婦に子供はいなかったから、哺乳瓶だったです・・・おっぱい飲んでいる赤ちゃんを、羨ましそうに見ていたと言われた記憶があるから・・・」
　指摘が当っていて、乳房に憬れを抱いていることをさり気なく匂わせておいた。

「ねぇ、経絡の治療だけでも厳しい訓練だったんでしょう？・・・見習い僧だって、厳しいわよね・・・その上に拳法も入れたら、遊ぶ暇なんか無いじゃない？！・・・」
「坊主見習に遊ぶ暇なんか有りませんよ・・・授業が終われば、寺に直行だったんですから・・・」
「まぁ！・・真面目だったんだ！・・・ねぇ、そんなんで息が詰まらない？・・・」
「物心付いた時からそうだったから、それが当たり前だと思っていたし・・・」
「ねぇ、そうだとしたら、ガールフレンドはどうだったの？・・・」
「そんなの出来る訳ないじゃないですか！・・・相手の都合に合わせて時間など取れないでしょう！・・・女性とどう話して良いのか、未だに要領が分らなくて・・・」
　初体験の碧に溺れて年増女の味を覚えて以来、同年代の女に興味も関心も無かったが、尤もらしいことを言うしかなかった。

「でも、今は普通に話しているじゃない！・・・」
「由美さんは親戚同然じゃと言ってくれたし・・・さっぱりした性格だと分かったから、何度も話す内にドギマギするのが減ったんだと思います・・・」
「うん、確かにそうだわ・・・最初の頃は、デスマス調だったもの！・・・女性と話すのが苦手で、おっぱいに弱い・・・それ以外には無いの？・・・」
「まだあるかなぁ？・・・弱点を曝すって、恥ずかしいよ・・・」
「あらっ、格好つけちゃって！・・・誰にも言わないから、言いなさいよ！・・・協力してあげられることだって、あるかもよ！・・・」

「今、気が付く事と言ったら、甘い香りのオーディコロンかな？・・・」
「えっ！・・先っきは並んで座っていたけど、あの時からそうだったの？・・・」
「手を当てている時は、木像ですから何ともないけど、終わると煩悩に弱い未熟僧に戻っちゃいますよ！・・・」
「そう言えばそうだわ・・・当てている手が全然動かなかったもん・・・」
「当たり前ですよ！・・・由美さんが急に顔を向けて来ると、身体が少し捻じれるじゃない・・・それでも手の位置が動かないようにしようとすると、かなり集中しないと無理だからな・・・」
「まぁ、そうだったの？・・・そんなに気を配っていたなんて、気付かなかったわ・・・」
「手が動くと、相手は撫でられている！と、感じるかも知れんじゃろう？・・・勘違いされても施術者の責任じゃと、師範から厳しく叩き込まれたもん・・・由美さんにお尻撫でていると勘違いされたら、拳骨１つじゃぁ、済まないと思うよ・・・」
　咄嗟に思い付いた冗談だけど、ガードが堅い女性だと思っていることを、遠回りに伝えた。

「そうねぇ・・２つか３つ位は、入れているかも・・・それは良いとして、甘い香りに弱いって、どんな感じになるの？・・・」
「どんな感じと言われても・・・ドキドキするような・・・ホンワリするような、妙な感じなんだけど・・・」
「じゃぁ、次から変えた方が良いかしら？・・・でも、慣れることも必要よね・・・このオーディコロンを使っている女性も多い筈よ・・・この系統の香りに慣れていないと、これからも困るでしょう？・・・」
「慣れるように挑戦するから、変えなくて良いよ・・・」
「相変わらずの負けず嫌いなのね・・・じゃぁ、協力してあげる！・・・良く日焼けしているから目立たないけど・・・頬の辺りが少し赤くなってない？・・・」
　顔を少し斜めにして、俊英の顔を下から覗き込むように近づけて来て、顔色の変化をチェックしようとしてきた。

「由美さん、ちょっと・・・」
　乳房の谷間深くまで見えてしまい、俊英は思わず息を飲んだが、甘い香水の匂いも吸いこんでいた。
「あっ！・・また覗き込んでいる！・・・ほらっ、赤くなったじゃない！・・・」
　２人の声は、ほんの僅かずれただけで、そのタイミングは同時と言って良い程だった。
「違うよ！・・・こんなに近づいて下から覗き込まれると、由美さんの・・白いおっぱいが・・眼に入って・・・香水の香りも吸い込んでしまったからじゃ・・・」
　此処は思いっきり演技して、とちり加減に言い訳をした。
「段々赤くなっている！・・・おっぱいの形まで想像しているのと違う？・・・」
　夫人の方が乳房の谷間を見せてしまったのだが、狼狽えている若い男を見ると、つい調子に乗ってしまった。

「していないとは、言わないけど・・・」
　モジモジしながらそれだけ言うと、炬燵掛けのシーツを引っ張って持ち上げ、ベルトから下の部分を隠すようにした。
「ねぇ・・なったの？・・・どうしたら？・・・」
　それが何を意味するかぐらい分かる筈で、夫人の方も真っ赤になって狼狽えていた。
「お願いじゃから、水を持って来て！・・・少しは落ち着くかも知れんから・・・」
　自分が動けば、狼狽えるのは分かっていたから、ここは夫人に動いてもらうことにした。
「分かった！・・・」
　それだけ言うと、夫人は台所に駆け込んだ。
　その場に居れば、俊英が飛び付いて来るのでは？と恐れたこともあったが、真っ赤になって狼狽えている姿を見られたくなかったからだ。

「ねぇ、大丈夫？・・・」
　恐る恐る声を掛けながら近寄って来て、コップの水を炬燵の上に置き、逃げ出す様子も見せず元の場所に正座した。
「御免・・・急じゃったから、ちょっと痛くて動けなかったし、恥ずかしい処を見せたくなかったから、頼んだんじゃ・・・でも、何とか収まりそう・・・」
“動けない程痛い”と言えば、どんな想像を巡らすか、予測を付けてのセリフだった。
「ほんとに、大丈夫？・・・」
　どう考えても、夫人はこれ以外の言葉を思いつけなかった。
「１度や２度はこうなって狼狽えるかも知れんが、絶対に慣れると思う・・・迷惑かも知れんが協力してくれる？・・・」
　俊英は、ここで伸るか反るかの賭けに臨んだ。
　そんなのダメよ・・と言えば、もう此処へは来ないという最後通告になることぐらい、夫人には分かっていた。

「・・・慣れないとダメと言ったのは、私だから・・・」
　暫らくの沈黙の後に出た言葉だったが、この様な際どいドタバタ劇を、容認したことを意味していた。
　イチかバチかの賭けには成功したようだったが、未だ初心者の俊英には、この局面を打開するテクニックも言葉も無かった。
　何か言って間を持たせなきゃぁ・・と思うのだが、言葉が出てこないのだ。

「ねぇ、そんなに落ち込まれたら、こっちだって落ち込むじゃない・・・若くて頑健なんだから、こんなことがあっても可笑しくないわよ・・・生理現象だもん、仕方ないんじゃない？・・・」
「そう言ってくれると、少し気は楽になるけど・・・」
「でも、他所様で今日みたいになったら困るわよね・・・誰もが許してくれるとは限らないし・・・やっぱり、訓練は必要なようね・・・ねぇ、訓練って、最初はハードル下げた方が良いんじゃない？・・・香水は以前のに変えた方が良い？・・・」
「変えない方が訓練になると思う・・・少しは慣れ始めているんじゃから、少し薄めにしてくれた方が有難いけど・・・」
「それはそうかも・・・でも服は替えるわよ・・・このワンピースはツボの風門をしてもらう為に着たんだし、襟元も深過ぎるようだから・・・その代り、服の上から胸を見るのは許してあげる・・・」
「今は未だそんな余裕が無いから、止めておく・・・ハードルの低いところからチャレンジします・・・」
　神妙な顔付きで、落ち込んでいる状態を仄めかした。

「じゃぁ、時間も時間だから帰るわよ・・・今夜の釣りは中止みたいだし、明日は予定通りラベルマイティで、明後日はＤＶＤのリッピングと書き込みで良い？・・・」
「ええ、予定通りにやりましょう！・・・こっちの準備は整えておくから、由美さんは、今日作ったＣＤとラベルマイティの説明書だけ持って来れば良いよ・・・」

　夫人が飲み物を台所に運んで洗っている間に、俊英は炬燵の上のパソコンや付属品類を片づけた。
　最後に迷ったことは、未だにズボンを盛り上げているのを、夫人に見せるかどうかの判断だった。
　必ず眼線を送ってくると信じ、上着のボタンの下２つを外し、ズボンの盛り上がり具合が見えるようにした。
「今日は、みっともないところを見せて御免・・・」と謝りながら、台所の勝手口の脇に立った。
　勝手口の扉を背にして、夫人の眼線は、下腹部の盛り上がりを探っていた。
「・・・じゃぁ・・・」と声は出したが、後は続かず、狼狽ぶりを隠すように背を向け、やがて勝手口を締めた。
　ベルト付近にまで達している先端と肉茎の太さは、その輪郭をかなり鮮明に表わしていたからだ。
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あなたのひと言が作者の励みとなり、新たな作品が生まれます。ご感想宜しくお願いします。
2017年4月1日掲載
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