堕（おと）された完熟桃
極楽とんぼ 作
第１７章　　勇み足に付け込んで握らせる作戦　

　１３日の月曜日、３時からの授業が休講になったので離れに帰ると、居間の炬燵の上にメモ風の手紙が置かれていた。
　急に用事が出来たから、教えてもらうのは夕方からにして欲しいという趣旨だった。
　小さい文字で「木曜日の帰り際のことは、記憶から消してください」と添え書きが付いていた。
　帰り際の出来事と言えば、夫人が俊英の指を握って乳房を突かせ、弾力を感じさせたことだ。
　軽いじゃれ合いで、服の上からではあるが、乳房の弾力を確かめさせたのだから、何らかの後悔を示しておく必要を感じているらしい。

　だが此処で尻込みされてしまったら、積み上げてきた成果が台無しになる。
　このピンチをチャンスに変える妙案は無いものか？と、俊英は思案に没頭した。
　思案を巡らし、何とか妙手を思い付き、夜に呼び出す準備を始めた。
　計算では、生理予定日の２日前の筈だし、疼きが激しくなる時期に加えて安全期の筈だから、生でやれるチャンスでもあった。
　願っても無いチャンスだったから、段取りに手抜かりは許されなかった。

　メモなど見ていない風を装い、大学から電話を掛けた。
「由美さん、御免！・・・今日は治療院の助っ人に駆り出されて、帰るのが７時過ぎになるけど良いかなぁ？・・・」
「じゃぁ、大学から直行なの？・・・手紙読んでないんだ・・・」
「手紙って、まさかラブレターってことは、あり得ないし・・・」
「茶化したらダメ！・・・大事なことを書いているんだから！・・・」
「分かった！・・・会った時に真剣に聞くよ！・・・じゃぁ、切るからな！・・・」
　大事なことだと言うのだから、すっぽかす訳にはいかないだろうし、巧く機先を制した。

　次は、何処で事に及ぶか？であったが、２階の勉強部屋で事を起こすのが最善だった。
　妙案で昂ぶらせた後、襖を開けてベッドに連れ込めば、日付が変わる頃迄でも、やりまくれるのだ。
　少し厚めのシーツを敷き、その下に大きなナイロン製の風呂敷きを敷き込んでおいた。
　上手く事が運べば、５〜６発は迸らせるつもりだったから、スペルマが敷布団に沁み込むのを防ぐ為だった。
　３０分ほど掛けて準備を終え、母屋の通用口から抜け出して治療院へ向かった。

　治療院で夕食を食べ、７時丁度に俊英は離れに戻り、母屋の留美義姉さんを訪ねた。
　２人が無事に磯上がりをしたら、連絡が入ることを知っていたからだ。
　前々回の月曜日、前回の金曜日とも風雨で釣りが出来なかった２人は、火曜日を有休にして、通しの夜釣りを計画していた。
　風も穏やかで潮の流れも良いから、予定通り朝まで釣るとの連絡が入っているのを確めた。
　この種の連絡は、夫達が留守中の妻にする習慣になっていることも知っていた。

　俊英は事をスムーズに運ぶ為に、上下とも生地の薄いトレパン姿で待つことに決めていた。
　ズボンの方は紐で腰を縛るタイプで、紐を緩めると自重で足元に落ちる作りになっていた。
　夫人は、辺りが暗くなった８時少し前に尋ねて来たが、服装は前回とほぼ同じだった。
　白い前ボタンのワンピースを着ていて、その上にデニムのベストを身に着けていた。
　長い髪はクリップで纏められていたが、これは家事をする時の髪型だと知っていた。
　ガードを固めたかな！と思ったが、ワンピースのボタンは上２つが嵌められていなかった。
　先日のことを思えば、触るのは認めないが、チラッと覗き込む位は見逃す心算の様に思えた。

「手紙は読んでくれた？・・・意味は分かるでしょう！・・・お願いよ！・・・」
　開口一番がこれだったが、俊英は戸惑いを露わにして対応した。
「コーヒーが入っているから、先ず飲みながら俺のパソコンでやってみない？・・・収録時間の短いＤＶＤを用意しているから、リッピングが短時間で済むんじゃ・・・骨盤体操のＤＶＤは由美さんが操作を覚えている間に、このノートパソコンでリッピングは終わるはずじゃ・・・」
「操作を覚える為に、藤堂君のパソコンで自分がやってみて、もう出来ているＤＶＤフォルダの書き込みは、ノートパソコンでやってみると言うこと？・・・なるほど、時間は節約できるってことね！・・・」
「同時並行した方が効率は良いし、時間も節約できるじゃろう・・・・手紙のことはその後で詳しく聞きたいし・・・」
　これならあまり遅くならないと判断したらしく、提案には素直に乗ってきた。
　ノートパソコンの入ったカバンを脇に抱え、俊英の後から２階へ上がってきた。
　こうして、夫人が椅子に座ってデスクトップを使い、俊英は胡坐を組んで小机に乗せたノートパソコンを使う構図になった。

　デスクトップを起動させ、コピー元のディスクをドライブに挿入していたが、ソフトを立ち上げてから顔を向けてきた。
「これはパソコン誌のコピーみたいね・・・この解説を見ながらだったら出来そうよ・・・行き詰ったら呼ぶから、来てくれる？・・・さっきの事は後で良い？・・・恥ずかしいから、落ち着いてからにするわ・・・」
「じゃぁ、こっちは借りてきたＤＶＤのリッピングを始めるからな・・・」
　声を掛けると肯いていたが、用意しておいたコーヒーなどそっち退けで、マニュアルを見ながら取り組んでいた。
　村田が言った正常化バイアスは、今やトップギアに入っている感じだった。
　１メートル足らずの所にすらりと伸びた白い２本の足があり、足首の締り具合をじっくり鑑賞できた。
　ひょっとして、之までの女で最上かな？・・・と見入っていると、声が掛かってきた。
「ねぇ、リッピングしたファイルを納めるフォルダは、何処に作ったら良いんだっけ？・・・」
　立ち上がって脇に行き、ライブラリーの中のビデオフォルダ内に作ることを教えた。
　近寄って初めて気付いたが、香水の甘い香りは先日より強かったし、胸の隆起の麓と例のホクロがはっきり見えた。

「これで良いのよね？・・・あっ！・・また覗こうとしているじゃない！・・・この前みたいになったって知らないから！・・・」
「直ぐに慣れろと言われても無理だよ・・・匂いでクラクラさせられて、色白のおっぱいで追い討ちを掛けられ、もうドキドキなんだから！・・・」
「覗き込んだりするからじゃないの！・・・分かったから、そっちで自分の作業を続けて・・・あっそうだ！・・・クリップを外して、髪で隠したら大丈夫かも・・・」
　どうだ！・参ったか？・・と言わんばかりの顔を向けてきたが、もう完全にじゃれ合いペースになっていた。

「３度リセットし直してやったけど、間違いなく出来るわよ！・・・本篇だけリッピングするけど、後はどうしたら良い？・・・」
「リッピングは１５分ほどで終わると思うから、こっちへ来てもらおうか？・・・自分のパソコンで書き込みしたことは無いんじゃろう？・・・１０分程で済む作業だけど・・・」
「そうだ、それもマスターしとかなくちゃぁ・・・」

　用意しておいた座布団を敷き、夫人の座る場所を作った。
　小さな液晶を２人で見ながらの作業になるから必然なのだが、少し膝を崩した夫人の膝頭が、胡坐をかいた俊英の膝の下に入ってきた。
　もう、目を覚ましているんじゃぁない！・・・エッチなんだから！と言わんばかりの顔をして、肩をぶつけてきた。
　夜も８時半を過ぎているのに、恐がる様子も無く、はるか年下の男をからかう余裕を見せていた。
「見たらダメだよ！・・・由美さんに見られると、目を覚ますじゃないか！・・・」
「だって、この前のことだあるから、心配じゃない！・・・」
　心配だと口にはしているが、重なっている膝がぴったりくっ付いていても、気にする様子は無かった。

　書き込み対象のファイルがある場所を確認させ、書き込みソフトの使い方を一通り説明し、それを３度繰り返すことにした。
　時には、これで良い？と眼で尋ねることも有ったが、解説書にチェックを入れながら順調に作業を進めていた。
　俊英が画面から眼を離していると、左手で膝を突付いて画面を見るよう促してきた。
　それが何度か重なると、その手は膝に置かれたままとなった。
　多分、無意識に行っているのだろうが、筋肉の弾力を確かめている風でもあった。
「あっ！・・ご免・・・」
　手の動きに気付いたのか、慌てて引っ込めようとした。

「そのままにしておいてよ！・・・気の出方が強いし、柔らかくて温かい手だから気持良いし・・・」
　触ってきたのは初めてだから、ここで尻込みされては困るのだ。
　咄嗟だったが、続けさせる上手い口実が見つかったので試してみた。
「ねぇ、私の気、強く出ている？・・・」
「前よりは強くなっている・・・でないと、こんなに気持ち良くならないよ！・・・」
「じゃぁ、置いておくけど・・・でも、何か変な感じだわ・・・」
　並んで座っている訳だから、手はどうしても太腿の内側に当たるようになる。
　今更引っ込めることもできず、夫人の頬が次第に赤みを増していた。
　こうした際どい戯れを、ドキドキしながらも楽しんでいる感じなのだ。

「３回目はスムーズに進んでいたぞ！・・・もう一人でも出来るわ・・・書き込み開始のボタンを押して！・・・１０分程で完成じゃ・・・」
「そう？・・これでも頑張ったんだから！・・・でも、ちょっと疲れちゃった・・・」
　こうした時に見せる媚びるような態度が、寺で働いている未亡人の幸代とそっくりなのに驚いた。
　それだけでなく、肩を付けるようにして寄り掛かってきた。
　共同作業は、それに携わった者を親密にさせると言うが、本当だと実感した。
　深層で蠢く欲情がそれを加速させているのだが、傍から見れば恋人同士に見えただろう。
　だが、ここで休憩を入れてはならなかった。

「ところで、今日の手紙はどういう風に解釈したら良い？・・・」
「えっ？・・それは・・・だって、女の私の方から、おっぱいに触らせた形だったから・・・何だか、はしたない事をしたみたいで・・・」
　虚を突かれた感じで狼狽えていたが、予想通りのセリフをとちりながら口にしてきた。
　あの後に思案を巡らせ、どう説明したら良いかと準備していた感じだった。
　手こそ引かなかったが、寄り掛っていた身体は離してきた。

「あの場面だけを取り出せば、そう言えない事もないが・・・経緯を考えると、理性的な大人の対応だったと、感心したんだけど・・・」
「だって、藤堂君は保留を納得してくれていたでしょう？・・・なのに・・・あんな事をしてしまったんだもの・・・今だって、寄り掛かったりしていたし・・・」
「指を握ってしたことは、僕のおっぱいコンプレックスを、何とかしてやろうと思って、して呉れたんだろう？・・・成り行きから見れば、自然だったけどな！・・・」
「でも・・ねぇ、エッチな女だと思わなかった？・・・そう思われても仕方ないことしたんだもの・・・」
「未だすっきりしないけど・・・例えば寄り掛ることだが、僕がこうやって寄り掛ったら、５分５分になるのと違う？・・・」
「それはそうだけど・・・それだって、私が先にしてしまったから、帳消しにしようとして、合わせて呉れているんでしょう？・・・」
「かなり拘りが強いと言うか、頑固者みたいだな！・・新しいことを次々に教えたから、疲れたんだなと思ったぐらいで、由美さんが楽になるんなら、何も問題ないと思ったんだけど・・・」
「気を使って、そう言ってくれているんでしょう？・・・はしたない女だと思っているに決まっているじゃない！・・・」
　どうやら、先に仕掛けた方がエッチで、相手が同じことを返してきたら公平になるという理屈のようだ。
　だが、隙だらけのこの理屈は、利用価値があった。

「そんなこと言われたら、こっちが困るよ・・・ウーン・・分った！・・良い考えが閃いたぞ！・・・」
「良い考えって何？・・・」
　謎を掛けたら、巧い具合に喰い付いてきた。
「どう見てもエッチだと思われることを、僕が先に１つだけしたら良いんじゃ・・・そうすれば、おっぱいを指で突かせてくれたことと、帳消しになるじゃろう？・・・５分５分になれば、気が楽になるのと違う？・・・」
「それはそうだけど・・・でも、何だか怖い・・・ねぇ、エッチなことって何するつもり？・・・悪いことを考えているのと違う？・・・」
「怖いことなんかしないよ！・・・ひょっとして、変なことを想像しているんじゃない？・・・言ってごらんよ！・・・」
「・・・襟口から・・手を入れるつもりかと・・・」
　控え目な表現をしているが、乳房を揉まれるのでは？思っているらしい。

「そんなことしたら、頬っぺたを引っ掻かれそうじゃ！・・・そんなことしないよ・・・」
「だって・・関心ありそうだったし・・・ほんとに怖いことしない？・・・だったら、何をするつもりなの？・・・教えてくれたって良いじゃない！・・・」
「教えたら、それは構わないとか、それはダメだとかになるじゃろう？・・・それは構わないと言ったら、変なことにならないか？・・・」
「どうして？・・・」
「だってそうじゃない！・・・由美さんがそれを認めたことにならないか？・・・また自己嫌悪に落ち込まれたら困るもん・・・」
「それは・・そうだけど・・・」
「信じて任した方が、気が楽だって！・・・ハイ！・・目を瞑って！・・・」
　ごちゃごちゃ言わせぬよう急かしたが、この大事な場面で、いきり立ってきた怒張に気付かれては困るからだ。
　少し身を固くして黙って目を瞑っていたが、何処に手が伸びてくるのか？と想像しながらドキドキしているのは明らかだった。

　右手をゆっくりと背後から廻し、その手を夫人の右肩に軽く乗せた。
　それから、太腿に置かれていた夫人の左手を握り、それをいきり立っている怒張に導いて上から押え込んだ。
「アッ！・・」と声を出して手を引っこめようとしたが、それは許さなかった。
　その夜の俊英は、トレーナーのズボンは薄い生地の化繊だったし、トランクスもアシックスのボクサータイプの薄物を穿いていた。
　大きさの見当は付いていたが、手に伝わってくる感触は、生身のそれに触った時のような生々しさを夫人に感じさせていた。
「あの男」のより、大きくて固い！・・・
　こんなのでされたら、毀されるかも？・・・
　撫でていたら気が収まるのかしら？・・・それとも・・・
　固さもさることながら、カリの張り具合までハッキリと伝わってきて、その生々しさが、夫人を混乱させた。

　触った瞬間、ブルッと身体が震えてしまったが、逞しいオスに憧れる本能の方が刺激されてしまい、身体の強張りは急速に緩んできた。
　強烈な衝撃で官能が揺さぶられ、身体の奥深くに刻み込まれていた感覚が呼び覚まされたのだ。
「ズキズキして、少し痛いんじゃ・・・手を当ててくれたら和らぐと思うから、頼むよ！・・・気を入れるつもりで・・・」
　囁き掛けられたデタラメで取って付けたような尤もらしい理屈も、夫人には受け入れ易い理屈に感じられた。
　欲情に引きずられてしているのではなく、痛みを緩和させる行為をしているのだと、自分を納得させる理屈になるからだ。

「そ・・そんな・こと・・言ったって・・・恥ずかしい・・」
　狼狽えてあれこれ言ったが取り合って貰えず、手はやんわりと押さえられていた。
「じんわりと押さえたら強い気が出るから・・・頼むよ！・・・」
　囁き掛けてくる声も吐息も、夫人の敏感な首筋や耳に注がれていた。
　痛みを緩和する行為の筈だったが、囁きと熱い吐息とが夫人の官能を揺さぶり始めていて、目を閉じた顔は朱色に染まって火照っていた。
「あぁ・・気持ち良くなってきた・・・離したらダメだよ・・・」
　熟女の熱い手で押さえられているのだから気持ち良いのは当たり前で、その台詞には感情が籠っていた。

　続けてと言われたからではないが、夫人はもう手を離すタイミングを失っていた。
「この辺りを包み込むように、やんわりと・・・」
　手はカリの辺りに誘導されたが、抵抗も躊躇う様子も示せないまま、押さえている手で包み込むように促されていた。
　大きなカリの張り具合を感じると、柔らかく包み込むような手付きを繰り返していた。
　やんわり握るように促されたのだが、、揉むように促されたと思い込んでいた。
　男と女とが交わす愛撫では、その方が自然だと思うほど、夫人は興奮していた。

　男からすれば、次の段階へ突入するチャンスだった。
　肩を抱いていた手をワンピースの襟元から侵入させたが、ノンワイヤーのモールドカップブラだったので、大した抵抗も無く直に乳房を握れた。
　想像通りの弾力と吸い付くような柔肌の感触は、これまでのどの女のそれより素晴らしく、揉む手にも自然に熱が籠った。

「アッ！・・其処・を・した・ら・・・ダメ・・・」
　辛うじてそれだけのことを口にしたが、揉まれたら蕩けてしまうと言う、告白の様な響きが混じっていた。
　離そうとした左手は再び押さえつけていたし、続けて揉むように強いていた。
　その後の言葉は途切れてしまい、乳房を揉まれながら怒張を揉むという、どんな言い訳も成り立たない卑猥な構図が出来上がった。

　指の間に挟まれた乳首は軽く抓まれながらも、乳房は心拍のリズムに合わせて交互に揉まれていた。
　子供に殆んど吸われなかった乳首は、敏感な感覚を失わないのが特徴で、この軽いタッチが効果的なのだ。
「火照ったおっぱいが熱くて、柔らかで弾力があって・・・吸い付いてくる肌も、気持ち良い・・・この固い乳首を吸いたい・・・」
　耳から首筋へと徘徊する口と舌は愛撫を繰り返していたが、囁きも繰り返されていた。
　ほんの時折だが、ダメ・・と聞こえる声が漏れてはいたが、すぐさま喘ぎ声が消していた。

　耳への愛撫が効くと分かり、口に咥えて舐めては吐息を吹き込んだ。
　夫人が快感で喘いでいる間に、するべきことは多かった。
　ベストのボタンは初めから外れていたので、最初にワンピースの前ボタンを上から外していった。
　身悶えする隙にキャミソールをたくし上げ、胸の谷間に有ったブラのフックを外し、今度は下から直に乳房を揉むようにした。
　これで、キャミソールをたくし上げれば、乳房は剥き出しになり、吸うことも出来る状態が整った。

　態勢を入れ替えて圧し掛かった時、か弱い声を上げたが、乳房を吸われるとそれも収まり、暫らくすると呻き声を漏らしていた。
　慌てて口付けなど迫らず、乳首を交互に吸い立てながら上半身の性感帯やツボへの愛撫と刺激を施し、官能の炎が燃え立つように攻め立てた。
　身を捩って喘ぐようになったのを見定め、トレパンの紐を解いて下に下げ、同時にトランクスも下げ、いきり立った怒張を剥き出しにした。
　喘ぎながら腰を震わせ始めたのを機に、夫人の右手を誘導して剥き身の怒張を握らせたが、カリの膨らみを握ったまま喘ぎ続けていた。
　自分が何をしているのか？気付いていないようで、握りの強弱を付けるように手を重ねて促すと、いとも簡単に揉む手付きになった。

　仕上げるまでに残っているのは、下半身のツボの刺激と愛撫とだが、此処まで来れば太腿辺りで十分だった。
　濡れている秘部へ手を伸ばして弄れば、犯されると直感して抗うが、太腿の内側の経絡とツボとを集中的に攻めるだけなら、愛撫だけだと気が緩むからだ。
　だが、経絡とツボを責める愛撫は強力で、腰の震えも頻繁になり、蜜壺も動き出したらしく、切なげな喘ぎ声が大きくなった。

「由美さん、頬摺りしたらダメか？・・・」
　右の乳首を舐め回して甘噛みし、左の乳房は乳首を指の間に挟んだまま弄り、鼻と鼻とを擦り合いながら声を掛けた。
　頬ずりでもキスでも良かったのだが、夫人を正気に戻す為の言葉を投げ掛けた。
「エッ！・・アッ！・・ダメ！・・・私・・どうして・・これっ！・・・」
　多分、後に続く言葉は「握っているの？・・」又は、「揉んでいるの？・・・」だろうが、口に出来る言葉ではなかった。
「由美さんが手を入れて呉れて、直に握って呉れたんだから、続けてよ！・・・痛みも薄まるから、離しちゃぁ、ダメだよ！・・・」
　慌てて手を放そうとしたが、有無を言わせずに手を押さえ込み、離すのを許さなかった。
　いきり立っている巨根を直に握り締め、揉むように扱いていた訳だから、夫人の驚きぶりは尋常ではなかった。

「そんな・・恥ずかしい・・こと・・」
「出来ないわ・・」とでも言おうとしたようだが、次の瞬間、夫人の口は俊英の口で塞がれていた。
　右手で怒張を握る手を押さえ込み、左手で首を抱き込み、幾度か小競り合いを繰り返した後、俊英の舌先が夫人の歯を押し開いて侵入を果たしていた。
「クチュ・・クチョ・・」と、艶めかしい音がしていたが、夫人の鼻からは荒い吐息が漏れ出していた。
　舌を絡め合っての愛撫が始まっていたし、夫人の腰は小刻みに震え始めていた。
　怒張を握る手は、もう押さえ込んで於かなくても握り込んだ儘だったし、夫人の左手は俊英の背中に回されていた。
　濃厚な愛撫を交わし合いながら抱き合い、喘ぎ合う、男と女に変化していた。
　暫らくすると、夫人の口から妖しげな喘ぎ声も漏れ始め、前段の仕上げは粗方完了した。
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あなたのひと言が作者の励みとなり、新たな作品が生まれます。ご感想宜しくお願いします。
2017年4月19日掲載
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