堕（おと）された完熟桃
極楽とんぼ 作
第２２章　　抱き付かれて腰が砕けてから

「居るの？・・・大事な話があるの・・・」
　この手の「挨拶」は予期していたから、客間からそっと居間に出た。
　台所の薄暗い中に立っている夫人の手を引いて居間に連れ込み、抱き寄せて壁際に連れて行った。
「アッ！・・ダメ・・・大事な・話だから・聞いて・・・」
「ぁーぁ・・気持ち良い・・・柔らかでしなやかで・・・毎日思い出して、苦しかったんだぞ！・・・話は聞くから、少しだけ待ってよ！・・・」
　夫人の言葉など耳に入らないふりを装い、左手で尻肉を掴んで引き寄せ、右手で胸を抱き寄せて、身悶えするように身体を擦り付けた。
　下腹部を怒張で捏ね、胸を合わせて乳房を捏ね、荒い吐息を耳に吹き付けながらの愛撫が効果的だった。
　何時の間にか夫人の脚は少しばかり開かされていて、その間に俊英の腰が割り込んでいた。
「由美さんの、あの時の表情と声を、毎日思い出していたんだぞ！・・・」
　耳を甘噛みしながら囁いた一言が効いた。
　突然腰が砕けたのか、腕の中で崩れ落ちそうになっていた。

「大事な話はちゃんと聞くから、１分間だけ喋るなよ！・・・」
　腰が砕けた夫人を両手で抱き上げ、少しばかり威圧するように言い渡した。
　真っ暗にしていた客間の襖を開け、予め用意しておいた布団の上に運んだが、威圧が効いたのか一言も漏らさなかった。
　布団の上に下ろすや否や、圧し掛かり、夫人の腰を太腿で挟み付けた。
「もう喋っても良いぞ！・・・大事な話とは、何じゃ？・・・」
「圧し掛かられて、話せることじゃないわ・・・ねぇ、真面目に聞いて！・・・」
「分かった！・・・じゃぁ、是なら良いじゃろう？・・・」
　今度は抱いたまま身体を反転させ、夫人が圧し掛かる態勢を取らせた。
「こんな恥ずかしい恰好じゃぁ、話せないじゃない！・・・ねぇ、大事なことなんだから！・・・」
　じゃぁ・・と言って、、用意しておいた２つの枕に其々が頭を乗せ、互いが向き合う形に持ち込んだ。
　夫人の腰の括れから廻し込んでいた左手が尻を押えていたが、今度は文句を言わなかった。

「ねぇ・・隣同士でこんなことしたらダメよ・・・私も謝るから、もう止めよう・・・」
　予想通りの文句を喋り出したが、これも想定済みで、対応策は用意できていた。
「隣同士だからダメだと言うのなら、俺が引っ越したら良いんだな！・・・でも、引っ越したら夜這いしなきゃぁ行けんけど、入れてくれるか？・・・それとも、俺の下宿に来てくれるのか？・・・」
「無茶言わないで！・・・和尚さんや留美さんに、引っ越しをどう説明するつもりなの？・・・こんなこと続けていたら大変なことになるじゃない！・・・私だって困るし、藤堂君だって困るでしょう？・・・」
　引っ越しという考えてもいなかったことを言い出され、夫人は慌ててしまい、こう言うのが精一杯だった。

「俺は、別れないぞ！・・・此処だったら、誰にも知られずに逢えるじゃないか！・・・困らせたらいけんと思って、４日間も我慢していたんだぞ！・・・」
「そんなこと言ったって・・・ねぇ・・お願い！・・・」
「ところで、謝るって、何を謝るんじゃ？・・・」
　待ち望んでいた文句が出て来て、一気に攻め込むチャンスが生まれた。
「だって・・私がエッチなことしたから、あんなことをしたんでしょう？・・・それに・・最後の時だって・・・」
　公平にしようと言って、手で怒張を押えさせられたが、興奮してしまい、トランクスの中に手を差し込み、男根を揉んでしまったと思っているらしい。
「こんな凄いの初めて・・」「一緒にいって！・・・」と叫びながらエクスタシーを貪ったこと、そして最後に、跨って女騎上位になって腰を振ったことも、大きな負い目になっているようだ。

「あれは、俺が乳首を抓みながら乳房を揉んだからじゃ・・・由美さんとは、相性が良いし、敏感じゃから、自然に反応したんじゃ・・・最後のことだって、互いの相性が良いから起こった事で、男女の自然の成り行きなのと違う？・・・相性の良さは、この前の事と今日の事で、納得出来たじゃろう？・・・」
「ボーッとなっている時に、あんなことするんだもの！・・・悪い奴！・・・」
　淫らな女だと露骨に言われたなら反撃できたのだが、怒張を押し付けられるや否や腰が砕けてしまっては、抗いようが無かった。
　身体が反応し始めていることは自覚していたし、息遣いから察知されていると観念していた。
　負い目を巧みに突かれ、熟れた女体が覚えてしまった感覚を呼び覚まされつつ、夫人はジワジワ追い詰められていた。

「この前のことを思い出すと、毎日痛い程になるんだ！・・・確かめてみろ！・・・さっきだって、抱き付いた途端にビビッ！と来て、ずーっと、こんなんだぞ！・・・由美さんの子宮か膣も、ビビッと震えた感じがしたぞ！・・・それで腰が砕けたんじゃろう？・・・相性が良いと、互いに似たような反応をすると言うぞ！・・・」
“そんな事までバレているのか？！・・”と思った途端、貞操観念が崩れた気分になっていた。
　左手をトランクスの中に引き込まれ、いきり立っている怒張を握らされたが、もう抵抗する気力は残っていなかった。。

「なぁ・・毎日こんな状態で４日も我慢したんだぞ！・・・よく我慢したと、褒めて欲しいわ・・・」
「そんなこと・・言われたって・・・」
「我慢できた理由を教えようか？・・・由美さんの濃い愛液を呑んだからじゃ・・・身体の中に由美さんが居る感じがするから、我慢出来たんだぞ・・・・」
　握らせたが、離そうとしなかったので、攻勢に出るチャンスだった。
「ダメ！・・そんな恥ずかしいこと、言っちゃぁダメ！・・・」
　エクスタシーの最中に溢れる出る愛液が濃いことは知っていた。
　その濃い愛液を啜られながら歓喜に身を震わせ、男根を咥えて男のエキスを呑み続けていた姿が蘇えっていた。
　夫人の手はそれを扱くような動きになっていただでなく、鼻と鼻とを触れ合わせて熱い吐息を漏らしていた。

「なぁ、乳首が立って、ジンジンしているんだろう？・・・膣もモゾモゾしているだろう！・・・共鳴するから、興奮度合いが、もろに伝わってくるぞ！・・・やんわり揉もうか？・・・」
「・・けど・・ダメ・よ・・それ・された・ら・・私・・・」
　状況をズバリ指摘されると、言葉では抵抗しているのだが、キャミソールの下に手が侵入しようとしても、振り払えなかった。
　背中のブラのフックを外される時も、目を伏せて為されるが儘だった。
　ウエストの下から廻していた俊英の左手はショーツの中まで侵入していて、むっちり張った尻を撫で回していたし、ブラのフックを外した右手は、乳房に向かっていた。
　ウィークポイントの乳房と乳首を揉まれると、貞操のタガが緩み切り、熱い吐息を漏らしながら頬を擦り合っていた。

「ほら！・・乳首がコリコリにし凝っているじゃないか！・・・ジンジンしているんじゃろう？・・・」
　し凝った乳首を、指先で軽くなぞられただけで、夫人は身体を震わせるほど昂ぶっていた。
「なぁ、膣も、グニュグニュ動いているのと違うか？・・・」
　言葉と同時に俊英の手が下腹部に伸びてきたが、身を捩って逃れることもせず、膣の動きを探る手を阻めなかった。
　もう総て見抜かれていると分かると、慎ましい人妻の振りをして表面だけ取り繕っても、滑稽なだけだと分かっていた。

「両手で揉んでよ！・・・」
　耳元で囁き掛けると、素直に手を伸ばしてきて、ふぐりまで揉み始めた。
　もう、陥落したも同然で、一気に攻め込む時だった。
「なぁ、由美さんに、ギュウギュウ締められているのを何時も思い出すけど、俺のを少しは思い出してくれた？・・・」
　この強烈な問い掛けに対して、最初は反応を示さなかったが、２度繰り返すと、薄暗がりの中で首を縦に振るのが見えた。
　既に身体が覚えていて、締め付けている時の感触を思い出していると、白状したようなものだった。
　熱い吐息を漏らしている口を舌先で軽く突くと、何を望まれているか瞬時に察した。
　舌先で突き合い、絡め合い、呻くような声を漏らしながらの口付けが続き、やがて互いの体液の交換へと進むのに大した時間は掛らなかった。
　好きな相手にしか、してはならないと思ってきた夫人の掟が、脆くも２度続けて砕けた瞬間だった。

「溢れて伝っているみたいじゃから、呑むぞ！・・・エクスタシーの最中に溢れてくる濃いのも呑むぞ！・・・由美さんのエキスを身体に入れて於きたいんじゃ・・・」
「溢れて伝っている・・」は、迎える準備が出来ているのだろう・！と、言われたに等しい。
　濃いエキスとは、オスのエキスを招き・導き、受精を成就しようとする時に分泌されるエキスで、女がメスに成り切った時の象徴的分泌液だ。
　あからさまな表現に狼狽えたのか、怒張を扱く手が一瞬止まった。
　女のエキスを、又もこの男に呑ませると、与えた分身が男の中で生き続けて、自分を恋しがるような気がしていた。
　だが、有無を言わせぬ口調で言い放たれ、さっさと脱ぎ始められると、夫人はそれに従うしかなかった。
　トレーナーの上下とキャミソールとガードルは自分で脱ぎ、ブラとショーツは残して仰向けになった。
　最後の物まで自分で脱いだら、淫らな女になってしまう気がしたからだ。

「ねぇ・・灯り点けないで・・・」
　脱がそうとしたら尻を浮かせて協力してきたが、股間を手で隠しながら言ってきた。
　前回のしゃぶり合いは暗闇の中で行われたが、この状況でわざわざ念を押してきたことに違和感があった。
　ひょっとして、あられもない姿を曝すと興奮するタイプで、それを見抜いた男がそうした淫蕩なスタイルに慣らしたのかも知れない・・・と、勘ぐった。

「暗がりでするのは辛気臭いじゃないか！・・・２人だけの秘密だから、オープンで良いだろう！・・・」
「だって・・・この前みたいな格好をさせるんでしょう？・・・」
「あれは由美さんの為に必要なんじゃ！・・・舐めたり吸ったりしている時、急に腰をガクガク揺すったり、しゃくり上げるじゃないか！・・・歯で傷が付いたら困るじゃろう？・・・太腿を両腕で抱え込んでおけば、それは防げるからな！・・・」
「分かったけど・・・見ないで・・・」
　人妻が淫裂に傷を負えば、当然浮気か？強姦か？と疑われることになり、素直に承諾したが、「見ないで・・」は、逆の事を暗示している気がした。

　灯りを点けると両手で顔を覆い、股を閉じて腰から下を隠すような姿勢になっていた。
　それでも、膝頭を掴んで大きく広げると、素直に毛むくじゃらの秘部を曝してきた。
　淫裂は男根を待っているかのように捲れ反っていて、愛液はシーツに染み込むほど溢れていた。
　チュルチュルと音を立ててしゃぶり始めると、喘ぎ声が部屋に響いた。
　ここから強烈な愛撫が開始された。
　自由な両手は、太腿や脇腹だけでなく、アナルやクリトリスへも、そして蜜壺や子宮を蕩けさすツボへ、順にそして同時に徘徊した。
　時には、鼻の先でアナルを捏ね回し、舌先が淫裂を舐め回し、両手がツボを押しながら攻め立てていた。
　敏感で熟れ盛りの身体がこの猛攻に耐えられる筈が無く、今回は自ら怒張を咥え、ふぐりを揉みながら声にならない呻き声を出していた。

「ジュボッ・・ジュボッ・・」と怒張を頬張って扱く音と、「チュルチュル・・チュウチュウ・・」と愛液を吸い立てる音に混じって、くぐもった呻き声だけが聞こえていた。
　淫靡で淫蕩な和音に煽られるかのように、夫人の腰と太腿がビクビク震え始めた。
　頂へ駆け上がろうとする前兆なのだが、咥え込んでいる怒張を離す気配はなかった。
「合わせるからな！・・・」
　頂点を共に迎えるからな！と言う呼び掛けなのだが、もう２度目の夫人には分かっていた。
　それから間もなく、２人は互いの淫部を吸い合いながら身を震わせた。

　照明の下で始められた光景は、かなり淫蕩なものだった、
　口の端に精液を付けた夫人は、恥じらいを見せながらも男が拭い取ってくれるのを待っていた。
　今回は、ほとんど全部呑めたわよ！・・とでも言いた気な表情をしていた。
　前回は萎える気配を見せない男根から目を逸らしたが、今回は、愛液で濡れた男の鼻や口の傍をお絞りで拭っただけでなく、怒張も綺麗に拭きあげた。
「もう、こんな事、止めよう」と言いに来た筈だったが、止めようと言ったことが、当にこれから始まろうとしていた。
　嫌々でも、渋々でもなく、欲情に翻弄された只の女になっていた。
　コップの水で口の中を濯いで呑み込むことも、２度目となると自然にできた。
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あなたのひと言が作者の励みとなり、新たな作品が生まれます。ご感想宜しくお願いします。
2017年5月7日掲載
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