堕（おと）された完熟桃
極楽とんぼ 作
第２３章　　夫人に怒張を呼び込ませる

　淫らな交合の様子と、トランクスの中に手を入れて怒張を握っていた事を思い出させると、抵抗出来ないことを計算した上での策は、第一段階では成功した。
　愛撫されると、勝手に反応してしまう身体になっている事と、性感反応の相性の良さとは、愛撫と興奮度合いとを実感させて納得させた。
　だが、この段階では、されたら反応する、思い出して身体が疼く、と言ったレベルの告白に過ぎない。
　誘われたら応じると言うレベルなので、普通ならこれで十分だ。
　しかし、人妻を虜にするには、もう一歩踏み込んだ関係を作り出す必要が有った。

　その突破口は、愛撫の最中に、夫人に怒張を呼び込ませる事だった。
「由美さんに犯された・・」と冗談を言える状況を、どうしても作り出す必要が有った。
　興奮した夫人が積極的に動き、夫人が主導権を採った形で交われば、強いられたと言う言い分は、吹き飛ぶからだ。
　これに成功すれば、密通を拒絶する理由も吹き飛んでしまい、岡山での女日照りは一気に解消できるからだった。
　その日のそれまでの流れに巧く乗りながら、最後の課題に取り掛かった。

　俊英が仰向けになると戸惑っていたが、手で腰を引き寄せられると半身で被さってきた。
　この姿勢では、女が右の太腿を男の腰の上に乗せるのが一番自然なのだが、夫人もそうしていた。
　大抵の女は、巻き付けた太腿の内側で、いきり立っている怒張の感触を楽しみながら扱いたり揉んだりする程度で、男が仕掛けてくるのを待つのが普通だった。
　だが夫人は、濡れた淫裂を俊英の腰の張り出した部分に当てたまま、腰を蠢かしていたし、乳房を擦り付けて身体を揺らせていた。
　しゃぶり合いで解き放たれた熟女の性欲は、男を誘う行為を始めていた。

「痛くなかった？・・・何度も歯で噛んだみたいで・・・」
　身体が欲していても、人妻の方から「して・・」と言えないもどかしさが、夫人にこの話題を選ばせていた。
「あれなら心配無用じゃ・・・今度は、殆ど呑んでくれたじゃないか！・・・」
「少し顎が怠い感じ・・・お口いっぱいなんだもの・・・それに量も凄かったし、匂いだって・・・」
「量と濃さは、由美さんだって凄いぞ！・・・それより、大好きな由美さんにしゃぶってもらうだけで、天国気分じゃ・・・」
「ねぇ・・好きだなんて、言っちゃぁダメ！・・・」
　夫人は俊英の眼を覗き込むように見つめながら、「これ以上、喋るな！」と、唇を抓んでいた。
　最初は清々しい男ぐらいだったが、徐々に変化し始めていて、逞しくて好感が持てる男に成り始めていたからだ。
　これで心まで通い合ってしまったら、不倫地獄に堕ちるような気がしていた。

「ねぇ、あんな恥ずかしい事させたんだから、我慢してくれるわよね・・・」
　体液の呑み合いは、精力旺盛な男を我慢させる方策なのだと、正当化を図っていたが、それが、言い訳に過ぎない事は、とっくに見抜かれていた。
「困らせないように気を使っているんだ！・・・打ち身や痣が残らんように気を付けているし・・・燃えに燃えて蕩ける由美さんを経験したから、我慢するのは苦しいんだぞ！・・・時々なら良いだろう？・・・今夜呼んだんだのもその為じゃ・・・」
　背中を撫でていた手を乳房に回し、やんわりと揉みながら言葉を続けた。

「火曜日と金曜日ってこと？・・・でも・・・」
　夫が夜釣りに出た留守に忍んで来るよう、求められていると思っている感じだ。
「何じゃ？・・・週１回でないと、ダメなのか？・・・」
「だって、これ・・大きいし・・・強いんだもの・・・あんなに激しいのも初めてだし、後に残らないかと・・・１週間我慢できたんだから、無理言わないで・・・」
「分かった・・・由美さんの頼みじゃから聞くわ・・・なぁ、おっぱいを吸わせて！・・・風呂場で見て改めて見惚れたんじゃ・・・」
　乳房を褒められて気が緩んだ訳ではなかったが、頼めば聞いてくれるんだと、夫人は安心した。
　だが、乳房を揉まれて吸われると、状況は一変した。

　乳首を吸うとなると、俊英が身体を下げて向き合う姿勢になるのだ。
　夫人の手は、離れそうになる男根の先端部を握っている感じで、腰に乗せていた脚は俊英のウエストの位置に移動していて、尻を脚で絡め込んでいる格好になっていた。
　乳房を揉まれ、交互に乳首を吸われ、一気に昂ぶった夫人は、気が付かない内に怒張の先端を淫裂に当てていて、滾り始めた欲情を慰めていた。
　少し前には、淫裂は俊英の腰骨辺りに擦り付けていたが、急に外され、押し付ける対象が怒張の先端に変わっていたのだ。
　それを見抜いていたかのように、俊英の右手が脇腹辺りの性感スポットを徘徊し始め、夫人の腰の揺れが次第に大きくなっていた。
　ネットリ濡れた淫裂を固い怒張の先端が捏ねるから、淫微な音が聞こえだした。
　体位こそ１週間前とは違うが、「優しく犯された」時と同じ状態になっていて、男が突き込むか、女が迎え込むか、問題はそれだけだった。

　ことを始めるには、撫で廻している手で、女の尻を気付かれない程度に引き寄せれば十分だった。
　怒張の先端が淫裂を押し広げ、カリの張りの寸前で一度は止まった。
　夫人は、その感触を確かめるように、迎え腰の動きを繰り返すようになっていた。
　ほんとに緩んでいないのか？を、確かめたかったようだが、燃えに燃えてのた打った快感の引力の方が勝っていた。
　俊英の爪先が脇腹の性感スポットを軽く掻いた瞬間、低い呻き声を発して腰を震わせたが、蜜壺は先端部どころか、半分程も怒張を呑み込んでいた。
　未だ夫人の顔が少し上にあったが、互いが眼を見つめ合える位置に戻った。

「凄く締められている感じ！・・・最初の時と変わらないじゃろう？・・・奥まで届くように腰を沈めてよ・・・」
　意を決した顔つきに変わったが、夫人の方が動いて徐々に腰を沈め、根本近くまで呑み込んだ。
　照明の所為なのか、白い肌がピンク色に染め上がり、感触を確かめながら迎え込む表情は男心を刺激した。
　恥じらいと快感への欲情、それに微かだが苦悩の表情が交じっていた。
　未亡人や遊び慣れた人妻には見られない顔つきで、妖しい密通の匂いが醸し出されていた。

「ウゥッ・・・」
　小さくて短い呻き声を発し、乳房を押し付けて抱き付いてきた。
「最初の夜のようには、身体は強張っていないぞ！・・・締める圧力も変わっていないぞ！・・・そっちはどんな感じじゃ？・・・」
「この前あんなにされたから、慣れたのかも・・・うん・・いっぱいに拡げられている感じ・・・安心して良い？・・・」
　直径が５センチもの巨根で３時間近くもされると、膣が緩んでしまうのか？が、最大の心配事だったらしい。
　大丈夫なんだと確信したら、感触を味わうように、締めてみたりする余裕を見せていた。

「なぁ、この前、優しく犯した時に、中の感触をじっくり味わったけど、由美さんも俺のを忘れんようにじっくり味わってよ！・・・今夜は由美さんが優しく犯してくれたんじゃから！・・・」
「意地悪言っちゃぁダメ！・・・弾みでなっただけじゃない！・・・」
「弾みでも何でも良いから！・・・俺のを覚えておいて欲しいんじゃ・・・」
　そう言いながら身体を半転させると、もう女上位の体位に移っていた。
　自分から迎え込んだのは事実だったし、あの時の快感を得ようと腰が勝手に動くらしく、夫人は少し狼狽えていた。

「モゾモゾした動きをしているけど、それは分かるじゃろう？・・・ゆっくり廻しながら締めてみて・・・」
　もう覚え込んでいるらしく、腰を浮かせる時には股を窄めて締め上げ、腰を沈める時には股を広げて迎え込んでいた。
「なぁ、一つ一つの襞の感触が分かる程、由美さんのは凹凸が大きいぞ・・・そっちは、どんな感じなんじゃ？・・・」
「・・あの・・張り出した・処が・・抉って・いく・・感じ・・・奥に・届くと・・胃が・押し上げ・られる・みたいで・・・ねぇ・・これ・恥ずか・しい・・・」
　夫人の腰の上下動が大きくなり、長い髪が俊英の頬を撫で始め、乳房が揺れ出すと、俊英も腰を送って突き上げ始めた。
「なぁ、上手く合わせるから、このまま俺をいかせてよ！・・・由美さんに、いかされてみたいんじゃ！・・・合わせ腰でやって！・・・腰を上下させながら廻してくれたら良いから・・・」
「そ・んな・の・・恥ずか・しい・・・包み・込んで・あ・げる・から、・・変わって！・・・」

　怒張を迎え込んだだけでなく、腰を振り立てて迸らせてしまったら、初体験談の相手の未亡人と同じだと思ったのか、体位を変えてと求めていた。
　俊英はそれを無視して、乳房を揉みながら上体を起こしに掛り、下からの突き上げも大きくした。
「・・意地悪・・なん・だ・から・・アッ！・・其処・される・と・・・」
　乳首を抓まれると堪えるようで、懸命に耐えている表情になったが、お返しにと俊英の乳首を指に挟んできた。
「乳首をされると、ビリビリする！・・・締めながら廻されると、凄く感じる！・・・なぁ、由美さんも、この感じを忘れるなよ！・・・」
「あ・貴方・・の・固い・・のが・・暴れ・てる！・・・凄い・・の！・・・由美・・グチョ・グチョ・・に・なって・る・・・」
　激しい息遣いになりながらも、返事だけは返してきたが、腰の動きは勢いを増していた。
　貴方と呼んだのは、この時が初めてだったが、夫人は自然にそう口にしていた。
　名器とも言うべき肉襞の蜜壺に締められ、揉まれ、鍛え抜いた怒張も翻弄されそうになっていた。

「由美さん！・・・もう・・いき・そうじゃ！・・・」
　腰の動きが不規則になり、下腹部と太腿に小刻みな震えが見えた時、慌てた声色で叫びながら、強烈な突き込み繰り出した。
「・・由美・も・・いき・そう！・・・いっ・しょ・に・・いっ・て！・・・」
　返ってきたのは、呻きながらの声だった。
　獣のような低い呻き声が交わされ、夫人は仰け反りながら震えていたが、俊英に両腕を掴まれて仰向けに倒れるのを免れていた。

「なぁ、凄く良かったぞ！・・・先にいったら申し訳ないと焦ったわ・・・由美さんに締められて捏ねられて、揉みくちゃにされた感じじゃった・・・そっちはどうじゃった？・・・思い出せるように、覚えてくれた？・・・」
　倒れ込むように抱き付いてきた女の息遣いが少し収まった頃、感想を求めた。
「そんな・・恥ずかしい・・こと、言えない・・・」
「教えてくれたって良いじゃない！・・・俺なんか正直に言っているぞ！・・・揺れるおっぱいを下から見ると惚れ惚れするほど綺麗じゃったし、長い髪がユサユサ揺れるのも色っぽかったぞ！・・・腰やお腹のくねり方を見たら、痛くなるほど固くなった・・・それを、揉みくちゃにされたんだぞ！・・・」
「だって・・・貴方の・・凄いんだもの・・・よく・覚・え・て・る・・」
　最後の途切れ途切れの言葉は、既に覚えていて何時も思い出していることを物語っていた。

「なぁ、俺のが半分ぐらい入った時に、前と同じ感じだと言ったよな！・・・時には思い出してくれたみたいだけど、どんなことを思い出すんじゃ？・・・」
「言わないと、いけない？・・・」
　怒張の感触を味わおうとしているのか？再び昂ぶり始めたのか？、腰の動きが小さな円運動を始めていた。
「俺なんか、毎日想い出すんだぞ！・・・グニュグニュ動きながら締めてきたり、ネットリ締めつけてきたり、いく時のビクビク震える感触も・・・由美さんも教えてよ！・・・」
　尻に当てていた手で動きを押し止め、卑猥な体験を白状するように迫った。

「さっき言った、最初に入ってくる感触・・・それと、ビクビクしながら飛び出してくるのを、お口で受けている時のこと・・・ヤダ！・・恥ずかしい・・・」
「それだけか？・・・」
「片足を肩に担がれた時に見せられたのや・・・貴方がいく時の呻くような声・・・それに・・見られながらされた時のこと・・・ねぇ、もう恥ずかしいから・・・」
　それ以上は口にしなかったが、どれも激しく淫蕩な交わりのスタイルだった。
　控え目な告白だったが、毎日のように思い出しては濡らしていたようだ。
　此処まで身体の奥深くに刻み込まれると、人妻の貞操など残骸しか残っていない状態なのだ。
　恥ずかしがって見せるのは、その残骸がさせる演技で、それが逆に男を駆り立て、更に淫蕩な交わりへ進ませるのだ。

「思いだすって言うことは、強く感じたと言うことだぞ！・・・激しいのや、見られながらすると、昂ぶるんだな・・・立て続けにいく時の声も、凄いし・・・」
「そんな意地悪言っちゃぁ、嫌！・・・こんな凄いの、初めてなんだもの・・・」
「立て続けにいくのは、初めてだったのか？！・・・あの感じ方からすると、凄く良かったように感じたけど、どうなん？・・・」
「・・・知らない！・・・」
「由美さんが、そういう言い方する時は、良かった時の特徴じゃ！・・・じゃぁ、今度は俺が犯して３〜４度、エクスタシーを感じさせようか？・・・」
「意地悪なんだから！・・・さっきは、私が犯したみたいじゃない！・・・」
「あれっ！・・・小さいことに拘るなと言って、慰めてくれたのは由美さんだぞ！・・・なぁ、今度は包み込んでくれる？・・・」
　やはり、連続的なエクスタシーを味わってみたいのか、体位を入れ替える際には夫人の方が能動的だった。

「ねぇ、貴方の乳首吸っても良い？・・・丁度口の辺りにあることが多いから・・・」
「由美さんに捏ねられて、乳首まで吸われたら大変だぞ！・・・じゃぁ、一度いったら、俺も乳首を吸いながら突くからな！・・・」
「あれされると、凄いんだけど、身体が窮屈じゃぁない？・・・」
「少し身体を捩じったら上手くいくよ・・・２人の身長差もちょうど良いし・・・何処までも相性が良いと分かった？・・・」
「・・・」
　今度は言葉ではなく、恥ずかしそうに小さく肯いたが、股を大きく開いて足先は太腿の真ん中辺りに巻き付けてきた。
　俊英が左の肘で上体を浮かせて右手で乳房を揉むと、早速乳首に吸い付いてきた。
　始めは角度を変えながらゆっくりと突き込むと、夫人は巻き付けた脚でバランスを取りながら大きな迎え腰で打ち返してきた。
　暫らくは乳首を舌先で転がす余裕があったようだが、湧き上がってくる快感に翻弄され始めると、夫人の両手は背中に廻されていた。

「今度は、俺がおっぱいを吸いながら突こうか？・・・」
　眼を閉じて喘いでいる夫人の頬を指先で突き、目を開かせた。
「見られると、恥ずかしいから・・・おっぱいして！・・・」
　蕩けていく表情を見られるのは恥ずかしいのか、乳房を吸いながら捏ねて欲しいと言ってきた。
　もう呼吸はぴったりと合うようになっていて、突き込めば迎え込み、捏ねれば廻しながら受けてきていた。
「由美さんの合わせ腰、凄く良いよ！・・・この感触は、忘れんように覚えるぞ！・・・そっちも忘れるなよ！・・・」
「・・・」
　無言のままだったが、「これで良い？・・・」と眼は正直に伺いを立てていた。
　蕩けそうになり始めている顔を見られながらも、男の求めに応えようとする表情は、可愛らしかった。
　熟女には珍しいそのいじらしさが、俊英の欲情を掻き立てた。
　いよいよ乳房を吸いながらの突き込みを始めたが、夫人の欲情は堰を切った様に溢れ出し、１０分足らずで最初のアクメに達してしまった。

「続けていかせるからな！・・・」
　男の檄を聞いた途端、夫人の膝裏に両手が廻りこんでいて、股を大きく広げたまま２つ折りに近い状態にされていた。
　未だ蜜壺の戦慄きが収まっていない状態だったが、固くて太い肉棒を操る腰が、バンバン音を立てて突き込まれていた。
　蒼い身体では到底受けきれない激しさだったが、熟れ盛りの夫人の身体は、十分に反応する能力を秘めていた。
　その激しさに、呻き続けながらも時には叫び声を上げたが、締め続ける底力を発揮していた。
　夫人はこの荒業に４度もの繰り返すエクスタシーを味わったが、俊英の方も２度迸らせていた。

　脚を広げていた手が解かれ、互いの手を相手の背中に廻して抱き合い、震える身体の感触を確かめ合っていた。
　撫で合っている内に噴出した互いの汗も引き、荒い呼吸も収まってきた。
「俺がいく時の顔は見たか？・・・虚ろな目じゃったが、見ていたぞ！・・・」
「だって、頬を突かれたし・・・呻くような声が凄かったんだもの！・・・吃驚したけど、真面目な顔をしていた・・・」
「精魂込めて迸らせているんだぞ！・・・一生懸命な顔になるわ！・・・」
「あの呻き声を聞くと、私も似た感じになるけど・・・嫌だ！・恥ずかしい！・・・」
「自然にそう反応しているんだから、良いじゃないか！・・・由美さんは、呻きながら叫んでいたぞ！・・・あれ、良かったか？・・・」
「言わないといけない？・・・今度で２度目だけど、あんなの初めてだもの・・・」
「と言うことは、最初のも、ちゃんと覚えていたんだな！・・・俺は何度も思い出すけど、少しは思い出してくれていたのか？・・・」
「・・・」
　思い出して濡らしていたのか？という際どい質問だったが、何も言わずに背中を爪ってきた。
　あっさり返事されるより、こうした恥じらいを示される方が、何故だかそそられる気がした。

「なぁ、もう１回良いだろう？・・・」
「まだ覚えさせたいことがあるの？・・・」
「敏感じゃから、大抵のことは覚えてくれていると分かって、安心じゃ・・・それより、俺の方が覚えておきたいことがあるんじゃ・・・」
「ねぇ・・また恥ずかしい恰好させようとしてない？・・・」
　問い掛けてきた瞳の煌めき具合から、恥ずかしがってはいるが、期待を秘めていることを察知した。

「悶える由美さんを見たいだけじゃ・・・両手を突いて、上体を起こしてくれないか？・・・」
　夫人が両手を突いた瞬間、怒張を咥え込んでいる腰を両手で抱え上げた。
　俗にいう入船本手の体位を取らせた。
「なぁ、この体位でするぞ！・・・これなら、顔も揺れるおっぱいも、くねる腰の動きも、殆んど見えるからな！・・・」
「あの男」との時は、腰だけ持ち上げられて突き回され、屈辱感に苛まれながらも燃えてしまった。
　俊英の場合、辱めて弄るようなことはしてこなかったから、夫人は痴態を曝しながら乱れていく予感に襲われていた。
　右手で乳首を抓まれながら揉まれ、左手で腰骨の辺りを掴まれて誘導されていたが、腰の廻し方は慎ましやかなものだった。

「由美さん、２人のエキスを乳首に塗るぞ！・・・」
　想いもしなかった言葉を掛けられ、夫人の腰の動きが止まった。
　学生時代だったが、今の夫に戯れながらされたことがあったが、ヌメヌメにされた乳首を抓まれ、奇声を発するほど昂ぶった経験があった。
　俊英の手が尻を伝わっている液を掬い取り、２つの乳首に塗りつけると、乳首から下腹部に電気が走るような快感が走り、腹部は震えてしまった。
　ネットリした白い混合液が乳首を隠す程塗り付けられ、それから乳房への愛撫がが始まり、怒張は腰を廻せとばかりに角度を変えながら突き込まれ始めた。

「アーッ！・・そ・れ・・良い！・・・こんな・に・良い・・の・・初め・・て！・・・震・え・る！・・・」
　ジンジンする程固くなって感度は最高度に達していたが、これがヌメヌメの混合液を介して捏ねられると、夫人は思いもしなかったことを叫んでいた。
　その後には、卑猥な合わせ腰はさらに大胆な動きになっていたが、見られていると分かっても、もう止められなくなっていた。
　恥丘同士がぶつかり合う激しい動きに変わった時、俊英の右手が夫人の腰を抱えて支えていたが、それ無しでは夫人は態勢を維持できないほど燃えていた。
　俊英の左手は、乳首を捏ねてはアナルを刺激して締めさせ、更にクリトリスまで徘徊しながら更なる高みへ誘い続けていた。
　女が脚と腰それに腹筋等を突っ張らせている入船本手は、女が上り詰め易い特徴があるが、新たな愛撫を加えられた夫人は、下半身の震えを早くも露わにしていた。

「眼を開けてこっちを見ろ！・・・いく時の顔を、お互いに覚えるんじゃ！・・・」
　今にも上体が崩れそうな夫人に苛烈な要求が伝えられたが、蕩けそうな顔ながらも目を開けて見つめ返していた。
「じゃぁ、ピッチを上げるぞ！・・・腕で支えられなくなっても、顔だけは俺を見ていろ！・・・」
「・・・」
　もう返事など返せる状態ではなかったが、それでも夫人は小さく２度肯いていた。
　その直後、肩から崩れ落ちたが、呻きながらも顔だけは俊英の方に向けられていた。
「・・・もう・・ダ・メ！・・・き・て！・・・」
　震える腰を両手で支えて激しく突き続け、互いの頂点は見事に一致した。
「ウーッ！・・ウッ！・・ウッ・・目を・・開けろ！・・・ウッ！・・ウーッ！・・」
　３度目の迸りを覚えた時、夫人の頬を叩きながら叫び、又呻きながら迸らせた。
　夫人も一瞬は目を開けたが、直ぐに震えながら目を閉じてしまい、陶酔に呑み込まれていった。

　ほんの一瞬だったが、これがオスの顔だと感じながら、自分もメスになっているような気がした。
　精魂傾けて女体に精を放つ顔には、見栄も飾りも無く、剥き出しの荒々しい男の本性が顕れていた。
　この強烈な印象が、夫人の心を俊英に又一歩近づけた。
　エクスタシーの陶酔が引き始めた頃、気怠い脚を持ち上げて俊英の脚に絡めつけ、背中に廻した両手に力を込めて抱き込んでいた。
「もっと激しく！・・・」という脂ぎった欲情からではなかったが、何故かそうしてしまっていた。

「柔らかで、しなやかで、火照った柔肌に抱かれると、ほんとに気持ち良いよ・・・」
「ねぇ、もう暴れたらダメよ！・・・」
　堪能したものの、まだしたいと言うのが本音なのだろうか、夫人の身体はくねっていたし、腰も小さく廻していた。
「なぁ、ちゃんと見たのか？・・・」
「・・ちょっとだけ・・見え・た・・・」
「恥ずかしそうに蕩けていく顔は、凄く官能を揺さぶって来たぞ！・・・俺って、エッチな顔をしていた？・・・」
「やだ！・・蕩けるなんて！・・・あの時の顔を覚えるなんて、悪い趣味！・・・思い出して痛くなっても知らないから！・・・」
「約束じゃから、１週間は我慢する・・・俺はどんな顔をしていたんじゃ？・・・」
「上手く言えないけど・・・真面目と言うか、本気になっていた感じ・・・」
　オスの顔だったとは言えなくて、夫人は曖昧な表現しかできなかった。
「本気なのは事実じゃけど・・・そんなに印象が薄いのか？・・・」
「大丈夫よ！・・・ちゃんと記憶に残っている！・・・一瞬だったけど、凄くインパクトが強かったもの！・・・」
　男がオスの本能を剥き出しにしたからか、夫人も熟れたメスの姿を曝し易くなっていた。
「ねぇ・・頂戴・・・」とばかりに、口を合わせて来ただけでなく、腰も大きく廻してきた。
　舌を絡め合いながらの体液の交換が続いたが、怒張は自ら暴れることも無く、廻される腰の動きに委ねていた。

「なぁ、このまま風呂場へ連れて行くぞ！・・・」
　長い口付けが終わりや否や、又しても吃驚することを聞かされた。
「どうしたら良いの？・・・」
　互いの混合液が漏れるのを防ぐ為だと分かったが、どちらかと言えば大柄な自分を、どうやって連れて行こうとしているのか？想像出来なかったのだ。
「身体を起こすから、俺の首を両手で抱えて！・・・俺が由美さんのお尻を両手で抱けば、ことは簡単じゃ！・・・」
　夫人はいとも簡単に八つ橋の体位にされていた。

「ねぇ、大丈夫？・・・私、結構重いでしょう？・・・でも、貴方なら大丈夫みたい・・・」
「なぁ、この体位でしたことは無いのか？・・・」
「ある訳ないじゃないの！・・・倒れたら大怪我するもん・・・」
「じゃぁ、ちょっとだけしてみるか？・・・」
　膝裏から廻し込んだ手で夫人の尻を廻しながら上下させ、同時に突き込んでいった。
「アッ！・・アァッ！・・又、なっちゃう！・・・」
　下腹部を打ち付け合う音がし始めると、嬌声を上げていた。
　初めての体位だったし、内臓を突き上げるような衝撃が痺れるような快感を呼び起こしたからだ。
「御免！・・・いきなりじゃぁ、きつ過ぎたか？・・・俺がじっとしているから、由美さんが腰を動かしてみたらどうじゃ？・・・」
　返事は帰ってこなかったが、支えられている膝裏を支点にして、見事な合わせ腰で応えてきた。
「ねぇ・・凄く感じるけど・・恥ずかしい・・・」
　初めての体位で、しかも女の側が主導権を取るのは、やはり恥ずかしいようだった。
「此の侭で行くぞ！・・・」
　そう声を掛けられると、風呂場に入る迄その腰使いを止められなかった。

　洗い場に入って怒張は抜かれたが、その途端、ボタボタと混合液が床に落ち、風呂場は隠微で生臭い匂いに包まれた。
　シャワーがそれを洗い流すと、慣れたのか、匂いは気にならなくなっていた。
「優しく犯された」夜と同じように洗い合ったが、その夜は２つだけ違いがあった。
　１つは、互いが素手で相手を洗ったことと、湯船の中で夫人が座った位置だった。
　前回は怒張を尻に押し付けて座ったが、その夜は俊英の指示で太腿の間に挟んで座ったのだ。
　夫人は背中から抱かれて怒張を撫で、俊英は乳房を柔らかに撫でていた。
　それは、未だに燃えている身体を静めるための愛撫だと、２人とも理解していた。

　風呂から上がると１０時半を過ぎていた。
「この前のレモンティを飲むか？・・・」
「うん・・戴くけど・・・客間の片づけは良いの？・・・」
「じゃぁ、レモンティは由美さんに任せるわ・・・片づけは俺がする・・・」
　いかにも主婦らしい発想だと思ったが、濡れ場の後始末の手伝いをさせるのは気が引けた。
　片付けを終えて居間に戻ると、並んで座れるように座を空けて待っていた。
　炬燵に入ると直ぐに肩を寄せてきたが、頬は赤くなっていた。
　此処まで来たらもう立派な密通になる訳で、乱れに乱れた直後の対応など経験したことが無かったからだ。

「なぁ・・由美さんが使っているソープと違うと拙いから、同じものにするわ・・・ソープの匂いって、意外に長く残るみたいじゃから・・・」
「明日買って揃えて於く・・・４時頃に潜り戸の内側に置いたら良い？・・・」
「お裾分け風に紙袋にでも入れといて・・・それと、次は２０日、月曜日の７時過ぎで良いか？・・・」
「何も用事が入らなかったら・・そうする・・・急な用事が入ったら、外の公衆から電話したら良いのよね！・・・」
「うん・・面倒でも、公衆の方が良い・・・それと、替え下着も、幾つか袋に入れとけよ！・・・着替えて帰った方が良い時も、有るかも知れんぞ！・・・」
「じゃぁ、そうする・・・脱衣場のケースの中に入れて於いて構わない？・・・」
　留美義姉さんに点検されてバレないか、気にしている風だった。
「此処には、由美さん以外に誰も入らないから心配無用じゃ！・・・」

　夫人は、密通を続ける約束をしたが、不思議なほど後ろめたさを感じなかった。
　思い出して濡らしている事もバレてしまったし、愛撫の最中に自ら怒張を迎え込んだ以上、拒絶出来る理由は無くなっていた。
　別れ際に交わした会話も、前回と同じように短かったし、抱き締め合っての口付けも同じだった。
　不倫を強要されると思わなかったのは、タフな巨根への憧れと、学生で坊主だと言う安心感が有ったからだ。
　身体が反応してしまうのを抑えられない以上、求めに応じるしかなかったが、秘匿してくれるはずだと言う、希望的観測に掛けるしか無かったのも事実だった。
　月曜日の昼過ぎ、夫人は下着や化粧品・ボディシャンプーなどを入れた紙袋を、離れの台所脇に置いた。
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あなたのひと言が作者の励みとなり、新たな作品が生まれます。ご感想宜しくお願いします。
2017年5月13日掲載
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