堕（おと）された完熟桃
極楽とんぼ 作
第２６章　　　疼きに付け込まれた夫人　
　　　　　　　　　　　　　　
　村田が見抜いていた様に、３時間近くも突き込んだ儘の３夜のおめこは、熟れ盛りの夫人の心と身体に、大きな変化が生じさせていた。
　膣にも子宮にも、猛々しくて屈強なスペルマが沁み込んでしまい、もう染め上げられているのでは？と、夫人は感じ始めていた。
　幾度となく呑み込んだスペルマも、身体の隅々に浸透して息づいていて、本体と呼応して欲情を刺激しているように感じていた。
　淫らだった３夜のおめこを思い出すと、身体が疼くのを抑えられなくなっていて、自慰に耽ることも増えていた。
　鈍感な夫でも、肌の艶と色香の変化には気付いたが、骨盤体操とサプリメントを飲み始めたのだと、誤魔化していた。

「連休明けの木曜日、７日なんだけど、午前中の授業と午後最初の授業が休講らしいから、此処へ来てよ・・・」と、３度目の密通の後、勝手口の前で別れの抱擁をした時、誘われていた。
「７日は排卵日で、危険日だし・・・今日みたいなのは、ダメよ！・・・」
　次の約束、４度目の密通は、５月の１１日の月曜日で、夜中の１０時過ぎに離れを訪ねる約束を交わしていたので、夫人はそう返事をしていた。
　密通は週に２夜になっていたが、連休を挟むから、２０日近くもの間が空く事になる。
　連休の初めの内は、親戚が泊まりに来たし、息子の帰省も重なり、欲情で身体が疼く事は殆ど起こらなかった。
　だが、親戚や息子が帰省した５月５日頃から、タフな巨根を思い出してしまい、火照って疼く身体に悩まされるようになっていた。

　その引き金を引いたのが、前日の５月４日の夜の出来事だった。
　４日は夫婦で交わる日と決めていたが、来客と息子の帰省とが重なり、夫婦の寝室の隣の部屋を親戚の者が使うことになった。
　奔放に腰をくねらせて呻くことが多い夫人は、淫らな声を聴かれることを恐れ、ペッティングだけに止める我慢を強いられた。
　だが、この我慢が溜まった欲情を呼び覚ました。
　夫が寝た後、蒲団を噛んで声を殺しながら、秘部を指で捏ねて悶え苦しんだ。
　隣に寝ている夫の脇で、若い男のタフなそれを思い描き、溜まった欲情を発散させていた。
　５日、６日は、夫が外出すると２Ｆのレッスン教室に入り込み、ソファーの上で乳房を揉みながら膣を捏ね廻し、声を上げて悶えるようになった。

　膣の締め方を年下の男に教えられた事にも驚いたが、ウィークポイントを巧みに探り当てる性技には、思い出しても驚嘆するばかりだった。
　聴いた限りでは、性技を教え込んだ女は、初体験相手の未亡人なのだが、それは中３の時に別れたと聞いていた。
　全ての女がテクニックに長けているとは限らないから、何人かの未亡人から、淫らで巧みな性技を教えられたのだと思っていた。
　特に、３度目の密通の時、鴨の入首で、身体の隅々が芯から蕩ける様な快感を味わい、あの快感を求めて疼くことが増えていた。
　その際、他生の縁を吹き込まれながら悶えたことも、大いに影響していた。
　妄想を含む想像が此処まで来ると、それらの女への対抗心、嫉妬心が芽生えていた。

　連休は仕方ないが、平常は身近に居る訳だから、その間は、独占して於きたい様な気分になるのだ。
　成熟したメスが、逞しいオスを繋ぎ止めようとするのは、優良種を保存しようとする本能だ。
　貞淑だった夫人も、その例外ではなかったと言うことだが、夫人自体もメスとしては優良種だっただけに、独占欲も強く蠢いていたのかも知れない。

　夫婦の寝床の中で、俊英の男根を思い出しながら悶え慰めた夜は、３度目の密通から丁度２週間経った子供の日だったが、その翌日に夫人は大胆な計算を試みていた。
　交わったのは３夜だが、「交尾」時間は、延にして１１時間前後だと知っていた。
　自分が味わったエクスタシーは、延にして約３０回、呑み合い時の射精を別とすれば、１８回程膣内に射精されたことになる。
　スペルマを呑んで身の内に取り込んだのが３回、膣と子宮とをベトベトに染め上げられたのが１８回と言うことだ。
　これは連休等を含む特殊条件下での回数で、通常の月なら倍近い５〜６夜の交わりになるだろうと、容易に予想できた。
　そうなると、月に６０回のエクスタシーを味わい、２２時間の「交尾」を重ね、注ぎ込まれる射精は３６発分になる。

　精を放たれる回数は４倍以上、エクスタシーを味わわせて貰える回数は１０倍、所謂「交尾」時間は、夫の約１５倍になると確認していた。
　体積が夫の３倍程のペニスであることを考えると、３本のペニスで捏ねられている様なもので、女としての歓びは計算上の比より大きいと、心も身体も知っていた。
「今の状態では、彼が私の男で、私は、彼の女になのだ」が、夫人の偽らざる実感だった。

　この「私の男」と言うキーワードが、夫人を危うい方向に誘導していた。
　当日の７日が排卵予定日だったから、性欲は滾り易くなっていたし、淫らな想像に耽る時に溢れだす愛液の量は多く、匂いも強かったしフェロモンも濃い感じだ。
「互いに響き合う・・」と言っていたから、この匂いに反応して、痛い程いきり立つはずだ。
「何もしない約束だが、守れるのかしら？・・・」と思うだけなら良かった。
「排卵期の愛液は濃厚だもの・・・呑みたいと、駄々をこねる筈・・・せがまれたら、呑ませようか？・・」と、心の中の「メス」が呟いていた。
　排卵期のを呑ませたいと感じるのは、メスの本能らしいが、思考は、人妻のそれから、メスのそれへと変容しつつあった。

　だが、淫らな欲情が、ノーブレーキで勢いを増した訳では無かった。
「危険日だし、今日みたいなのはダメよ！・・・」と、念押しをしたことは、はっきり覚えていた。
「今日みたいなの」が、濃厚なセックスを示していたから、愛撫止まりに止めて於かなくちゃぁと、心の中で呟いていたのは事実だった。
　４月２０日には、「今日みたいなの」「あれ・・」と暈かした言葉尻を捉えられ、それは、「おめこ」と言うんだろうと、ダメ押しされていた。
　５月７日に、迫られて易々と応じたら、「おめこをしたかったのか？」と、追い打ちを掛けられそうな気がした。
　濡らしているのを察知されたら、認めざるを得なくなるからだ。

　一方、俊英の方は専ら未亡人教師の芳江を堪能していた。
　また、５月の１日の金曜日には、寺でパート勤務をしている幸代未亡人を４面鏡のモーテルに誘い、鏡に映る痴態を見せて興奮させ、悶絶させて楽しんだ。
　幸代未亡人は、淫らに反応している自分の動きを見るのは初めてだったようで、喜悦の声は、獣じみた響きを漂わせていた。
　犯されて付き合うようになった仲だから、男の方が常に仕掛けてきていて、自分は受け身で反応しているだけだと思っていたらしい。
　だが鏡に映る絡み合いは違っていて、獣の様に呻きながら腰をしゃくり上げ、淫蕩に腰をくねらせ、自分の方から男を煽り立てている姿を見てしまったらしい。

　２人の未亡人を堪能し、岡山に帰る前日の６日、村田先輩と交わした堕（おとし）のテクニックを何度も反芻していた。
　２人の未亡人を堪能した直後の自分と、多分満たされていないであろう夫人との駆け引きとなると、夫人を堕すのは容易に思えた。
「あれはダメよ！」と、釘を刺されていたが、渇き具合と夫人の性癖とを利用すれば、「したくなっている・・」と言わせる策は、イメージを描けるまでに熟していた。
「あれはダメよ！」と言った女に、「ねぇ・・（おめこ）したくなっている・・」とでも言わせたら、略篭絡出来たと言えるのだ。

　６日の夜に岡山に帰ったが、寝付かれなかったから、明日の朝に夫人がどんな服装でやって来るのかを、想像してみた。
　愛撫の邪魔になるガードルは、絶対着けて来ないだろうと、容易に想像できた。
　キャミソールは短めで、裾から手を入れ易いタイプだと思った。
　ブラは、ノンワイヤーの４分の３カップだろうし、後ろフックタイプだと予想できた。
　ズボンではなく、フレァースカートの筈で、裾から手が入り易いものにする気がした。
　最後は上着だが、ボタン物の長袖シャツで、生地はデニムか化繊地のやや厚めのものだと想像出来した。
　弱いと知っている甘い香りの香水も、振り掛けて来るに違いないと思った。
　朝は６時に起床して、学食で朝食を済まし、寝室の雨戸は閉めたままにして、夫人が忍んで来るのを待つことにした。

　夫人の方は、主人を送り出し、朝食の片づけと部屋の掃除を終え、レッスン教室のソファーで紅茶を飲んでいた。
　その日は、貰い物の中からホーションのアップル・ティを選んでいた。
　俊英の寝室が、昨夜から雨戸が閉められた儘になっているのが気になっていた。
　夜中に帰って来なかったのかしら？・・そう言えば、今朝の講義は休講だと言っていたから、まだ帰ってないのかしら？と、不安が過ぎった。
　だが、あーぁ、良い香り！・・と感じた瞬間、あの猛々しい精液の匂いを思い出してしまった。

　子供の頃は、ニラやネギなどの匂いに閉口したものだが、歳を重ねると味覚も臭覚も馴染んでしまい、身体が欲するようになる。
　最初は怯んだ生臭くて猛々しい俊英のスペルマの匂いも、良い匂い！・・と、感じるまでになっていた。
　若くて逞しいオスに身体が反応してしまい、あの猛々しい匂いも、今では心をざわめかす匂いに変わっていた。
　そわそわし始めた夫人は、何度となく離れの様子を窺うが、居る気配を掴めなかった。
　だが、もうブレーキなど効く状態ではなかった。

「ねぇ、帰っていたの？・・・分からなかったから電話したけど、コーヒー飲みに行こうと思うんだけど、良い？・・・」
　美味しいコーヒーを飲みたかったのは事実だが、それよりも、若い男の匂いの方が恋しく、近くの公衆電話まで歩いて行き、電話を掛けてしまった。
「じゃぁ、これから点てるわ・・・」と返事が返ってくると、「１５分したら行くからね！・・」と返事を返していた。

　暖かい日であったから、大急ぎでシャワーを浴び、化粧を整えていた。
　ブラはＤＨＣの揺れるブラを選び、下着はショーツとキャミソールだけにして、その上に薄いブルーの長袖のブラウスと薄茶色のフレァスカートを選んでいた。
　当然の嗜みとして、ショーツにはナプキンを当てていた。
　これまで、もう待ちきれないとばかりに抱き付かれて、荒っぽい愛撫を受けてきたから、今回もそうなると思ってした化粧だったし服装だった。
　一番興奮すると言っていた甘い香りの香水も、やや多めに吹き付けた。
　辺りの様子を窺って忍び扉から台所の勝手口へ入り、突っ掛けは、風呂敷に包んでシンクの脇に置いた。

「御免・・遅くなっちゃった・・・」
「大丈夫！・・コーヒーは、今点てたとこじゃ・・・掘り炬燵においでよ・・・」
　障子の向こうの居間から返事が返ってきた。
　待ってました！とばかりに抱き付いて来て、下腹部同士を捏ね合うものと思っていたが、一気に緊張が緩むような返事が返ってきた。
「あれは、ダメだからね！・・・」と、念押しした約束を覚えているらしい。
「あーっ！・・あの甘い香水の香り！・・・覚えて於いてくれたんだ！・・・」
「だって、この前不満を言っていたから、忘れない様に気を付けたのよ！・・・」
　何処に入ろうか？と、一瞬躊躇っていたが、炬燵の正面に席を取った。
　右か左脇なら愛撫の手も届き易いのを警戒したからで、久し振りだし、約束だから来たのよ！・・・を、強調する為だった。

「久し振りにこの甘い香りを嗅ぐと、ちょっと・・興奮しそうじゃ・・・」
「まぁー！・・危ないんだから！・・・男だから約束は守るんでしょう！・・・」
「約束は守るけど、気持ちは、素直に表現しても良いじゃろう？・・・」
「それは構わないけど、卑猥なことは禁止よ！・・・ねぇ、お寺は、連休期間だと忙しいの？・・・法事がたくさん入るとか・・・」
「法事は午前中が多いし、昼の部も、遅くとも夕方には済むよ・・・夜には解放して貰えるから、通常の土日と同じだけど・・・」
「と言うことは、毎夜誰かさん、いや誰かさん達の許に、通ったんだ！・・・」
「あれっ！・・意地悪し始めたぞ！・・・と言うことは、由美さんの連休は、満たされなかったと言うことか？・・・それで、意地悪したくなっているんだな！・・・」
「あれから２０日近くも経っているのよ！・・・姫路に帰って遊び回ったと思うのが普通じゃない！・・・１週間も我慢出来ない人なんだから！・・・」
　要は、「絶倫なのに我慢できたの？」と、「私２０日近くも放ったらかしにされたのよ！」と言う、痴話喧嘩に等しい戯れだった。
　村田の推察通り、夫人の心に、渦巻く欲求不満と嫉妬心が有り、見たことも無い女に苛立っている感じなのだ。

「正式には、１７日間じゃが、由美さんを思い出して苦しかったわ！・・・」
「騙されないわよ！・・・夜な夜な、誰かさん達の許に通い、よろしく過ごしたんじゃないの？・・・」
「そんな意地悪するなよ！・・・良いか！・・右足を前に出せ！・・・口喧嘩するんなら、足で握手・・いや・・握足して於かないと・・・」
　冗談っぽい言い方が功を奏したのか、右足を堀炬燵の中央辺りに伸ばして来た。
　その瞬間、両足で挟むようにして傾け、互いの親指と人差し指とが噛み合うように挟み込んだ。
　親指と人差し指とが両足だと仮定すれば、松葉崩しの体位の様に指を挟み込んだ格好になった。
「・・ねぇ・・これ何？・・・」
「言い合いしながら、下では握手ってことじゃ！・・・由美さんの肌に触れるのは、心地が良いしな！・・・」
「もーっ！・・変な男！・・・」

　その言葉も終わらない内に、夫人の頬が赤く染まり、瞳が潤んで来ているのがはっきり読み取れた。
　半ば犯すようにして交わった夜、２発目の体位が松葉崩しで、頭を抱え込んで結合部を見せて捏ね続けたことがあった。
　ネトネトの怒張が突き込まれているのを見せられ、獣が呻くような声を発して上り詰めたことを、思い出しているようだった。
「言い合いは中断して、ショートケーキは食べようよ！・・・」
　夫人も文句は無かったから、２人はケーキを食べることに専念した。
　だが、その間中、足の指を絡み合わせた痴技は続いていて、夫人の心にはあの時の淫らな光景が鮮やかに蘇っていた。

「なぁ、俺のこと、少しは思い出してくれていたのか？・・・こっちは毎日思い出して苦しんでいたんだぞ！・・・」
「時には思い出すけど・・・毎日とか、苦しいだとかは、貴方がエッチ過ぎるからと違う？・・・」
「つれない言い方じゃなぁ！・・・甘い香水を嗅ぐだけで、プリプリした乳房が浮かんでくるし・・・初めて指で押した時の感触は、今も鮮明に残っているぞ！・・・乳首が硬くなってジンジンしている時の表情だって！・・・」
「ほんとに、助平なんだから！・・・」
「助平じゃないよ！・・・惚れているから蘇るんじゃ！・・・由美さんだって、これで、松葉崩しでやった時のことを思い出しているんだろう？・・・そんな顔になっているぞ！・・・」
「これで・・」の言葉に合わせて、絡み合わせている足の指を締め付けた。

「・・だって・・強引に顔を引き寄せて、覗き込ませたじゃない！・・・濡れて赤黒く光っているのが見えたんだもの！・・・血管が浮き出ていて、怖いぐらいだったのよ！・・・」
　この返答で、夫人はエロ話に引き込まれてしまった。
「でも、直ぐにギュギュッ！と、締め付けてくれたぞ！・・・出て行け！と腰を引かれたりしたら、がっくりだけど、ギュギュッと締められると、嬉しいんだぞ！・・・」
「・・だって・・あんな事初めてだし・・・その後に、足の指を口に咥え、太腿の内側を刺激しながら捏ね続けて、金切声上げる迄したじゃない！・・・忘れる訳ないでしょう！・・・」
　予想通り、夫人は松葉崩しでのおめこを思い出していたし、その興奮度合いは、予想以上だった。
　その成り行きに乗り、より淫らな会話に引き込むことにした。

「じゃぁ、俺が射精する時の顔も、思い出してくれている？・・・由美さんがエクスタシーに入った時、頬を叩いて俺の顔を忘れるな！と、言ったじゃろう？・・・」
「・・・覚・え・て・る・・何べんも・・言われた・・から・・・」
「ほんとに、時には、思い出してくれているのか？・・・」
　矢継ぎ早に問い詰められると、真っ赤になりながらも、肯いていた。
「時には・・」と聞いたのは、返事し易くする為の方便で、本音を言えば、「毎日のように・・」と尋ねたかった。
　足の指先を絡め合いながらの痴技と卑猥な会話は、夫人の貞操観念を略完全に打ち砕いていた。

「思い出してくれていると聞いて、少し安心したわ・・・ところで、連休中は、気疲れも多かったようだが、気とエネルギーの流れも、滞っている感じだぞ！・・・」
「そんなに見える？・・・疲れてはいないけど、気分も身体も、どんよりした感じなの・・・」
「じゃぁ、簡単な施術をしようか？・・・」
「有り難いけど・・・エッチな処は刺激しないと、約束してくれないと・・・」
　話題の急旋回に戸惑いながらも、なお絡め合っている足の指は、自分からは解こうとしなかった。
　足の先であっても、肌の触れ合いは、続けていたい心境のようだ。
「ああ良いよ！・・・じゃぁ、座布団を３枚連ねてくれる？・・・俺は、バスタオルと新しいコーヒを入れてくるから・・・」

　夫人は内心ホッとしながらも、僅かばかりの隙間ができる位置に座ったが、座布団の上に４つ折りにしたバスタオルを敷かされた。
「コーヒーが飲めるように、腰から始めるから、お尻を少し浮かせて！・・・」
　スカートの後ろを引き上げ、スカートの中へ手が入れるようにした。
　それから、キャミソールの中へ手を入れられ、ブラのフックを外されたが、ツボを押すのに邪魔になるからと観念していた。

　俊英の右手がショートの中まで入ってきて、尻や腰のツボを探り出して刺激し始めると、蜜壺の奥から熱い潤いが湧きだすのを感じていた。
　お腹にも触るのかしら？・・と思って、夫人は身構えたが、手は頭へと移動していった。
　コーヒーは、何とか３口ほど口に運んだが、もう身体を支え切れず、両手を炬燵板に置き、火照る身体を何とか支えていた。
　腰が終わると、頭と首筋、それから腕と肩そして背中・腰になったが、無情にも俊英は背後に廻って施術を始めたからだ。
　太腿から下は触れることもせず、簡単な施術が終わると、俊英は又並んで座ってコーヒーを口にした。

「ねぇ・・今日は、丹田に気を入れないの？・・・」
　焦れた夫人は、つい、ねだってしまった。
　ショーツの中に手を入れて下腹部を押さえて欲しいと言う事だから、「ちゃんと愛撫して！・・」に等しい誘いだった。
　俊英の方は、夫人のこの種の発言を待っていた。
　性感と性欲を促すツボはしっかり刺激して於いたし、丹田に気を入れれば、膣と子宮が蠢きだして震え始める。
　満たされない日々を過ごした熟女が、この刺激を受けて耐えられる筈が無いのだ。

「じゃぁ、しようか？・・・」
　一声掛けて背中から右手を廻し込み、ショーツの中に入れて、丹田が手の中心になる位置に手を置いたが、それが夫人を焦らす手口だった。
　この姿勢なら、手のひらの中心を丹田に当てれば、指先はクリだけでなく蜜壺の入口にも届くのだが、そうはなっていなかった。
　だが、クリのすぐ傍に届いている指先は、微妙な動きをしていた。
　７〜８秒の間隔を於きながら、はっきりと分からないように、クリの近くの曲骨や横骨、少し脇の気衝等のツボを刺激していた。
　どれも欲情を高めるツボで、排卵期の熟女には強烈過ぎる刺激だった。

　して欲しいと思うことはたいてい先回りしてしてくれていたので、この手の焦らしに夫人は慣れていなかった。
　上気した顔を男の首筋に押し当て、荒い息遣いを漏らして心の内部で足掻いていた。
　男根を握りたくなっていたし、「吸って！・・」と言いそうになる程、興奮していたのだ。
　ねぇ・・いつものように、そっちからして！・・私から言わせないで・・・と、心で訴えながら、喘いでいたのが現実だった。

「なぁ、ビクビクしているのが、伝わってくるぞ！・・・こっちも、ジンジンしてきたわ・・・やっぱり、共振しているわ・・・」
「貴方も、痛いの・・・」
「膣と子宮がビクビク震えているのに、こっちが痛くない訳無いじゃろう？・・・乳首もコリコリにし凝ってジンジンしているのか？・・・」
「・・うん・・・ねぇ、痛いのなら、撫でた方が良い？・・・」
　こうしたやり取りは此れまでにもあったが、返事も待たずに作務衣の紐を解き、いきり立っている怒張とふぐりとを揉み始めたのは、初めての事だった。
　夫人の大胆な行為に合わせるように、俊英の左手がキャミソールの中に侵入し、乳房と乳首とを揉み始めた。
　互いに両手を使っての愛撫が始まり、続いて体液を遣り取りする濃厚な口付けが加わった。
　その頃には、焦らす為に触れないで於いたクリトリスも膣口も、縦横に弄られ捏ねられていた。

「おめこ、したくなっているのか？・・・」
　前回、“おめこ”と言う表現を初めて使われ、言葉の持つ卑猥な響きに動転したが、正面から問い質され、呻き声を上げている夫人は返事を濁した。
　分っているのに、言わせようとしている！と思うと、「もーっ！・・バカ！・・」の思いを噴出させていた。
「したい・・」のサインになっている、怒張を曲げる動作をしてしまった。
「俺の状態は、分るじゃろう？・・・」
「・・・」
　２人の興奮度は、同時進行することを納得していた夫人は、黙って頷いていた。
「今日の愛液は強烈だし、膣もグニュグニュ動いているんじゃろう？・・・」
「・・熱く・なって・・震えて・・いる・・」
　言われたことが図星だったから、この返事が精いっぱいだった。

「じゃぁ、呑むぞ！・・・俺のも、呑め！・・・」
　夫人はいきなり掘り炬燵から引き出され、ショーツだけを脱がされた。
　溢れた蜜が濃厚なメスの匂いを放っているのも分かっていたが、もう恥ずかし気もなく毛深い股を広げられるようになっていた。
　しゃぶり合いは前戯なのだが、エクスタシーまで導かれ、その最中に溢れさす濃い愛液を啜られると分かっていたし、男のエキスもたっぷり呑めるのだ。
　服を着たままのしゃぶり合いは初めてだったが、それが夫人を興奮させた。
　しゃぶり付かれて１０分も経たない内に、蛙のように広げられた脚を戦慄かせて絶頂を迎えてしまった。

「今度は合わせるからな！・・・」
　これから溢れ出す濃いのを呑み終えてくれたら、本番に移ってくれると期待していた夫人は、又も焦らされることになったが、ジュボッ・・ジュボッ・・と音を立てて口で扱いていた。
　一度火が着いた夫人の燃え方は激しく、２度目も１５分程で迎えたが、口から溢れる程の精液を今回も注がれていた。
　俊英の精液を呑むのは、もう慣れていて、一滴も漏らさず呑み込んでいたし、瞬時に勢いを取り戻した男根を舐めては扱き、濃い蜜を啜られるのが終わるのを、心待ちしていた。
　頬や口廻りを互いが拭き合った後、口の中に残っている相手の体液を飲み物と共に飲み下す儀式が残っていた。
　この儀式が終わるや否や、間髪入れず突き込まれる筈だったし、夫人も迎える態勢を整えて待つようになっていたからだ。

　だがその日は、何時もの様に事を運べない事情があった。
　そのまま始めてしまえば、蜜壺から溢れる愛液がタオルを通り越して、座布団に浸み込む恐れがあった。
　更に、コンドーム無しでの交わりは、即妊娠という事態をも招きかねなかった。
　その激しさを体験しているから、柔肌が畳で擦れて傷つくのも怖かった。
「ねぇ・・座布団を汚しそうだし・・危険日だし・・・どうしよう？・・・」
　愛液の溢れ出しが収まらなかったし、コンドーム無しでは危険過ぎることだったので、慌てて尋ねていた。

「おめこ、したくなっているんだな！・・・」
「・・したく・・なって・る・・・」
　約束を反古にして、「おめこをしたいのか？」と言う露骨な問いであったが、初めて言葉で意思を表明した。
　誤魔化せないと分かっていたし、滾る欲情を抑えられなくなっていた夫人は、暈かした表現ながらも、「おめこしたい・・」と口にした格好となった。

「じゃぁ、２階のベッドに行こう・・・」
「・・私・が・おしぼり・・の・用意？・・・」
「うん、頼む・・・俺は風呂場で洗い流して来る・・・一番危ない時じゃから・・・」
　此処でのお絞りとは、互いの汗を拭くものであったし、体液を拭う為のものでもあったが、この日から夫人が担当することになった。
　初めて「したくなっている・・・」と口にした夫人は、寝室のベッドの前で悩んでいた。
　服を着たままで良いのだろうか？・・・脱いで待っているべきなのか？・・・
　もしかしたら、仰向けになって待たれて、自分が跨って腰を沈めるように仕向けられるのかしら？・・・
　そんなことになったら、犯された！・・と、意地悪言われるに決まっている！・・・
　幾ら考えても結論は出ず、ウロウロしている内に、腰にバスタオルを巻いた俊英が来てしまった。

「後ろ向きになって！・・・」
　夫人の眼の前でコンドームを装填した俊英が、主導権を取って指示してきた。
　手際よく着ているものを脱がせると、両手で抱き上げてベッドに横たえ、そのまま圧し掛かってきた。
　夫人の悩みと戸惑いは一瞬にして消え去り、股を大きく開いて迎えることが出来た。
　押し広げながら侵入してくる固い肉棒を、腰を送って迎え込み、根元まで一気に呼び込んでいた。

「ウァッー！・・・貴方のが、いっぱい！・・・」
　初めて迎えた時の感覚が蘇えった夫人は、思わずそう口にしていた。
　待ち焦がれていた肉棒を咥え込んだ蜜壺の方は、グニュグニュ蠕動しながら快感を貪ろうと蠢いていた。
「なぁ、薄いとは言っても、ゴムを隔てて繋がっているのは、初めてじゃな！・・・もどかしい感じかと思ったが、あまり変わらんなぁ！・・・由美さんのおめこが良いからだぞ！・・・」
「・・ダメよ！・・・厭らしい言い方したら！・・・いっぱいになっているんだから、強く突いたらダメよ・・・」
　そう言いながらも目を閉じて、腰をゆっくり廻しながら喘ぎ声を漏らし始めていた。

「ほんとに覚えて呉れていたのか？・・・初めておめこした時のような声を出したぞ！・・・」
「忘れる訳ないじゃない！・・・１６日も間が空いたから、強く感じたみたい・・・」
「じゃぁ、少しは思い出してくれたんじゃな！・・・」
「思い出すのより、今の方が凄いの・・・」
　毎日想い出していたとは言えなかったが、強烈で新鮮な感触を味わい尽くそうと、締め付けたり緩めたりしていた。
「なぁ、久しぶりじゃから、今日はじっくりしようよ！・・・」
「じっくりって、どうするの？・・・鴨の入首？・・・」
「今日の由美さんは、直ぐにいきそうじゃもん・・・なぁ、絶対に忘れんように、俺のをじっくり味わえ・・・」
　夫婦の営みは夫が釣りに出掛ける前夜の筈だから、１０時間後頃には夫と交わることに気付いた。
　蜜壺を荒らしてしまえば、密通がバレる危険性があるのだ。

「任せるけど・・・どうしたら良いの？・・・」
　勘が働いたのか、遠回しの表現からも意味は汲み取れたようだ。
「今日みたいな日は、どんな体位でしてみたいんじゃ？・・・」
「そんなの・・・貴方が言ってくれないと・・・」
「俺は、由美さんのそういうところが好きじゃ！・・・」
「そういうところって？・・・」
「慎み深くて、恥じらうところ！・・・でも、抱き合ったら、感じるままに振る舞うところも好きなんじゃ！・・・」
「・・・意地悪・・なんだから！・・・」
　見抜かれた夫人には、こう答えるしかなかった。
　互いに目を見つめ合いながらの痴話話だったが、もうそれに慣らされた夫人は、かなり大胆な腰の動きを始めていた。

「じゃぁ、最初はこのまま抱き込まれてするか？・・・次は膝の上に乗るんだぞ！・・・おっぱい吸いながらしたいんじゃ・・・最後はどうする？・・・」
「私が上になるの？・・・それとも、腕突いて身体を起こすあれなの？・・・」
　尋ねる振りをしながらも、自由に腰が使える騎上位か、入船本手でしてみたいと匂わせながら、脚と手で抱き込んできた。
「なぁ、今日のおめこは、どんな感じじゃ？・・・」
　乳房を揉み、耳の辺りを舐め、緩慢な動きで蜜壺を捏ねながら聴いてみた。
「・・・そんな・・言い方・・したら・・ダメ！・・・」
　急に卑猥な言葉を持ち出され、慌ててはいたが、昂ぶりようは一気に進んだ。
「でも、この地方の隠語だから、皆が使う言葉だと思うぞ！・・・当然、これもおめこと言うはずだよな！・・・」
　角度を変えて蜜壺を突き、“これ”とは何かをはっきりさせた。

「・・・し・ら・な・い・！・・」
「呼び名がはっきりしないと、困るじゃない！・・・由美さんのおめこ、凄く良い！と言いたい時に、どう言えば良いんじゃ？・・・」
「・・何・も・言わなくて・も・・声で・分かる・・から・・そんな・こと・・言うと・・変に・・なる！・・・」
　卑猥な会話で昂ぶるタイプなので、喘ぎ声と腰づかいが激しくなっていた。
「なぁ、初めて、“したくなっている・・・”と言ってくれて、嬉しかったんだぞ！・・・次は、おめこしてと、言ってくれるよな！・・・」
「・・言え・たら・・言う・・から・・」
　何とか返事を返すと、腰をガクガク揺さぶって呻き始めた。

「なぁ・・良いか？・・・おめこがグニュグニュ動きながら、締めているぞ！・・・排卵期じゃから、感度も凄く良いみたいじゃ！・・・」
「今日・は・・凄く・・良い・・の！・・」
「グニュグニュ蠢きながら纏わり着いて来て、点検されている感じじゃわ・・・締めながら硬さを感じているのか？・・・」
「・・・知ら・ない・・勝手・・に・なる・・の・・」
　卑猥な語りを交わしながら夫人は高まって行き、絡め付けた脚で調子を取りながら合わせ腰を打ち返し、最初のエクスタシーを味わった。
　その陶酔に酔い痴れている間に抱き起こされ、ベッドの縁に腰かけた俊英の太腿の上に跨らされていた。

　気が付かない内に、手は俊英の首を抱いていて、足はベッドの縁を踏んでいた。
　両膝を起点にするより、足で支えられる分、夫人は腰を自由に動かせた。
　この場面でも、“良いか？”・・・“良いの！”・・“もっと捏ねて！”・・“もう・・限界！・・”と、卑猥な掛け声が行き交っていた。
　俊英の手がアナルに当てられていて誘導されていたのだが、乳房を吸われながら夫人の腰は上下に激しく、そしてグリグリを廻されていて、立て続けに２度も達していた。
　俊英はまだ迸らせていなかったので、最後は、一番恥ずかしがる入船本手の体位に持ち込んだ。

「なぁ、最後はこれで一緒にいくぞ！・・・おめこが震えるのを見ながらいくからな！・・・」
「わざと恥ずかしがらせようとして！・・・悪いんだから！・・・」
「でも、この体位での要領は、この前のでしっかり覚えたじゃろう？・・・」
「締めながら廻せと言うんでしょう？・・・おっぱい揉みながら、突いて・・・」
　自分から仄めかした体位だったが、締めつけながら良く張った腰を廻し、男を喜ばせたいと言う女心を感じさせる言葉と表情になっていた。
「いく時に、俺の顔を見る余裕は有りそうか？・・・」
「今日は、無理みたい・・・もう、良く覚えているから、良いの・・・」
　女がいく時の表情は、何時見ても惚れ惚れするほど艶めかしい。
　男が迸らせる時の表情は、どう見えるのだろうか？と考えている内に、夫人の呻き声が始まった。

「今日は、おっぱいだけにするぞ！・・・」
　わき腹やアナルへの愛撫はしないと告げたが、眼を見つめ合いながら頷いていた。
　最初は大きな廻し腰で咥え込んでいる陰部を曝して見せてきた。
　次に大きな迎え腰と共に乳房を揺さぶって見せ、それから合わせ腰を打ち、下腹部や太腿の妖しい肉の動きを曝していた。
　その次には、喘ぎながら、時折目を閉じながらであったが、「これで良い？・・」と問い掛けるような眼差しを俊英に送っていた。
　括れたウエストを起点にして、むっちり張った腰と太腿とがくねりながら揺れる眺めは、男の欲情をそそった。

「おめこが、喜んでいる！・愛液が溢れてる！・・・なぁ、そんなに良いのか？・・・」
「そんな・・事・・言っちゃぁ・・ダメ・・・でも・・凄・く・・良い！・・・」
　太腿に震えが走り始めたから、上り詰める寸前のようだが、まだ受け答えは出来るようだった。
「おめこが喜んでいる！」は、露骨な表現だったが、もうそんな言葉に尻込みする様な関係ではなくなっていた。

「少し、ピッチを上げるぞ！・・・」
「あ・あれ・・塗って・・・乳・首・・して！・・・お・願い！・・一緒・に・・」
　混合液を塗って乳首を抓めば、電気が走るような快感が蜜壺を直撃するから、激しく震えながら頂を共に迎えたいという求めだった。
　前回と同じだったが、肩から崩れ落ち、両手でベッドのシーツを握りしめながら呻いて夫人は達した。
　抱え上げられている腰と蜜壺とはブルブル震えていて、律動しながら迸らせる怒張を離さないぞ！と、締め付けていた。

　初めてコンドームを装着してのおめこは、１時間少々で終わったが、妖艶で淫蕩な気配が最後まで続いた交合だった。
　それを象徴するかのように、後始末の段取りも、何時もとは違っていた。
　夫人は巧みな手つきでコンドームを抜き取り、中のエキスを俊英のお腹の上に滴らせた。
　そして、恥じらう様子も見せずにそれを啜り取っただけでなく、精液でベトベトの怒張を綺麗に舐め取っては呑み込んでいた。
　一段落すると、無言のまま、今度は股を広げ、愛液が溢れている蜜壺を俊英の顔に近づけてきた。
　いった直後に溢れる濃いエキスを、呑ませたいのだ。
　一時の激情でした行為ではなく、心が通い合い、貪り合う男と女の行為だった。

「由美さん、一度風呂場で洗わないか？・・・」
　私もだけど、私のもこの人の身体に入り、浸み込んでいく・・・と、腰を震わせながら淫らな快感に酔い痴れていた時、無情な声を掛けられた。
　渋々口を漱いで呑み下すと、裸のまま抱き合うようにして階段を下り、シャワーで何時もの様に洗い合った。
　風呂場からは、俊英が先に出て、ベッドの上に仰向けになって待っていた。
　全裸で戻った夫人は、飛びつくような勢いで抱き付いてきて、半身を重ねていた。

「まだ時間はあるんでしょう？・・・もう少しくっ付いて居たいんだけど、ダメ？・・・」
　自然に出た声は、まるで年上の男に甘える女のような響きになっていた。
　熟れ切った身体が、未だ物足りないと駄々をこねている感じだ。
「俺は良いけど、そっちは買い物や夕食の準備が有るんだろう？・・・良いのか？・・・」
「じゃぁ、もう少しだけこうさせて・・・」
　欲情が燻っている時には大抵そうだったが、濡れた淫裂を腰骨の辺りに擦り付け、脚を腰に絡めつけ、太腿の内側で怒張を撫でてくるのだ。
　それだけでは足りないとばかりに、乳房を擦り付けてきた。

「ねぇ、こんなのを覚えさせた貴方が悪いのよ！・・・今日みたいになったら、どうしたら良いの？・・・」
　太腿の内側で怒張を撫でながら、今度は真顔になって尋ねてきたが、瞳は煌めいていた。
「エッチなことは駄目よ！・・・」と言っていた本人が、「愛液を呑んで！・・・」と誘ってしまい、遂には「したくなっている・・・」と白状し、コンドームを着けて交わったからだ。
「こんなのを覚えさせた貴方が悪い」は、淫蕩で官能的な肉の歓びを求めて疼く身体になったと言う告白だが、再び欲情が滾り始めていることを知らせるセリフでもあった。
　俊英は、直ぐにでも第２ラウンドを始めたい気持ちを抑え、都合の良い女に躾ける為の準備を始めた。

「なぁ、携帯じゃぁ履歴が残るし、塀越しに直接声を掛け合うのは、危険すぎるじゃろう？・・・レッスンの予定は殆ど変わらないようだから、俺が空いている時は、サインを出すわ・・・由美さんの都合が良い時だけ来れば良いだろう？・・・」
「で、サインってどんなにするの？・・・」
「ベランダに物干しがあるじゃろう？・・・竿を掛けるＶ字型のアーム部分に布団を干す時の押さえを掛けることにするわ・・・掛けている本数が空き時間じゃ・・・風で飛ばされることは無いし、誰もサインだとは思わんじゃろう？・・・由美さんの部屋からも庭からでも、良く見える筈じゃ・・・」
「其処に２本掛けられていたら、今から２時間位は空いている訳ね・・・」
「此処へ来る時は北側の潜り戸を使った方が良い・・・蝶番は直しておいたし、台所の勝手口も開けておくわ・・・躓かんように小石も除けておいた・・・夜でも安心じゃわ・・・あそこからなら、何処からも見えんしな・・・」
「私も、それの方が安心・・・扉の近くのサザンカの枝を１〜２本切ったら楽に通れるから、そうする・・・」
　こうして、密通の段取りはより緻密になったが、夫人の欲情もより奔放に発揮される条件が整った。

「なぁ、もう一つ心配があるんじゃ・・・電話は、夜に来る時にはどうしているんじゃ？・・・生徒の親や友人、偶には親戚だって掛けて来るじゃろう？・・・」
「夜に来る時は、留守電にしてる・・・ピアノの練習をしていることにしたら良いかと？・・・」
「それは、拙いよ！・・・夜掛ってくる電話は緊急が多いと思うぞ・・・以前の様に、子機を持って来たらどうじゃ？・・・親機からこの部屋まで１０メートルは無いから、確実にキャッチできるよ・・・」
「でも・・・こんな時なら出られるけど・・・」
　軽い愛撫の段階なら対応できるが、おめこが始まってしまうと、自信が無いと言う意味らしかった。

「心配せんでも、直ぐに抜いてやるよ！・・・その為に留守電設定にしておき、練習中だから後で電話します、とか吹き込んでおいたら良いのと違う？・・・」
　相手が未亡人の芳恵や幸代などの場合、相手の家で交わっていたから、最中に親戚や友人から電話が掛ってくることがあった。
　その経験から学んだ知恵だが、人妻の場には細心の注意が必要だった。

「普通に話せるようになる迄、待ってくれる？・・・だったら、何とかなりそう・・・」
「５分１０分を惜しんで、由美さんに迷惑掛ける訳にいかんじゃろう？・・・逢えなくなる方がもっと辛いわ・・・」
　乗りに乗った処での中断は、確かに興ざめだが、卒業するまでの４年間は、相手になって貰わないと困るのだ。
　少々のことに拘っておれない程、熟れた身体と性格に惚れ込んでいた。
　安心して忍んで来られるようになれば、週２夜の濃厚なおめこに加えて、精液と愛液の呑み合い程度なら、週に２〜３回は加算出来そうだった。　

「なぁ、コンドーム着けてしても、感触は変わらないのか？・・・反応は何時もより凄かったけど・・・」
「・・だって・・排卵期だから・・・それに・・・２週間以上逢ってなかったのよ！・・・最初に犯された時みたいに、凄く感じたの・・・」
「じゃぁ、これからは、排卵期の頃には絶対しような！・・・唸りながら腰をガクガク揺さぶってくる由美さんの色気、凄いんだ！・・・耐え切れずに射精すると、ビクビクしながら締め付けてくるし・・・」
「意地悪！・・・覚えさせたのは貴方なのよ！・・・ねぇ・・未だビクビクしているし、火照っているの・・・」
「また、おめこ、したくなっているのか！・・・」
「そんなに、はっきり言わなくても！・・・」

　エクスタシーを味わった直後の熟女は正直なもので、卑猥な痴話に怖気づいたりはしない。
　愛撫されたり、激しい交わりを思い出すと、おめこをしたくなってしまうと、正直に答えている。
　話が此処まで来ると、夫人は逃げ場がない処に追い込まれていた。
「明日の晩は、予定通り待っていたら良いのか？・・・」
「明日の晩も来て良いの？・・・その都度シャワーで流さないとダメだけど、今日みたいに２回ではダメ？・・・」
「通しの夜釣りだろう？・・・深夜に来るのが良いのと違うか？・・・４回シャワー使うのは面倒だけど、３回位にしないか？・・・」
「貴方が面倒で無いのなら、私は良いわよ！・・・だって、長い間ご無沙汰だったんだもの！・・・」
　シャワー３回と言う事は、１発に２度はいかせてくれるから、６回のエクスタシーを味わえると、夫人は胸の内で計算しながら受け答えしていた。

　次の日の５月８日（金）、夫人は夜の１０時に忍んで来た。
　服を着たまま抱き合って弄り合い、興奮させられた夫人の方が「呑んでから・・して！・・」と口にして、しゃぶり合いが始まる顛末だった。
　約束していた通り、俊英は３発放ち、夫人は６〜７回のエクスタシーを味わって満足したが、余禄も付いていた。
「呑んでから・・して！・・」に、男は応じ、夫人を悦ばせる技量を備えていた。
　スペルマを２回も迸らせて口に注いでくれたし、２度とも昇り詰めた後に湧き出す濃い愛液も吸って呉れたのだ。
　何人もの年増女に鍛えられ、扱い方を身に着けたオスの知恵が、熟れ盛りの人妻を巧みに焦らしながら操っていた。
　して欲しくて男の許に忍んで来ているのだが、「して！・・」と口にすることで、人妻はより奔放に振る舞えるものらしかった。
　そうなると、男はオスの自尊心を擽られ、精力の充実を感じ、それを女に注ぐ淫蕩な連鎖が回り始める。

　次の週は、１１日（月）と１５日（金）も、夜のおめこだったが、旦那が釣りに出た留守と言う事もあり、やはり、濃厚なおめこになった。
　最初に犯すようにして交わったのが４月１３日で、５月１５日の夜は７回目の密通だった。
　連休中の空白を除けば、実質１５〜６日間に７回だから、２日に１回は、熟れた人妻とタフな巨根の学生とが密通を重ねていることになる。
　濃厚で淫蕩なおめこに慣らされた人妻の身体は、飢餓状態に追い込まれ、タフな男根を恋しがるようになる。
　巧妙な愛撫で燃えてしまい、「おめこしたい・・」と口にしてしまう程、篭絡されていた。
　年増女に揉まれて性技を磨いてきたタフな巨根の若者に、身持ちの堅かった人妻の身体と心は蝕まれ、翻弄され、遂に身も心も、堕（おと）されようとしていた。
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あなたのひと言が作者の励みとなり、新たな作品が生まれます。ご感想宜しくお願いします。
2017年5月27日掲載
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