堕（おと）された完熟桃
極楽とんぼ 作
第３章　　隣の夫人を狙ってみろ！

「おい、俊さん！・・・瑠美さんの施術は、隣の夫人に触る為の布石か？・・・熟れ頃の絶品だと言うことは、一目瞭然じゃもんな！・・・」
「其処まで考えてしていませんよ！・・・Ｎ○Ｋの杉○友紀アナより、プロポーションは上ですし、タフで味も良いと思いますが・・・先輩こそ、妙だったですよ！・・・４万円でデスクトップＰＣ一式、ＯＳやソフトまでオマケには、正直驚きましたよ！・・・何か魂胆が有るんですか？・・・」
「違うよ！・・・俊さんに、お膳立てしてやったんだ！・・・狙ってみろ！・・・」
「やっぱりそうだったんですか！・・・何となく分かりましたが、あの夫人に目星を付けたのは、何か理由が有るんですか？・・・」
　熟れ盛りの上物なのは分かっていたが、お膳立てまでして呉れて、「狙え！」と言う理由が、いま一つ分からなかった。

「実はな、俺の入学祝の品を夫人が見たがるから、見せたんじゃ！・・・」
「メガ・ビッグ・ボーイを、ですか？・・・よく見ましたね！・・・」
「本人も、開けて吃驚と言うところかな！・・・でも、適応直径が４、５センチと書かれているのを見て、耳まで染めて狼狽えていたわ・・・巨根の経験が有るか、願望を持って居るか、どっちかじゃ！・・・歳が３８歳と聞いたから、旦那は４０前後じゃろう？・・・あの身体つきの女を、４０男が満足させてやれると思うか？・・・」
「ツボを押した反応からすると、欲求不満なのは確かですわ・・・尻の環跳は相当に痛がっていたし・・・足の築賓と三陰爻を刺激したら、喘ぎそうになったから、敏感な体質で、飢えているのは確かだと思う・・・丹田に気を入れる頃には愛液の匂いがしたから、濡らしたと思うわ・・・股間を覗こうとしてきたのも感じたし・・・」
「成程！・・・デカマラに興味津々だった訳か？・・・犯してでもデカマラの味を覚えさせてモノにするのも手だが、勉強の心算で、人妻を誑し込む技を磨いてみないか？！・・・」
「誑し込むなんて無理ですよ！・・・ドジ踏みそうで、怖いですよ・・・」
　寺に通っているパートの未亡人を犯し、善がり狂わせてモノにして今も続いているが、女を口説いた経験が無かった俊英には、隣の人妻を誑し込むなど、不可能に近い高等テクニックだと思っていた。

「それは良いとして、ＰＣの件で作戦を立てたから、確認しておかないか？・・・」
「作戦って、有るんですか？・・・基本構成と各パーツは決まったし、モニターの色とインチも決まったでしょう？・・・」
「違うよ！・・・パーツを取り換えるノートＰＣのことじゃ・・・俺は、何処へ送るか、はっきり言ってないぞ！・・・」
「でも・・俺の所へ届くんじゃぁないんですか？・・・皆そう思っていますよ・・・」
「俺が、そんなバカなことをすると思うか？・・・」
　村田の話では、３１日の午前１０時の配達指定で、夫人宅に送る計画らしい。

　突然宅急便でノートＰＣが届いたら、パーツを交換して修理するのは俊英だと確認しているから、離れに持って来るように仕向ける魂胆らしい。
「義姉さんが帰宅する夕方に、母屋に持って行きません？・・・」
「夕方まで待つと思うか？・・・俺の読みでは、午前中に、台所の勝手口近くの塀の潜り戸から、来ると思うぞ・・・」
「どうして午前中なんです？・・・しかも、庭からではなくて、台所裏の潜り戸から来るんですか？・・・」
「理由は、簡単じゃ・・・午後３時過ぎから、レッスンの生徒が来ると言っていた・・・好奇心が強そうな女じゃから、修理を見たいと思うと読んだんじゃ・・・そうすると、午前中が２時間弱、午後が２時間程、空いているもんな・・・次に、潜り戸から来る理由じゃが、人目を避けるためじゃ・・・離れの玄関や、庭の潜り戸からでは、道を通る人に見られる可能性があるからな！・・・」
「でも、潜り戸から来ると、逢引みたいじゃないですか！・・・玄関から来ません？・・・」
「さっきもあの潜り戸から入って来たじゃないか！・・・瑠美さん宅へ行くのにも使っているんじゃ・・・玄関から入るのを近所の人に見られたら、ＰＣを置いて退散するしかないじゃろう？・・・男一人の離れに入って、出て来ないとなると、人が怪しむと気になるじゃろう？・・・」
「潜り戸を使い慣れているのは分かります・・・誰にも見られなかったら、修理も見れますね・・・でも、そんな、大胆なことをします？・・・」
　人妻なら、それ位の気を使う筈だと思ったが、村田の説は違っていた。

「勘だとしか言えないが、午前中に潜り戸から宅急便を持って来る！・・・潜り戸から来たことは瑠美さんにも、旦那にも内緒にする筈じゃ・・・入って来易いように、廊下のガラス戸を開けて、居間の障子も開けて、開放的な雰囲気にして於けよ！・・・」
「薄暗い感じと、密室を連想させる要素とを無くして於けば、良いんですね！・・・」
「必ず潜り戸から来るから、来たら上がって貰い、修理を見せてやることじゃ！・・・それに成功すれば、あとは何とかなるさ！・・・」
「分かりました・・・明日は１日空いていますが、顔を合わせない方が良いですか？・・・」
「いや、むしろ挨拶を交わすぐらいが、自然で良いのと違うか？・・・庭の草むしりと、庭木の剪定ぐらいしておれば、自然に顔を合わすし、挨拶ぐらいはするじゃろう・・・くどい様だが、夫人に秘密事を増やさせる事が肝じゃからな！・・・」
　村田の得意技である女の癖や心を見抜く力を信じ、俊英は言われた通りに事を運ぶことを心掛け、場面を想定しながらの対応策に心を砕いた。

「心配しなくて良いさ！・・・組み立てを見たいとか、ソフトの使い方教えて・・とか言って来たら、本能が疼いているって事じゃ！・・・本人は気付いてないが、メスの本性が逞しいオスを求めて接近して来ているんじゃ！・・・“教えて！”は、接近の口実じゃ！・・・」
　俊英の心配そうな様子が気になったのか、激励の言葉が届いた。
「行き詰ったら、知恵を借りますからね！・・・頼みますよ！・・・」
「任して於けって！・・・股を広げて待っている女を虜にする技とパワーは、完璧じゃが、貞淑な人妻を誑し込む技を身に着ける、絶好のチャンスじゃからな！・・・」
「一度位なら、来させることは出来るかも知れませんが、何度も来ますかね？・・・何度も来れば、抱いて欲しいと言っているようなもんですよ！・・・あの奥さん、それほどスレた女じゃないですよ！・・・」
　未だ要領が呑み込めない俊英は、戸惑いの言葉を口にしていた。

「この屋敷と隣の屋敷の塀の構造を見ろよ！・・・２か所に潜り扉が付いているじゃないか！・・・北側の扉の周辺は樫の木が茂っているじゃろう？・・・何処からも見えないようになっているぞ！・・・あそこから来れば、本宅の瑠美さんからも見えないじゃろう？・・・週に２回は夜釣りだとか言っているじゃないか！・・・空き家同然の熟女が、隣で疼いているんじゃから、尤もらしい理由を付けてやれば、その理由を隠れ蓑にしてやって来るわ！・・・」

「此処で修理や組み立てを見ることは、するかもしれませんが、ソフトの使い方を教えてと言いますかね？・・・」
「たぶん大丈夫じゃろう・・・彼女が使っていないメーカーのソフトを、付けて於いてやるよ・・・習うとしたら、俊さんしか居ないだろう？・・・」
「そうか！・・・その手が有るとは思わんかったわ！・・・」
「パソコンを教えるとなると、向き合ってはしないだろう？・・・普通は並んで座るぞ！・・・この座り方が親近感を生むんじゃ！・・・チャンスが有れば、施術をしてやれ！・・・熟れ盛りの女の本能に火をつけるのはお手の物じゃろう？・・・燻ぶり始めたら、そんな時こそ武骨者を装うんじゃ・・・そうなると、年増女の場合は必ず挑発めいた事をしてくるから不思議じゃわ・・・恥ずかしそうに甘えるふりをして、少しづつエスカレートじゃ・・・良いか！・・・これが肝心なんじゃが、２人だけの秘密を、少しでも多く作ることじゃ！・・・秘密の積み重ねが、人妻の慎みを崩す秘密兵器じゃ！・・・」
　夫人が離れに来るような仕掛けを幾つも用意した村田の頭の回転の速さに驚いた。

「一気に犯（や）るのは、愚策みたいですね・・・デカマラの味を覚え込ませたら、後は上手くいくと思ったけど、策が無さ過ぎました・・・」
「俊さんの修業を兼ねた挑戦じゃ！・・・これが肝心なんじゃが、人間が陥りやすい正常性バイアスと言う罠があるんじゃ！・・・」
「何です？・・・正常性バイアスって！・・・」
「日常と少し変わった事が起こっても、たぶん大丈夫だわ・・・と思う心理のことじゃ・・・東日本大震災で証明済みの人間心理じゃ・・・津波に呑まれた大多数の人は、これにやられたんじゃな・・・少しちょっかい出して、相手が反応しても、無骨者を装って畏まっていれば良いよ・・・少しずつレベルを上げて慣らして、正常性バイアスを増幅しておけばチャンスは訪れるさ・・・」
　村田の説明で、コツは掴めたような気がしたが、チャンスの見分け方は難しいと感じた。

「何となく、意味は分かるけど・・・チャンスの見分け方は、どうしたら良い？・・・」
「最低でも３時間は空いている時じゃな！・・２時間は突いては捏ね続け、デカマラの味を身体に刻み込むつもりじゃろう？・・・犯（や）られても仕方ないほど、煽ってしまったと相手が思う時がチャンスじゃ！・・・」
「要は、年増の勇み足を誘うように、ぎこちない無骨者になれば良い訳ですね？・・・じゃぁ、地丸出しで良い訳だ！・・・」
「まぁ、そう言うことじゃ・・・これまではどっちかと言えば、股を広げて待っている女ばかりじゃった筈じゃ・・・篭絡と言う高等戦術を身に付けるチャンスだと思って、頑張ってみろよ・・・コツは惚れ込むことじゃ！・・・惚れた女には優しく出来るし、相手の良いところだって次々に見えてくるはずじゃ・・・そうなったら、助平なことでも本心で言えるじゃろう？・・・企みを感じさせないのが秘訣じゃ・・・」

「隣同士で気をつけることって、あります？・・・バレたら大事になると思うけど・・・」
「バレたら大事じゃが、隣同士は意外と盲点じゃ・・・双方の都合の良い時にやれるから、無理が無いのが利点じゃ・・・１人息子は全寮制の私立中学だと言うし、旦那が出勤したら１人切りじゃろう？・・・それに、週２回は夜釣りに行くらしいじゃないか・・・空き家同然の女だぞ！・・・継続して逢えるというのが強みじゃ！・・・」
「じっくり観察して、チャンスを掴んで食い込む訳ですね・・・」
「性格や生活リズムがどうなっているか、その観察が基礎じゃ！・・・目を付けた女には親切にしてやる事じゃ・・・年増が、親切な男と、甘えられるのに弱いのは、知っているじゃろう？・・・自分の為に尽してくれていると分ると、盲目的に信用してしまうもんじゃ・・・」
「その辺りになると、見当が付かないけど・・・」
　経験が浅い俊英には未だピンとこなかったが、村田が仕組んでくれた道筋を辿れば何とかなりそうな気がしてくるから不思議だった。
　負けず嫌いの俊英は、意地でも自力で由美夫人を攻略したくなっていた。
【前】/【次】
あなたのひと言が作者の励みとなり、新たな作品が生まれます。ご感想宜しくお願いします。
2017年2月3日掲載
Copyright (c)2017 極楽とんぼ All rights reserved.
▲