レビレート
はちみつ太郎 作
１２

　応輔の自宅の付近にはまだ警戒中の警察車両が数台いる。パトライトは回っていないが、車内に二人の警察官が乗り込んだままだった。２３時ごろ、応輔の射精液は４回目を数え、４回目の射精液はベッドで６９のままの小百合の喉下に打ち込まれていた。
　咽るように咳き込み、応輔の腿をいたずらげにツネル。喉元に打ち込まれた残精液は初期の濃さを残していない。薄まっているその射精液は吐き出すことも出来ずに唾液と混じり飲み込んでしまった。

　時計を見た小百合。２３時半。外の様子を覗く。カーテンを顔の分だけ開き外をうかがった。二台の捜査車両が見えている。小百合は、帰宅するか、どうかをカーテン越しに考えている。応輔は同じようにカーテンから顔だけ出し外を覗く。捜査車両が小百合の車の前に止まっていることが見える。

「小百合さん、帰る？」

「う、、車の前のお巡りさんに見られるよね。」

「多分。小百合さんのこと知らないかも？」

「どうかなぁ。」

「え、すごい、有名人な感じですね、、それって。」

「え、あ、自意識過剰？」

「ま、ま、そうとは思えないけど、警察に取材とか行くんなら、知られてるよね。」

「うん、結構親しくしてくれるしね。」

「男社会だし、きれいな女の人が来れば、優しくしてくれるよ。」

「あ、いま、うれしい事言った。」

「あ、うん。だって、きれいだし、かわいいと思うし。」

「ありがと、、、。」
　小百合は応輔に唇を添える。反応した応輔は、小百合の舌を吸い取り絡めていく。５回目のラウンドを始める前段階は整った。全裸のまま先ほどと同じように６９の形で体を重ねあう。上下を逆にし、応輔は下に、小百合は応輔の顔を跨ぎ陰唇を口元に当て付ける。空間が出来ないほど身長差はない二人。応輔の指は尻肉を大きく割り、眼前の小百合の陰唇にむしゃぶりついていた。舌で弾くように淫豆を遊ばせると、警戒中の警察官に聞こえやしないかと喘ぎを響かせた。

　犬のように舐め右左上下に舌を這わせている。中心部の穴は空間を作ったり、隙間を埋めたりと忙しい。放出した応輔の精液は垂れ落ちることなくその臭いもなかった。数十分まえのソープの香りは消え、小百合の分泌物と汗の混合液の臭いを応輔の鼻でかぎ分けている。嫌なにおいではないが、ようやく落ち着いて嗅ぎ分けることが出来る女の陰部の匂いだった。鉄分なのか感じ取る舌先の味覚が臭覚にも女の陰的な臭いを教えてくれているようだった。

　応輔が腰を抱き、引き寄せると、小百合は自分の陰唇が応輔の鼻頭を埋没させるような感覚を受ける。擬似的に挿入を感じさせられた小百合は淫肉を引き締め異物の進入を防御する。応輔は鼻頭を押し当て小百合の女の匂いを臭覚を司る脳内の臭球などインプットする。排卵期特有のホルモンあふれる匂いだが、初めてかいだ陰部の匂いを分別することは出来ないでいる。

　小百合は応輔の稚拙だがまっすぐな責めに義弟との交わりであることを忘れてしまっていた。顔面を生殖器で覆い、舌の動きに合わせ体を上下させている。声に出す喘ぎは、堪えるような声はなくなっている。欲するものがほとんどだった。

「あぁ、そっぉぉぉ、いっっっっ。」
　寸前のところだった。舌を捻じ込まれ、生え揃わぬ顎の無精ひげが小百合の淫豆をくすぐった。声にしてださなかったが、小百合は軽い絶頂を味わっていた。

　応輔は、小百合の女声を聞き分けるまでに落ち着いてきた。「いっ、」堪えた言葉の後を文字にするのは容易い。体を少し浮かせ、女体の反応はシンプルに感じていた。逃げるまではいかないが、その感触を忘れないくらいの位置にブレークしただけだった。落ち着くように再び体を沈めると応輔の顔面に生殖器を再び押し当てている。こすり付けるようではなく、少し浮かし、膝を利用して舐められやすい位置を模索していた。応輔は舌の腹をいっぱいに使い小百合のサーモン色した膣前庭を絶え間なくねぶる。

　少し背を丸める小百合。応輔を覗き込むように顔を自分の股間に向ける。応輔は小百合の陰門を一心にねぶりつづけている。小百合は言葉にして応輔に願った。

「応くんっっ、おち○ちん、入れて、、、。」

「、、、。」
　黙ったまま応輔は、ねぶりを止め顔を陰門から口を離す。小百合は聞き入れたと実感し、応輔の陰茎を手で添えた。上を向いた陰茎は、先端を濡らしている。甘く口の中に含み一ねぶりする小百合。応輔は亀頭の感覚を小百合に奪われる。唾液を塗られた亀頭は湿潤の谷間にその先をあてる。小百合は背面騎乗で再び繋がった。少し赤身を帯びている応輔の粘膜と小百合の粘膜は同じ回数の摩擦を浴びているのに疲労度には差があった。

「すこし、乾いてる？応くん、、、。」

「あ、うん、ちょっと、、、うん、小百合さんは、どう？」

「うん、少し、つっぱってて、、、。このまま、少し動かないで、いい？」

「うん、、、わかった。」

「向きが悪いんかなぁ。」
　小百合は、一度陰茎を抜き去ると、対面で騎乗し、再び陰茎をくわえ込む。応輔は、小百合の顔をまじまじと見ていた。化粧気は風呂場で落としているが、左程かわらぬ肌つやの小百合を見つめている。垂れ下がるわけでもなく、下は向いているが程よい乳房のぶら下がりも同じ視界にいれ微笑んでいた。小百合はそれに気がつくと、顔を隠すように短い髪の毛を顔の前に重ね表情や、化粧気のなさを隠した。

「恥ずいし、応くん、見ない。」

「だって、見えちゃうし、、すっぴんも良いよね。」

「恥ずいって。」

「でも、エッチの時って、すっぴんだよね。普通。」

「うん、まぁ、でも、彼氏彼女のときなら、お風呂前に、ってこともあるよね。」

「ふーん。」

「あ、内緒だよ。」

「誰に？」

「、、、みんなに。」

「彼氏彼女の時は、風呂前にしてたって事を？」

「、、、うーん、全部。今のことも、、、全部。」

「わかってる。内緒。」

「ばれないよね、、、ね。」

「ばれないよ。」
　小百合は応輔の言葉を信用する。少し、粘性を感じ膣内の潤滑が進むとピストン運動をどちらからとなく再起動させる。ヌルヌルとした感触は、二人の生殖器を保護するように再び受精へのカウントダウンを始めていく。

　小百合は応輔の腰の突き上げを感じる。今までにはないくらい突き上げは激しい。小百合は自ら動くことなく、跳ね上げを喰らいながら両の乳房を揺らしていた。乳首は上下に動き、応輔は野苺の落下に備えるように口が半開きだった。小百合は跳ね上げを制御するように体を折、乳房を応輔の眼前に押し当てる。応輔は、小百合の意図をくみ、両の乳房の先っぽを転がし、舐め吸った。
　小百合は再び子宮が収縮をしているのか大きな悦の波が襲う。声にならない喘ぎを応輔の耳に被せる。意識して出た言葉か、何者かが言わせているのか、どちらとも捕らえようのない言葉を発してしまう。

「応くんっっっ、小百合はぁぁ、応くんのだよぉっぉぉぉ。」

　応輔は、その言葉を解釈できぬまま、五回目の射精を小百合の子宮口目がけて発射した。薄まった射精液は子宮口のドーナツ部分に浴びせかかり、薄まった中でも勢いのある遺伝子たちが我先に山内家の血を残そうと細き穴に潜り込んでいった。

　果てた応輔は息を整える間もなく、体を起し、繋がったままの小百合を仰向けにし、正常位で６回目の事を始めていた。応輔は、発射した感覚が薄いのか、射精後に感じる亀頭の敏感さがなく、小百合の潤滑したままの膣肉を味わっていく。ストロークは少し大きめで、亀頭が見えるくらいまで引き抜き、そして深く小百合を突き刺した。突き刺された小百合は、身悶えるように体をくねらせている。一つ休憩を挟む間もない応輔の体力に圧倒され始めている。

　応輔は、小百合の太股を押し開き膝裏を掴み体を押し当てるようにして深く深く挿入し、再びストロークを短めにしていた。ピストンの動きは早まり、小百合の嗚咽は小刻みに甲高くなる。小型犬のように、キャンキャンと小刻みに鳴く小百合。応輔は口を塞ぎにかかる。口で押えるのではなく、自分の指先を小百合の口元に添わせると、いやらしく舌でそれを咥えこみ、二本の指を口淫するように口内に含んでしまう。

　応輔は小百合の舌を指先で感じる。舐めあげている小百合はその間の喘ぎを忘れているようだった。応輔は擬似的に３Ｐで小百合を犯しているような錯覚を覚える。もう一人は誰なのか。シンクロしてしまったのは圭輔だった。圭輔が、咥えさせ、応輔が小百合を犯している。その想像は、応輔の脳髄を大きく刺激していた。ストロークは小刻みになり、強く陰茎を押し込み、合意のない荒々しい交わりのように小百合を犯している感覚に落ちた。

「あぁ、あぁぁぁ、、、、あんっ、だめぇ、お、お、応くぅぅぅんっ、、、いっ、、、いぃぃくぅぅぅ。」

　小百合は応輔の脳内変換を知らず、その責めで絶頂を迎えていた。圭輔と串刺しにされていることを義弟に想像されながら犯され、七回目の射精を膣壁に受け止めていた。


「はぁぁ、小百合さんっ、はぁぁ、はぁぁ、、、、。」

「、、、あぁ、あぁ、応くんっ、、、、。」
　小百合は息を調えながら、応輔の言葉を待った。八回目のことか、それとも、本質的なことか。言葉が発せられるまでには数秒間の間が開いた。

「エッチって、、、なんか、すごいね。」

「はぁ、すごいね。応くんっ。、、、ごめんね、初めてだったんだよね。」

「え、あ、うん。」

「もっと、若くて、大好きな女の子との方が、、、。」

　小百合の言葉を遮るように応輔は、自分の言葉で小百合に言い放った。

「いい、だって、、、俺、、、小百合さんのことが好きだし、、、、兄貴には悪いけど、、、、こうなりたかったし。」
　小百合はその後に出す言葉を失っていた。小百合は体を起し、陰茎を抜き去ると、応輔に抱きより、頭を撫でている。耳元で小百合は同じようなことを応輔に言った。

「小百合も、、、、応くんと、、、、こうなりたかった。」
　二人は、抱き合いながら全裸のまま布団をかぶり、生殖ではない繋がりを布団の中で睡魔が襲うまで続けていた。
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2015年10月17日掲載
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