レビレート はちみつ太郎 作
１６ 　背後から覆いかぶさり、腰を振り続ける応輔。小百合に促されバックからの挿入し、尻を鷲つかみながら腰を振る。小百合は首を下げ、喘ぐ声は薄くなりハァハァとした息使いを聞かせるだけだ。 「小百合さんっっっ、、、あぁ、でるっっっ。」 「はぁ、はぁ、はぁぁぁ。」 　応答も出来ず何度か頷いただけの小百合。応輔には届いたのか、暗黙のように射精は隔壁へとぶちまかれる。隔壁の隙間に精液が滲みいり、奥の容器へ吸い込まれるが、そこに宿る主に追い出されるように漂うだけであった。引き抜かれる発射管につられ、意味をなさない液体は、無用と烙印を押されソファーに染みを作る。 　応輔は、四つんばいで尻を浮かせた小百合の姿を暗がりに見つめる。淫裂は自分の大きさを映し出すように割れ、ピンクの肉色をした洞穴が口を開けたままだ。小百合はへたばるわけではなく、尻を上げたまま。応輔は、汚した膣裂を舌で舐めあげると足の隙間にもぐりこみ、汚れた肉の矛への洗浄を示唆した。 「あぁ、はぁぁ、応くんっ、、、はぁぁ、まだ、はぁぁ、立ってるし。」 「うん、まだ、したいかも、ってか、したいけど。」 「え、もう、０時過ぎてるよ。」 「うそ、あ、ほんと。」 「はぁはぁ、もたないよぉぉ。」 「明日は仕事？」 「うん、１０時出勤だけど、、、だから。」 「そろそろ、お開き？」 「だねぇ、、、、でも、お口できれいにする？」 「あ、うん。お願いしまっす。」 　応輔は、残りの時間をカウントする。母が帰るのは４時ごろ。父、兄はもう帰らないだろうと時間的に想像できた。四つんばいから、正座に変わる小百合。ソファーの形を応輔は既存に戻す。ソファーに尻をつけ小百合は床に降り、膝を床につき洗浄奉仕を始めていた。応輔は過敏になっている射精後の亀頭を舌で舐め上げられるたびに腰を浮かし、敏感さを口に出した。 「あ、あ、なんか、あぁ、で、でそぉぉ。」 　小百合は口を離さず応輔の残射精を待った。堪えきれたと思ったその後、薄く小便のような射精を口内に放たれる。小百合は眼を剥くが、怒ることもいさめることもなくそれを飲み込んだ。応輔は射精と違う感じに、小便を放ってしまったと小百合に詫びるが、小便のようには感じなかったと飲み込んだ後に答えた。 　きれいに舐め上げたその後、応輔は小百合を風呂場に誘う。小百合は、少し疲れたと別で入ることを願い出る。応輔は無理強いすることなく一人で風呂場に向かった。小百合は、部屋の空気を入れ替えるようにエアコンを切り、窓を開けた。カーテンがゆれ、山の香りが瞬く間に部屋の中の淫鬱な臭いを攪拌する。 　リセットされたわけではないが、空気の変わりが小百合を少し正気に戻していた。淫裂の周りをテッシュで拭う。陰唇より外、内腿まで二人の淫液が濡れ落ちている。拭い去ったテッシュは、ゴミ箱に入れず、コンビニの袋に他のごみと一緒に混ぜていた。隠滅された証拠物を厳重に縛り、目立たぬようにゴミ箱の奥底に押し込めた。ショーツを元に戻し、ハーフパンツも同じにする。応輔のシャワーの音は短く終わる。あがったよ、と合図を送ると、引き続き小百合が風呂場に消えた。 「小百合さん、離れにいくし。」 　小百合ははぁいと軽く返答し、汗と淫臭を流し落とす。応答とは違う心が彷徨った。このまま離れに行けば、次の流れも想像が容易い。小百合は湯と一緒に、先ほどまでの流れを排水口に流し込んだ。 　髪を濡らさず、体だけ湯を通す。ショーツは新しく穿き替え、シャツなどは同じもの。離れに足を向け、応輔にお休みだけを言うために向かった。 　ノックし、顔だけを応輔の部屋に入れる。「おやすみ。」と、だけ小百合が声を入れる。応輔は、少し寂しそうにこの後の楽しみを奪われたことに気がつく。「あ、おやすみ。」とだけ返すのが精一杯で、扉の奥に消えた小百合の顔をまぶたの裏で追いかけた。 　小一時間ほど経った、午前１時過ぎ、照明を少し落とした夫婦の部屋に、夢枕の男が立っていた。小百合は、圭輔の帰宅と勘違いする。暗闇に慣れ始めた目は、ぼんやりと顔の輪郭を露にした。 「小百合さん、おれ、寝れないんだ。横にいていい？」 「、え、でも、応くんっ、、、、あ、、ちょっと。」 　応輔は、薄手の掛け布団に潜り込む。小百合の体を弄ることはなく、胸の谷間に顔を埋めて静かにしていた。小百合は芽生え始めの母性を応輔に伝える。少しきつく抱きしめ、顔を押し付ける。尋ねることは少ないが、応輔の心配事を確かめた。 「、、、。」 　答えはでない。応輔にも、問いの準備は出来ていない。小百合は、問うことをやめ、応輔の背中を摩り続ける。２０分位たったころおもむろに応輔は問いを吐き出した。 「小百合さん、何で俺と？兄貴が嫌いなん？」 「、、、。」 　次は小百合が答えに苦しんだ。でも長くはなかった。 「嫌いじゃない、、、けど、、、、応くんの方が、好きになったっていうか、、、守ってあげたいっていうか、うん、答えはないんだけど、、、こう、なりたいって気持ちが、、、おさえられんくなった。」 「嫌いじゃないけど、、、できるもんなん、別の男とって、、、。」 「どうかな、応くんだからかもしれん。」 「え、身内なのに？」 「身内とかあんまり、、、関係ないかも、応くんのこと、好きになってるし、今は。」 「兄貴とは、どうするん、これから。」 「うん、わからんよう、だって、、、、わからん。どっちも好きじゃ、だめなんは良くわかってる。」 「、、、。」 「結論、って、急がなきゃだめかな。」 「俺は、正直言って、、、小百合さん、めっちゃ好きだよ。こうなったから、言ってるんじゃない。始めてみた時から、、、。」 「ありがと、結論って、、、もう少し先でも、いいよね。」 「あ、うん。」 「ばれないように、しなきゃ、、、だから。」 「うん、すこしすっきりしたし、、、、部屋に戻る。」 「うん、おやすみしよっ。」 　応輔は、小百合にキスを軽くする。布団から這い出し、小百合の寝姿に目配せをすると、小百合の手を振る姿を目に圭輔との部屋を立ち去った。小百合は、立ち去った応輔の残り香を嗅ぎながら、たどり着かない答えを想像しながら眠りに付こうと目を閉じている。体に宿った母性は、このときだけ母に安らぎをくれるよう淫性を連れ去ってくれていた。 　１月半の後の同じ布団、臭いは応輔ではなく圭輔の物だった。つわりに苦しむ小百合を介抱することに対応しきれない圭輔は、横で育児出産のサイトをスマホでスクロールさせていた。 　小百合はその明かりすらが気になっていた。圭輔に気づかれず寝返りをうち明かりから遠ざかる。圭輔は、サイトをみている途中に来たメールを開き、その内容を読んでいた。業務ではなく、蔵野からの催促のものだった。 　催促される内容は、小百合の写メだった。それも、盗撮まがいのものを要求している。遠ざければいいだけだった。蔵野は、したたかに圭輔の趣味嗜好を観察していた。浮気姿ではないが、皆といった青年部の旅行でのハメを外しすぎたこと、これをねたにしていた。温泉コンパニオンと部屋を布団を体をともにし、一夜を過ごしたあと、交わる様ではないが、布団の中で寝息をたてているコンパニオンとの様をスマホに納められていた。消すようになんども願うが、交換条件を金ではなく小百合の写メでと脅迫の度合いを下げていた。 　断ることも出来、何も無かったと、釈明をすればいいだけだが、圭輔には少し嗜好が邪魔をしていた。あられもない妻の姿を誰かに見られたい。綺麗なものを汚した自分を羨ましがられたいと。その邪まさが蔵野との関係を保たせていた。 　だが、妊娠を知り父として全てを守らねばと意気込みだけが嗜好の狭間に揺れている。蔵野にも、時間を乞うた。その時間を乞う 　方法は油を注ぐ。妻の妊娠を理由に、時間をくれと返信した。蔵野は、妊婦姿を拝みたいと、少し時間を置くことに賛同する。蔵野が言うには、妊娠８，９ヶ月臨月前に知り合いの写真館で妊婦ヌードを撮ることを促した。蔵野の意図は圭輔にも理解が出来た。その場で立ち会うか、影で、それを覗き見るか。おそらく、後者であることは間違いがなかった。 　時間的追い込まれを逃れるために圭輔はそれを承諾する。蔵野の返信は、年甲斐もなく絵文字で笑顔の文字が送られていた。少しため息をすると、小百合の方を向いた。小百合は圭輔のほうに寝返ると、圭輔の言葉を聞いた。 「予定日って？」 「来年の３月１０日、、、かな。」 「冬だね。」 「え、春前だよ。」 「あ、そうだ。」 　産まれ来る子のことより、圭輔は蔵野との交換条件を聞き入れることだけしか頭になくなっていた。
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2015年10月26日掲載
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