レビレート
はちみつ太郎 作
１９


　腰を軽く振り応輔は小百合の体の反りを目にしている。頭は軽くゆれ、背後から見る丸みを帯び始めた女体で妊娠を実感する。クチュクチュと音を立て続ける陰裂の入り口は、摩擦で熱を帯びたのか潤滑液は白く泡立ちクリーミーに精食器を保護していた。応輔は指で掬い匂いを嗅ぐ。酸味のある臭いが鼻をつく。どちらの刺激臭かはわからない。交わりの終わりには小百合が清掃のためゴムに覆われた陰茎や先ほど約束したアナル舐めも行う。その時に感想を聞くのもいいだろうと応輔は少し腰を早く振りはじめる。

「ああぁ、あぁ、応くんっっ、大きくなった？」

「ううん、成長しないよ。小百合さんが狭くなったって言うか、奥が浅い感じ。」

「あ、あぁ、あぁぁぁ、うん、そうかもぉぉ、あんっ、奥は怖いし、あ、あんまりぃぃぃ。」

「うん、赤ちゃんびっくりするから、浅めにする。あぁ、少し、出そうな感じ。」

「あぁ、ぁぁ、入り口もぉぉぉ、あんっ。」

「出そうで、でないぃぃ。」

「強く出来んから？ぁぁ、い、いいよ、強くしてもぉぉぉ。」

「じゃ、じゃ、少しだけぇぇぇ。」
　応輔は小百合を仰け反らせ、当たりを深くする。仰け反ったせいか、奥ゆきを深く感じることが出来ると応輔は絡まる淫肉との摩擦を多くする。小百合の腕を持ち、背骨をのけ反らせた小百合は、性感の昂ぶりを声に出した。

「あぁぁ、い、いくぅぅ。あんっ、、、、、、いぃっぃぃ。」

「あぁぁぁぁ、で、でるぅぅぅぅ。、、、、、ドクッドクッ。」
　仰け反りを多くした小百合は応輔の鼻頭に後頭部を感じさせた。小百合の少し頭皮の匂いを嗅ぎ、体勢を四つんばいにさせると軽めに覆いかぶさった。うなじ、首筋をなめ、頬にまで舌を廻すと、小百合は振り返るようにし応輔の舌を吸った。

「応くん、はぁ、気持ちよすぎた。」

「小百合さん、僕も、結構多く出た。綺麗に、、、。」

「してあげるよ。」
　抜き去った陰茎は、避妊具の先端に溜まる行き場のない精液をだらりとさせ、内外ともに二人の性食液で湿潤していた。小百合が振り向き、応輔の陰茎の前で四つんばいになる。根元のゴムを掴み、先端に溜まった敗残精を零さぬよう、剥ぎ取り、口を縛った。応輔の先端は敗残精が汚し、小百合は清めるように口に含む。応輔は射精後の敏感な亀頭を口に含まれ、精管に残るものたちも母体のタンパク源とされる。小百合はなんども舌で亀頭を拭い、睾丸に至るまでを舐めている。睾丸をなめ清めるとき応輔の望みを思い出す。

「応くん、お尻もして欲しいんだよね？」

「あ、約束。」

「したっけ？」

「したし、後でって。」

　小百合は、応輔の睾丸から舌を離すと、四つんばいを強要する。尻を向け、小百合の方に肛門を向ける。

「かなり、恥ずかしいね。」

「でしょ、さっき、すっごい恥ずかしかったんだからぁぁ。」

　応輔は、小百合とは違い胸をベッドに押し当て腰を高めにした。小百合はすこし前のめりで顔を横にしたりしながら応輔の尻の穴に顔を近づけ、舌を差し出した。直接触れたのは睾丸からで、這い上がるように蟻の戸渡りから、穴のしわが数えられるところまで近づいていく。周りから舐め始めると応輔の声が変わる。

「あ、あぁぁ。」

「気もちいんだぁ。」

「うん、あぁぁ、あぁぁ。」

「でしょぉ。」

「でしょぉって、小百合さんも？」

「うん、恥ずかしいのと、なんだか、気持ちいいのが合わさってぇ。」

「あ、わかるかもぉぉ。」

　小百合は舌をしわに合わせながら睾丸をコリコリとこねまわす。応輔は、顔を下に向け股間部分を覗くと、垂れ下がる尿道口からの残精液を気にした。

「あぁ、小百合さんっ、ち○ぽからこぼれそっ。」

「え、まだ出るの？」

「あ、零れそう。」

　小百合は指先で亀頭の先に触れる。湿潤したままの亀頭の先から残精液が滴るのを指で感じる。掬い取り、亀頭の乾燥の保護にそれを使うと、扱きながら肛門への舐めを合わせやる。

「あぁぁ、だめだぁぁ、小百合さぁぁぁんっ、もう、またぁぁ。、、、ビュビュ。」

　二度三度体がビクついた後、小百合は手のひらで射精液を受け止める。少量だが、数千万の子種を受け止めると、今は必要がないと言いたげに、テッシュでそれを拭った。

「溜まってる？もしかして？」

「いや、そうでも、だって、小百合さんとそんなに、、、。」

「出来ないから？たまってた？」

「じゃなくて、したいから、溜まっちゃう。」

「え、自分でとかって？」

「するけどぉ。」

「ＡＶとかで、ってする？」

「ま、まぁ、」

「私を、、、想像してとかって、自意識過剰？」

「え、いや、過剰でもない。するけど、記憶が薄くなるから、、、、。」

「そうかぁ、なんか、申しわけないなぁ。」

「でも、しかたがないよ。ホントはしちゃいけないっていうか、出来ないことだし。」

「いけないことでもないんじゃない。血は繋がってるわけでもないし。」

「だけど、、、。倫理的にってこと。」

「不倫になるのかな、これって。」

「不倫、だよね。定義があるかどうかわからんけど、不倫には違いない。」

　小百合は、扱いていた手を止めた。考えるわけでもないが、言葉を少しとめる。応輔も沈黙を始めた。小百合は、それを嫌い膝立ちの応輔に抱きついた。耳元で応輔に囁いたのは本音だった。

「もっと早く逢いたかった。１０年遅く生まれたかった。、、、違うところで、違う形で応輔と、、、、。」

　小百合は眼に涙を浮かべていた。応輔はそれを指で拭い、返答はせず短い小百合の髪を撫で続けている。小百合には言葉よりそうしてくれるだけで良かった。

　涙が零れきったそのとき、小百合の心と体、授かった赤子までが応輔と結ばれていた。



　雪の降る中、豊乃の店をでた圭輔と蔵野は、小百合の話しで行き詰まっていた。蔵野の欲する提案を告げたことは圭輔が伝えている。乗り気の蔵野は、知り合いのカメラマンに声を掛けていることを告げた。近場のカメラマンでは、小百合の素性がばれるため首都圏にいる人物に依頼したと話している。

　圭輔は乗り気ではなかった。仕方なく話を進めざるを得ない事柄が起きていたのだった。

「小百合アナに承諾はもらえないは、うちの紹介したクライアントは怒らせるはじゃ、、。」

「話しにならんってのはわかりますけど、出来ることとできないことって、あるじゃないですか。」

　蔵野は大きく憤慨しているわけではなく、絡むように圭輔へ小百合へのアプローチをこころみているようだった。蔵野は、マタニティーヌードの写真集を圭輔に手渡す。圭輔は、ページを開けられ垣間見えたマタニティーヌードの綺麗さに反論の言葉を消し去った。

「確かに綺麗だけど。」

「これ見せて、こころ変わりするって、小百合アナも。」

「え、まぁ、そうかもしれんですけど。」

「カメラマンから、オファーさせてみるか？正式にこられたら悪い気はしないだろ？」

　圭輔は、ページを開きながら好みの妊婦のページで開きを止める。

「お、これ、小百合アナに似てる、長身で細身。」

「そうですね、なんとなく、雰囲気が。」

　圭輔は蔵野に、もう少しの猶予を願う。これを見せ、カメラマンが撮りたがっている旨を伝えれば何とかなるのでは交渉に臨むことを約束していた。蔵野は、圭輔の肩を抱き、自宅への代行タクシーを呼び圭輔と同乗した。行き先は、山内家だった。

　車内での会話は、先ほどとは違い青年会の運営を話しこんでいた。運転手の手前、小百合との夜の話を聞くわけにもいかなかった。下車し、玄関で靴を脱ぐ。大きな時計が、２３時を知らせると、小百合の存在の無さに蔵野は落ち込むことなく、圭輔に夫婦の部屋へと案内をさせた。

　拒絶することなく、部屋へ入れると蔵野は深呼吸をしいない小百合の臭いを嗅ぎ分けた。

「小百合アナの匂い。、、、ここからだぁ。」
　タンスの部分は、あきらかに小百合の下着の納められた引き出しだった。

「ちょちょ、蔵野さん、だめだって。」

「いないんだろ、見る位、へらねえし、。」

「だけどぉ。」

「あ、圭輔、おまえ、中学の時、うちの女子高のねえちゃんのパンツ、、、、。」

「あれは、、、、、あれは、だって。」

「被ったよなぁ、臭いも嗅いだし、、、、レンタルも。」

「、、、、。」

「レンタルの延長も許しただろ、あん時、ばれかけたんだって、近くで起きた下着泥のせいにできたけど、洗濯機の隙間に落として誤魔化したんだぞ。」

「わかりましたよ、誰にでもあるような、思春期の内緒ごとを、、、、もぉ、。」

「ほぉぉぉ、ではでは、小百合アナの花園、じゃない。花園を隠してる、羽衣ぉぉぉ。」

　３度の交わりを終え、小百合が湯を浴び、新たなマタニティーショーツを穿いた時。小百合の浅めな股上のお気に入りショーツは蔵野の手に握られ、タンスの臭いに隠れている小百合の花園の臭いを嗅ぎ分けられていた。
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2015年11月4日掲載
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