レビレート
はちみつ太郎 作
２３


　乳頭へのマッサージを小百合に伝授し終え、少し冷えてきた体を温めるようバスローブを羽織った。ローブの前をしばるが、下腹部に関してはさらけ出していた。自然体の陰毛を処理するためミキは理髪店の剃刀を泡立てたクリームのそばに置く。クリームはあたたかくしてあり、乾いていたオイルまみれの肌に触れると潤いを感じさせてくれた。伸ばすようにクリームを陰毛に被せ、残りを陰唇周りにも塗りつける。小百合は再び陰裂に触れられる感触を肛門を締め上げ反応していいた。ミキはそれを見逃さず、クリームを肛門の周りのも指で伸ばしていった。

「え、そこ、も？」

「ううん、小百合さんのお尻の周りはきれいよ。生えてないから。つい、触っちゃった、力が入ったから、かわいいって。」

　小百合は前髪を触り、てれを隠している。ミキは陰裂に指を一度だけ這わすと、小百合の顔が赤らむのを見つめ、剃刀を持ち上げた。

「本当はね、専用の脱毛テープとかでするんだけど、今日は持ってこなかったから、予定外。」

「ですね。」
　形の表現が難しい雑然とした陰毛の生え方をミキが剃刀で形作っていく。ジョリジョリと削り取られるように陰毛は剃刀にくっつき、タオルにふき取られている。小さな鋏で、毛先を整えられ、短髪に刈り込まれると再び生えキワを剃刀でかたちどられていた。小百合には腹が邪魔をし、その形は見えていない。ミキは、恥丘の刈り込みを終えると、小百合の足間に潜り込むようにし、陰唇の皮膚を押し、まばらに生えている雑陰毛を削り取る。右左と処理するには時間はかからず、二度ほど往復すると陰唇の脇には粒々とした毛穴だけがあった。

「ピンク色とコントラストが最高かも。」
　ミキは、剃り上げた陰唇周りを強調するように人差し指と親指で閉じている小陰唇を押し広げた。ピンク色の膣肉は、陰唇周りの雑陰毛を排除したせいか、ミキの表現どおり鮮やかな色をしている。小百合は、再び前髪を整え、恥ずかしさを押し殺している。陰唇を拡げたままのミキの目に、ヨーグルト色した淫汁が滲んでくるとそれを掬い、小百合の方に見せ付けた。やめてくださいと言えず、指を遠ざけようと手首を押すと、ミキはその指先をぱくりと舐め、味わうようにし、感想を告げる。

「小百合さん、今日は旦那さんと一杯してください。私ができるのはここまでですから。」

　小百合は、ミキに照れた眼でそうしますと言うように頷いていた。ミキも頷き返し、陰唇を閉じるようにし、濡れタオルで残りの陰毛を拭い去った。そのあとミキは、小百合をシャワー室に案内をし、シャワーキャップを手渡す。小百合は、バスローブを手渡し、簡易シャワー室に消える。湯の音が聞こえ始めると、ミキは片づけを始める。剃刀についた陰毛とクリームにまみれた陰毛を洗面器に入れ水を流そうとしている。ミキは手を止め、一呼吸おくと、考えを思い出したかのように浮いている小百合の陰毛を指で掬い取る。背で感じるカメラからの視線に答えるようにそれをテッシュに包んだ。

　少し冷えた体。女芯は熱く火照りを忘れてはいない。表面の冷えを湯でごまかしながら、自然体から人工体へと変化させられた陰毛の部分を手で触る。感触は、刈り揃えられたグリーンの芝のようだ。手触りは硬く、皮膚までの近さを感じられた。摘むことがぎりぎりできるくらいで何かしらの形で整えられていた。姿身のないシャワー室では、上から覗き見るしかない。陰裂の脇にあった陰毛も取り払われ、先ほどミキに割られたように陰唇を割ってみる。ピンクの膣肉が顔を出し、指先で前庭を触る。滑りは湯で流されミキの言った男を受け入れる準備の名残は消えようとしている。が、内面に残った男を欲するものが小百合を呼び戻し、グリーンのような陰毛の丘を指で触ると、刈り込まれたものを見てもらいたいと欲してしまった。

　湯を流しきり、体の水分を拭い去る。脱衣所に体を出すとミキが新しいローブを手に近づいた。撮影のことに尋ねる小百合。バスローブを着たまま撮影することを伝える。ショーツは？小百合がそう言うと、ミキはブラックのＴバックショーツと、少しい大き目のブラを拡げて見せた。

「え、これを？」

「似合うと思う、絶対、身長のある小百合さんだもん、これ、一応、モニター料のなかにはいってるからそのまま穿いて帰ってもいいよ。」

「ほんとですか？」

「満更嫌じゃないでしょ。」

「え、はい、こういうの買う機会、ないし。」

「実は欲しかった。」

「うん、実は。」

「絶対、穿いて帰ったら、旦那さん飛びつくと思うし。」

「そ、そうかも、ですね。」
　小百合は渡されたＴバックショーツに足を通し、刈り揃えられた陰毛を隠すには十分の布地を恥丘に当てた。尻の食い込みは穿きなれていない分気にしているが、自由な軽さが気に入ってしまう。ワイヤーのない、緩めのブラは、少し重くなった乳房をたれさせていた。下から持ち上げるようにフィットさせ、ミキの感想を聞いた。

「すっごい、セクシー、小百合さんって、、、。」

「え、最後まで、いってくださいよ。」

「あ、うん、エロですよね。結構、エロい。」

「初めて言われる。」

「そういうところ、見せてないだけでしょ、旦那さんとかにも、マタニティショーツより絶対こっち、、、、穿いてきた奴、処分しておきます。」

「え、あ、、、、お願いします。」
　ミキは、少し躊躇した小百合の言葉を待たず、貴重品以外を入れている脱衣かごから小百合のショーツを取り上げる。小百合は、少し恥ずかしげにそれを見つめると別れを言うことなくミキに持ち去られていた。黒のＴショーツ姿の小百合は脱衣の姿見に半裸身が映る。流し目でそれを見つめる。確かにお腹まで隠れるショーツよりセクシーでいやらしさが伝わっていた。再び、その姿を見つめて欲しい、そして剥ぎ取って欲しいと女芯が欲していた。

　ローブを纏い、暗がりに照明の光がまぶしいスタジオに足を向ける。ＭＩＲＵＫＯが、手招きをし、小百合はミキの後をついていく。茶色のバスローブはショート丈で、ＭＩＲＵＫＯはその姿を下から上へと舐めるようになんども見回している。最終的には、小百合に回転するように促し、後姿も見せるよう言った。

「はぁ、惚れるよね。こんな、女性。わたしも、惚れられたいわぁぁ。」
　ＭＩＲＵＫＯは、スナップ用のカメラのシャッターを小百合の姿態にあわせて切り続けている。連射で何枚も取られ収められていく小百合。恥ずかしさが、足をもじもじさせ、おぼつかないポーズはとることも出来ていない。

「小百合さん、今日はいいの、綺麗に見せなくても、素でいきましょ、本番じゃないんだし。リラックス、で。」

　小百合はＭＩＲＵＫＯの調子に合わせ、素のままでいた。ミキとの会話の様子、機材を触り問いかける様子、渡されたハーブティーを飲み干す様子。素の状態を取り収めていった。何枚か、デジタルカメラの画像を画面で見ている小百合。素の表情を捉えているＭＩＲＵＫＯに喜びを伝えた。宣材写真をお願いしたり、冗談めかしてお葬式用の写真もＭＩＲＵＫＯに撮らせていた。

「小百合さん、ローブ、少しはだけて、肩を出してみて、、、、そう、そう。」

　小百合は抵抗なくＭＩＲＵＫＯの提案に従う。バスローブの肩口を緩め、ミキに装着を促された黒のブラストラップを肩口に覗かせた。

「谷間作れるかなぁ、、、うん、そんな感じ、ＯＫ。」
　肩口を外し、少し前かがみにし張った乳房をあわせブラをチラつかせるように谷間を作り出す。肘の部分で下乳を押し当て、盛り上げるように見せていると、ＭＩＲＵＫＯが次のポーズを指示した。

「バスローブ、肩抜いてみる？、、、うん、黒のブラ、すごいあってるし、肌白いし、鎖骨とのバランス最高。」
　小百合は、演じるように肩を抜き、その姿も撮られていた。お腹の上で、バスローブを残し、腹から上をブラのみでＭＩＲＵＫＯに対峙する。近づき接写したり、遠目から小百合を撮りつづける。背後に周り、短めのバスローブを下から角度を付けて見上げて撮り始めた頃には、小百合は指示されることなく、それらしいポーズや、しゃがんだりアクセントをつけていた。

「小百合さん、キレイ、ローカルアナなんてもったいないし、、ごめんね、バカにしてるわけじゃない。」

「ありがとうございます、なんか、乗せられてる。」

「乗っかっていいのよぉぉ、、、さ、うえ、脱いじゃいなさいよぉぉ。」
　さすがに小百合は戸惑い、バスローブを解く前に傍らにいたミキに助け舟を視線で送る。ミキは、ガッツポーズだけで応答する。小百合は、しかたなしにというより、満更でもなく、ローブの紐を解いてしまう。

「小百合さんから、小百合になっちゃってぇぇ。」

　茶色のバスローブは、足元に落ち、すぐさまミキが手にとって拾う。小百合は、黒のＴショーツが恥ずかしく撮影用のデザインチェアにすばやく腰掛ける。足を抱えるようにＭＩＲＵＫＯは注文し、丸まった感じにファインダーに収まると、穿いていたショーツは見えなくなり、擬似的なヌードを収められていた。

「黒のＴ、すごくいい、、、椅子の背に手をつけれる？、、、こっちにお尻を向けて。」
　小百合はさすがに戸惑う。ＭＩＲＵＫＯは、カメラから手を離し、小百合に近寄り、手取り足取り、ポージングを指導する。腰のくねり、突き上げ、ショーツの喰いこませ方、顔の向き、髪のかきあげ、細部に至るまで指示をする。小百合は、恥ずかしさを越えた、高揚感が宿っていると感じ、以後、ＭＩＲＵＫＯの指示に従っていた。

　椅子から手を離し、お腹の下がりを感じさせるように四つんばいにさせると、ＭＩＲＵＫＯが小百合のショーツに手をかける。

「ルーズにしてみない？Ｔショーツ、、、、大丈夫、見えないようにするから。」
　食い込み気味のショーツを腰から少しずらし浮き上がるようにし、四つんばいでカメラを見つめさせる。小百合の位置はそのままで、ＭＩＲＵＫＯが撮影ポジションを変えていく。

「小百合、お尻に力入れない、大事なところは写ってないから、心配しない、リラックスよぉぉぉ。」

　小百合は恥ずかしさを隠すいつもの仕草をした。前髪で隠し切れない顔を隠した風にしてれを隠す。ＭＩＲＵＫＯはその表情も写しとり、舌を出す愛くるしい表情も収め続けていく。切れ目無くシャッターは切られ、データーはメモリーに蓄積されていた。四つんばいから膝立ちにポーズ変更させるとルーズなままのＴショーツが尻の谷間からズレ落ちそうになる。小百合がそれを直すさまもＭＩＲＵＫＯは撮り続けていく。食い込み気味に直し、腰をまっすぐにする。横から見たＭＩＲＵＫＯが腹の突き出しと、もう一つ注文をつける。

「ブラ、取ってみない？手ブラでおっぱい隠してさぁぁ、ね、。」
　小百合はテレながらミキを見つめた。有無を言う前にミキは近づきアシスタントのようにブラホックを弾き飛ばす。肩からストラップを抜き取ると、抱えるように乳房を押さえ、腕を交差するようにし乳頭を隠した。ＭＩＲＵＫＯはそれを外せとはいわない。横から、下からと身動きできない小百合を角度を変えながら撮影を続ける。

「乳首だけ、手のひらで隠してみない？、、、うん、そんな感じ。」
　小百合は腕をそろりと緩め、ＭＩＲＵＫＯの促すとおり黒ずんだ乳頭を手のひらで隠す。間を見るように下を向いた小百合は、少しはみ出した乳首を慌てて隠す。眉を上げ、あわてた表情もＭＩＲＵＫＯには逃すこと無い被写体であった。

「いいわぁ、楽しい時間。あっというまねぇ、じゃ、ここら辺でおひらきにしましょ。」

　ＭＩＲＵＫＯは、小百合に近づき、半裸の小百合にハグをした。小百合は、隠すことなく乳頭をさらけ出し、ＭＩＲＵＫＯのハグを受け止めた。体が離れると、腕を交差し黒ずみを隠し、ミキにブラを渡され、振り向き視界から隠すように装着していた。ＭＩＲＵＫＯはミキともハグをし、なんらかの言葉を掛けていた。小百合には聞こえないが、社交辞令的な終わりの言葉だったのだろうと聞き流す。

　ＭＩＲＵＫＯもミキも少し片づけがあると、小百合を着替えの更衣室に連れて行く。小百合は、時計を確認すると、２０時を回ったところだった。更衣室でＴショーツ、黒ブラの姿を姿見で見つめる。鏡の向こうに声をかける。

「応くん、喜ぶかな。」
　小百合は、服を着替え、貴重品入れのロッカーを解錠する。スマホには、圭輔からの連絡があった。帰宅時間を尋ねるメールだけだった。小百合は、カメラマンとの経緯を伝えることなく、ＭＩＲＵＫＯらと食事に行くことを伝えた。

　瞬く間に、返信はあるが「気をつけて」の一言しか添えられていない。小百合は、少しいらだち、返信をせず応輔へ連絡した。『応くん、アパートですか？お邪魔してもいい？見せたいものがあるから。』そう、送信すると、２分とかからず返信を受信した。

『今、アパートだけど、２２時には出かけます。それまでなら、いいですよ。見せたいものが気になるけど。』

『じゃ、２１時までには、行きますね。』

『了承です。』
　小百合は、着てきた服に着替えると、片づけを続けるＭＩＲＵＫＯらの元に近づく。ＭＩＲＵＫＯは、次の本番の日を決めるよう言うが、圭輔との兼ね合いもあるからと後ほどの連絡とした。ＭＩＲＵＫＯは、出産２週前くらいにスタジオを借りて別の撮影があることを伝えると、小百合はその辺りで調整すると返事し、予定表に打ち込んでいた。

　ミキとＭＩＲＵＫＯが小百合をスタジオのエレベーターまで見送ると、扉を閉じるの待っていた男を呼んだ。

「蔵さん、お土産多数よ。一品一品、結構な価値だから、ミキにお手当て３倍くらいにしてあげてよ。」

「あぁ、お土産は？」
　ミキは、小百合の温もりは消えたが、しっかりと淫汁と小便の染みがついているマタニティーショーツを手渡した。裏地はみせぬまま包まったそれを手渡される。蔵野は鼻にこすり付けたい衝動を抑えながら、見つめていた。感想は述べたくてしかたがないが、ミキへの手前、それは抑える事にした。

「もう一つありますよぉぉ。」

「もしかして、剃ったまん毛？」

「そのとぉぉぉりぃぃぃぃぃ。」
　剃り上げた後、水に晒し、クリームを取り去った小百合の陰毛。テッシュに包み、包みを広げると、直毛に近い長めの陰毛が何本となく横たわっている。中には、反り繰り返り、小百合らしからぬ陰毛もあった。

「まじかぁぁ、ＭＩＲＵＫＯ、４倍ださないと、、、、だね、お姉さん。」

「４倍ですかぁ、、いいですね、ってか、小百合さん、すごいエッチなんですよ。今晩、絶対おま○こタイムですよ。」

「え、まじか、いいな、圭輔の奴。」

「だって、マッサージ中、二回は往ってるし、指だけですよ。指だけで。足の指、ピィンってなったときの我慢する顔のかわいいことっ。」

「エッチ、したくてたまらないのよね、多分。」
　蔵野は、興奮を抑えることができず、精算前だがミキからの土産を受け取り、金の支度をするからと一度退席した。ＭＩＲＵＫＯとミキは、顔をあわせながら、陰口を叩く。

「動画とっておけば、お給金要らないくらいのお金が手に入ったかも。蔵さん、イカ臭くなって戻ってくるはね。漁協のＡＴＭかしら、フフフフフフッ。」
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2015年11月14日掲載
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