レビレート
はちみつ太郎 作
２７

　夏と秋が同時に過ぎたように小百合は感じた。

　８ヶ月になる愛娘は、離乳食の準備を始めていた。口元におかゆをこぼしながらだが、笑顔で咀嚼し、母の差し出すスプーンを奪おうとしていた。手のかかることは無く、全てが順調に育っていた。

　新しい生と同時に古い生は消えていった。孫が生まれて二ヶ月の頃、一家の主豪輔は他界した。心筋梗塞を発症し、帰らぬ人となっていた。山内家の跡は圭輔に委ねられる。が、主導するのは豊乃の力関係が上であると周りの皆が暗黙で了解している。銀行、取引先もうかがうのは豊乃の顔色だけで、圭輔にはお世辞ぐらいしか伝わることは無い。

　小百合は、圭輔の言動が気がかりになっている。豊乃の悪口を、４９日が終わった頃から呟き始めている。それまで、面だって豊乃との関係は後妻と先妻の息子という関係ながらドライにしていた。

　一つの事柄すら圭輔には権限がなく、不満を漏らすと、夏ごろに与えられたのは形ばかりのファストフード店のＦＣを取りまとめる会社の社長就任だけだった。実質的な仕事は一切無く、業務部長が差配し、判を押す役割だけだった。

　やりがいの無い仕事に辟易し、豊乃と顔を合わせることを避けるためか、出張という名ばかりの家出を繰り返していた。小百合は、圭輔の気持ちはある程度理解が出来ていた。豊乃に仕事を奪われやる気のうせていることは承知し、プチ家出に関しても特段の不平を言うことはやめている。

　豊乃の圭輔排斥には、銀行及び取引先、幹部従業員なども味方している向きがある。数人の若い圭輔付きの社員も、役職などの昇任を告げられると簡単に反目した。

　小百合に対する豊乃の感情は変わることがなく、今までどおりの関係が続いていた。小百合は、圭輔の手前豊乃を批判したいが、負い目のある自分はあからさまな行動には出れないでいた。

　そこに圭輔の不満が爆発する。

「小百合、どっちの味方だよ。」

「どっちのって、どっちも味方じゃない。」

「あの人の肩も持つってことか？」

「肩を持つとか持たないとかじゃなくて、話し合う余地とかってないの？」

「ないね、みんなで俺を排斥してる。影で、銀行連中は三流大出のボンって。」

「お母さんも、いきなりお父さんがいなくなったから、必死に守ろうとしてるんじゃない。」

「そうかな、そうは見えないんだ。」

「私は、中身を知らないし、言える立場でもないし。」

「なんで、長男の嫁だろ。」

「でも、、、。」

　圭輔は埒が明かないと、ふてるように玄関に向いて歩き出す。

「ちょっと、頭冷やしてくる。」

　小百合は眠り掛けの娘を抱いたまま見送ることしか出来ない。どこにいくとも言わず、何をするとも言わず。車のエンジン音が遠ざかると、小百合は玄関のほうに尻を向け、ため息をつきながら娘を布団の上に寝かせつけた。半開きに開いた口元からは涎がたれ、指で拭い取る。トントンと胸をあやし、眠りに着いた娘の顔を見ながら１人寝の夜を小百合は迎えた。


　仰向けに寝息を立て始めた娘の顔から自分の顔を背けさせる。背を丸め、くの字に体を曲げると、小百合の指は緩めのスウェットのゴムにかかる。布団の中で脱ぎ去り足元から遠ざけると、布団から７分のスウェットははみ出した。圭輔の苛立ちを忘れたい小百合は指先をショーツに滑らせ、アイボリーカラーのショーツの上から陰裂の割れ目を探った。陰唇は自ら指先を認知したのか、左右に広げられていて、ショーツの上からでも湿りを感じていた。小百合はなんどもその筋を行き来させ、アイボリーショーツに滑りを覚えさせる。

　くの字の体勢を変え仰向けの小百合はショーツを脱ぐことなくビキニラインをさぐり、そのまま越境する。ビキニラインの内側も自国の領土ではあるが、侵犯する指先は内部蜂起したように領土を陵辱する。中指の腹でヌメル膣前庭を弄り、陰裂の窪みに指を沈ませていく。中指は内部に侵入し膣肉の組織を確かめるように潜り込んだ。Ｇのポイントを指先でまさぐると寝息を立てる子を起さぬように口を真一文字にし、漏れを止めた。

　腹の奥に溜まり始める性欲の塊は、膨張し、熱を帯びている。指先に伝わる温かさは、液体化した淫液を冷ますことなく潤滑を促進させる。腹の奥の性のマグマが溶融し、小百合の蜂起した指先を絡めとリ、反乱を抑えさせていく。抑制され始めた指先は、一度Ｇのポイントから離れ、外部に存在する組織の中枢を襲う。保護されているはずの中枢は、左右に開かれた陰唇同様に無防備に晒されている。

　蜂起した指は犯した領土の防衛線を外しにかかる。ショーツのゴムに濡れていない左指をあて、器用に脱ぎ去ると、Ｍ字に開脚し布団もこんもりと盛り上がらせた。撮影以来、繁茂はミキにされたように芝生のように刈られているので抜け落ちる心配は薄い。
　中指は恥丘から性感中枢の淫豆に触れ、勃起したそれを右へ左へと転がしていた。微かに漏れる喘ぎは、娘の子守唄のようには聞こえない。スタッカートのように刻まれた小百合の喘ぎが、娘の睡魔を誘うことは無い。少し目覚めてぐずる娘を、濡れていないほうの手でトントンとあやし、再び眠りに落ちるのを待った。

　２分ほどで眠りに落ちた娘を再び背にし、くの字に折れた体で慰めるように指先を潜らせる。体と同じく指先もくの字に折り、Ｇスポットを撫でる。呼吸は荒くなり、布団の外に息継ぐように呼吸を入れ替える。ヌルヌルした指先は、布団にも付着しただろうが気にすることなく、指先を動かし、溜まったマグマを溶融させる。

　Ｇスポットからくの字の指を伸ばし、奥行きの限界までしなやかに指を飲み込ませる。奥の壁は、小百合の指を弾き飛ばすように立ちふさがり、その壁の奥の欲するものを要求している。

　小百合は応輔の名を心の中で唱える。応輔の精を欲するように望み、壁の入り口を弄ると、マグマの溶解が進み手のひらまでその濡れが伝わっていた。小百合は声に出すことを恐れ、体内で叫びを変換すると、くの字の体はビクビクと痙攣し、果てるように体を仰け反らせていた。指先はその都度抜かれるが、呼び戻されるように出入りを繰り返す。

「ヌチョヌチョヌチョ、、、、はぁ、ぁぁぁぁ、、、い、いくぅぅっ。」

　６回くらい指先が種を待ちわびる壺に触れたとき、小百合は小さく女の絶頂を伝えた。布団を跳ね除け下半身裸の小百合は、往き果てたように大の字になると、息を調え、娘の寝顔を確認した。寝息を立てる娘の横で、再び布団を被ると、大の字のまま陰裂の濡れを確かめ再び指先を潜らせルーティーンを始めた。

　敷布団の薄さからか背中に圧迫感を感じ、小百合は二度目の侵犯を四つんばいの形で始めた。布団の中で左肘と両膝の三点で支え、右手は遊撃手のように下から滑りを求めていく。素直に割れている陰唇を指先は、磔のように押し広げ、布団の中の空気に触れさせる。乾くことは無いその粘性は、小百合の指先を覆い、一体化するように膣肉に喰らわせた。奥に届かなくなった指先は、先般犯していたＧスポットを責め立て、粒々の質感を指の腹に感じさせる。

　裏返させるように指先は食い込み、前庭裏の空洞を大きくさせていく。膣道が数ヶ月前産道となったことを思い出したかのように大きく空間を作ると、粘膜が放屁をあげる。

「プピィィ。」

　何度か指先を行き来させると、

「プププピィ。」

　放屁を思わせる音を奏でていた。小百合は、恥ずかしさを感じるが聞かれた娘は寝息を立てている。その後も、膣放屁を繰り返しながら指先を膣道の開削に従事させる。

　支えていた左手が疲れるが、濡れた指先を敷布団に触れさせることを躊躇わせると、胸元で体を支え、両膝を折ると尻の部分だけが浮き、尺取虫のような姿勢でオナニーを続けた。こぶし一つ分足を開き指先の通りを作る。指先の動きを封じ込めるように太股で自分の手を抑制したりするが、マグマの溶融に勝てることなく、足はまた開き気味になり、二度目の抑制の効いた往き声を奏でてしまう。

「あんんっっ、、、ま、また、いぃぃ、、、あんっ。」

　小百合は動かぬまま四つんばいの尻を震わせ、マグマ溶融の余韻を感じている。布団の隙間から見つめる寝顔の娘に詫びることなく、三度目のオナニーのためショーツを穿き直し、風呂場に小百合は向かった。

　指先の濡れをシャワーで落とし、芝生のような繁茂にもシャワーヘッドを近づける。流勢を強くし陰裂に勢いを当てると、弾くように陰唇を叩き、滑りを落とすように膣前庭を洗い流す。

　水の勢いのほうがやはり勝ったのか、入り口付近の粘性はなくなり、確かめるように小百合は指先を当てるが、中に潜り込ませることはしなかった。

　淫豆に水流を当てるが痛さのほうが勝つとシャワーヘッドを足間から外し、肩口から胸元に湯を当てた。乳の張りは無いが、乳腺の詰まりを気にするように乳首をつまみ、飲み残しの母乳を放出した。滲み出るように乳首の周りに零れ、粒となった瞬間にシャワーの湯により流されてしまう。搾り出しても出なくなると、その作業をやめ、シャワーの湯も体の温もりとともに止めた。

　湯の滴を拭い去り、ショーツとブラを新しいものに着替える。黒の上下、ミキからもらった物だ。Ｔショーツを尻に喰いこませ、鏡に姿をあわせる。妊娠時の乳の張りと違うためか、少し緩めのカップから、前かがみにすると子に吸われ肥大化した乳首がころりと転んだように顔を見せてしまう。

「乳首見えちゃうし、もう、着れないかも、次の子の時までお預けかなぁ。」

　そういうと小百合は、プチ家での圭輔の顔ではなく、数ヶ月交わりのない応輔の顔を思い出していた。
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2015年11月23日掲載
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