Ｒｅｓｅｔ 　『SM stories on the desk』eConomy 作
No.2 　理沙はタバコの煙を煙突の様に昇らせる男を引き止める方法。 　剛志は、・・・、何を考えたのか。自分でも良くわからない。 　3〜500万など惜しくはない。これ以上、深入りはゴメンだ。　 　ただ、華奢な身体に小さな可愛い顔、長い黒髪の女を邪魔とは感じていなかった。 　ぼんやりと考えたのは、そんな類のこと。 　 　いつでも、この身体が後腐れなく「使えたら。」 　 　例えば、仕事に行き詰まりを感じた時、些細なバグが見つかった時、彼特有の憂鬱感に襲われた時。 　それは、妻でなく、情婦でもなく、ある意味、娼婦かもしれない。彼のためだけの娼婦。 　1週間は、理沙との駆け引きの時間となった。 　剛志は、その駆け引きを楽しんでいる。 　理沙が剛志を愛していたかは、疑ってかからなければいけない。 　その背景、地位と金を望んだ。それは確かだが、その事自体が悪い事と言えるはずはない。 　それを無理やり奪おうとした訳でもない。 　 　理沙は過去と比較し、最善を得ようとした。ただ、それだけの事。 　理沙は剛志を選んだ。男にも女にもある感情である。 　剛志は、楽しんでいた。 　理沙の「方法」は彼が作るゲームよりずっと単純なものである。 　時間によるタイムオーバーもあれば、いくつかの「テクニック」もあった。 　理沙のプログラミングは、女を前提とした男を引き止めるパズル。 　理沙はどういう風に自分を提供し抱かれるか、それ以外の方法がない。 　剛志を知っただけ、剛志に気に入られる方法は限られていた。 　理沙は馬鹿ではない。諦めることも考えた。そして、自分に不利な「ゲーム」であることさえもわかっている。 （なら、楽しもう。）も、理沙の頭を過ぎったが、結局は男にしがみ付く行動を取ることになっていく。 　彼女は剛志を知りすぎてしまったため、彼が理沙に望む事がわかってしまっていた。 　理沙は彼女なりに考え、このゲームオーバーを引き伸ばすために、彼の「娼婦」になろうとする。 　裸の「娼婦」は、真昼間にもかかわらず、足を大きく拡げ、ヴァギナを自分の指で引き裂く。 　舌で唇を舐め回しながら、テーブル椅子に座る男に声をかけた。 「ねぇ、剛志さん。こっちにいらして。」 　昨日も同様な場面があった。（昨日は抱いたが、さて・・・。） 　剛志が理沙のいるベッドに近づく。右手には新聞を持っていた。 「女のオナニーをご覧になったことあります？」 　 （はっ、はっ、可愛いもんだ。色々と後5日は楽しめるな。） 　剛志は苦笑しながら答える。 「ないよ。見せてくれ。」 　 　理沙が仰向けに転がると、豊かな髪がベッドに舞った。 　足の付け根が、男の方向になり、左手が小ぶりな乳房を揉み始めた。 　 　右手の3本の指が自分のヴァギナを弄ぶ。中指のみが見え隠れし、後の2本はその光景を男の目に詳しくする役目を果たしている。 「アァ〜。」 　小ぶりの顔の煽情的な赤いルージュから、牡を誘う牝のため息が聞こえてくる。 　剛志は椅子を持ってきて、ベッドの側に座った。 「イクまで続けろ。」 　それを見る事が始めてである事は嘘ではない。 「アァ〜、イィ〜、ミテイマスカ。・・アァ〜。」 「あぁ、見てる。いい顔だ。そして、淫らな。」
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『SM stories on the desk』
2016年3月26日掲載
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