Ｒｅｓｅｔ 　『SM stories on the desk』eConomy 作
No.4 　 ゲームの進行と共にいくつもの選択肢が出る。 　理沙は常に「過激な結果」でなるだろうと思われる方をディスプレイから選択した。 　ヒロインは椅子に拘束され、２つのバイブが女陰とアナルに突き刺さり、それが薄い肉壁のみで共鳴した際、奴隷の宣誓をさせられる。 　別のヒロインは、跪き、男根に舌を走らせ、喉の刺激で男を射精させた後、小便まで精液まみれの口に注がれる。 　 　３人目のヒロインは、尻に焼印をされ、犬の様に飼われている。その後、肘から下を切断する、しないの選択が出た。 　躊躇無く、理沙は切断を選択した。 　その後、黒いシルエットで首輪のリードと乳房のみが強調された手足を失った女らしきものが映され、その話が終わった。 　剛志は、理沙のゲーム進行を黙って見ていたが、最後の話にカタが付いた時、聞いた。 「なるほど。男の願望・妄想には色々とあるものだ。これは、一応それに合わせて作られているとし、理沙、お前は全部、その「男」の偏った願望の方を選択したが、どういう意味だ。」 「それは、お好きに取って下さい。」 「お好きにねぇ。私が、お前に今のシーンの全てを行って良いと、取っても良いのか。」 「それも、お好きに。」 　剛志はしばらく考え込んでいたが、ついに言った。 「それなら、そう取る。理沙、しばらく、ここにいてもいいぞ。今まで通りの生活は保障する。・・しかし、手足を失ったらなぁ。」 　理沙は、取りあえずの目的を果たした。・・・時間を得た。 　剛志と理沙の時間は、既に「日常」に戻っていた。 　剛志は会社の方が忙しい。 　一方、理沙は生活の糧以上のものが得られる剛志の生活に入りこんだ。 　 　剛志のSEXは今までと変わらない。 　理沙は、夜、部屋を留守にできないためコンパニオンの仕事を休んでいる。 　まるで望みがかなったかのように専業主婦の生活となった。 　一つだけ剛志に求められている。 「君からいつも求めろ。大胆でも、清楚でも良い。つまり、私を欲情させる、それが君が常に考えることだ。」 　理沙に苦痛なことではない。1カ月の予定が延長されているだけだった。 　金はいくらでもある。黒の透けたネグリジェ、バイブレータ、自分を痛めつけるための幾つかの道具。 　白のウェデングドレスのようなものを着、剛志を誘った夜は、彼は少し嫌な顔をしたが、その後、何度も犯されるように抱かれた。 　 　自ら行う、剛志のためのオナニーは、器具が使用され、縄が利用され始め、自らを拘束することで、「哀願」が求められた。 　剛志は、「アラビアンナイト」を過ごせばよかった。 　何もかもが、男のために行われる女の媚、そして経済を失った生きる術。 　時間の経過は、男と女の気持ちを同色にさせようとする優しさを有していない。 　特に、剛志と理沙は「今より」を多く望んでいる二人であった。 　しかし、剛志には、「今より」が明確になっていき、理沙には不明確となって行った。 （結婚が目標のはずだった。でも、結婚したとしても今と何が変わるというの。私はこの人が作るゲームのように、リセットを押されたら消えてしまう。）
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『SM stories on the desk』
2017年8月19日掲載
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