処女有美　蹂躙 露稟 作
優斗の場合 　部屋には、もちろん浩之はいなかった。 　部屋に入ると、彼らは珍しそうに部屋中を見て回った。 『やっぱり子供なんだ』と思いながら、テーブルの側に立ち、彼らの行動を見ていた。 　突然、優斗の声がした。 「有美。来な！」 　声の方を見ると、悠斗がベッドに腰掛けていた。 「・・・・」 　黙って立っていると、勇次が後ろから「行きな！」と有美の背中を押した。 　勇次に後ろから肩を掴まれ、悠斗の前に連れて行かれた。 　悠斗がベッドに腰掛けたまま、ニヤニヤとしていた。 　気づくと、真二がデジカメを、清人がビデオカメラを構えていた。 「座りな！」 「・・・・」 「ほら、座りな」勇次に押され悠斗の横に座らされた。 　すかさず悠斗が肩を抱いてきた。 　悠斗は、有美の耳元に顔を寄せると言った。 「有美。初体験しような。」 「・・・・」 　ゾーッと体が震えた。 　まさかと思った。 　みんなの顔が笑っていた。 　初めて、彼らの目的を悟った。 　逃げたかった。しかし恐怖で体が動かなかった。 　悠斗は、逃げ腰の有美の肩を強く抱いて言う。 「有美。彼氏のベッドの上で、初体験させてやるからな」 「・・・・」 「ほら、この写真彼氏だろ。浩之って言うんだろ」 　悠斗はベッドの枕元にあったフォトフレームを手に取って言った。 　それは、半年前、二人が付き合うきっかけになった社員旅行で撮ったツーショットの写真だった。 　浩之がその写真をベッドの枕元に飾っているのは知っていた。 　有美が『こんなところに置いとくの恥ずかしいよ』って言ったら、浩之は『記念だから』と、片づけようとしなかった。いつも有美の言いなりの浩之が、有美の言うことを聞かなかった数少ない出来事だった。それでも有美は、少し嬉しい気がしていた。 　その写真を今、悠斗に見られている。 「浩之って意外と童顔だよな」 　悠斗は『浩之』と呼び捨てにした。 「浩之が見てる前で、初体験させてやるよ」 　有美は首を振った。 『浩之の写真の前で』という意味だろうが、有美には恐怖の言葉に聞こえた。 「こいつらが、有美の初体験、写してやるってさ」 「おお、彼氏のベットで初体験してるところ、バッチリ撮ってやるからな」 　どこに持っていたのか、勇次がカメラを構えながら言った。 　そして、フラッシュが光った。 　真二のカメラも光った。 　清人のビデオも回っているようだった。 「ほら有美。もう逃げれないぞ。わかるだろ。」 　悠斗が肩を強く抱いてくる。 　有美は首を振りイヤイヤをする。 「今の写真、浩之に見せてやろうか。何んで自分のベッドの上で有美が知らない男といるのか、不思議がるだろうな」
【優斗の場合8】/【優斗の場合10】
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2017年3月18日掲載
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