調教師集団　七
ＳＭ嬢に堕ちたＩＴコンサルタントの女
『ＳａｄｏのＳＭ小説姦女真紅』鬼蔵（Ｓａｄｏ） 作

　松尾円香の引越しから全て宇佐美の事務所の関係者が行った。
　所持金が殆どないので住んでいたマンションの後始末も宇佐美の事務所が処理した。
　八千万の消費金銭貸借証書と引き換えに館山弁護士の和解書が渡されて差し押さえられた預金が返された。 　与えられた伊佐沼タウンの部屋は思ったより格段に美室であった。下層階のコンパニオンの母子寮である。
　松尾円香から当面の危機は去った。だがその日から新たな地獄が始まった。
　
　撮影を終えた松尾円香は医師の診断と処置を受けた。最初から打ち合わせて行われた撮影である。
　処置を受けて痛み止めが投与されるまで松尾円香は全身の蚯蚓腫れに苦しみぬいた。
　調教師集団の一員で伊佐沼タウンに隣接した病院に勤務する葛和医師である。
　一晩入院させられ完全に皮膚が綺麗になるまで確認をする。次の撮影も出来なくてはならない。大切な商品である。
　
　松尾円香は自分のＡＶを見て驚愕した。
　自分の恥ずかしい部分があまりにも鮮明に描写されている。自分で見たことのない膣の内壁までアップで拡大されている。
　そこは自らの躰から湧き出た女の液で濡れて女の性の奥まで曝け出されて羞恥極まりない。
　気が遠くなるような恥ずかしさにくらくらする。
　剃毛されるシーンは恥ずかしさの極致である。皮膚の毛穴まで鮮明に映されている。
　それがサンプルにまで恥ずかしい部分が大方拾われてしまっている。
　数秒だが失禁して漏らしてしまう場面がある。これまでアップでサンプルに編集されてしまった。
　しかも緊縛師の指で女の部分を広げられ尿道口の小さな亀裂から出るところが鮮明である。
　悲鳴と涙が同時に出る。
　これをたくさんの人にずっと見続けられる。買わない人にもサンプルで自分の恥ずかしい部分を見られてしまう。
　人格を完全に殺されたその現実に直面したのである。
　既にこれがシカゴにある配給会社からインターネットで配信された。既にサンプルのダウンロードが始まっている。
　数日前まで自分の指揮下で仕事をしていて口論になりプロジェクトを放棄したＳＥ。彼らも見て笑っているに違いない。
　まともに外は歩けないのかもしれない。
　松尾円香は事態の恐ろしさを徐々にではあるが確実に悟ってゆく。
　
　次の撮影までは日数が空く。宇佐美からお座敷の仕事を言い渡された。
　指定された有楽の滝亭の間に向かう。
　有楽はモノレールの本宿駅とミッドタウンの間の小道を挟んだ向かい側。五階建て雑居ビルの五階に在る。
　専用のエレベーターから入る構造である。
　駐車場の入口で招待客のみに分けられる。専用駐車場に入る。そこから以外お座敷階には行けない。
　三階は健康センターになっている。二階はコンパートメントタイプの簡易宿泊用の個室である。
　松尾円香は伊佐沼からモノレールで本宿に着く。
　娘を歩いて五分ほどの小学校の跡地にある託児所に預ける。大方が風俗嬢専用で無料である。
　普通の仕事に付く場合は企業からの特別な配慮の場合。さらに有料と成る。現実は殆ど利用出来ない。
　本宿と伊佐沼の近辺には託児所も保育園も無い。
　この街で仕事をするには本宿か伊佐沼に住まなければならない。他からの通勤は認められてない。
　この二つの街で支払われた給与はこの街で消費してもらう事が原則である。
　伊佐沼に住んでも普通の仕事で共働きは出来ない。夫または妻の収入だけで生活するか風俗に勤める母子家庭となる。
　それ以外は本宿の歓楽街。または有楽の在る建物に隣接した雑居ビル三階の屋台村に店を持つ元風俗嬢である。
　松尾円香が滝亭の間に入ると既に数人のコンパニオンが出勤していた。
　女将らしき和服姿の年配の女性から下座の外れに座って待つよう指示された。
　女将は青木典子という。今年で五十七に成る。
　板長は女将の主人である。一流ホテルの総料理長を定年退職して今は此処を手伝っている。
　女将は不倫の愛人との共同事業に失敗してやくざに数千万の借金を負った。
　この街の実質オーナー保木間貴明から此処を任された。その稼ぎで毎月数十万の返済を完済したばかりである。
　不倫相手は典子に借金を残して逃走した。行方はまったく解らない。
　コンパニオンは控えの個室で全裸になり宴会場に出て来る。
　宴席は床柱の前を空けて左右縦に向かい合わせで五席ずつ並んでいる。
　横の席どうしの間隔がかなり広い。
　客の座ると思われる座布団の左にお膳が置かれている。お膳の少し後ろに座布団がもう一枚。コンパニオンが躰を提供する席である。
　更に客の席と見られる前に縦長の座布団が席に対して横に敷かれている。
　コンパニオンは客席の倍の人数である。
　仲居が台車を押して酒やグラスを運んでくるとコンパニオンも控えの間から出て来る。
　半分のコンパニオン十人は客の席となる座布団の斜め後ろに座る。残る十人は長い座布団に横に成る。
　仲居は横に成ったコンパニオンの乳房の谷間から土手のやや手前まで大根のつまを敷き詰めてゆく。
　女躰盛り懐石の準備である。
　股間に変わった形状の醤油皿が無造作に置かれる。
　イレポンに使うこけしである。動かないバイブと思って頂いて差し支えない。
　太い金属の針金を根元に巻き付け六十度の角度で醤油皿が固定されている。
　客が入って来る。
　どう見てもやくざという風体である。
　左側の上座から墨田会系大船一家の稲垣七郎若頭、橋下五郎本部長、右田吾一舎弟頭、木村相太若頭補佐、大谷昭浩若頭補佐の順に座る。
　この中で稲垣七郎だけが調教師集団の一員である。
　次の客の一団も入って来る。
　上座から民事党衆議院議員平佐和周一郎、新国民党菱沼代議士、武州市長安曇、武州警察署長長妻警視正、ＴＣＣ社長前原の順に座る。
　松尾円香にも他言無用の意味は充分に理解できる。
　政治家、警察、やくざが呉越同州である。
　二人の仲居が左右の列ごとにコンパニオンの躰に敷いた大根のつまの上に刺身を配膳してゆく。
　女将と別の仲居が席の後ろから日本酒やビールを配膳して行く。一人ずつ違う銘柄を好みに合わせて持ってきている。
　席に着いたコンパニオンは挨拶代わりに躰を弄られてくちづけの洗礼も受けている。
　コンパニオンも概ね担当が決まっている様である。
　松尾円香はハードコンパニオンなのである。自分にこれ以上の仕打ちが待っていることは容易に想像が付く。
　客はそれぞれこけしにローションを塗って女躰盛りコンパニオンの膣に挿入する。醤油皿を膣で持ち上げる形である。
　途中に螺子があり僅かに角度を調整できる。多少の斜めは仕方ない。
　そこに醤油を垂らして山葵を溶く。
　乾杯が済んだところで武州市長安曇と武州警察所長長妻警視正の二人で松尾円香を宴席の中央に招く。
　二人掛かりで松尾円香を脱がしに掛かる。
　男に服を脱がされた事などない松尾円香である。自然と拒否反応は出てしまう。
「おい。逆らうのか」
「いいえ」
　慌てて躰の力を抜く。
　長妻警視正が後ろから腕を押えて床柱の手前に持ってゆく。
　安曇市長がジャケットを脱がしスカートを落とす。胸を撫でるように触りながらブラウスのボタンを外す。
　長妻警視正が後ろからジャケットとブラウスを剥ぎ取る。
　松尾円香は下着姿である。白の下着姿はそれなりに恥ずかしい。
　大谷昭浩若頭補佐が縛る担当なのか縄を解して後ろで待機している。
　長妻警視正は後ろから松尾円香のフロント面を座に向けてブラを外す。
　安曇市長がショーツを下ろして座の真ん中に投げる。
　着替えたばかりだが松尾円香は汚れが気に成る。
　大谷昭浩若頭補佐は松尾円香の手首を合わせて縛る。天井のフックに引っ掛けた滑車のフックを下げて手首の縄を引っ掛ける。
　そのまま滑車の縄を引いて滑車のフックを上に引っ張る。つま先がぎりぎり着く高さまで引っ張り続ける。
　松尾円香の躰は床柱の前に縦一文字に吊るされる。
　本日の分は隠し撮りを準備している。もちろん座は映さない。床柱の付近で拷問してそこだけを撮影する。
　とことんハードにする予定で準備している。
　依頼者にこの様に成ったと見せるためである。
　完全に事情を知っているのは稲垣七郎だけだが、全員が調教師集団の手で松尾円香が堕とされた事は薄々知っている。
　大谷昭浩若頭補佐は松尾円香の脚首に縄を掛ける。
　そのまま天井の角に吊るしたフックに縄の先端を持って行く。踏み台を使って引っ掛け脚を引っ張り上げる。
　松尾円香の躰は柱の前で弓なりに歪み股間が剥き出しに成る。
　大谷昭浩若頭補佐は膣に指を突っ込む。
「ああーーーーーーーーーーー」
　松尾円香はこれだけで悲鳴を上げてしまう。
　大谷昭浩若頭補佐は構わず蚯蚓千条の膣天井部を掻き回す。
「あはあーー。あはあーーー。あはああーーー」
　大谷昭浩若頭補佐の責めは的確である。反面松尾円香はこんな責めを受けたことはない。
「ああーはあーーーああーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーー」
　簡単に潮を撒き散らしてしまう。
　女将と仲居が大道具を台車で運んで来る。
　一メートル四方の鉄板に金属の円柱が立っている。先端には擬似男根が上を向いてそそり立っている。
　円柱の高さはハンドルを緩めて調節ができる。
　松尾円香の股間の真下に設置される。
　大谷昭浩若頭補佐は木村相太若頭補佐に松尾円香の躰を押えて貰って脚の吊るしを外す。
　そのまま膣に擬似男根を挿入して高さを調節する。
　松尾円香の躰は両脚つま先立ちである。その状態で擬似男根が伸びた長さで子宮口に当るように調整する。
　ピストン幅は二センチ。ピストンと振動の両方の運動をする擬似男根である。
　このまま松尾円香自身で抜けることは出来ない。
　大谷昭浩若頭補佐は嬉々としてスイッチを入れる。
「ああーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
　驚愕の悲鳴が上がる。
　大谷昭浩若頭補佐と木村相太若頭補佐は左右からやや垂れ気味ながら形良く弾力のある乳房に触り捲くる。
　松尾円香は幾ら触られても文句の言えない立場に堕とされて仕舞ったのである。
「実にＡＶとハードコンパニオンにぴったりの良い躰だ。この仕事の為に生まれて来たのかな」
　大谷昭浩若頭補佐の言葉を極めた詰りは松尾円香の心を心底抉る。
「ああはああーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーー」
　松尾円香は反論どころではない。下からの擬似男根の強烈な責めに口を利く事さえ出来ない。
　そして文句など言えばどんな恐ろしい仕打ちが待っているか判らない。
　松尾円香は吊るされ擬似男根に女の部分を突き刺された躰を藻掻き続ける。
　目は焦点が定まらず大口を割って喘ぎ声を轟かせる。
　松尾円香は究極に襲って来る官能に薄れる意識の恐怖の中で自分に問いかける。
　理想に拘らず成果だけ上げればこんな事に成らなかったのか。
　松尾円香は意識が薄れて失神して首が横に倒れる。
　それでも空しく擬似男根はピストンを続ける。微かな機械音だけが座に響き渡る。
　濃厚な女躰の液が膣から流れ出る。それが擬似男根を突き上げているアームに流れる。下の鉄板に溜りが出来ている。
　それでもバイブのピストン運動と振動は止めない。
　やがて擬似男根の突き上げる責めが徐々に意識を回復させる。
「あはあーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーー」
　気が狂ったように喘ぎ声を上げ続ける。
　そしてまた失神する。
　松尾円香は喘ぎ声を奏で続け朦朧とした状態を何度か繰り返す。それでもたいした時間ではない。
「しんじゃうーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーー。うわあーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーー」
　泣き悲鳴になる。
　見ているメンバーに気丈そうな松尾円香の涙は心地良い。
　さすがに大谷昭浩若頭補佐もスイッチを切ってやる。
　松尾円香はそのまま縄にぶら下がり首は後ろに倒れる。
　大谷昭浩若頭補佐と木村相太若頭補佐が二人で松尾円香の裸躰を持ち上げる。そのまま一度畳みに寝かせる。
　松尾円香は涙を溢れさせたまま涎を垂れ流している。女の部分は膣液でぐちゃぐちゃである。
　それでもこの女の姿は艶かしく男をそそらせる。
　女将と仲居で拷問椅子を運んで来る。
　大谷昭浩若頭補佐と木村相太若頭補佐は失神した松尾円香を拷問椅子に磔る。
　松尾円香の膣にクスコを挿入して膣口を広げる。拷問椅子を四十五度倒す。クスコの口は真上に向く。
　仲居が水のない水槽に入れた蛇を運んで来る。
　木村相太若頭補佐がスネークフックで蛇を掴む。そのままクスコで広げた松尾円香に膣に突っ込む。
「いやあーーーーーーーーーーー」
　コンパニオンの一人が見ていて悲鳴を上げる。新人である。他のコンパニオンが直ぐ注意する。
　木村相太若頭補佐は別のカメラで録画を撮って直ぐ蛇を抜いて元の水槽に戻す。
　大谷昭浩若頭補佐が松尾円香の横顔を数回ビンタして意識を回復させる。
　松尾円香は朦朧としながら周りを見回す。
　木村相太若頭補佐が壁に動画を投影する。ＴＣＣ社長前原が照明をダウンさせる。
　失神して拷問椅子に磔にされクスコを挿入された松尾円香。カメラはその姿を舐める様に移動してゆく。
　スネークフックに蛇を掴んだ手が近付く。
「えーーーーーーーーーーーーーーー」
　そのまま蛇が頭からクスコに挿入される。
「ああーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーー。ああーーああーーああーーーーーーーーーーーーーーーーー」
　松尾円香の驚愕の悲鳴が宴会場を劈く。
「ああーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーん。ひどいーーーーーー。ひどすぎるーーーーーーーーーー」
　松尾円香は号泣する。
「御前。宇佐美のところでＳＭ系のＡＶ出ているやろ。蛇も使うぞ」
　稲垣七郎がきっぱり言い切る。
「えーーーーーーー。気が狂います」
　松尾円香は心臓が鼓動を強く打っている。
「ＡＶの撮影だ。そんな事故は起こさないよ」
　稲垣七郎は達観した態度である。
「どうしてそういえるのですか」
　松尾円香の声は震えている。
「精神安定剤を打つなりタイミングも見ているよ。記憶にいつまでも魘されるかもしれんがな」
　稲垣七郎はからかい半分である。
「今のだって魘されます」
　松尾円香は悲痛さを訴える姿勢である。
「御前。子供産んでるやろ。そんな奴は狂ったりしないよ」
　稲垣七郎は横暴に言い放つ。
「なんでそれを」
「会陰に縫った痕があるよ」
　女の自尊心を踏み付ける指摘である。
「うう」
　松尾円香は羞恥心を抉られる言葉にただ呻く。
「ならばもう少し記憶に刻もうや」
　大谷昭浩若頭補佐がクスコの口をやや広げる。
「ああーーーー。まだこれいじょうなにするのですかーーーーー」
　松尾円香は悲痛な声で抗議する。
「まだプレイ時間だぜ」
「ああーーーーーーーーー」
　悲痛な表情で更に喚く。
「養殖した蛞蝓でございます」
　女将が能書きを付け加えて置いて行く。下水から上がってきた天然物ではないのでご安心下さいという意味である。
　小鉢に乗せられた蛞蝓にロングスプーンと粗塩が添えられている。
「いやあーーーーーーーーーーーーーーーー」
　それを見て松尾円香は悲鳴を上げる。
　大谷昭浩若頭補佐がロングスプーンで蛞蝓を掬う。それを松尾円香の膣を開いているクスコの口に近寄せる。
「ああーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーー。いやああーーーーーーーーーーーーー」
　松尾円香は子供の様に泣き喚く。
　クスコは敢えて横向きに挿入されている。膣の下壁を金属の割れた部分に露出させる為である。
　大谷昭浩若頭補佐はピンクの膣の下壁に蛞蝓を載せる。
「ああーーーーーーーー。あはあん。あはあん。あはん。あはん。あはん」
　松尾円香は号泣状態に成ってしまった。
　男に命令してきた気丈かつ気位の高い女の号泣である。
　座敷からは拍手が沸く。
　あまりの仕打ちに松尾円香はぽろぽろ涙を溢す。
　大谷昭浩若頭補佐はロングスプーンで粗塩を掬って蛞蝓に掛ける。
　蛞蝓は松尾円香の膣の粘膜の上で萎む。
「いやあーーーーーーーー。ああーーん。ああーーん。ああーーん。ああーーん」
　松尾円香は拷問椅子に磔にされた躰を暴れさせて号泣する。
　大谷昭浩若頭補佐は萎んだ蛞蝓をロングスプーンで取り出す。それを松尾円香の目の前に翳す。
「あーー。あはん。あはん。あはん。あはん」
　松尾円香はさらに泣きじゃくる。
　それでも許されない。
　武州市長安曇と武州警察署長長妻警視正が拷問椅子に磔にされたままの松尾円香に蝋涙の洗礼を浴びせる。
　既に松尾円香はＳＭ系ＡＶの撮影で蝋涙を浴びている。だがその撮影とは違う乱暴な掛け方である。
　蝋燭の芯の周りに溶けた蝋涙が溜められていた。その溶けて溜まった蝋涙を乳房にべちゃり掛ける。
「あ、あ、あーーあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
　強烈な悲鳴が宴会場を震撼する。
　容赦なく安曇はもう片方の乳房にも掛ける。
「あはあーーーーー。ああーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
　大口を開け顔の表情は破裂している。
　次は安曇と長妻警視正が一本ずつ持つ。やくざが四人掛かって松尾円香の躰をがっちり押える。
　安曇の手が天井を向いたクスコを掴む。
「いやだあーーーーーーー。やめてーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーー。やだあーーーーーーーー」
　松尾円香の悲鳴は三十手前の大人の女とは思えない娘のような叫び声である。
　それでも流し込む。やくざ四人は力の限り松尾円香の躰を押える。
「あーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
　松尾円香は目を大きく見開いて天井を見上げたまま声の限りの悲鳴を上げる。
　満場の拍手が沸く。コンパニオンも拍手している。
　松尾円香を庇う者も心配する者も居ない。客はだけではなくコンパニオンにもこの座敷では普通の事なのである。
「なんて酷い事をするのですか！あんまりです！」
　松尾円香は猛然と抗議する。
「これが此処の普通のプレイなの。一晩五十万だぞ」
　木村相太若頭補佐が押さえつける如くに言渡す。
「そんな」
　松尾円香は驚愕の表情である。億近い借金を躰で返す恐ろしさをいま恐怖のどん底で感じる。
「文句が有ったら宇佐美に言え。どうせ高額に借金しとるんやろ」
　木村相太若頭補佐は決め付ける。
　松尾円香は黙って唇を噛む。
「とにかく今日の分は確り愉しませて貰いましょう」
　安曇はまだ責めたい。
　この宴会場には大きな浴室が付いている。
　広いタイルの上に幅一メートル長さ二メートルの鉄板を蝶板で二枚繋ぎ合わせたものを広げる。
　鎖に繋いだ枷が四つ付いている。
　松尾円香はこの鉄板に両手両脚を強く広げて磔にされる。
　安曇市長と長妻警視正が口に開口器を突っ込む。
「ああーーーーーーー」
　松尾円香は苦しさに呻く。
　アイマスクをされる。
　松尾円香はぶるぶる恐怖に震える。
　安曇一人を残して全員出て行く。
　松尾円香は一人ずつ自分に入って来ると思った。挿入されることもあると言い渡されていた。
　だが口に入った開口器が疑問である。
　安曇は口を目掛けて小便をぶっ掛けてくる。喉に入らないよう必死に堪える。
　入れ替わり十人が松尾円香の口に小水を流し込んだ。
　最期の大谷昭浩若頭補佐が片手の戒めだけ外して出て行った。
　松尾円香は必死に躰を引っ張って藻掻きもう片手の戒めを外す。
　脚を広げて磔にされているので起き上がるのに苦労する。さらに躰を折らないと脚の戒めが取れない。
　苦戦しているところへ仲居が掃除に入って来て外してくれた。
「もう皆さんお帰りです」
　仲居はそう言い残してさすがに事態を解って掃除を後回しにして出て行く。
　松尾円香は慌てて口を濯ぐ。入念にシャワーで躰を洗うが気持ち悪さは到底消えない。
【前頁】/【次頁】
あなたのひと言が作者の励みとなり、新たな作品が生まれます。ご感想宜しくお願いします。
小説提供サイト
ＳａｄｏのＳＭ小説姦女真紅
2020年8月28日掲載
Copyright (c) 2022 鬼蔵（Ｓａｄｏ） All rights reserved.
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