ずっと愛してます２
羅衣 作
第54話 環の覚醒２

　もはや彼女には絶叫するしか意識を保つ術は残されていなかった。

環 「ひぃぃぃぃ」
　　「逝っちゃう 逝っちゃう」
　　「まって だめぇぇぇぇ」

　健二は容赦なく腰を突き上げながら、彼女を抱き寄せた。

健二 「男は 待てんのよ」

　密着する若々しい女体が絶品の感触で、思わず笑みがこぼれてしまう。
　これは女子高生を抱いたことのあるオジサンにしか分からない究極の楽しみであった。
　今まさに華開こうとする蕾を贅沢に食べる感覚だ。

「選ばし男の 収穫祭！？」

　その感覚は行き過ぎるとロリータコンプレックスに繋がる倒錯した性癖に繋がる危険なものであり、既に淫交という犯罪だ。
　さすがに健二は、中学生、小学生には興味が無かったが、内心自分は危ないのかもしれないと感じていたのは事実であった。

　とはいえ若い極上の女体を味わえるなど、そうそう経験できるものではないので、素直に満喫するに限る。
　鏡に映る自分達の姿は、激しい興奮を覚えるほどの刺激的な情景であった。
　ある意味客観的な視点で、今抱いている女体が芸術的な美しさであることを思い知る。

　惚れ惚れとするほどの脚線美の美しさ、抜けるような白さを持つ滑らかな肌、健二ですらこれほど完璧な美しい女体は初めてかもしれない。
　敬子でも驚かされたが、悠希で美の化身というものが実在するんだと思い知らされて、とうとう完璧といって良い女体を見つけてしまった。
　思わず鏡に見とれてしまうほどであった。

　その女体と今ナマで繋がっているオスとしての悦びは何物に代えがたいものであった。
　突発的なウテルスセックスを警戒しつつ、細心の注意を払いながら巧みな腰使いで深さも調整しながら彼女の中を掻き混ぜっていった。
　蜜壺の具合も極上でニュルニュルしながら、グングン締め付けていて、肉棒を射精に追い詰めようとしてくるのだ。

　コリコリと亀頭が捉えた子宮口を前後左右に擦り上げて、徹底的にポルチオ性感帯を溶かすように責めてまくった。
　両手は脇腹から背筋にかけて何度も往復して愛撫を徹底的にして女体の感触満喫していた。
　質量感たっぷりの美乳の頂きにある、鮮やかな桜色した乳首に吸いついて舌先が転がした。
　徹底的に彼女を官能の炎で焼き尽くしてしまおうと、正対座位で彼女を限界まで抱くつもりであった。
　正常位など他の体位では女体に生じた小さい変化を見逃しやすく、フィニッシュのタイミング外す恐れがあった。

　正対座位は、お互い身体が不安定ながら、真正面から抱きしめ合ったり見つめ合ったり、お互いの身体を密着させている感覚があり、更に肉棒を深く挿入しているので、お互いの心臓の鼓動、息づかい、身体の震え、心の動きを共有しているという一体感が実は深い体位であった。
　ある意味、男と女が対等で愛し合う体位なので、健二は好んで使う傾向があった。

　もちろん性奴隷調教であれば違う体位を多用するが、自分の可愛いオンナは別格だ。
　健二が長老達から性調教師としては微妙な扱いをされながら、超一級の女性調教師を２人も育て配下にして、若手の代表的性調教師にのし上がった理由の秘密でもあるのだが、当の本人も自覚が無いだけに当然周囲も分からず「会」では謎とされていた。
　そして再び、郁美を妻としたことが健二の名声を不動のものにしていくことになるのだった。


　環はもうなにがなんだか分からなくなって、身体の中で竜巻のように駆け巡る快感に翻弄されていた。
　もう何度も逝ってしまい意識が朦朧である。
　目の前が真っ白で、身体は重力から解き放たれて浮遊感がどんどん強くなり、蜜壺に咥え込んでいる逞しい肉棒だけしか感じられなくなりつつあって、それが現実に留まる唯一の命綱になりつつあった。
　そして真っ白い空間が狭まり、真っ黒い深淵がどんどん大きくなっていくことに恐怖を感じて、次第に追い詰められつつあった。

　肉棒を失ったら、環は次第に迫ってきている真っ黒い深淵に墜ちそうであった。
　それなのに声が出ず、もはや「アウアウ」としか発することが出来ないのだ。
「いやっ 怖いぃぃぃ 墜ちたら」
「わたし 墜ちたら 助けてぇ」
「健二さん 助けてぇ いやぁぁぁぁぁぁ」
　健二の腕の中で、不意に環の肢体がグッと持ち上がると仰け反り激しく痙攣した。

　その瞬間、彼は不敵な笑みを浮かべながら、ドスンと彼女を押し倒しガッシリと組み敷いて正常位に持ち込むと、怒濤のピストン攻撃に踏み切った。

　グチュウルゥゥゥパプゥ！！グチュウルゥゥゥパプゥ！！
　グチュウルゥゥゥパプゥ！！グチュウルゥゥゥパプゥ！！
　グチュウルゥゥゥパプゥ！！グチュウルゥゥゥパプゥ！！

環 「きぃ いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
　　「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！！」

　環は、悲鳴ともつかぬ凄まじい叫び声を発しながら、身体を引きつけ起こしたかのように痙攣させながら逝った。
　同時に、健二の背中に巻き付けていた両手で、彼の背中に血が滲むほど強く掻きむしった。

　彼女は失神してしまい目は白目をむいて口元は涎でベタベタになっていて、美少女だけに実に痛々しい姿を晒していた。
　再び失禁したようで、彼の下半身で暖かいものが広がっていった。

　官能の炎が燃え尽くしたあとには、少女のままでは決して到達し得なかったオンナ情念が渦巻くアクメ深淵が彼女を待っていた。
　遂に環の身体の奥に、一生消えない健二の刻印が打ち込まれたのだ。
　ヒリヒリと痛む背中が名誉の勲章であるが、今回はけっこう派手に引っ掻かれたようで、かなり痛い。


　健二にとって環は、郁美、麻輝、玲奈、美帆、亜紀、敬子、葵に続く８人目の獲物であった。
　いずれにしても残った女性陣、里奈、悠希、紗弥、七海を早急に攻略して、刻印を打ち込むのが当面の健二の目標であった。
　刻印を打ち込んでしまえば、オンナは本能で靡く生き物なのだと健二は考えていた。

　そういった意味では、あの一夜で亜紀に刻印を打ち込めたのは幸運だったと言える。
　そうでなければ、彼女が「関西支部」の件を受け入れた可能性はかなり低かったと考えていた。

　健二が郁美と再会したあの日、亜紀が発した言葉「既に凌と出会ってなければ 健二さんの妻になったかも知れません」は刻印が言わせた言葉なのだ。

「それにしても 派手に引っ掻かれたな あいたた」
「うわっ 血が出てる」
「さてさて 郁美にどう説明するか だが」
「まあ 素直に懺悔かな」
「葵の時はそうでもなかったが」
「敬子の時は けっこう怒っていたからな」
「怒るだろうな はあぁ モテる男は辛いなぁ」
「ここは 秘蔵していた土下座を解禁するか！！」
「うん それが良い」
「とっておきの まさに使いどき！！」
「さすが長老 いいこと言う」
「嫁に土下座は乱発するな」
「とっておきで土下座は秘蔵しておけ」
「とは含蓄あること言う」
「今になって実感するとは あいたた ヒリヒリする」

　健二は背中の痛みをこらえながら仕上げに入った。
　そのまま彼女に覆い被さり、ギュッと抱きしめながら唇を重ねてディープキスをして、彼女のお出迎えに馳せ参じたのだった。

　今度は若い華奢な肢体が折れそうなぐらいに、かなり強めに抱きしめる。
　不意に彼女が深呼吸しながら目覚めた。
　吸い込まれそうな澄んだ大きな瞳に負けないように、真正面から見つめ返して如何に彼女のことを真剣に思っているかを伝えるのだ。
　一切言葉はいらないし、かえって不必要であった。
　少女からオンナに生まれ変わった女性は、男の瞳に潜む嘘を瞬時に見抜くチカラを持っているから真剣勝負であった。

　時間的には数秒の出来事であろう。
　オンナの瞳は、健二の瞳の奥まで見通していた。
　次の瞬間、意識体が悦びに包まれるとオンナの肢体が敬愛する男性に愛されているという歓喜に包まれた。
　深淵に墜ちたと思ったのに気がついたら大事にギュッと抱きしめられていたのだから、女の子にとってはそこは最高の安住の地であり、還るべきところと感じてしまうのは致し方ない。
　たちまち環の心は蕩けてしまった。

環 　 「にやぁん あふぅ うふふ」
健二 「さてぇ これからが本番だよ」
環 　 「えっえぇぇぇ もう おなか一杯なのにぃ」
健二 「俺は まだまだ ふん それそれそれ」
環　　「あっあぁぁぁん あん」
　　 　「あん ひぃ またぁ ひぃ」
　　 　「逝っちゃう あん」

　クチィルゥプゥゥゥゥゥゥパッパン♪♪クチィルゥプゥゥゥゥゥゥパッパン♪♪クチィルゥプゥゥゥゥゥゥパッパン♪♪
　クチィルゥプゥゥゥゥゥゥパッパン♪♪クチィルゥプゥゥゥゥゥゥパッパン♪♪クチィルゥプゥゥゥゥゥゥパッパン♪♪

　環は、あの瞬間、ほんとに死んだと思ったのだ。
　凄まじい官能の津波が押し寄せて居場所がなくなり、真っ暗の深淵に真っ逆さまに墜ちていったのだ。
　そして墜ちた瞬間にプツッと意識が途切れた。
　不意に強い力で抱きしめられて、熱いキスで現実に引き戻されたのだ。
　目の前に大好きな健二の顔があり、見つめ合って魂のやり取りをした。
　急に身体中を歓喜が駆け巡った。
　愛されているという、肢体のスイッチが入ってしまったのだ。

　オンナの肢体は、男の愛こそが最高の食べ物であり、それがあればどんな苦痛でも乗り越えてしまうほどの強靱さを持っていたのだ。
　出産の苦痛は、男では決して耐えることが出来ない凄まじい試練であるが、男に愛されているオンナは乗り越えてしまうのだ。
　男の愛ほど、オンナを強くするものはないのだ。

　環はオンナになって、郁美と敬子の結婚の選択について感じていた違和感が初めて理解出来たのだ。

「そうなんだ 郁美姉さん」
「もう６年も前から健二さんしか」
「考えられなかったのね」
「敬子姉さん オンナのスジ貫き通すなんて凄い」
「見習わなきゃ」
「あぁぁぁん なんて あん」
「わたしの弱いところばかり 突くなんて」
「だめぇ また 逝かされちゃう」
「やぁっ あん あひぃ あん」
「健二さん 凄すぎぃ あん マジ ヤバイぃ」

　健二と環のセックスはまだ始まったばかりであった。




　武史は、学友でありライバルである同級生達と大学の図書館に籠もって、課題として出されたレポートに取り組んでいた。
　進む分野のコースが決まる時期が迫っていて、正念場を迎えていた。
　武史は、成績自体は首席クラスを争うほど優秀で望めばどの分野でも進めそうであったが、本人が望む分野は小児外科医であった為に周囲から通常の外科医を薦められて悩んでいた。

　大学としては将来有望な彼には花形の外科医になって欲しいとの意向が強かった。
　近年、私学系医学部、京都大学医学部などに優秀な人材が輩出して、東京大学としては危機感があった。
　飛び抜けた成績と人望に武史は目立つ存在であった。
　小児外科医は難易度も最高レベルでありながら、小児科自体が冷遇される医療行政のあおりで、海外に渡らなければ学びの場すら十分でなかったのだ。

　多忙な彼を環は必死でサポートして、毎月複数回週末に上京して身の回りの世話をしてくれていた。
　彼の淫欲は十分ではなかったが、ほどよく満たされていたのだ。
　もともとセックスが大好きな彼にとって、１度定期的なセックスを始めてしまうと、適度にしないと勉学に集中出来なくなるのだ。

　そんな武史に熱い視線を向けている同級生がいた。
　大学入学してすぐに、ミス東京大学に選ばれた橋本成美（２０歳）という女の子である。
　彼女は高校時代から雑誌モデルをするほどの有名人であり、ルックスは女子アナ「加○綾子」似の美女だ。
　身長170㎝ Bアンダー75のＥカップ，W62，H92のスレンダーダイナマイトボディの持ち主であった。
　彼女は公立高校出身ながらストレート現役合格を果たして、東大理科３類に入ってきた秀才であった。

　その彼女ですら成績で全く歯が立たないイケメンが現れたのだから、心中穏やかでない。
　おまけに彼は人望があって、協調性の欠ける、個人行動が多い、理科３類の学生達の中にあってリーダー的存在であった。

　雑誌モデルなどしていたのでチャラチャラしていたと思われがちであるが、彼女はまだ処女であった。
　そもそも男性に興味を持ったことがなかったのだ。
　常に学年首席であった彼女にとっては、周りの同年代の男の子達は格下ばかりだと見下していた。

　学業優秀でも父親が女の子はホドホドの学歴で良いという考え方で、彼女が進みたいように進学させてくれなかった。
　その結果、公立系一筋の学歴となっていた。
　大学進学時に、彼女の最後の反抗が東京大学理科３類合格であった。
　その時になって初めて、父親が折れて、やっと晴れて入学してきたという、やや問題ありの屈折した美女であった。

　その彼女が全てにおいて負けてしまうイケメン男子が突如として目の前に現れたのだから、眠っていた女が動き出してしまうのは避けれなかった。
　雑誌素人モデルをして特定のファンがいて自分の容姿には絶対の自信があり、なおかつ実際モテてきた経験も豊富にあるので誰にも負けない気持ちが強かった。
　そもそも彼女がアクションを起こせば、大抵の男は好意を寄せてくるのが当たり前であった。

　大学入学以来、武史にアピールし続けて間もなく２年経とうとしていたが、全く通用せず相手にして貰えない有様であった。
　そもそもプライドが高い彼女が、そんなに長期間惨めな思いをして１人の男を追いかけること自体が不自然であったが、彼は彼女にとって初めて出会った圧倒的格上の同級生であり、なにがあっても付き合いたい、彼女になりたかったのだ。

　まず彼女が特に武史に、心惹かれた、憧れたのは、小児外科医に成りたいという志の高さであった。
　自身も小児内科医を目指していたので、強く惹きつけられたのだ。
　医学部進級を目前に控えて学びのコースが分かれてくるので、武史と行動を共にする機会は無くなる可能性が高く彼女は焦っていた。
　処女の女の子の、切ない失恋の時が迫っていた。
　まさにそんな時に、武史に婚約者がいるとの噂を耳にして、丸１日寝込むほどショックを受けたのだった。
　そんな行動が思わぬ展開を生むことになるのだ。

　武史にとって、成美はただの同級生の１人であり恋愛対象外であった。
　もちろん美人な子だなという認識はあって、東京って広いなぐらいにしか思っていなかった。
　環と婚約してから充実した日々を送っていたので、浮気公認の約束であったが、具体的に動く気などサラサラ無かったのだ。

　環はまだ若くて、彼女こそ色々経験して欲しいと思っていたので、郁美を信じて託してきたというのが武史の本心であった。
　そんな彼でも成美が自分に対して興味を持っているというのは、かなり以前から気がついていた。
　正直、彼女ほどの子ならモテモテである筈で、それが自分に好意を寄せるなど意外であった。
　いずれにせよ、共に医学を目指す同級生であり、色恋沙汰で調和を乱すのはイケナイと自重していたのだ。

　成美のワンルームマンションは、武史のワンルームマンションの近所で通学経路の途中であったので、帰りが遅くなったときは彼女を送り届けるような形になることが日常でもあった。
　それが彼女の気持ちに影響したのかもしれないと反省する部分もあったのだ。

　そんな流れで休んだことが全く無かった彼女が突然休んだので、心配して彼は成美のマンションを訪れてしまう。
　ひどく元気の無い彼女の声にますます心配してしまった彼は、彼女に誘われるまま部屋に入ってしまった。
　若い男女が密室にいたら間違いが起きても不思議は無い。

　武史は、部屋に入った瞬間にしまったと後悔した。
　成美はガウンを羽織っていたが、下は下着姿なのではという姿であったし、部屋の中は彼が全く見たこと無い若い女の子の部屋という空間であった。
　急に彼女を女性と意識してしまい、下半身がムズムズしてしまうのは若い男である以上抑えられない。
　まして相手は間違いなく自分に好意を寄せているし、理由は分からないが相当弱っている。

　彼のどす黒い心の声が唆す。

「チャンスだ 抱いてしまえ！！ イイオンナだぞ」
「見ろ オッパイも大っきいし 足も綺麗だ」
「押し倒してしまえ！！」
「ミス東大だぞ！！」
「雑誌モデルとセックスなんて男冥利じゃないか！！」
「誰に遠慮する」
「彼女自ら部屋に通してくれたじゃないか！！」
「なにもしないなんて 彼女に失礼だぞ」

「彼女は 同級生なんだ」
「そんなことしたら・・・・・」

「お前は馬鹿か！！」
「そんなことは姦ってから考えろ！！」
「こんな美味しそうな女は そういないぞ！！」
「気位の高い」
「生意気な女をヒイヒイ言わせるチャンスだ！！」

　彼女から婚約者の存在を質問されて、それ答えているうちに、彼女が突然休んだ理由を洞察する。

「なんだよ 恋の病かよ」という安堵感と呆れが入り交じった気持ちになった時であった。

　彼女が泣き始めてベットに腰掛けたはずみに、胸元ガウンが緩んで豊かなオッパイが覗いたのだ。
　彼女は間違いなく下着姿であった。
　その瞬間、武史の良心が弾け飛んでオオカミになってしまった。
　気がついていたら組み敷いて唇を奪っていた。

　彼女は「きやっ」と一言発した以外、抵抗らしい抵抗しなかった。
　むしろ必死で抱きついてきている状況である。
　しかし彼女の身体が異常に緊張していて、不自然で固いのだ。

　襲われて緊張しているのではないと感じていた。
　キスもなにか不慣れで、なにかを見よう見まねでしているような感覚に違和感を覚える。
　そして不意に、ある結論に達する。

武史 「橋本ちゃん 良いのかな俺で」
成美 「うん 好き 森川君が好き」
　　　 「この気持ちどうしたら」
　　　 「分からないの」
武史 「ごめんね 婚約者いても」
成美 「分からない」
　　　 「でも 今は まだ奥さんじゃないんでしょ」
　　　 「まだチャンスあるでしょ」
武史 「うぅぅぅん 自信ないな」
成美 「もうわたし 耐えられないの お願い」
武史 「分かったよ 責任は全部 俺が持つ」
　　　 「悪いのは俺だよ 良いね」
成美 「好き なんだもん」
武史 「では 質問させて 大事なこと」
成美 「えっ なに 怖い」
武史 「橋本ちゃん ひょっとして 初めて？」
成美 「・・・・・・・うん ごめんなさい」
武史 「気にしないで」
　　　 「謝ることじゃないよ」
　　　 「恥ずかしいこと訊いてゴメンね」

　武史は、その言葉の意味を重く受けとめていた。
　女の子に好意を持たれて、そして初めての相手に選ばれているという状況を素直に喜んだ。

「これは 男として 一番光栄なこと」
「そして 絶対 逃げてはいけない 場面だ」
「環 ごめん 俺 引き下がれない」

　武史は、大事な婚約者である環が奪われかねない危機が訪れていることを知らずに、違う女の子の誘惑に負けてしまったのだ。

　これが遠距離恋愛の醍醐味なのかもしれない。


つづく
【前】/【次】
あなたのひと言が作者の励みとなり、新たな作品が生まれます。ご感想宜しくお願いします。
羅衣さんの作品集→羅衣さんの他作品
2019年11月10日掲載
Copyright (c) 2013-2019 羅衣 All rights reserved.
▲