ずっと愛してます３
羅衣 作
第15話　覚醒の時


　達也は、あまりに興奮し過ぎていたので、鼻筋に熱いものを感じており、今にも鼻血が出るのではと気にかけていた。
　目は血走り、眼球が飛び出すのでは思うほどのハイテンションであった。
　それでいて、第三者の目線で自身の状況を意識する部分があったのも事実であった。

　物心ついた頃から夢にまで見た女体を遂に得た悦びは言葉では言い表せない格別なものであった。
　妻の恋、ありさ達も、美しい女達であったが、妹の肌は吸いつくような滑らかさであり男を狂わすものがあると感じていた。
　これは単純な思い入れだけではなく、妹はそれだけの女なのだと実感した瞬間でもあった。
　それだけではない。
　肌と肌、唇と唇、互いに伝わる波動のような存在感が相通じるなにかを強く意識させるものであった。

「これが妹　近親の近さなのか！！」

　ジゥルゥプゥゥゥゥゥ♪♪
　ジゥルゥプゥゥゥゥゥ♪♪
　ジゥルゥプゥゥゥゥゥ♪♪

郁美　「はぁん　欲しいのぉ　お兄ちゃん挿れてぇん」

　その一言で、達也の張り詰めた気持ちが弾けた。
　グイと腰を据えて押し出した。
　濡れそぼった花弁が球のような大きな亀頭に打ち抜かれて、為す術もなく蹂躙されていった。
　大きく押し広げられると、必然的に彼女の両脚が引き攣るように跳ね上がった。
　それだけの質量のある肉棒を膣内に受け容れる圧迫感が郁美を打ちのめしていった。

「はぁん　おっきぃ」
「とうとうお兄ちゃんとしちゃった　あたし」
「熱い　熱いの　なんて熱いの」
「お兄ちゃんの熱いぃぃぃぃぃ」

　郁美は、未だかつて味わったことのない感覚に動揺していた。
　信じられないほど肉棒が熱くて、じりじりと膣を焼かれるような感覚に圧倒された。
　禁断である兄妹同士での性器の繋がりは、なにか化学反応を起こして血と血の融合を拒絶しているようであった。
　これを俗に拒絶反応とでもいうのかもしれないが、一気に身体の芯まで火照る感覚が異常であった。
　数の多くの肉棒の逸物を楽しんできた肢体が、未だかつてないほど打ち震えていた。
　「禁断」という二文字が彼女の意識に思い浮かんでいた。

「これが近親相姦なのね」

「この感覚は　違う　なにか違う」


　挿入した途端、達也の中で人として常識的なものが壊れた。
　今まで数々の女達を狂わしてきた腰使いで、妹の秘部を満たしていった。
　そして会場の者達が驚くような、まさにオオカミのような雄叫びを上げたのだ。
　達也の中で眠っていた、なにかが動き出そうとしていた。

「ウォオォォォォォォォォォォォォォン！！」

　情熱的な打ち込みが郁美の壺を確実に捉えて、僅かに残っていた理性を吹き飛ばしていった。

　グチュウップゥゥゥゥゥゥパフン！！
　グチュウップゥゥゥゥゥゥパフン！！
　グチュウップゥゥゥゥゥゥパフン！！
　グチュウップゥゥゥゥゥゥパフン！！
　グチュウップゥゥゥゥゥゥパフン！！
　グチュウップゥゥゥゥゥゥパフン！！

「ひゃあふぅ　あん♡あんあん♡♡あんあん♡あん♡」
「ウオォォォォォォォォォ！！」
「あんまってぇあん♡」
「フンフンフンフンフンフン！！」
「あひぃるぇ　あぴっふぅるぅん」
　グチュウップゥゥゥゥゥゥパフン！！
　グチュウップゥゥゥゥゥゥパフン！！
「あん♡　あっあん♡　ひぃん」
　グチュウップゥゥゥゥゥゥパフン！！
　グチュウップゥゥゥゥゥゥパフン！！
　グチュウップゥゥゥゥゥゥパフン！！
　グチュウップゥゥゥゥゥゥパフン！！

　会場いる全ての者達の動きが止まった。

　そしてステージの２人から目が離せないでいた。

　見る者達は一様に、これほど愛し合っている男女は見たことがないと感じ、２人が実の兄妹とは信じられないと思ったのだ。


　ゼウスは、唖然とその光景を見つめていた。

　九州で急成長してきた一介の若手に過ぎないと思っていた「峰 達也」が侮れないライバルなのだと意識したのは、まさにこの時であった。
　アテナ（郁美）の兄であるとの情報は以前より把握していたが、実はノーマークであった。
　経験豊かで達人の域に達しているゼウスですから、アテナ（郁美）は全身全霊尽くさねばアクメを極めさせられない至高の女であった。
　近親の有利さは差し引いても、目の前の光景は納得し得ないものであった。

「やれやれ　アテナのまわりの男達は」
「一体どれだけの人材が揃っているのか？」
「道理で　わしの誘惑に応じないわけだ」
「それほど　わしより　その男達が良いというのか」
「負けんぞ　わしは負けん　負けてたまるか！！」
「わしが死す時に」
「そばに居るのはアテナしかおらんのじゃ」


　田原 凌は憮然と情景を見ていた。
　そして、誰よりも早く事態の裏に潜む真実に気がついていた。
　彼は、「郁美様」と「紗弥様」の存在を知っている数少ない人物であるが故に、達也の中で起きている変化を本人より早く察知したのだ。

「郁美　そして　紗弥　２人だけでは　ないんだ」
「彼女達に潜む血の流れは」
「郁美の兄　達也にも・・・・・」
「これは　なにかと想定しておかなくては」
「それにしても」
「郁美ちゃんは　なんとも凄い選択をする女だよ」
「俺たちは　どんなことがあっても君を信じてるよ」


　亜紀は、凌から「郁美様」と「紗弥様」の存在を唯一知らされて、彼女達と既に意思疎通を成立させているただ１人の女性であった。
　だからこそ凌と共に事態を把握していた。
　しかし凌とは違って、至って冷静であった。
　それは「郁美様」とかなり以前から、この可能性について意見交換していたからだ。
　その可能性を先に挙げたのが他ならぬ亜紀であった。

　郁美の叔父であり、紗弥の父親である達木祐司の性的素養と絶倫ともいえるパワーは常人離れしていて、それは個性ではなく血族の素養だと初めに考えたのが亜紀だったのだ。
　一族の血が濃いとされる郁美、果たしてそれは女性だけのものだろうか、という素朴な疑問と祐司の存在が結びついた発想であったが、既に達也が「会」九州地区での有名人となっていたことで確信に変わったのだ。

「間違いないわ　達也さんも持っている」
「でも　それが　郁美達のような別人格なのか」
「それともなにか」
「それを知る意味でも　郁美の決断は」
「やはり避けれなかったということなのね」


　健二は、未だに「郁美様」の存在を明確な形で認識はしていなかったが、郁美が淫欲が極限に達すると異常なほど貪欲になるということは気がついていた。
　それは毎晩繰り返される、尋常じゃない、激しい夫婦生活に集約されていた。
　昔の彼女ですら満足させるのは容易でなかったというのに、今では底無しといって良いレベルであった。
　正直なところ、３６歳という３０歳代後半に入った体力では、数時間に及ぶセックスでは唐突に力尽きることは頻繁に起きるのは避けられなかった。

　男にとっては屈辱の事態であったが、既に若妻に弱さを見せる余裕があったのだ。
　若妻の天賦の才に惚れ込んだ故の結婚であったし、自身の打算も理解した上で彼女は女の愛を貫き通してくれたのだ。
　もはや若妻を信じる信じないの問題でなく、彼女は自身の一部、分身と言って良かった。

　健二は、郁美が５大老の元から還った日から彼女の前では全ての仮面を捨て去り、自身の全てをさらけ出して彼女に遠慮なく頼るようになった。
　環についての自身の暴挙への反省もあった。
　健二の変化は、郁美にも変化をもたらし、なにより全てをさらけ出してくれたことが彼女に悦びを与えて、それが健二への絶対的な愛情に変貌を遂げるきっかけになったのだ。
　男には永遠に理解出来ない感情の動きであるが、女にとって愛する男の弱さを託された悦びは全てのものに優るらしい。
　女は感情の生き物であると故人は表したが、これがまさに典型例であった。

　男と女は鏡で映し出されるように対のような存在であり、女が愛で満たされると男も愛されていると不思議なことに実感を抱くようになるのだ。
　健二と郁美も、既にこの境地に達していて、普通では夫婦関係が揺らぐような事態、男としてのプライドが揺らぐような事態が発生しても、お互い誠心誠意のフォローで苦もなく乗り越える夫婦であったので、今では２人の夫婦関係は盤石円満そのものであった。

　それは裏返して言えば、健二はもはや郁美無しでは生きていけないことを意味していた。
　健二は本質的に嫉妬深い気質があったので、悲しいことに嫉妬心を自身の興奮に昇華してしまう性癖を有していたのだ。
　それは「寝取られ願望」という究極のマゾ体質の本質であって、他者にそのような環境を提供してきた本人が自覚が無いという救いがたい状況となっていた。

　近親相姦真っ直中、実兄とセックスをしている愛妻の姿から目を離すことが出来なかった。
　心底、愛妻は、バタフライのような存在だと感じていた。
　実兄の天賦の才に圧倒されて喘いでいるが、まだ彼女は本来のチカラを出していないし、兄妹の絆を楽しんでいると見抜いていた。

「まだ　その美しき羽根を開いていない」
「美しき羽根が　羽ばたいた時」
「もはや彼女に太刀打ちできる男など存在しないのだ」
「俺のバタフライ」
「一族の血は恐るべし　達也があれほどの男とは」
「そんなにイイのか　その声は俺だけのもの」
「今晩　お仕置きしてやる　俺のバタフライ」



　達也は、迸る興奮で自身を制御することが出来なくなり、猛烈な勢いで腰を振って振って振りまくっていた。
　普通の男性なら数分も持たないだろう、まさに全開のピストン運動であった。
　それを既に十数分間にも渡って休み無く続けているのだから、会場の男達は唖然としていた。
　達也は、アスリートでもなければ、ジムなどに行って鍛えているマッチョでもない。
　それがアスリートも真っ青のパワフルなマッスルピストンを繰り広げていたのだ。
　１０代の若者の様に、ただ闇雲に腰を振っているわけではなく、女の壺を確実に捉えた腰の据わったものであった。
　それは当然のように湿った淫靡な音を奏でていき、次々と見る者を狂わしていった。

　流れるような肢体の絡み合いが見る者の息を奪う。

　惚れ惚れとするような滑らかな美脚が、男の両肩に担ぎ上げられる情景に見る者達の期待は頂点に差し掛かっていた。
　男の顎から滴り落ちる汗、突き上げるような快楽に抗うように左右に顔を振り乱す女、切なげに男の両脇を彷徨う細い女の両腕、止まることを知らない前後に打ち込まれる腰、躍動する男の中腰から伸びる両脚、秘部から掻き出される多量の愛液、そして飛散する粘液、打ち込まれるたびに開く女の足指、それでも男の目線は腕の女の顔から決して外れることがなかった。

　どれだけ男が女に惚れ抜いているのか分かる激しいセックスであった。
　男は人生の全てを、腕の中の女に注いでいると会場の誰もが思ったことであろう。

　不意に女の両手が投げ出され、肢体を激しく痙攣させて脱力した。
　逝ってしまった女体を男は慣れた手つきで裏返すと、絶妙な体勢に持ち込み、バックの体勢で再びマッスルピストンの嵐で女を翻弄し続ける。
　呼吸を整える間もなく、違う角度で女芯を魔球で滅多突きされるのだから堪らない。
　女は前後不覚となって縋り付いた枕を掻きむしった。
　普通ならこれほど激しく子宮を突き上げられたら、どんな女でも痛みを感じるだろう。
　魔球はマシュマロのような柔らかさで子宮を転がしてくるので、次第に女芯の奥が蕩けてしまうような経験したことがない快感のるつぼになっていたのだ。
　淫欲に貪欲な女体は、歓喜を上げて、その快楽を喰らい尽くしていった。

　パフゥゥゥゥゥパン！！パフゥゥゥゥゥパン！！
　パフゥゥゥゥゥパン！！パフゥゥゥゥゥパン！！
　パフゥゥゥゥゥパン！！
　パフゥゥゥゥゥパン！！パフゥゥゥゥゥパン！！
　パフゥゥゥゥゥパン！！パフゥゥゥゥゥパン！！
　パフゥゥゥゥゥパン！！
　パフゥゥゥゥゥパン！！パフゥゥゥゥゥパン！！
　パフゥゥゥゥゥパン！！パフゥゥゥゥゥパン！！
　パフゥゥゥゥゥパン！！
　パフゥゥゥゥゥパン！！パフゥゥゥゥゥパン！！
　パフゥゥゥゥゥパン！！パフゥゥゥゥゥパン！！
　パフゥゥゥゥゥパン！！
　パフゥゥゥゥゥパン！！パフゥゥゥゥゥパン！！
　パフゥゥゥゥゥパン！！パフゥゥゥゥゥパン！！
　パフゥゥゥゥゥパン！！

　尋常じゃ無い軽快な淫音は、見る者だけでなく奏でている男自身にも強い刺激となってフィードバックしていった。
　迸る汗が、男が全精力を費やしてオスの本望とも言えるピストン運動に熱中していることを証明していた。
　狂乱に等しいハイテンションの真っ直中で、達也の中である変化が起きつつあった。
　走馬燈のように、幼少の頃から妹の可憐な姿を追い続けていた自身がフラッシュバックして流れていった。

　そして今でも決して忘れることが無い、郁美が生まれた日にたどり着いた時、祖父「泰蔵」から耳打ちされた「ある言葉」が唐突に蘇ったのだ。

泰蔵　「達也　今は未だ分かるまいが」
　　　「お前は郁美の守護者なのだ」
　　　「分かるか？」
　　　「郁美は　我が一族数百年に達する系譜の中で」
　　　「待ち焦がれていた」
　　　「真祖始母様の転生した子なのだ」
　　　「そして　お前は　戦国の時代」
　　　「戦の中で真祖始母様を守って」
　　　「若くして亡くなった恋人の」
　　　「生まれ変わりなのだ」
　　　「深く恋人を愛していた真祖始母様は」
　　　「悲しみに暮れて　この転生を計画されたのだ」
　　　「まあ良い　今は分からなくても」
　　　「いずれ　お前は　郁美を妹ではなく」
　　　「１人の女として愛するようになるじゃろう」
　　　「それで良いのじゃ」
　　　「しかし　その時こそ　お前は思い出すのじゃ」

　その瞬間、達也の意識は弾け跳んだ。
　その先には、雲ひとつ無い、真っ青な青空に似ている空間が広がっていた。



　郁美は、健二だけに感じてきた魂の共鳴と似たものを実兄である達也に感じていた。

　肢体と肢体の共鳴、吐息と吐息の共鳴、体温と体温の共鳴、体液と体液の共鳴、体臭と体臭の共鳴、それら全てが共振と言って良いほどお互いを増幅し合っていたのだ。
　決して実の兄妹だから感じるものだけでは無いと確信があった。
　肢体を駆け巡るジェットコースターのような快感のアップダウンで、まさに狂乱の中にありながら肢体から遊離した意識の中で冷静に考えていたのだ。

　既に肢体の主導権は「郁美様」が掌握しており、悦楽の享受を貪欲に喰らい尽くしている真っ最中であった。

「そう　わたし達は　ずっと」
「ずっと　運命づけられたのかもしれない」
「達也兄さん　わたしのお兄ちゃん」
「わたしの大切な人」
「すごいわぁ　こんな気持ちは初めて」
「今なら分かる　わたしは」
「ずっと待っていたのかもしれない　この日を」
「あん　こんなのぉ　すごすぎるぅぅぅぅぅ」


　ジョウゥゥゥゥゥゥパン！！
　ジョウゥゥゥゥゥゥパン！！
　ジョウゥゥゥゥゥゥパン！！
　ジョウゥゥゥゥゥゥパン！！
　ジョウゥゥゥゥゥゥパン！！
　ジョウゥゥゥゥゥゥパン！！
　ジョウゥゥゥゥゥゥパン！！
　ジョウゥゥゥゥゥゥパン！！
　ジョウゥゥゥゥゥゥパン！！
　ジョウゥゥゥゥゥゥパン！！
　ジョウゥゥゥゥゥゥパン！！
　ジョウゥゥゥゥゥゥパン！！

　
　達也は、既に意のままになった妹の肢体をバック体勢のまま引き寄せると、両手で豊かでマシュマロのようなバストを思いのままに揉みし抱いた。
　そしてオオカミのような咆哮をあげながら、自身の濃縮された精液を妹の子宮に注ぎ込んだのだ。
　２人の汗が飛散して、照明が乱反射して七色の光を放っていた。
　それはまさに芸術的な光景であって、会場の者達も一様に感嘆の吐息を漏らすほどであった。
　アクメの果てにたどり着いた２人だけの至福の時間が今訪れた瞬間でもあった。

　達也は２人だけの言葉を郁美の耳元で囁いた。

「俺は　ずっと　ずっと　生まれる前から」
「ずっと君を愛していたんだよ」


　郁美は爆発するような熱い粘液の迸りを受けとめて、まさに宙を舞う夢心地であった。
　これほど真っ直ぐ、激しく、一気に登り詰める、パワフルなセックスは初めてであった。
　経験は豊富である彼女をして、放心状態であった。
　あの「郁美様」が意識喪失してしまう状態で、脱力の真っ直中に引き戻された郁美は凄まじい虚脱感の中にいたのだ。

　達也は、いとも簡単に「郁美様」を粉砕してしまったのだ。
　膣内で未だに存在感抜群の肉棒が律動すると激しい痙攣が襲いかかってきて、再び思わず再び逝ってしまう。

　これ以上、感じてしまうと失禁してしまうと焦ってしまう。
　咄嗟に、直前にお手洗いに行かなかったことを悔やんだ。
　一呼吸とろうと前に這いずって肉棒から逃れようとしたが、腰を掴まれていてどうにもならない。
　そうこうするやり取りでポルチオ性感を肉球でズンと突かれてしまい、また逝ってしまうと共に辛うじて押さえていた股間が決壊した。

　最も恐れていた聖水が一気に溢れ出てしまった。

　１度溢れると肉棒の存在が障害となって、女の力ではどうすることも出来ないことを嫌というほど経験している彼女は諦めて、むしろ力込めて聖水を解き放ってしまう。
　恥ずかしい音、照明でキラキラと乱反射して飛散する自身の聖水のことを考えないことにした。

　シャルゥゥゥゥゥゥシャアァァァァァァァァァァァァァァァァァシャルゥゥゥゥゥゥシャア♪♪
　シャアァァァァァァァァァァァァァァァァァシャルゥゥゥゥゥゥシャアシャルゥゥゥゥゥゥシャア♪♪


　予想して覚悟していたが、達也はやはり女の天敵ともいうべき超一流の色事師であった。
　魔具ともいうべき魔球状の亀頭を持つ肉棒は、天下一品の逸物であった。
　恋だけでなく、多くの女達があっという間に虜になるのは当然だと思った。

　彼の告白ともいうべき言葉を、郁美は重く受けとめていた。
　そしてなんとなくであったが自身と兄との関係は、ただの血縁関係というだけでなく、もっと深く思い繋がりなんだと気がついたのだ。
　魂と魂の繋がりというべき、ハレーションを起こす特別な関係なのだ。
　未だ少しも終息しないアクメのビックウェーブによって、彼女の中でも新たな変化を起こそうとしていた。


　達也は秘めたる愛が成就して幸福の絶頂であったが、自分がなぜ妹を、郁美を追い続けていたのかを悟りつつあった。
　腕の中の女体が愛おしくて堪らないが、祖父の「守護者」という言葉の重みを実感していた。

　なんとなく、愛している彼女と一度も結ばれることなく、彼女を守るために永遠の別れをした昔の記憶が蘇ってきていたのだ。

　次の瞬間、股間に生暖かい迸りを受けたのだ。
　セックスしている女を失禁させるなど、まさに男にとっては最高の勲章であり、無意識に満面の少年のような笑顔が浮かんでいた。

　達也の封印ともいうべき重石が解き放たれて、覚醒の時を迎えたのだ。

　彼を知る者達は、一様に変化を感じ取っていた。

　表情は全く別人のような雰囲気を醸し出していた。


つづく
【前頁】/【次頁】
あなたのひと言が作者の励みとなり、新たな作品が生まれます。ご感想宜しくお願いします。
羅衣さんの作品集→羅衣さんの他作品
2020年4月25日掲載
Copyright (c) 2020 羅衣 All rights reserved.
▲