ずっと愛してます３
羅衣 作
第16話　覚醒の時２


　シャアァァァァァァァァァァァァァァァァァシャルゥゥゥゥゥゥシャアシャルゥゥゥゥゥゥシャア♪♪
　シャルゥゥゥゥゥゥシャアァァァァァァァァァァァァァァァァァシャルゥゥゥゥゥゥシャア♪♪

　ステージ上で突如として始まった聖水ショーに、会場から感嘆の声があちこちで上がった。

　ＳＭプレイ、陵辱プレイなら定番であったが、兄妹の近親相姦ショーでそのような濃厚な情景を鑑賞できるとは誰も思っていなかったであろう。

　それも立ちバックで妹が感じまくった果ての失禁であるので、リアリティ満点であった。
　男にとっては潮吹きも女を征服したと自己満足させるひとつの形ではあるが、失禁はそれにも優る女の痴態であった。

　郁美ことアテナは、この瞬間、征服願望の強い男達の心を掴んでしまった。
　アテナ（郁美）は、失禁しやすい女だというイメージが付いてしまい、本人的には「聖水姫」、「聖女」などというありがたくない冠を頂く結果になってしまったのだ。
　それは誤解で、達也がそれだけ凄い色事師であった証明であったが、男達の興味が郁美にしかなったのだから致し方ないところであろう。


　
　郁美をこのように失禁させる男は自分だけと自負していたのだから、一番驚いたのは夫である健二であろう。
　健二の達也に対する予測は的中した形になった。
　２人は実の兄妹であり、血の近さはそのままセックスの相性となって現れた形だが、２人の様子の変化から双方に懸念していた化学変化が起きていると直感していたのだ。

「やはり　２人は」
「生まれながらのセックスバーサーカー」
「性狂戦士なのかもしれない」
「祐司といい　紗弥といい」
「彼らの血筋は　規格外過ぎる」
「そして　２人にとって」
「お互いの存在こそ封印だったのかもしれない」
「俺は　なんて幸運な男なのだろうか！！」
「最愛の女　妻が　セックスバーサーカーとは」
「無敵ではないか！！」
「達也　今更頑張っても手遅れだ　郁美は俺の女だ」



　郁美は未だ少しも終息しないアクメのビックウェーブにより、自分の中で起きている新たな変化を楽しんでいた。

「これなのね　健二が話してくれたのは」
「なんかどんどん気持ちよくなってきたわ」
「凄い　凄すぎる」
「ストロボのように意識が跳んでも跳んでも」
「終わらないの」
「それでも気持ち良さは跳んだりしない」
「わたしの中にいる兄さんのオチンチンの形が」
「手に取るように分かる　これなのね」
「これがセックスバーサーカーの感覚なのかも」
「逝っても気持ち良さが途切れない」
「普通なら　もう何度も失神している筈」
「うふふ　達也兄さん」
「そんなにムキになっても駄目よ」
「わたしの絞め技でお返しよ」
「あはぁ　どう　ピストンできないでしょ！！」


　達也は無心になってピストン攻撃を再開して、妹の完全征服に乗り出した。
　もはや打算、計画など一切無くて、最愛の女性をセックスによって魅了して我がものにするという目標に向かって突っ走るだけであった。
　しかし唐突に自慢の肉棒が痛いほど締め付けられて、ピストン運動不能に陥り困惑の表情を浮かべていた。

「なんだ？」
「なんて力だ！！　うぅぅぅぅぅ抜けない」
「動かせない」
「放してくれ郁美」
「うっううぅぅぅぅぅ　なにしとっとか？」
「ぐがぁぁぁ　中が動いている」
「扱かれている　あふぅ　抜かれる」
「このままでは　抜かれる」
「うぅぅぅぅぅぅぅぅはふぅ」

　達也には、為す術もなかった。
　生き物のように蠢く蜜壺に肉棒を咥え込まれた男は、あまりに無力であった。
　マシュマロのように柔らかいお尻で押されるような形になり、後方のベットに腰を落とすしかなくなった。

　次の瞬間、眩しいくらいに白い裸身が実に巧みにクルッと回ると、グイと押されて一気に騎乗位の体勢に持ち込まれてしまった。

「うはぁわぁうぅぅぅぅぅぅ」
「えっえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」
「あっえっうほぉ　えっうはぁ」
「うそぉだろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」

　達也は唖然と眼前でぶるんぶるんと躍動する「天使のバスト」に目を奪われていた。

　仮に２人の才能が同等でも、郁美には健二という最強のパートナーがいて、更に徹、祐司、凌と最良、最高の男達を欲しいままにしている経験が彼女を一段と成長させていて、その差は歴然としていた。
　こと淫欲の貪欲さでは、郁美は完全に達也を凌駕していたのだ。

　達也の本質が彼女の賛美者であって、魂の随まで彼女色に染まっていたのだから、そもそも「天使のバスト」に心奪われた時点で完敗であった。

「うん　これでいいんだぁ」
「俺は　ずっと　ずっと」
「この日を待ち焦がれていたんだ」
「ならば　彼女の期待に応えてみせるのが」
「男というものだ」

　例え劣勢であっても、あくまでも愛する女を地の果てまでも追いかけ続けるのが彼の本質でもあった。
　その自覚が、達也の覚醒に繋がっていく。


　以心伝心、郁美は彼の心境の変化を感じ取っていた。

　今ほど兄のことが理解出来た日はなかったと思う。
　自分が妹でなければ、達也はどれほど楽であったであろうかと思う。
　もし他人同士で出会っていれば、間違いなく惹かれあったであろう事は実感としてあった。
　男性としての資質も恐らく徹に優るとも劣らないであろう。

　しかし現実として兄妹であり、郁美は健二への愛情が心の中の大半を占めているのだ。
　健二と再会して結婚してから、それは日に日に増大していて、健二再会前はあれほど愛していた徹の存在がもはや衛星の可愛い子になってしまったのだ。
　もはや誰にも、健二の本星としての存在感を脅かすことなど不可能であった。
　５大老達の度重なる調教も彼女には一切通用しなかった事からも分かるが、逆に５大老達は彼女の虜になってしまい、ミイラ取りがミイラ化していた。

　「運命」という言葉で片付けたくはないが、達也の深い愛情に応えられない申し訳なさがあったのは事実であった。
　そして彼には、郁美にとっても戦友ともいうべき同級生の妻である恋(れん)を大切に愛してもらうことが、これからの実家での勢力バランスを女子会側にたぐり寄せるのに必要な戦略でもあった。
　これは亜紀とも十分に話し合った基本方針でもあったので、恋のために踏ん張りどころでもあった。

「達也兄さん　もう駄目よ」
「恋を　ちゃんと見て　愛してあげて欲しいの」
「恋は　ずっと　ずっと」
「達也兄さんだけを見てくれていたのよ」
「恋は　わたしの大切な人」
「わたしには　健ちゃんがいるの」
「そして　わたしは健ちゃんで一杯」
「だから　達也兄さんは　恋を守って欲しいの」
「お願い　目を醒まして」
「それが叶ったら　わたし　いつでも　ねっ」



　恋は、夫である達也が実妹の郁美と繰り広げる痴態模様を複雑な心境で見つめていた。

　郁美のアドバイスで亜紀の席に身を寄せたのだが、亜紀の夫、凌があまりに素敵な男性なのでドキドキしてしまっていた。
　亜紀と凌が気を遣ってくれて、いろいろ優しくしてくれるので居心地も良くて郁美のアドバイスに従って良かったと思っていた。

　正直、心は荒波で冷静ではいられない気持ちであったが、亜紀が優しく背中を擦って癒してくれるのが心強かった。
　凌は、恋が知らなかった「会」のことなど話してくれるし、ちょっとお寒い親父ギャグも放って気がずいぶん紛れていた。

　そして「会」では有名人のレイナ（麻輝）とマリヤ（美帆）も、やってきてなにかと気にかけてくれていた。
　恋は、郁美のいう大切な人達、女子会とは、こういう存在感なのだと理解した。

「なんて素敵な人達なの」
「確かに　お互いの全て」
「なにもかも知り合っている間柄」
「取り繕う必要も　演じる必要もない」
「まさに素でいられる」
「そして言いたいこと言えば良い関係」
「普通の女同士なんて　めんどくさい」
「わたしが　達也のことで　心穏やかでないこと」
「みんな理解して　思い遣ってくれる」
「上っ面でない関係」
「きっと彼女達も　同じ気持ち」
「たくさん経験してきたのね」
「うん　郁美ちゃん　わたし　ここにいたい」
「亜紀さんのそばにいたい」

　テーブルの下では恋と亜紀の手が絡み合っていた。

　恋は同性愛という自覚が無かっただけであって、１度意識してしまえば噴出する劣情を抑えられなくなった。
　同じ空気、存在感を亜紀に強く感じるのは自然なことであった。
　今なら郁美が亜紀を大切にする気持ちが痛いほど理解出来た。
　亜紀には、他の女性では感じることがない安らぎを感じるのだ。
　これは天性の資質であり、真似して身に付けられるものでは無いのだろう。
　だからこそ亜紀は女子会の核であり中心人物なのだ。

　恋は、今まで１人で悩んで苦しんだことも亜紀なら答えへ導いてくれると既に確信していたのだ。
　そんな些細な自覚が恋の覚醒の始まりだったのだ。



　亜紀は、ご機嫌よろしく、大満足の笑みを浮かべていた。
　多少、郁美の選択は無茶が過ぎるかなと心配していたが、結果的に亜紀が望んでいた形に全て収まろうとしていた。
　亜紀が一番欲しかった、恋はあっさり手の内に落ちきたし、更に彼女自身も同性愛嗜好を秘めていたことが明らかになったのだ。

　九州地区女性陣のキーパーソンは、恋であるのは明らかだったので、初日から九州方面の女子会勢力拡大は盤石の体勢が整ったことになる。
　ロリータ系美女である恋の女子会加入は、男達にとっては劇薬並みの刺激剤になることであろう。
　既に凌は恋に興味津々であり、呆れるほど彼女の気を惹こうと至れり尽くせりの有り様であった。

「もう　凌たら　懲りないひと」
「まあ　わたしが甘やかしているから　悪いんだけど」
「ご馳走食べさせすぎかもしれない」
「ちょっと反省」

　亜紀は、ひとつ年上の麻輝と凌を通じて、既に特別な関係を構築していた。

　初めは麻輝のボランティア精神で、身重だった亜紀の代わりに凌の相手役を引き受けてくれたのだが、凌のパワーは健二一筋だった麻輝をあっという間に飲み込んでしまったのだ。
　そして亜紀と家事も平和的に協力し合う関係を構築すると、今では麻輝は、健二と凌が特別な人と公言するほど愛情を示すようになったのだ。

　これは亜紀の女心を知り尽くした上の作戦であった。
　凌は、性生活だけでなく、食生活、生活行動の全てがパワフルで、本当に男らしい女心を擽る男性なのだ。
　投資家で資産家の当主であり、亜紀に夢中にならなければ、今頃は愛人は軽く１００人はいたことであろう。

　打算で彼に近づいた女性達は、いつしか本気で彼を愛していることに気がつくのだ。
　しかし凌は、打算で近づいてくる女には見向きもしない堅物という顔を持っていた。
　そんな彼を出会った頃は真逆に相手にしない、見向きもしなかった自分に、だからこそ固執して愛してくれたのだと思っていた。
　亜紀自身は、未だ自分が凌にとっては事故死した前妻の生まれ変わり、天使であったなどと知るよしもなかったのだから当然といえば当然であった。

　亜紀は、更に妹分の佐紀子を身近に置いていたこともあり、本来多忙を極める状況の中で自分の時間をしっかり確保していた。
　その時間を今は弁護士になるための勉強にあてていたのだ。
　体調が優れなかったこともあるが、出産という大事業を果たした結果、もうひとつの夢を実現したいと志したことも大きな理由であった。

　本来は年子で今一度妊娠を想定していたのだが、双子出産という形になったので、人生計画を変更して「会」への本格参加も前倒しにすることにしたのだ。
　授乳期、大切な幼少期は子育て優先ではあったが、既に司法試験受験資格を獲得していたので「会」本格参加前に司法試験パスを目指すことにしたのだ。

　亜紀の特徴は、男性関係、女性関係だけでなく、あらゆる事に妥協無く欲張りに手中に収めることにあった。
　そして、どれもトップクラスの実力を身に付けていくことになり、名実共に女子会リーダーを通して「会」を変貌させる存在になっていくのだった。
　そして亜紀は、郁美に感化されて、いつしか郁美を凌ぐ欲張りなオンナになって覚醒していくことになる。


　徹は壇上の郁美の様子が気になっていたが、もはや痴女かと思うほどの悠希の攻撃に圧倒されていた。
　美女中の美女である悠希に、ここまで情熱的なフェラチオされたら、どんな男でも骨抜きになってしまうであろう。
　フェラチオの女王、里奈に優るとも劣らないスーパーテクニックに晒されて、若いマグマが暴発寸前まで追い込まれていた。

　改めて年上女性の怖さを思い知らされていたが、敬愛する郁美に「天才スケコマシ」と太鼓判を押して貰ったプライドが彼を踏みとどまらせていた。
　自分が失態を演じたり、無様な姿を晒すことは、敬愛する彼女を損なうと勝手に決めつけて、自分を厳しく戒めていたのだ。
　彼にとっては、今でも彼女は絶対的な存在であった。
　特に彼女と健二との絆が次第に深まるにつれて、彼の焦りは小さいものでは無かった。
　経験だけとは片付けられない健二と差があると、感じていたからこその焦りであった。

　なんといっても彼は常に彼女を笑顔にさせていて、彼の存在そのものが彼女の笑顔の源になっているような気すらしていた。
　この悩みを妻である敬子に明かすことが出来ない若さが苦しみを深刻化させていた。
　今までなら亜紀と里奈にアドバイスをと縋ったところであったが、里奈は再び身重であったし、亜紀は出産直後で多忙であり、若い男は袋小路に迷い込んでいた。

　徹も男としてのプライドがあって、郁美に素直に縋ることも出来なかったのだ。
　だからこそ、未だ関係が無かった悠希との関係を早期にと焦って望んだ背景があった。
　敬子は、そんな彼の状況を誰より理解して心配していたのだが、彼女も若さ故にどのようにフォローすれば良いのか困っていた。
　触れ方を誤れば、彼のプライドを傷つけるだろうことは痛いほど理解していただけに思案に暮れていた。
　そして彼女が相談出来る存在は、徹の状況と同じく悠希しかいなかったのだ。


　敬子の相談は、悠希を驚かせた。
　順風満帆の天才色事師と思っていた徹が、２１歳の若い男性らしい姿を見せたことが意外でもあったのだ。
　悠希が恵まれた徹と距離をとってきたのは、郁美の秘蔵っ子というイメージが強く、更に亜紀と里奈から可愛がれている彼が特別な存在に思えたことも理由のひとつであった。
　そして今では妹のように可愛がっている敬子の夫であり、酒場という戦場で男と女のラブゲームをくぐり抜けてきたオンナとしての自負があり、妹分の大切な男性に手を出しにくい感じがあった。

　敬子のお願いを受けての気持ちの変化という形であったが、若夫婦のレスキューという大義名分のもと、悠希は若さという可愛らしさが露呈した徹に急に興味津々であった。
　亜紀から数ヶ月前に敬子と徹の若夫婦を助けてあげて欲しい旨の話があったのだが、それはこういう事態を予測してのものであったのかと今頃になって気がついたのだった。

　悠希は、自身の迂闊さからゼウスに肢体を楽しまれてしまった余韻を打ち消したい気持ちも少なからずあったので、亜紀から徹を託された時に迷うことなく彼を襲ったのだった。
　彼女は、もともとは異性とのセックスはどちらかという受身なタイプであり、亜紀と似た淡白な傾向が強かったのだ。
　その分、亜紀との同性愛に深く傾倒していたとも言える。
　そんな彼女が、浮気の後の背徳的劣情の魔力を覚えて以来、今ではすっかり肉食系のバイセクシャルに変貌を遂げていた。
　祐司、健二、凌と経験を経て、満持しての天性スケコマシ試食の時来るであった。
　フェラチオテクニックも今では健二ですら追い詰めるレベルに上達していて、彼をしてこれ以上は極めなくて良いと言わしたほどであった。
　それが徹を押し包んでいたのだ。


　徹は、青息吐息で身悶えながら嵐のように吹き荒れる射精の誘惑に抗っていたが、自身に集中する視線にも耐えなければならなかった。
　亜紀、恋、麻輝、美帆に、今まさに逝き顔を見せる瀬戸際を彷徨っていたのだ。
　彼女達は彼にとって愛すべき女性達であって、若い彼にも男としてのささやかな矜持があったのだ。
　この状況は、もはや拷問だと思ったほどであった。
　視線に耐えかねて、ソファーの背もたれに身を預けて天を仰いでしまった。
　思わず腰を浮かした瞬間、白魚のような美しい手がアナルをなぞった刺激に屈してしまい、若いマグマを悠希の口内に吐き出してしまったのだ。
　久々に味わう、ありったけの射精であり、その直後に襲う脱力感はハンパないものだった。

「はあぁぁぁ　こんなに抜かれたのって」
「こないだ郁美に温泉旅館でされて以来かな」
「この感覚は　何度味わっても　しんどいなぁ」
「精も根も尽き果てるって　こういう感じ」


　悠希は、口内に若いマグマの凄まじい噴出を受けとめて、咽せ返りそうになり焦っていた。
　噂で徹の射精力は凄いと聞いていたが、想像していた以上にパワフルであったことに驚いていた。
　まさに爆発と表現して良いほどの、噴出パワーであった。
　ドロッと濃厚なゼリー状の生きたタンパク質が、粘着質で喉にこびり付き息が止まりそうな程であった。
　更に多量に噴出してきて、彼女の経験した中で軽く数倍の量が口内に多量に溢れかえったのだ。

「えっえぇぇぇぇぇぇうそぉぉぉぉぉ」
「この子　スゴいぃ　こんなにたくさん　うっはぁん」
「里奈が　あっという間に出来ちゃうの　分かる」
「みんなが　好きになっちゃうの　分かる」
「この子は全てが超一流なのね」


　郁美の大胆な選択が、何人もの関係者の隠された部分を覚醒させるきっかけとなったのだ。


つづく
【前頁】/【次頁】
あなたのひと言が作者の励みとなり、新たな作品が生まれます。ご感想宜しくお願いします。
羅衣さんの作品集→羅衣さんの他作品
2020年5月2日掲載
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