ずっと愛してます３
羅衣 作
第41話　新たなる芽吹き


　健二は焦りまくっていた。

　帰宅すると瑠璃子が突然オンナぶり全開となり、急に愛妻郁美の様に扱いづらい女になってしまったのだ。

　楽しそうに昨晩の経験を、郁美達と談笑する姿に立ち眩みのようなものを覚えていた。

「一体どうなってんだ」
「急に色っぽくなって　気になって仕方がない」
「昨日までの少女みたいな雰囲気は」
「勘違いだったのか？」
「ひょっとして　俺は　郁美に」
「上手く踊らされたのかもしれないが・・・・・」
「まあ　ご馳走にあずかり　まあいいか！！」
「ゼウス様は悔しがるだろうが　がはは」
「郁美と仲良くやってくれると」
「俺には悪いことは全く無いのだから」

　健二は既に脳天気に留守中にやって来たという瑠璃子の妹、佳子に興味津々であった。
　以前、見かけたときは可憐な少女だった佳子も、既に女子大生ということで見頃食べ頃であり、超高級の姉妹丼実現に策謀を巡らしていた。

　彼にすれば、今となってはオンナ社会は女達だけで上手くやってくれれば良いと考えていたし、郁美と亜紀を中心とした女子会「美あんず」に任せれば問題無いと全幅の信頼を寄せていた。
　だからこそ彼は高嶺の華と思っていた瑠璃子を喰らうことが出来たと考えていた。
　つまり佳子を手に入れるは時間の問題であり、彼はそのことをアピールするだけだ。

　郁美はそんな企みをお見通しであり、欲望の際限が無い夫にやや呆れ気味であった。
　とはいえ、一夜ですっかり美しさに磨きがかかった瑠璃子の変化ぶりに、同性ながら驚きが先に立っていた。
　女がオンナに変わる特効薬こそ愛する男からの至上の愛情に尽きるのは、彼女自身が痛いほど知っていることながら、その激変ぶりに感嘆を禁じ得ない。

　亜紀も同じく眩しそうに瑠璃子を見つめて実感しているに違いないし、輝いた目で彼女と談笑する凌も強く惹かれているのは明らかであった。

　ゼウスが孫娘「瑠璃子」は超新星になり得ると、長く期待していた理由が今初めて実感していた。
　彼女は、存在だけで人々を惹きつけ従えさせる女神の星を持った女性なのだ。
　これは郁美や佳子が持ち得ない資質のようなものであろう。
　そして郁美が敬愛する亜紀は、それらとは全く違う圧倒的オーラがあって、また違う存在感なのだ。

　亜紀は郁美が予想していた以上に変貌を遂げた瑠璃子の美しさに惚れ惚れとしていた。
　自然と手が出て、指を絡めつかせてしまう。
　瑠璃子も負けじと指を絡めてくる。
　昨日出逢ったばかりだというのに、お互い強く惹かれあっていたのだ。
　ただ亜紀は決して大切なパートナーである郁美への配慮は忘れない。
　直ぐに郁美にも手を伸ばして引き寄せる。
　
　そんな空気感は男達の居心地を悪くさせる。
　凌は赤ちゃんの泣き声に反応して自宅に戻ろうとし、健二は逃げ出すように、その場から離れようとした。

　その時に、郁美に異変が生じる。

「うっうぅぅ」という呻きと共に、洗面所に駆け込んだのだ。

　一瞬にして場が騒然とする。
　嘔吐する郁美に、健二も、凌も、ギョッとして慌てふためく。

亜紀　　「あれれ　ひょっとして　それってぇぇぇ」
瑠璃子　「まあ」
郁美　　「うぅぅぅ　気持ち悪い」
亜紀　　「それ悪阻よ　やったね」
瑠璃子　「あら！！」
郁美　　「そうかなぁ」
　　　　「まあ　頑張り始めたばかりで」
　　　　「そんな簡単に」
亜紀　　「間違いないわ　健ちゃん　さすがね」
健二　　「えっえぇぇぇぇぇぇぇぇマジか！！　郁美」
郁美　　「みんな気が早すぎ」
凌　　　「直ぐ調べよう　主治医ぃ～～～」
　　　　「携帯はどこだぁ」
郁美　　「凌　焦りすぎ　もう」
　　　　「待ってぇ　うっうぅぅぅ」
瑠璃子　「おめでとうございますぅ」

　突然の事態に郁美は焦りまくるが、周囲は行動力のあるメンバーが揃っているだけに、どうすることも出来ない。
　あっという間に「美あんず」病院に担ぎ込まれて、あえなく妊娠検査されてしまう。
　正直、この瞬間は、まずは独りだけで楽しみたかったのが本音であるが、手遅れである。
　吐き気も落ち着き大丈夫だというのに、安静だと言われて健二と凌に病室で寝かされてしまう。
　そしてどんどん見舞いの人が押し寄せる。
　違ったらどうするんだと、他人事のように心配してしまう。
　ただ一番会いたかった敬子がやって来たのが心強かった。
　既に病院に居た紗弥も、駆けつけてくれた。

郁美　　「もう　みんな気が早すぎ」
　　　　「違ったら恥ずかしすぎ」
敬子　　「大丈夫　赤ちゃん　いる！！」
亜紀　　「あはぁっ　でしょ　見えるもん」
紗弥　　「うふふ　心配しなくても大丈夫」
　　　　「わたしも当たりだと思うよ」
　　　　「わたしも感じる」
健二　　「そんなもんでしょうか？」
凌　　　「彼女達に任せれば問題無いさ」
徹　　　「ですね　結果　まだですかね」
　　　　「なんかドキドキします」
凌　　　「そろそろ　だろ」
瑠璃子　「ところで　なんか　わたし」
　　　　「ラッキーなんですかねぇ」
亜紀　　「そうみたいよ」
郁美　　「なんか怖い　違ったらどうするの　みんな」
亜紀　　「違ったら」
　　　　「健二さんが　みんなに謝らないとね」
健二　　「えっ・・・・・・・・」
凌　　　「そうだな　空砲の罪は重い　がはぁはぁ」
健二　　「空砲・・・・・」
　　　　「確かに　それにしても参ったなぁ」

　一同が心待ちする中、医師が結果報告を行った。
　結果は、見事妊娠というものであった。
　一同から大歓声が上がった。

郁美　　「ちょっと　みんな　ここは病院よ」
凌　　　「構わんさ」
　　　　「ここは「美あんず」専用病棟だから」
　　　　「関係者以外居ないし　オーナーは俺様だ」
　　　　「それより　オメデトウ　郁美ちゃん」
　　　　「でかした　健二君」
健二　　「ありがとうございます」
　　　　「空砲の汚名は回避出来ました」
敬子　　「わぁい　おめでとう　楽しみぃ」
瑠璃子　「素敵だわ　おめでとうございます」
亜紀　　「うふっ　言ったでしょ　おめでとう　郁美」
郁美　　「ありがとう　亜紀　わたし大丈夫かな」
亜紀　　「大丈夫　先輩に任せなさい！！」
紗弥　　「おめでとう　郁美　うふふ」
徹　　　「でも　パパは健二さんで良いのですか？」
健二　　「えっ　へぇ？」
凌　　　「だな　俺かもしれない」
亜紀　　「こらぁ！！　２人　お黙り！！」
郁美　　「間違いなく　健ちゃんです！！」
　　　　「わたしは　健ちゃんの妻です」
　　　　「プライドに掛けて失敗しません」
瑠璃子　「あのぉ　皆さん　冷静に」
亜紀　　「あなた達　女を舐めないで欲しいわ」
　　　　「ここの先生方の協力もあって」
　　　　「完璧なんだから」
健二　　「俺は　なにも言ってない！！　信じてるよ」
徹　　　「ごめんなさい」
　　　　「心ないこと言ってしまいました」
　　　　「未熟でした」
凌　　　「すまん　正直言って」
　　　　「欲張りな気持ちが出たんだ」
　　　　「郁美ちゃん　亜紀　すまなかった」
郁美　　「いいのよ　もっともだわ」
　　　　「みんな愛してくれて」
　　　　「俺こそはって思ってくれている証拠だから」
亜紀　　「心配しなくても」
　　　　「ちゃんと」
　　　　「わたしもＤＮＡ鑑定して確認したでしょ」
敬子　　「そう　それ　便利よね」
　　　　「便利すぎて　悪い子になりそう」
亜紀　　「これこれ」
徹　　　「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃ」
凌　　　「まあ　違っても　俺たちは構わんさ」
　　　　「がはぁはぁ」
健二　　「ですね」
徹　　　「はい」
紗弥　　「みんな強がっちゃって　可愛いぃ」
徹　　　「はい　（笑）」
瑠璃子　「なんという場なの　東京とは全く違うのね」
　　　　「こういうの　憧れる」
亜紀　　「それをやり遂げるのが」
　　　　「瑠璃子様　あなたの役割よ」
瑠璃子　「そうなんですね」
亜紀　　「早く　日本に帰ってきて欲しいわ」
瑠璃子　「はい　そうします」
　　　　「わたし　やるべきこと見えた気がします」
　　　　「健二さん　わたし　ずっと好きでした」
　　　　「そして　今も」
健二　　「えっ。。。。。。。。。。。。。」
凌　　　「羨ましいことだ」
郁美　　「瑠璃子様　あなた」
瑠璃子　「うふっ　郁美さん　わたし大丈夫です」
　　　　「旦那様　貸して下さって」
　　　　「ありがとうございます」
健二　　「へえっ　なに？　なに？」
凌　　　「まあ　良いではないか　健二君」
　　　　「役得だったようだぞ　がはぁはぁ」
亜紀　　「そう　そう」

　その後、麻輝、美帆、彩佳、悠希、佳菜子、佐紀子、環、麻里、涼子、直子、そして薫と弥生も駆けつけて、場は一気に華やかになった。
　お疲れ気味の薫と弥生が一同の笑いを誘った。

瑠璃子　「まあ　２人とも　ちょっと大丈夫」
弥生　　「申し訳ありません　お嬢様」
薫　　　「わたしは　大丈夫です」
瑠璃子　「うふふ　２人とも楽しんだようね」
　　　　「良かった」
亜紀　　「あっ　武史は？」
環　　　「さっき帰りました」
　　　　「今日の午後」
　　　　「抜けられない講義あるみたいで」
弥生　　「えっ。。。」
亜紀　　「おやおやおや」
瑠璃子　「まあ　淋しそう　うふふ」
　　　　「心配しなくても　向こうで逢えるわよ」
郁美　　「うふっ」
亜紀　　「まあ　郁美には会って」
　　　　「姉のわたしには　挨拶無しなのね」
郁美　　「ごめん　亜紀　わたしが悪いの」
亜紀　　「まあ　今度　研修で向こう行くから」
　　　　「みっちり絞ってやるわ」
環　　　「亜紀姉様　怖い　（笑）」
瑠璃子　「あん　わたしも　弟さんと会いたかったな」
亜紀　　「あっ　まあ　それは　そのうちで　ねっ」
郁美　　「だね」
瑠璃子　「こらっ　薫さん　徹さんに近寄りすぎ」
　　　　「ちょっと変よ」
郁美　　「刺激が強すぎたかな？　（笑）」
敬子　　「あなた　鼻の下が伸びてるぞ！！」
徹　　　「ほへぇ　えっ！！　そんなぁ」
悠希　　「やれやれ」
瑠璃子　「それにしも　こっちは層が厚いのね」
環　　　「初めまして　徹の妹　山田 環です」
　　　　「間もなく　武史さんと結婚予定です」
瑠璃子　「まあ」
弥生　　「えっ・・・・・・・」
瑠璃子　「あらら　残念ね　弥生さん」
麻里　　「わたくし　武田麻里です」
　　　　「よろしくお願い致します」
直子　　「米田直子です　ナオって呼んで下さい」
涼子　　「森田涼子です　亜紀姉様の愛弟子です」
亜紀　　「まあ」
瑠璃子　「あはぁ　負けそう」
麻輝　　「そう言えば」
　　　　「神戸に　佳子様が　おいでになってます」
瑠璃子　「そうみたいね」
　　　　「後ほど　会う予定よ　まあ　想像つくけど」

　瑠璃子は「会」関西支部が全く異質な集まりなのだと理解した。
　そもそも主軸の女性陣年代が若すぎる。
　関東本部は３０歳代後半もいるが、主軸は４０歳代から５０歳代であった。
　それに取り仕切っているのは、５大老に代表される男である。

　こちら形として主宰は田原 凌と岩永健二であるが、実質的に主導権は「美あんず」にあることは明らかであった。
　女社会は嫉妬と妬みが渦巻くのは避けられないが、亜紀と郁美という絶対的な２人が存在することで、それらとは無縁なのだ。
　「美あんず」は男に惹かれた女達の集まりではなく、亜紀と郁美に惹かれた女達の集まりなのだ。
　その２人は「美あんず」全員に常に公平で有り、誰からも慕われる存在ゆえに、成立する希な集まりなのだ。

　そして瑠璃子自身が関東本部では、その２人と同じ役割を果たさなければ成らないのだと、責任の重さを実感していた。
　瑠璃子には、まだ同志といえる存在は弥生と薫しかいない。
　それに彼女にとっての郁美のような存在が欠かせないなのだと考えていた。
　恐らく、それは妹、佳子なのだろうと思うが、奔放すぎる彼女は不確定過ぎるであろう。
　それに男尊女卑が根強い五摂家血統の男達との戦いが思い遣られる。
　だが、その前に自分は健二に匹敵する男性を見つける必要があるのだ。
　意外に、それが一番厄介なのかもしれない。




　郁美懐妊のニュースは速報でゼウスにもたらされた。

　そして不肖の弟子、健二の反抗だと瞬時に洞察し、彼女を奪い返されてしまったのだと理解した。
　正直、自分自身が挑発しすぎた反動であることは理解しており、反省しきりであった。
　横恋慕して、弟子の妻を奪い取り妊娠させようと画策したのは間違いない。
　一抹、ひょっとしたら自分の子ではと思う気持ちはあるが、あの利発な郁美がそのような失敗を犯すはずもなく、素直に諦めることにした。

　瑠璃子が成長する手助けを、郁美は見事に果たしてくれたらしく、それだけでも十分だと考えることにしたのだ。
　唯一気がかりであった瑠璃子の殻を破るには、郁美しかいないと期待していたのだが、それを頼まなくても果たしてくれるのは彼女が天女である証拠であった。

「アテナよ　今こそ　確信したぞ」
「そちは　紛れもなく五摂家の血を引くおなごじゃ」
「だからこそ　健二　亜紀」
「そして　余と巡り合ったのじゃ」




　「美あんず」病院は、さながら「会」関西支部の大集会場と化した。
　続々と「美あんず」の夫達、スタッフ一同、そして関西支部の有力会員夫妻が押し寄せたのだ。
　郁美は、もう帰りたいと主張したのだが、男性陣に安静を勧められ引き止められた。
　すると上記のような有り様となったのだから焦りまくった。

　須貝 葵を中心として尾崎優月、金子絢音、田中七海、篠原美羽の５人がそつなく切り盛りしてくれるから整然として混乱状態に陥らなかったが、普通は大混乱必至であろう。
　瑠璃子達の帰り支度も滞りなくサポートしてくれる。
　しみじみ凌による人選の見事さに感心してしまう。

　数々のお祝い訪問で恥ずかしかったのは、叔父で親友彩佳の夫となった祐司の登場であった。
　彼は人一倍喜んでくれたが、自分の子でなかったことを堂々と悔しがって見せたからであった。
　彩佳は笑ってくれたので、つくづく彼女のありがたさを痛感することになった。

　嬉しい訪問もある。
　杉本健一、玲奈夫妻の久しぶりに揃っての再会だ。
　それぞれとは頻繁に会う２人であるが、やはり夫妻というのは一緒に揃って会ってこそ感慨深い。
　郁美にとって、健一、玲奈夫妻は、凌、亜紀夫妻と並んで、もっとも敬愛する夫妻であった。
　実は郁美が今現在密かに興味津々で惹かれている男性は健一であり、敬愛して尊敬している女性が玲奈なのだった。

玲奈　　「おめでとうございます　そしてお大事に」
　　　　「遂に　やったね」
　　　　「妊娠出産は」
　　　　「オンナの最終検定みたいなものよ」
里奈　　「だね　遂に郁美も　うふふ」
健一　　「オメデトウございます　楽しみですね」
　　　　「きっと　もっと郁美さん強くなりますよ」
亜紀　　「うん　うん」
彩佳　　「あん　わたしも欲しくなったぁ」
祐司　　「おいおい」
　　　　「数年先延ばしにするって言っていたのに」
彩佳　　「撤回しますぅ」
祐司　　「おお　望むどころだ！！」
里奈　　「あらまぁ　お盛んなことで（笑）」
麻輝　　「へへ　これで　わたしも」
郁美　　「あれれ　麻輝さん気にされていたの？」
麻輝　　「まあ　これも　オンナの仁義よ」
　　　　「順番だけも」
健二　　「えっ　俺？　参ったな」
凌　　　「つくづく　羨ましい男だ」
敬子　　「わたしも　欲しい　赤ちゃん」
徹　　　「それは　大学卒業まで　お預け」
敬子　　「プンプン　それは異議あり」
徹　　　「原田のお父さんとの男の約束だから」
　　　　「譲れない」
　　　　「だから学生結婚出来たこと」
　　　　「忘れては駄目だよ」
郁美　　「そうね　それは徹の言うことが正しいわよ」
敬子　　「そんな　ズルいぃ」
徹　　　「参ったなぁ」
凌　　　「そんなこと　敬子ちゃんは分かってるさ」
　　　　「気持ちを言ってるんだよ」
敬子　　「そう　気持ちよ」
　　　　「さすが大人の男性は分かってるぅ」
亜紀　　「あっ　敬ちゃん　狙ってるな」
凌　　　「えっえぇぇぇ　そうなるぅ？」
祐司　　「私も　田原氏に一票投じます」
凌　　　「だろうぅ　これに下心はない」
健二　　「そうですね」
里奈　　「あらら　敬子支持者多し」
悠希　　「これが年長者の手口よ」
　　　　「ギャル達よく覚えておくのよ」
環一同　「はぁぁぁい！！」
凌　　　「いかん　男性諸君　ここは撤退あるのみ」
　　　　「ラウンジで　祝杯上げるぞぉ」
男一同　「おおぉぉぉぉぉ」
悠希　　「逃げ足早　（笑）」
麻輝　　「それでは美帆と２人で」
　　　　「男性陣の面倒みてきます」
郁美　　「ごめんなさい」
亜紀　　「いつも　ありがとう　よろしくね」
美帆　　「いえいえ　わたし達は」
　　　　「その方が好きですから」
　　　　「お気になさらないで」
悠希　　「わたしも」
郁美　　「あん　悠希さんには居て欲しいな」
悠希　　「うっ　そう」
佳菜子　「わたしが　行きますから」
　　　　「悠希さんは　郁美さんのおそばに」
　　　　「居てあげて下さい」
悠希　　「いつも　ありがとう　佳菜ちゃん」
亜紀　　「良い後輩だね」
悠希　　「うん　あの子　間違いなくトップ獲るよ」

　悠希は「美あんず」主要メンバーだけになったので、佳菜子の可能性と期待を熱く語ったのだった。
　そして銀座に送り出したいと言い出したのだ。
　タイミングは、瑠璃子様が帰国して関東本部に乗り込んだ時期が良いのではと考えていることも明かしたのだった。

亜紀　　「確かに瑠璃子様には腹心が必要ね」
　　　　「そして銀座攻略には」
　　　　「瑠璃子様との関係は武器ね」
敬子　　「でも淋しくなりますね」
里奈　　「そっかぁ　敬ちゃんと佳菜ちゃん」
　　　　「同い年で　今一番の仲良しだもんね」
悠希　　「でも　あの子は　銀座に相応しい子なのよ」
　　　　「郁美は　どう思うの？」
郁美　　「淋しいけど　亜紀と同じ考えです」
　　　　「瑠璃子様 　手助けしたい」
　　　　「そして 佳菜ちゃんの可能性広げたい」
里奈　　「だね」
環一同　「わたし達は」
　　　　「亜紀姉様　郁美姉様 の判断支持します」
彩佳　　「まあ　後は　佳菜ちゃん本人次第でしょ」
悠希　　「みんな　ありがとう」
玲奈　　「なんか　みんな大人だよ」
　　　　「感心しちゃったぁ」
　　　　「わたしも　異論無いわ」
亜紀　　「玲奈さんに そう言って頂けると」
　　　　「決心固まりますわ」
玲奈　　「またまたぁ～　うふふ」
亜紀　　「分かりました」
　　　　「悠希と一緒に　佳菜ちゃんの意志確認して」
　　　　「それでとなったら」
　　　　「わたしから瑠璃子様に提案してみます」
里奈　　「まあ　後は　わたし達が」
　　　　「いかに瑠璃子様達を支援できるか　だね」
郁美　　「みんな　ごめんなさい　迷惑掛けます」
玲奈　　「郁美ちゃん なに言ってるの」
　　　　「これは　お互い様」
亜紀　　「そうよ　気にしちゃ駄目」
里奈　　「そうそう」
敬子　　「わたし　頑張ります」
悠希　　「ということで」
　　　　「ギャル達よく覚えておくのよ」
環一同　「はいぃ」
亜紀　　「そう　環ちゃんも来年だからね」
　　　　「よく考えて行動すること」
環　　　「はい」
郁美　　「そっかぁ　もう来年かぁ　淋しくなるね」

　その後、佳子が亜紀の弟、武史と瑠璃子を会わせないで、と要請したことへの分析が主な議題となったのだった。
　その予測は全く立たず、皆が困惑する話題であった。

　ただ亜紀がただ１人不安げな表情を浮かべていて、それに郁美だけが気がついて２人は指を絡めていた。


つづく
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あなたのひと言が作者の励みとなり、新たな作品が生まれます。ご感想宜しくお願いします。
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2020年10月23日掲載
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