ずっと愛してます３
羅衣 作
第49話　佳子の打算


　佳子の意識は、唖然と眼前で繰り広げられる肉欲のメリーゴーランドを見つめていた。
　彼女自慢の滑らかで白い肌は見たことがないほど桜色に染まり、肢体に想像を絶する快楽が吹き荒れていることが見てとれる。
　自慢のバストも彼に自由に揉みし抱かれていた。

　今、彼女の肢体を支配する「佳子様」は、いまだかつて男に屈服したことはなく多くの男を喰らい尽くしてきた貪欲な魔性だ。
　その「佳子様」が為す術もなく犯されていた。
　徹は魔性を知り尽くしているとしか思えない所作で、彼女が本能的に逃れようとする体の流れを完璧に先回りして逝かされてしまう。
　そして遂に屈服の言葉を漏らし始める。

「はひぃ　いくぅ　また逝っちゃう」
「やあぁ　あんあんあんだめぇ　いっちゃう　ひぃ」

　パウフッパン！！パウフッパン！！パウフッパン！！
　ぐちゅるぷっぱふっ♪♪
　パウフッパン！！パウフッパン！！パウフッパン！！
　ぐちゅるぷっぱふっ♪♪
　パウフッパン！！パウフッパン！！パウフッパン！！

「ひくぅ。。。。。。。。。。。。。。。。。。」

　もう数え切れないほど逝きまくっていた彼女であったが、とうとう完全に「佳子様」が崩壊した。
　その瞬間、分離して冷静さを装って傍観していた佳子の意識も弾けた。



　どれほど時間が経ったであろう。
　テラスの露天風呂から響く湯の音が心地よいリズムを刻んでいる。

　目を凝らすと眼前に彼の顔が迫っていることに驚く。
　彼の瞳にダウンライトの照明が揺れていて、たちまち引き寄せられてしまう。
　そして未だ自分は彼に組み敷かれて貫かれたままだと気づく。

　ピクンと身体の中で逞しいものが脈動し、自分は女なのだと思い知らされる。

　同時に突き上げるような快感に襲われる。
　佳子は狼狽える。

　いつもなら「佳子様」が真正面に立って、彼女の意識が肉欲の快感に直接晒されることは無かったからだ。
　事態が飲み込めないまま、彼女は再び彼の愛に包まれようとしていた。

徹　　「おかえりぃ♪」
佳子　「あん　えっ　わたし。。。」
徹　　「とっても良かったよ　めっちゃ　素敵だった」
佳子　「。。。。。。。。。あん」
徹　　「ちょっと急ぎすぎたのは　謝るねぇ」
　　　「君が煽るから　焦っちゃったよ　あはぁ」
　　　「これからは　ゆっくり」
　　　「もっと深く　気持ち良く　しよっかっ」
佳子　「えっあん♡　まだするの」
徹　　「なに言ってるの」
　　　「まだあれから３０分も経ってないよ」
　　　「これからだよ　夜は」
佳子　「えっ」

　彼の素晴らしい笑顔にキュンとするが、彼女は緊急事態だ。

　手脚は怠くて力が入らず、腰も重い。
　未だ秘部は奥深くまで繋がっており、まさに串刺しで彼女は完全に捕食されているのだ。
　更にいつもなら彼女の意識を守ってくれる「佳子様」はどこかに行ってしまい、彼女１人で対処しなければならないのだ。

「怖い　このまま　されたら」
「わたし　おかしくなっちゃう」
「もう１人のわたし　どうしたの」


　徹は郁美から「女に刻印刻む要領・極意」を伝承して貰って以来、急速な成長を遂げており、学んだ極意すら咀嚼解釈して応用が出来るまでになっていたのだ。

　そして彼は「美あんず」全員から一身に愛を集める存在であり、鍛え上げた肉体と共に心技体完璧な存在となりつつあった。
　そこに抜きんでた女性に対する思いやりと優しさ、女性の思考に対する造詣の深さ、もはや彼には若さという欠点しかない。

　既に郁美第２の人格「郁美様」を凌駕しうるのは、健二とこの徹しか存在しないのだ。
　ゆえに経験が少ない「佳子様」は徹の前には手も足も出ないのは当然であり、圧倒されて大満足して逝かされてしまったので引っ込んでしまったのだ。
　今の彼と対当しうるのは郁美と亜紀を除くと、未だ発展途上の愛妻敬子だけなのだ。

　そんな徹も先日の村西薫とのアバンチュール以外多忙でご無沙汰であったので、もう元気いっぱい溜まりに溜まっていた。
　最上級のご馳走が自ら寄ってきたのだから、「飛んで火に入る夏の虫」よろしくありがたく食い付いた形であった。

　改めて骨の髄まで彼女を楽しむ。
　可憐な容姿のキーパーツがクリッとした可愛い目と程よいロングヘアだ。
　程よく情感的な唇も素晴らしい。
　そして今頃になって彼女は「美あんず」に対するなにかしらの意図があって自分に近づいてきたのだと察したのだ。
　とはいえ男の肉欲はもう止まらない。

「細かいことは　食べ尽くした後だ！！」


　もうそこからは二十歳そこそこの女の子が卓越した男に一方的に可愛がられて感じまくり逝きまくるだけであった。

　腫れ物と化した彼女は、生まれて初めて男が怖いと思ったことだろう。
　自分は他の女性達とは違うという選民意識が心の何処かにあったのだ。
　「佳子様」という鎧を剥かれてしまえば、普通の女の子に過ぎないということを思い知らされる。

　そして郁美や亜紀達がなにゆえ健二や凌の庇護を受けてチカラを発揮するのかを理解する。
　だがもう手遅れだと諦めつつあった。
　彼女は徹という郁美が育てた「女の狩人」に食べ尽くされてしまうと覚悟した。

「あん　あん　あん　はひぃ」
「あっあっ　いくぅ　いっちゃう」
「やあぁひいっ　あん」

　ぐちゅうぅぅぅるぅバフッ！！
　グチュルゥゥゥばふっ！！
　ぐちゅうぅぅぅるぅバフッ！！
　グチュルゥゥゥばふっ！！
　ぐちゅうぅぅぅるぅバフッ！！
　グチュルゥゥゥばふっ！！
　ぐちゅうぅぅぅるぅバフッ！！
　グチュルゥゥゥばふっ！！
　ぐちゅうぅぅぅるぅバフッ！！

「あん　とっ　とけちゃう」
「ひぃ　くるぅ　ひぃあんあんいくぅ。。。」

徹　　「うほぉ　可愛い♪♪　めっちゃイイ匂い」
　　　「ヒクヒクして　そんなに気持ちいいんだ」
　　　「なら　こうしたら　ふん！！」
佳子　「あひぃ　やあぁ　休ましてぇ」
　　　「おかしくなりそう　溶ける　ひぃ」
徹　　「大丈夫！！　あと少し　一緒に逝こう」
　　　「ふんふんふんふん」
佳子　「あん　またぁあ　熱いのぉあん」
　　　「そんなに奥　しないで」
　　　「また　あん　きちゃう　ひぃひぃあん」
徹　　「うおぉぉぉ　もう止まれないよぉ」

　パゥパン！！パゥパン！！ぐちゅる♪♪パゥパン！！
　パゥパン！！
　パゥパン！！パゥパン！！ぐちゅる♪♪
　パゥパン！！パゥパン！！
　パゥパン！！パゥパン！！ぐちゅる♪♪パゥパン！！
　パゥパン！！
　パゥパン！！パゥパン！！ぐちゅる♪♪
　パゥパン！！パゥパン！！
　パゥパン！！パゥパン！！ぐちゅる♪♪パゥパン！！
　パゥパン！！

「ひいぃいぃぃぃぃぃぃぃぃあん」
「いくぅ　いっちゃう　あんひぃ」
「うほぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ！！」
「あつぅぅぅぅぅぅひいぃ。。。。。。。。。。。。」

　経験したことのない凄い熱い潮流を子宮に直撃されて彼女の意識は四散した。

　太く逞しい肉棒の脈動に肢体はただ痙攣して応えることしか出来なかった。
　薄れゆく意識で今頃彼に生でセックスされてしまったことを気がついていたのだ。

「ごめんなさい　優貴　わたし食べられちゃった」


　徹は、大満足であった。
　腕の中で美しい肢体が小刻みに震えている。
　優しく抱きしめながら頭を撫でながら顔を覗き込み、そこで少々やり過ぎたことに気がつく。
　無許可で中出ししてしまったのも大暴走であった。

　彼女の顔を眺めながら、これからの展開を再構築するべく思案した。
　彼女の意図はともかく教授の論文において彼女は恩人であるのは間違いない。
　その彼女を持てなし慰労するのが今回の目的なのに、彼は彼女を食べし尽くしてしまったのだ。

　２人は温泉から上がってそのまま愛し合ってしまったので、全身汗をかいてベタベタになっていた。
　未だいきり立つ肉棒は、ひとまず矛を収めることにした。
　やっぱり彼女がしっかり戻ってきてからのセックスの方が楽しいし、可憐な女の子を汗だくしたままでは罰当たりだと思った。

「まずは　さっぱり　汗を流そう」
「あとは　それからだな」

　彼の行動は早い。
　まだ意識が曖昧な彼女を抱きかかえると、テラスの露天風呂に移動した。
　そして優しくかけ湯をして彼女を洗い清めていく。

佳子　「あっ　ふうぅぅぅ　ありがとう」
　　　「あとは自分で」
徹　　「じっとしてて　僕が隅々まで洗ったげる」
佳子　「えっでもぉ　恥ずかしいぃ」
徹　　「無理しなくても　しんどいでしょ」
　　　「僕は　こういうの得意だから」

　彼女は正直自ら立ち上がることがまだ出来なかった。
　信じられないほど消耗してしまったのだ。
　だが彼に身体を支えられて洗われる心地よさに無口になってしまう。

「こんなふうに　身体を他人に洗われるなんて」
「赤ちゃん以来よね　うふふ」
「なんという居心地の良さ　守られているって感じ」

　徹は、このような事態を予想していたのか浴室奉仕セットを用意していた。
　美容院特注のシャンプーとリンスで洗髪まで行い、文字通り隅々まで彼女を磨き上げ直した。
　全ては健二直伝の美容師テクニックだ。

　さすがにカットは出来ないが、洗髪、ドライのテクニックは既に一流だ。
　タオルドライ、熱風も強すぎないドライヤーさばきもかなりなものだ。
　髪は女の命とはよく言ったもので、ヘアスタイルが決まるとテンションが上がるのは事実である。
　その頃になると佳子もご機嫌になり饒舌になる。

徹　　「良かった　気に入ってくれて」
佳子　「凄いよぉ　めっちゃ」
　　　「ツヤツヤしてるよ　うふふ」
徹　　「元気になって良かった　ごめんね」
　　　「がっつきすぎた　僕が全て悪い」
　　　「ごめんなさい」
佳子　「こちらこそ　試すようなことしちゃって」
徹　　「それはお互い様」
　　　「まあ　こういうことは全部男が悪いのさ　ね」
佳子　「うふっ」
徹　　「あっそれより　避妊大丈夫」
　　　「やっぱりマズかったよね」
佳子　「それにしても凄かったわ　あんなの初めて」
　　　「真っ白になっちゃった」
徹　　「へえっ？　一様アフターピルあるけど」
佳子　「あっごめんね　心配掛けちゃったのね」
　　　「ご心配なく　今回覚悟してたから　大丈夫」
徹　　「良かった　はあぁ」

　それから２人は意気投合して、夜通しいろいろ語り合った。
　徹は再び多すぎる恋をひとつ増やした形だが、必死で刻印の行使は回避してみせた初めてのケースであった。
　彼は女性の幸せが一番大切だったので、これ以上自分の犠牲になる女性は増やしていけないと成長を遂げていたのだ。
　それでも佳子は徹がすっかり気に入ってしまった。

　徹は佳子に対してなんでも正直に答えてくれた。
　佳子が知りたがっていた郁美のことも、彼はハッキリとは断言しなかったが佳子と同じだと思うと答えてくれた。
　そして、なにもこんな方法を取らなくても、郁美に直接聞けば佳子なら答えてくれたはずと言われてしまう。
　その上で、結果的にはこうなれて僕は幸せ者と喜ばれてしまう。

「ホント　わたし　徹を喜ばしただけだったのかも」

　佳子は、それから再び彼に襲われて一晩中女の悦びを満喫したのは言うまでもない。




　翌朝滞在するホテルに送って貰った佳子は、徹のタフぶりに目眩がする思いだった。
　あれほど一晩中大活躍したのに、笑顔満点でそのまま大学戻ると言うのだ。
　彼女は股間に違和感を覚え心なしかガニ股になってしまうのを必死に隠して自室に転がるように逃げ込んだ。
　そのまま半日寝込んでしまう。
　そんな佳子を起こして現実に引き戻したのが綾小路優貴であった。

　一夜の出来事が本来の佳子を覚醒させ、欲張りなオンナ「佳子」と化していた。
　１度火のついた身体の火照りは、簡単には沈静化しない。
　女は自分が好きだと思ったら、理由もなにもへったくれも無く欲しくなる生き物である。
　今の佳子は自身が選んだ優貴が欲しくてたまらない男であったので、彼が自ら近寄ってきたのは好都合であった。
　彼女は手段を選ばない。
　わざと弱り切った自分を見せつけて、今ひとつ踏み込んでこない優貴を引き寄せようとした。


　優貴は先日からの出来事で佳子が疲弊していると心配していた。
　そして昨日徹とお泊まりで出かけていった姿に、かつてない抱いたことのない嫉妬に苦しんだ。
　三銃士は九条家女子ならではの道楽だと気にも留めていなかったのに、山田 徹は明確にライバルだと感じたのだ。

　彼の同性でも感じる女性への影響力は尋常なレベルでないと理解していた。
　正直、昨日は彼女を引き止めたかったし、引き止めるべきだったと悔いていた。
　さすがに自らＳＰとして同行する勇気が無くて、部下に任せてしまったほどだ。

　昨夜は心配で彼は一睡も出来なかった。
　そして彼の懸念は現実となってしまい、疲弊しきった彼女は帰ってきたと思ったら倒れるように寝込んでしまったのだ。
　彼は今回のことで自分がどれほど彼女に惹かれているか初めて強く認識したのだ。
　もともとは自分の保身と打算で彼女のことを狙っていた筈なのに、ずっとそばに居ることですっかり惚れてしまっていた。

　彼は彼女の全てを中学生時代から影ながら見守ってきた。
　彼女が優秀な姉に負けないように頑張る姿も見てきたし、彼女なりに姉とは違う道を真剣に選択してきたことも誰よりも知っている。
　以前は彼女は彼のことを一使用人としてしか見てくれなかったので、まさに手の届かないお嬢様であった。

　更に幼少からゼウスから養子同然に援助して貰い名家の後継者にも推挙して貰った恩義があるだけに、その方の孫娘に手を出すなど裏切りに等しいと強く自分を戒めたのだ。
　それが一変したのは数年前にＦＢＩ研修を終えて帰国して、シークレットサービスのスペシャリストとして九条家担当総責任者として着任した時であった。

　再会した彼女は今まで見たことが無いほど目を輝かして彼を見てくれたのだ。
　彼女が彼を初めて一流の男と評価した瞬間であった。
　そして彼女は少女からすっかり垢抜けて美しい女性に成長していた。

　現在に至るまでの数年間は楽しくもあったが、同時に苦悩の日々であった。
　日に日に彼女のことが気になるが、まさかゼウスに孫娘を下さいなどと口が裂けても言い出せない立場だからだ。
　それなのに彼女は、日毎彼との距離を縮めようとあれこれ仕掛けてくるのだ。
　彼としては三銃士のような位置づけは本意で無く、あくまで彼女の夫になりたいと願っていた。
　それは自身の野心と保身が理由でもあったが、それが孤児であった彼の究極の成り上がりでもあったのだ。

　だから彼はここまで努力して頑張ってきたのだから、最後の最後で失策は断じて避けねばならない。
　昨日、彼女を止めることが出来なかったことが彼を決断させた。
　一歩踏み出して、リスクを冒すことにしたのだ。
　もはや傍観者に甘んじて放置してはいられない。
　彼女を守るのは自分しかいないのだと、そしてあの天使のような笑顔を独占するのは自分でなければならないと覚悟を決めたのだ。

　当たり前だが独身女性の部屋であり、優貴でも声を掛けても返事が無い状況では無断で佳子の室内に入るのは越権行為だ。
　普通なら担当ＳＰに阻止されるであろうが、彼の場合は部下達も動けないが彼らの目は見ている。
　それでも彼はその禁を破った。
　声を掛けてスイートルームの中を佳子の姿を求めて探し回った。
　その彼が目撃したのは、着衣のままでグッタリとベットにうつ伏せに突っ伏す彼女の姿であった。
　慌てて彼は駆け寄る。


　佳子は彼が室内に入ってきたのには早々に気がついていたし、それを嬉しく思っていた。
　当然この状況を有効活用しようとする。
　本当は最高のセックスで満足して疲れてるだけだが、色々あって疲弊している弱い自分を見せているという設定にしたのだ。

　まさに計算高い女の策略だ。

　好都合なことに、寝苦しかったからブラウスのボタンは全開で下着姿とバスト谷間はバッチリだ。


優貴　「佳子様　どうされたのですか！！」
　　　「大丈夫ですか？」
佳子　「うっうぅぅぅん　ひくっ」
　　　「えぇぇぇん　ぐすん」
優貴　「なにがあったのですか？　えっ！！」
　　　「これは　失礼しました」

　抱き起こした佳子が下着露わであることを知り焦ってしまうが、泣きながら縋り付かれてどうしようもない。
　この姿を誰かに見られたら一大事のピンチだ。

佳子　「優貴さん　わたし。。。。。」
　　　「わたし　もう　限界かも　ぐすん」
優貴　「佳子様　しっかりして下さい」
　　　「なんでも　わたくしに　お申し付け下さい」
　　　「きっとお役に立ちます」
　　　「元気を出して下さい」
　　　「佳子様には　涙は相応しくありません」
佳子　「優貴さん　お願い」
　　　「ぎゅっと抱きしめて　お願い」
優貴　「佳子様　わたくしは　ずっとお守りします」
　　　「お誓いします」
佳子　「もっと　ぎゅっと」

　心なしか震えている佳子の肢体が優貴の退路を奪っていく。
　そして胸の谷間から香る甘い吸引フェロモンが彼の揺らいだ自制心を溶かしていく。
　もともと自ら佳子との距離を縮めたい、その時だと踏み出していただけに、彼女の巧みな誘惑にいとも簡単に引きずり込まれていく。
　涙がたっぷり湛えた佳子の瞳が彼の最後のブレーキを破壊してしまう。
　彼は気がついた時には唇を重ねていた。


　綾小路優貴は、ＳＰ・警察官僚のスーパーエリートであるが、その資質と能力だけでゼウスが抜擢して子飼いとして育ててきたのではない。
　色事においても「会」のスーパースターたる天賦の才がある逸材と高く評価された点も忘れてはならない。
　九条家は訳があって現在次世代層に男子が恵まれていない。
　まさにその事態を想定して対処するときに必要な人材として育成してきたのが彼なのだ。
　後は彼を一族に波乱無く向かい入れるかが懸案であった。

　策を練っていたゼウスを予想外な展開が待っていた。

　孫娘、佳子が目敏く彼の天賦の才に目をつけて惹かれていったのだ。
　彼女が優貴との結婚について許しを請うてきた時には内心してやったりであったのは言うまでもない。
　佳子も優貴も、２人ともゼウスが願った方向に引き寄せ合ったのだった。

　そして遂にスーパーエリートがベールを脱ぐ時がきたのだった。


つづく
【前頁】/【次頁】
あなたのひと言が作者の励みとなり、新たな作品が生まれます。ご感想宜しくお願いします。
羅衣さんの作品集→羅衣さんの他作品
2020年12月18日掲載
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