ずっと愛してます３


ずっと愛してます３羅衣作
ずっと愛してます３　第5話　開幕５　ダニエルは呆然自失してしまい、女性上位で跨がられて黒棒を思うがままに喰らい尽くされていた。　ＡＶ男優としてデビューして以来、黒い生殖器として勇名を馳せたプライドは見事に粉砕されてしまった。　女という生き物を知り尽くしたと勘違いしていたことを思い知らされた。　凶器といえる黒棒とバスケットボールで鍛えた抜群の身体能力で、絶倫ともいえる精力と驚異的腰の運動が武器で生けるセックスマシンの名を欲しいままにしてきたのだ。　それがたった1人の日本人若妻の前に、無残な敗北を喫したのだ。「スゴイデスゥ　ビジンナウエニ」「スバラシイ　アソコデスゥ」「オチンチン　トケソウデスゥ」「カラダガ　オクトバシー　ソウ」「ヤワラカクテ　スイツキソウデ」「ヤミツキデス　ホシイデス」「ボクハ　アフロディアサンノ　シモベデス」　自信喪失のダニエルであったが背筋を貫く快感に黒棒は萎えるどころが、ますますギンギンにそそり立てていた。　彼の毛深く黒い両手は、張りがあって豊かなマシュマロのようなオッパイを思うがままに揉んでいた。　見ている者達は彼女が黒棒に魅了されて屈服して喘いでいると誤解しているであろうが、実際の主導権は彼女にあって、彼は津波のように襲いかかる射精感に飲み込まれないように必死に耐えているだけであった。　目を瞑って快感に身を任せてしまったら、瞬殺される極楽浄土が彼を包んでいたのだ。　今では現実と実感できるものは、手の平にあるオッパイだけであって、もしそれがなかったら奈落の底に落ちそうな性感の深淵が背後に迫っていたのだ。　ダニエルは、順風満帆、我が物顔で、男として欲しいままにしてきたのだが、生まれて初めてセックスで圧倒されて追い詰められる感覚に狼狽えていた。　蜜壺の具合が良いなどと生易しいものではなくて、内腿の肌が吸いつくような錯覚を覚える感触で、さながら彼女の下半身が全て性器と化しているような気持ち良さを生み出していた。　例えるなら人間サイズのイソギンチャクに、下半身を喰われているような感覚なのだ。　どんどん下半身が溶かされて消化されるような、背筋がゾクゾクするような底無しの深い快感に飲み込まれていた。　既に一発抜かれていて、再び続けて抜かれては、このステージ中には復活できないほどの大ダメージとなるのは必至であった。　不意に彼女と目線が交錯する。　ダニエルは、彼女の瞳に落胆の色が浮かんでいることを瞬時に見てとった。　今までセックスした女性達は皆歓喜に包まれていたのに、彼女の反応は真逆のものであると感じたのだ。　その認識は、彼にとっては驚きと共に危機感を強く刺激するものであった。　経験したことがないような焦燥感が全身に駆け巡っていた。　同時に今自分が置かれている状況を自己分析する。　ダニエルは、これまで築いてきた自身の存在意義を水泡に帰す恐れがある失態を演じようとしている崖っぷちに直面していたのだ。　若妻を抱いて普通に悦ばす黒人など、星の数ほどいるのだ。　そんな中で多くの女達を悦ばして、ライバルを押しのけて、黒いセックスマシーンとしてのし上がってきたのはなんであったかを自分に問い質していた。　とはいえ今身体に駆け巡る快感は経験したことがないほど気持ちよいものであって、１度ヒートアップした射精感を押さえ込むのは並大抵のことではない。　なにより自分にのし掛かっている美女は、西洋文化が融合した新しい日本人女性の美を体現したような魅力的な肢体で襲いかかってくるのだ。　それでも数年に渡って日本ＡＶ業界で勇名を馳せた黒豹が、美女を失望させているという自覚によって息を吹き返した。「イッテハダメデス」「コレホドノ　ビジョニ　キタイサレテイルノニ」「ゴメナサイ　ダニエルハ　ユダンシテマシタ」「ガンバリマス！！」「キット　アンアン　イワセテミセマス」　グチャルゥゥゥプゥゥゥゥゥゥパン！！　グチャルゥゥゥプゥゥゥゥゥゥパン！！　グチャルゥゥゥプゥゥゥゥゥゥパン！！　グチャルゥゥゥプゥゥゥゥゥゥパン！！　グチャルゥゥゥプゥゥゥゥゥゥパン！！　グチャルゥゥゥプゥゥゥゥゥゥパン！！　鑑賞していた者達には、それは唐突に始まったと思えたことだろう。　日本人男性では決して行うことが無理であろう、ダニエル十八番の高速ピストン地獄突きが蘇ったのだ。　黒人の遺伝子に織り込まれた抜群の運動神経とスタミナがあってこその荒技であった。　この性技を受けて冷静を保てる女性がいるとは思えない腰が入った激しいものであった。　敬子にすれば期待外れだと落胆して油断していただけに、突如蘇ったモンスターの咆哮に度肝を抜かれた。　女性上位だというのに、正常位に匹敵する肉質を伴った重い打ち込みが女芯を捉えていた。　敬子の余裕は一瞬に消失してしまい、思わず歓喜の声をあげてしまう。「はぁん　そう　これよ　これよ」「あん　焦らしすぎよ　はぁん　あん♡」「あん♡　身体が熱い　あん」　不意に乳首を摘まれた途端に彼女の理性は崩壊した。　本性を現した黒豹が躍動して、彼女を引きずり倒してのし掛かってきた。　女体の柔肉にむしゃぶりつく獣ような荒々しさが彼女のＭ性にスイッチ入れてしまう。　２人の手と手が絡み合い、唇を求め合い、獣ような情熱的なセックスが見る者達を圧倒していった。　ダニエルはＡＶ男優として積み上げたものを全て捨てて、目の前の女体を満足させることに全力投球した。　例え、このまま廃人となっても後悔など一切無かったのだ。　彼女ほどの女体に出会うことなど、二度とないと確信していた。　もうダニエルは人生の全てを彼女に捧げる覚悟を固めていたのだ。　だからこそ全身全霊のハイパー高速ピストン地獄突きを狂ったように打ち込んでいたのだ。「ダニエルハ　ダニエルハ　デアッタノデス」「ウンメイノヒト　アナタノタメ　イキテイキマス」「タトエシンデモ　イインデス」「イッテクダサイ　カンジテクダサイ」「ドンドンイキスヨォ！！」　恋の中で、それまで意識したことない複雑な感情と経験したことのない背筋がゾクゾクするような興奮が渦巻いていた。　未だかつて女性の肢体がこんなに官能的だと感じたことはなかったのだが、手に吸いつくような滑らかな感触に戸惑っていた。　男性とは異質な甘美な香りが、全ての緊張を解きほぐしてくれてリラックスして心地よいのだ。　唇の感触も、とても柔らかくて、舌の感触もなにもかも異質であった。　不意に彼女の中で、初めて郁美に出会ったときの思い出が走馬燈のように蘇っていった。　恋は、父が銀行員だった関係で東京の世田谷区という都心近くの都会から、いきなり九州の地方都市である長崎県長崎市に高校２年生という時期に転校してきた。　東京では有名大学附属学校に通っていた彼女だが、愛娘を溺愛する父親が手放すことを良しとせず、無理矢理転校させたのだ。　彼女にすれば、多感な時期に友人達と離れることは相当辛かったに違いない。　そんな彼女を優しく迎えて、なにかと面倒見てくれたのが学級委員をしていた郁美であった。　恋は、郁美に出会って衝撃を受けていた。　彼女の知る同年代の女の子は、今風のギャル語を駆使して、お化粧したり、流行廃れに敏感な子ばかりであった。　それに対して郁美は、それまで出会ったことないお金持ちのお嬢様で流行廃れに全く無縁の存在であり、同性の彼女から見てもドキドキしてしまうほどの美少女であった。　同性でありながら、澄んだ大きい瞳、思わず見つめてしまい意識してしまう肉感的な唇、全てが出会ったことがない美しさであった。　郁美は、なにかと活動的で成績もトップクラスであったので、高校のアイドル的な存在であり彼女に想いを寄せる男の子も多かったのだが、破格のお金持ちのお嬢様ということもあって高嶺の花であった。　恋は、そんな彼女が転校生であった恋を気遣って面倒をみてくるという状況に、独り占めするようで内心嬉しく思っていたのだった。　そんな至福な時は、郁美に年上の彼氏が出来た頃に唐突に終わりを告げる。　郁美は、日に日に孵化した蝶のように大人の色香を身に付けていって、少女から女に変わっていく過程を目の辺りにした恋は複雑であった。　当時の恋には、自身の心の奥底で芽生えた女性が女性を好きになる気持ちを、どう理解して良いのか整理がつかなかったのだが、郁美の彼氏に激しい嫉妬心を感じていたのは事実であった。　同時に郁美のそばに一緒に居たいという単純な欲求から始まって、同じ経験を経て同じものを見て同じように感じたいという当たり前の感情と結びついて、郁美の兄である達也からの援助交際の誘いにのってしまうことになったのだ。　ある意味、恋は箱入り娘であり奥手な女の子であったので、セックスに対する予備知識は乏しかったので、体験したことによる衝撃は小さいものでは無かった。　たちまちセックスの快楽に溺れて夢中になってしまった。　気持ちよくて、さらにはお小遣いも貰えるのだから、病みつきになってしまう。　達也は容姿端麗でお金持ちのお兄さんという感覚で、不思議と援助交際の罪悪感を抱かせないのだ。　そして次第に彼女は真剣に達也を愛するようになっていったのだが、高校卒業間際に２人は別れることになった。　達也が他にも数人、援助交際をしている事実を知った彼女が彼を責めた結果の悲しい結末であった。　数年経ったある日、偶然再会した２人は初めて恋人同士として付き合い始めたのだ。　恋は達也と別離してからも、彼のことが忘れられずに過ごしていて、その頃には長崎市の繁華街、浜町にある地方銀行員として働いていた。　その銀行を達也が訪れた際に、恋は偶然にも担当者のアシスタントとなったのだ。　２人が旧知の仲であることを知った銀行サイドは、峰家との取引を拡大することを願っていたので、積極的に利用しようとしたのだ。　気持ちが残っている彼女は複雑であったが、変わっていない達也に再び心惹かれてしまう自分を抑えることが出来なかった。　彼の性癖、人となりを知っているにもかかわらず、愛している気持ちの前には小さいことに感じたのだ。　達也は、諸事情で最愛の妹と別れて暮らさなければならない事態に、やや迷走気味であった。　それだけ妹に対する依存度が高かった証拠であるが、「良いお兄さん」を演じつつける必要があった。　妹がそばに居なくなった時点で援助交際する意義すら消失してしまい、禁断の性癖と共に迷走していたのだ。　まさに、そんな時の恋との再会であった。　彼女は妹に最も近い存在でありながら、初めて達也に１人の女性だと意識させてくれた存在であった。　援助交際の関係でありながら、彼に真っ直ぐな愛をぶつけてくれたのは彼女だけであった。　その彼女も、もう立派な銀行員に成長して、再びに目の前に現れたのだ。　達也は迷うことなく、恋を自分のものにした。　恋は、それはそれで幸せではあったが、結果的に達也の性癖に付き合わされることになってしまった。　やがて彼の奥底にある禁断の愛に気がついて驚愕してしまう。　実の妹に対する異常な執着心、ストーカーのような粘質な拘り、それは普通の感覚では理解出来ない感情であった。　しかし恋の中で、常識とは真逆の嫉妬心が芽生えていたのだ。　普通ならば達也を巡っての郁美に対する嫉妬心となるであろうが、彼女に芽生えたのは郁美を巡っての達也に対する嫉妬心であった。　郁美は、今でも恋にとっては敬愛すべき同級生であった。　そんな複雑な感情は本人が自覚していないので、恋自身の行動を迷走させる結果となった。　そして郁美との甘いくちづけが、唐突に恋に自身の本心を気づかせることになったのだ。　彼女の中で驚きと共に、感動が急激に広がっていた。　確かに達也を、夫として、男性として、愛しているという気持ちはあるのだが、そのベースにあるのは彼の妹である郁美への思慕の感情であったのだ。　多感な少女時代に直面にした転校という耐えがたい環境の変化を乗り越えようとしたときに、優しく手を伸ばして助けてくれた美少女への熱き想いはマグマのように決して冷えることなく心の奥底に潜んでいた。　１度溢れ出した同性愛のマグマは、戒めを失って表面化してしまう。　ずっと胸の内に秘めていた気持ちが、どっと言葉となって溢れ出した。　男性はコミュニケーションが苦手なので行動で示しがちな点と決定的に違うのが、女性はコミュニケーション能力が高いので言葉で共感して愛を確かめ合う。　言葉で通じ合うので、ある意味ストレートであって、惹かれあっていた２人はたちまち深く結びついてしまうのだ。　２人の間を隔てていた５年間ほどの時間は、たちまち埋められていった。　双方で生じていた疑念、違和感は、相互理解と共に確かめ合った愛が解決してしまった。　お互いの身体を重ね合い、唇を貪り合った。　手の平に感じる柔肌が迷走していた恋の心に染みていった。　長く秘めていた想いの封印をとった開放感が、彼女を自由にした。　彼女は初めて郁美に出会った頃から、ずっと好きだったのだ。　同性ゆえに、あえて言葉にすることを遠慮しただけであったが、郁美の目が男性に向いていることを知った時から全てを封印していたのだ。　郁美への想いが、そのまま彼女に近い達也への気持ちに変化するのは自然な流れであった。　そして普通でないにせよ、結果的に郁美にたどり着いたのだ。　郁美にすれば、初めてであった頃の恋は都会育ちの可愛い女の子で、どちらかというと排他的な地方の高校生社会にうまく溶け込めないでいる存在であった。　郁美は学級委員をしていたので、初めは立場上の責任感から彼女と交流していたのが正直なところであった。　しかし次第に彼女が郁美達が持っていないなにかを持っている存在と感じ始めていた。　まさに、そんな時に、郁美は岩永健二と出会って夢中になってしまう。　もう当時の郁美には、彼以外のものがなにも見えなくなっていた。　学校の成績はトップクラスであった郁美であったが、好きな人の「お嫁さん」になることしか興味がなくなってしまう。　望む進学が自由になるほどの成績ながら、周囲をガッカリさせるような平凡な進学をしてしまうのだ。　そして一方的に彼に逃げられてしまう。　失意の郁美は、全く余裕などなく迷走していったのだった。　郁美が冷静に周囲の事柄に気を向けるようになったのは、就職して神戸に移り住んだ頃からであった。　周囲には彼女こと、経験したことを一切知らない人達ばかりであって、それが彼女に心の余裕をもたらした。　そうなると地元に残してきた人達のことが気になる、恋しくなるものだ。　１年半ほど経った頃に達也から恋と結婚したと事後報告を聞かされたときの驚きは小さいものではなかった。　達也が恋とお付き合いしていることは薄々感じていたが、兄が昔から繰り返している行動に過ぎないと思っていたからだ。　それが、まさか結婚するところまでいくとは想像だにしていなかった。　兄は昔から、どういう訳か、郁美の同級生と仲良しになる事が多くて、彼女は違和感があったのだ。　達也は、妹の郁美から見ても容姿端麗で、おまけに地元では有数のお金持ちの跡取り息子であるから、中学生時代から縁談の話が持ち上がるほどの存在であった。　郁美が高校生の時に、達也は九州大学経済学部を首席で卒業して、父親が経営する会社グループに御曹司として意気揚々で入社した時期であった。　そして、うまく行っていなかった幾つもの事業を立て直してみせて、あっという間に父親を凌ぐ勢いでカリスマ性を発揮し始めた時期でもあった。　だから自慢の兄であったし、同級生の女の子達から憧れの目で見られていることも十分承知していたのだが、それでも違和感は隠しようがなかった。　恋と達也の結婚を知って以来、郁美の中で理不尽ともいえる気持ちが芽生えつつあった。　郁美にとって恋は青春ど真ん中の存在であったし、健二と出会わなかったら、もっと近しい存在になっていた筈であった。　その彼女を独占して妻とした達也に、複雑な嫉妬心が火をともしたのだ。　実兄とはいえ、少女時代の思い出に土足で踏み込まれたように感じたのだ。　女は本質的には嫉妬深い欲張りな生き物であって、自身が手放した存在を誰かが手に入れたと知った途端、本性を現してしまう。　とはいえ身近にいる存在でなかったので、時が経つにつれて諦めが入って具体的に動かなかったのだ。　それが兄夫妻が「会」の一員に名を連ねていることを知った時から、その感情が再燃していたのだ。　まさにそんな時に訪れたチャンスであり、郁美は迷うことなく欲張りなオンナとして行動したのだった。「恋　あなたは　わたしだけモノよ」「ずっとそう　高校２年生の　あの日」「出会ったときから」「わたし達　結ばれる運命だったの」　恋は敏感に郁美の気持ちを感じ取ってしまう。　女同士、もはや言葉は必要ではなかった。　朱に染まった柔肌が重なり合って、２人を隔てた数年の年月を超越して溶け合っていった。　２人の肢体を通り過ぎた男達の記憶が走馬燈のように駆け巡っていく。　スポットライトの強い光が、２人の芸術のような白い肌を透かしていく。　官能を知り尽くした女豹がお互いを貪り合う様は、男性が目にしたら自信喪失するような官能美に包まれている情景である。　そんな２人を、満面の笑みを浮かべて見つめている人物がいたのだった。つづく
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2020年2月14日掲載
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